新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO1386 独立を目指す友人に


投稿者 Hさん  投稿日時 2016. 8.18 AM 4.40


こんにちは。いつもゲンさんのコメントを楽しみに拝見させて頂いております。

私もこの業界に今年の11月で丸8年になりますが。紆余曲折ありましたが、今では大所帯の販売店にて店長をやっております。

先日、販売店店主になりたいと勉強の為入社していた後輩が、『相談したい事があるので、聞いてもらえませんか?』…何やろ?と思い聞いてみました。

本社担当と代表とで、やるかやらないかの決断を迫られているのですが、今、預かっている店の経営状態も教えてくれないし、儲かっているかどうかもわからない。もう少し、長く見ていたのなら多少なりとも分かるかもしれないが、預かって1年ぐらいでは、詳細には把握出来ない。なのに、ガンガン押して来るには、何か不安に感じたようです。

私が客観的に見た印象ではありますが、かなり過疎が進んだエリアで、配達もかなり大変なエリアです。

1000そこそこの部数で8人の配達人がいることを考えても、お解り頂けると思います。私の会社における立場としては裏でどんな策略があるにせよ、独立を勧めるのが良いのかもしれません。

うわべだけで『俺より先に独立なんて羨ましいなぁ…』なんて言った方が当たり障りないのかもしれません。

私は以前、飲食店経営をやっていまして、その当時の経営に対する考え方の甘さから、痛いレッスン料を払いました。だからこそ、新聞販売店経営の不透明さや補助ありきの依存体質には、自分でやろうとは思いません。

時代が変われば取引制度も変わるのかもしれませんが、今のままで独立しても先の展望は開けないと思います。

私も、自分自身の持論を他人に押し付けるつもりはありませんが、本社担当は独立させる事で、自分の成績になるような感じで、そんな事で一人の人生を棒に振るような事をさせる訳にはいきません。

今の販売店店主の方々には失礼承知で言いますが、経営者として当事者意識が欠落しています。何でも本社の仰せの通り致しますでは、遅かれ早かれ食い潰されるか、干されるかです。

私も、何度か販売店やりませんか?とのお誘いがありましたが、その度に丁重にお断りしました。

『やります』と言って後から、実は儲かってない店なんやけど補助するから大丈夫。なんて言われても信用出来るわけありません。

ゲンさんにお聞きしたいのですが、新聞販売店店主になりたい友人に客観的な意見をアドバイスしてやりたいと思いますので、是非ゲンさんからもよろしくお願い致します。


回答者 ゲン


『新聞販売店店主になりたい友人に客観的な意見をアドバイスしてやりたいと思います』ということのようやが、友人に客観的な意見やアドバイスをするのは難しいと知っておいて欲しい。

『私も、自分自身の持論を他人に押し付けるつもりはありませんが、本社担当は独立させる事で、自分の成績になるような感じで、そんな事で一人の人生を棒に振るような事をさせる訳にはいきません』と考えておられるのなら、よけいや。

どうしても友人のためという思いが強くなるさかい客観性は保ちにくい。おそらく、あんたの結論としては『その友人のためを考えれば新聞販売店店主を引き受けるのは止めておいたほうが賢い』と考えておられるのやないかなと思う。

その思いが強ければ、どうしてもその方向に話を進めやすい。それをアドバイスと誤解される人がおられるが違う。一方的な結論に向けての誘導は「説得」になる。説得をアドバイスとは言わんわな。

どうすればアドバイスになるのか。それには最初に『お前は、どうしたいんや?』と尋ねることから始められることや。

何でも、そうやが、やるか、やらんかの判断は、その個人の意志に任せることや。その意志次第でアドバイスも違うてくるさかいな。間違っても、あんたから先に「止めとけ」てなことは言わん方がええよ。あんた自身の考えを言うのは極力抑えることや。

その友人の方は、そんな人ではないとは思うが、万が一、「○○さんが、引き受けない方が良いと言っていたので止めておきます」と言うて、あんたの名前を表に出した場合、あんた自身が窮地に立たされる可能性があるさかいな。

アドバイスをするにも、それなりの要領、ポイントというものがある。ワシは、どんな相談でも、まず最初に、相談者の方が「どうしたいのか?」ということを訊き、その意志を確かめることにしている。

アドバイスは、それに沿ったものにする。そして、なるべくなら、いくつかの選択肢を示す。その中から選択させる。あるいは、それ以外の方法を、その本人に考えさせる。

そうすれば、どんな結論、決定になったしても本人の意思ということになるさかいな。本人の意思で決定したものなら、どんな結果になろうと、その本人も納得できるし、相談した相手を恨むこともない。

今回の場合であれば、その友人の方が、『新聞販売店店主になりたい』意志は十分あるのやが、『預かっている店の経営状態も教えてくれないし、儲かっているかどうかもわからない』ということがネックなら、本社担当と代表とやらに「その点について詳しく教えてくださいと尋ねてみたらどうや?」と言うてみるのが、その選択肢の一つになる。

「そうします」と、その友人の方が言えば、本社担当と代表の答え待って判断するようアドバイスすればええし、「そんなことは訊ける雰囲気ではありません」と言うのなら、「もう少し考える時間をください」と言って先延ばしする方法があると教えたらええ。

あるいは、本社担当と代表が『ガンガン押して来て』結論を急がせられるのであれば、「今の状態では、お引き受けできる自身がありません」と言うて逃げる手もある。

そういう選択肢を示すことや。その中から自身にとって最も良いと思う方法を選べと。

確かに『1000そこそこの部数で8人の配達人がいる』、『新聞販売店経営の不透明さや補助ありきの依存体質がある』ことなどを考えれば『今のままで独立しても先の展望は開けない』やろうと、ワシも思う。限りなく失敗する確率が高いと。

しかし、『1000そこそこの部数』から数千部、数万部の販売店に育て上げた人間も、この業界には現実に存在するさかい、すべてが「あかん」ということでもない。その人間の頑張り次第という側面がある。

また、その可能性があるのならチャレンジしてみたいと考える人も中には、おられるやろうと思う。

そういったことなども選択肢に加えて、その友人にアドバイスされたらええのやないかな。何度も言うが、最終判断は、その友人ご本人の意志に任せることや。


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