新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.1390 これって良くある対応なのでしょか?


投稿者 こんさん  投稿日時 2016.10. 6 PM 10:21


はじめまして。A紙の販売店にて専業をやっています。よろしくお願いします。

先日、営業してましたら、とあるお客様から土日だけ新聞読みたいので、土日配達のみで購読料千円にしてくれれば取ってもいい、と言われました。

ウチの店ではN経やスポーツの読者で土日だけA紙が読みたいという顧客に対してはプラス千円で土日だけA紙の配達は実際にやっています。件数はそんなにないですが。

ただA紙単独で土日のみの配達と言うのは出来ないと「ウチは月ぎめだけでして」と話しました(後に念のため店主に確認しましたが、もちろん不可でした)。

そうしたら「転勤で日本全国あちこちで新聞を取ったが、どこでも土日のみ配達を千円でやってくれた。お宅のとこだけだ、そんな融通が利かないのは」と言われドアを閉められました。

果たしてウチが融通利かないだけで全国的にはそれがまかり通っているのでしょうか?


回答者 ゲン


『転勤で日本全国あちこちで新聞を取ったが、どこでも土日のみ配達を千円でやってくれた。お宅のとこだけだ、そんな融通が利かないのは』というお客の言い分は、おかしい。

ワシの知る限り、そんなことをしているA新聞の販売店の方が全国的に見れば圧倒的に少ないと思うがな。

新聞には再販制度というものがある。再販制度に指定されている新聞は、製造元である新聞社が販売店に対して販売価格を設定できると法律で決められている。

A新聞社の場合ならA新聞の販売店に対して、朝刊と夕刊を顧客に毎日欠かさず届けることを条件に新聞社の決めた宅配料金を定価として販売させているというのが、それや。

つまり、値段や販売方法について、すべての決定権が新聞社にあるということやな。

新聞社の反対を押し切って、あるいは新聞社の意向に逆らって個別に価格を設定して新聞を販売すること自体が法律違反になるということや。

一般の商品の場合、「メーカー希望小売り価格」と表示されることはあるが、商店は、その価格で売らなくとも特段、法律によるお咎めは受けない。

むしろ、価格を設定した製造元、卸元の方が独占禁止法違反の罪で罰せられる。そのため「メーカー希望小売り価格」としか表示できんわけや。

しかし、新聞には、それが適用されない。反対に、小売り業者に該当する新聞販売店が勝手に値段をつけて売ることが禁じられている。これを法定定価と呼んでいる。

今回のケースで言えば、新聞社が認めない限り『土日のみの配達と言うのは出来ない』、『ウチは月ぎめだけでして』と答えるしか販売店にはできんということになる。

『後に念のため店主に確認しましたが、もちろん不可でした』というのも、当然、そうなる。

新聞社では「月極めで毎日配達すること」というのが基本になっているさかい、『土日のみの配達』を認め、容認することはまずない。

念のため、ハカセが、この客になってA新聞社の購読受付窓口に「土日だけA新聞を購読したいのですが月千円で配達して貰える販売店を紹介してくれますか」と尋ねたところ「当社では、そのような配達は行っていません」とニベもなく断られたとのことや。

したがって、A新聞社として公式な見解は『土日のみの配達はしない』ということになる。

もっとも、影に隠れて、その客の言うような対応をする新聞販売店が存在しないとは言い切れんが、普通は、あんたのように断るケースが多い。

ただ、程度の悪い拡張員や販売店従業員などの勧誘では、その客の言うようにしているケースも希にやが、あるという。

どういうことかと言うと、『土日配達のみで購読料千円』を月極め契約として受けたことにして、足らずの購読料金を拡張員や販売店従業員自身が負担することで、正規の契約をあげたとして、その勧誘員の成績にしようとするためや。

朝夕セット版やと約3千円、朝刊のみの統合版地域の場合は約2千円の負担になるが、『土日配達のみで購読料千円』を希望する客はサービス品を要求するケースが殆どないからその分が浮くし、貰える拡張料を差し引けば、負担額もかなり減るということで、そうする者もいるのやと。

まあ、「爆カード」と言うて、「新聞代は、こちらで払いますから契約してください」てなアホな勧誘員がおるさかい、そういう人間にとっては渡りに船の客ということになるのかも知れんがな。

そういう勧誘員とばかり遭遇していれば、『お宅のとこだけだ、そんな融通が利かないのは』と言い出す客もおるやろうと思う。

あるいは、そんな要望など聞き入れる販売店などないのを承知していて、そう言えば簡単に断ることができる断り文句の一つとして考え出されたものかも知れんがな。

いずれにしても、総体的には『果たしてウチが融通利かないだけで全国的にはそれがまかり通っているのでしょうか?』というようなことはないから心配せんでもええということや。あんたの対応は間違っていない。

どのみち、『転勤で日本全国あちこちで新聞を取った』という程度の客は、所詮、一過性、一見客に過ぎんから、どれだけ要望を聞き入れようとメリットはないと思う。利益率も殆どないに等しいしな。

相手にするなと言うと語弊があるかも知れんが、あんたの店の方針どおりにすれば、それでええと思うよ。


白塚博士の有料メルマガ長編小説選集
月額 216円 登録当月無料 毎週土曜日発行 初回発行日 2012.12. 1

ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集 電子書籍版パート 
2011.4.28 販売開始 販売価格350円
 

書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでも選集』好評販売中


ご感想・ご意見・質問・相談・知りたい事等はこちら から


Q&A 目次へ                                 ホーム