新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.143 購読休止期間の扱いに関して
投稿者 Key さん 投稿日時 2005.8.31 PM 6:40
ゲンさん、ご教示願います。
某A新聞の件ですが、休止期間の扱いに関してです。
当月は10日休むので事前にその旨を配達所にもうしておきました。その時点で"その間の新聞はどうするか”とのみ聞いてきて、後に述べる減額対象の件に関してはなにもいっておりませんでしたので"いらない”とだけ告げました。
果たして月末、集金員が "今後休止の場合1週間は差額の対象になりません。”として残りの3日分だけ減額していきました。 その際にどういう計算か理解できないのですが、休止後の金額は一部160円になりますということでおそらく、購読日が28日(しかし実質的には新聞を受け取ったのは21日のみ)、フルのセット料金3925円に対して、結果的に3200円の請求でした。
本件にかんしてA社の契約書裏には"おしらせ”欄で"ご不在の際の新聞取り置きが不要の場合は当該月の購読料は 新聞1部売りX配達日数=ご請求金額"という事なので残りの7日も減額していただけますか?と尋ねると"では一部180円で計算してよろしいですか?”とのことでした。
そうすると180円X21日=3780円となってしまいます。よく計算方法がわからないのですが、もう少しシンプルに3925−126.6円(3925円/31)X10=2659とはならないですかね?
3ヶ月前に同じ新聞社で所長が変わる前はこの計算方法でした。
ご教示ください。
回答者 ゲン
このことに関しては、なかなか納得できんことやと思うが、この販売店の言うてることは、普通、一般的な対応やということになっとる。
それには、購読料金の決め方から説明せんと分かり辛いやろと思う。新聞1部売りの定価は、朝刊130円、夕刊50円と決められとる。駅売りやコンビニがそうやからな。両方で180円ということになる。
これをそのまま1ヶ月計算すると、180円×30日×消費税5%=5670円 ということやが、宅配の月決め契約者に限り、それを、特別に3925円でサービスしとるというのが、新聞社のスタンスなわけや。実に1745円もの値引きになる。
その内訳は、3748円×消費税5%=3924.9≒3925円ということや。これは、あんたの所と同じセット価格での場合やが、全国版と言うて、朝刊のみの地域ではまた違う。
全国版になると、2864円×消費税5%=3007.2≒3007円ということや。こちらは朝刊だけやから、130円×30日×消費税5%=4095円となり、1088円の値引きということになる。
新聞社と販売店の暗黙の了解で、このサービスを有効とする条件として、1週間という期間を設けとる。1週間以内は同一価格にしようという取り決めや。
つまり、23日から30日までの購読は、値段が一緒やという理屈や。せやから、あんたの場合は、10日間の休止にも関わらず7日分は除外して、3日分だけの値引きとなったわけや。
但し、ワシも「休止後の金額は一部160円になります」と販売店が言うてるということやが、その根拠は良う分からん。これは、おそらくこの販売店単独か、その地域のその新聞社系列の販売店の合意でそう決めとることやないのかなと思う。
しかし、これら上記のことは、一方的な取り決めや。契約書にもそういう記載はないし、新聞社のサイトにもそういう記述は一切ない。このことに関して聞けば答えるという程度や。
消費者契約法の第十条に消費者の利益を一方的に害する契約は、無効とすると明記されとる一文がある。
この場合の、一方的利益の侵害というのは、購読していない1週間分の新聞代も徴収するということがそれや。その理由はどうであれ、結果的に未配達の新聞代を請求しとるわけやからな。それは、法律で認められとらんということや。
しかも、そのことを契約書にも明記しとらんというのは問題や。このことについて、裁判所で争えば勝てるのやないかと思うが、残念ながら、そういう判例はない。少なくとも、ワシは知らん。
もし、誰か勇気と金と暇のある人がおられたら、一度、判例作りにでも、その裁判に挑戦されてみてはどうかと思う。もっとも、結果の保証はせんけどな。
その場合は民事裁判で損害賠償訴訟になるから、被害を受けたということが必要や。その金を実際に払い、その請求書と領収書を貰わなあかん。せやけど、この場合、訴える相手は、その販売店にしかならん。
新聞社は、契約に対しては一切関与せんというのが、表向きの姿勢やからな。せやから、今回の件も例えあんたが、それは納得できんことやと新聞社に言うても「それは、販売店の方とご相談下さい」とやんわりとかわされるだけや。
こういう問題は、絶対の決まりがあるわけでもない。販売店毎でいろんな対応がある。また、販売店でも、客により違うということもある。言えば、販売店の経営者次第なわけや。
『3ヶ月前に同じ新聞社で所長が変わる前はこの計算方法でした』というのもそうや。普通に考えて、こういうことは、以前のやり方を踏襲しといた方が、販売店にとっては得策やし、無難なんやけどな。少なくとも、その地域の客は、それが当然と思うてるわけやからな。
こういう、問題は他でも起こる可能性は大や。おそらく、十人中十人が、気分を害することが考えられる。次回の契約延長は難しくなることも予想される。こういう対応を続ける限りは、客も逃げるやろなと思う。
それも、販売店の請求、3200円とあんたの支払い希望、2659円との差は、僅か541円しかない。
例えば、それで、客を逃がしたとする。一度逃がした客を、再度、顧客にするためには、その契約月数にもよるが、拡張員契約になった場合、1万円から1万数千円の営業経費が必要になる。えらい出費増や。
それでも帰って来れば、まだましやが、一度、気分を害した客は、例え、ベテランの拡張員でもそれを翻意させるのは厳しい。そう考えれば、こういう対応はできんはずなんやがな。
あんたの対応やが、納得できんかったら、できんと言うしかない。今までと違うことを勝手に決めるなとな。
おそらく、販売店が言うのも、冒頭に説明した内容やと思う。そういう決まりやからと言うはずや。せやけど、その決まりは、勝手に作ったもので、勝手に変更されたものや。周知のこととは違う。
また、契約書を楯に主張してもええ。契約の基本原則は、契約書に明示されとることを履行することにある。裏を返せば、書いてないことの請求は違法ということになる。
この件で言えば「休止の場合1週間は差額の対象になりません」というのがそれや。どこの新聞の契約書にも、こんな文面のある所は皆無のはずや。
『ご不在の際の新聞取り置きが不要の場合は当該月の購読料は 新聞1部売りX配達日数=ご請求金額』と確かに契約書に書かれてあり、その付帯事項には一切触れられとらんやないかと噛みついても、筋は通っとる。
新聞社も、こういう問題は、販売店と個別に話し合いで解決してくれという逃げ腰の姿勢やから、そうするしかない。
今回の場合は、公平に見て、理は明らかに、あんたの側にある。以前とは違う条件を、何の説明もなく、勝手な論理で変更しとるのやからな。誰でも怒る。
強行に対決するつもりなら「この問題が、解決するまでは当月の購読料は払えん」と主張することや。その場合、できたら、集金人に言うよりも、直接、その店の経営者と話し合うた方が早いと思う。
賢い経営者なら、あんたの言い分に理のあることは分かるから、飲むやろうと思う。アホな経営者の場合は……。
その状況次第で、また知らせてくれたらええ。出方次第で、対応は何ぼでもあるからな。
この件に関して、サイトにいつも協力して頂いている新聞販売店の店長さんから、意見を寄せられたので紹介する。
意見は、いくらでも歓迎するので、どんどん寄せて貰いたい。それで、販売店の立場なり、事情を一般読者に知って頂けるのやないかと思う。
投稿者 四国全国紙販売店店長さん 投稿日時 2005.9. 3 AM
11:38
販売店としては難しい問題です。私の店でも、必ず毎月この問題は起こっています。難題なのです。
現在の契約書では、ゲンさんの言う通りで…明記されている事ではなく、値引きの考え方もまちまちなのが実情です。お客側には不利益に捉えられても仕方がないのかもしれません。
おそらく、この問題は…サイトを見た販売店関係者にとっては、嫌な質問であり、事情も苦労もお客さん側にも分かっていただきたいのが本音ではないでしょうか?
私の店での対応と、私見を送ります。もちろん、これが正しい・・・いや法律上の解釈があるというものではありません。
ただ1点、新聞販売店を真面目に取り組む人間として、販売店の苦労と実情もわかっていただきたいのです。
私見です。新聞代の休み止めについてですが、このように考えます。
新聞は、必ずお客様の指定された場所に届けるのが我々の責務です。これに関しては、配達員の教育、雨ビニールの完全徹底、順路帳、紙分け票の日々のチェック、指示票の確認など、いろいろ販売店は努力をしています。
そこに、新聞の休み止めが入ります。我々は指示票や紙分け票の整理だけでも通常の作業に長い時間をかけます。配達員は、指示票をさらに自分の順路の順番に組み込み、配達をはじめます。
いつも通る順番ではない順路を神経を使い、間違いのないよう配達しなければいけません。
A紙の場合、配る新聞の種類は・・・区域によっては20種類を越えます。それは関係者しか解らない苦労です。
配る量が減って喜んでいる場合ではありません。頭の中に叩きこむのでさえ・・・並みの苦労ではありません。
仕入れは月単位です。休めばその分仕入れが減るわけではありません。しかも、休み止めの値引き料金で収入は減ります。(当店試算では、通常月50000円、イベント月で250000円)収入減に異議はありません。商売をしていれば仕方のないことでしょう。
しかし、値引きについては、もう少し暖かい目で見ていただけませんか?お金の面だけで、休み止めを判断されちゃ・・・たまらないです。休み止めの多い所なら、赤字で配っているのも実情です。
毎日、コンビニへ新聞を買いにいく事を考えたら、随分安いものではないですか?我々の安直な考えで値引きをするのは大きな間違いだったと思います。慣例になれば当たり前になりますから。理解されない値段設定も、誤解されて、不利益も生じているのでしょう。
本社や販売店の対応のまずさもあるのかもしれませんが、月ぎめの料金、部売りの料金の思いを書き込みました。
月ぎめ料金・・・私はお客様に頂く正当な金額だと考えます。配達システムをきちんと維持する大事なお金だと考えます。
個人的に、休み止め料金は部売り金額が月ぎめ金額を下回らない限り、値引きはしないのが当たり前の考え方ではないかと思います。
何故か・・・?それが当たり前でなければ、読みたい時だけ配達してもらうことが出来る、それも休み止めの考え方になりませんか?
休み止めの留守確認、全部は出来ません。「お客様のいい分を信用して」配達する・・・。これが新聞販売店です。これで商売を100年以上してるはずです。
契約書の不備は、私も常々痛感します…が、なんだろな・・?アホな新聞屋なのかな・・・?
お客さんには関係無い自己弁護だろ?って思うかもしれないですが・・・。「お客さんへの休み止めは、値段ではないお客様思いのサービスである・・・。」違うかな・・・?
といっても、私見は私見。実際は、「止められるぐらいなら・・・・。」なんて考えて、簡単に値引きしてしまっている自分がいます。
この店長さんの言われることは、ワシには良う分かる。無理のない意見やとも思う。ただ、販売店の苦労というのは、一般読者にはなかなか分かって貰えんもんや。
「朝早くから大変やなぁ。雨の日や雪の日は辛いやろなぁ」と考えてくれる人もいてるが、大抵は「それが、仕事やないか。それで、商売してるんやろ」となる。
ワシは、代配もしてたから、ある程度、そういう苦労も分かるし、数多くの販売店に出入りしているから、その内情も知ることができる。
更に、このサイトのおかげで、全国の関係者から、様々な情報も寄せられとるということもあるので、販売店の立場も少しは理解できる。
しかし、それを承知の上で敢えて言うが、この相談者のケースは「以前とは違う」という対応をしたということが大きく影響しとる。慣例通りなら、この相談者は、こういう疑問も持たんかったやろと思う。
今回のように、経営者が変わって、その慣例も一新させたいというのやったら、こういう、休止の依頼があった場合は「当店では、この場合は……となっております」と説明しとくべきやったと思う。それがなかったという意味で、この販売店は責められても仕方ない。
一方的な判断、解釈、事情を押しつけられたら誰でも反発する。客という立場の人間には特にな。無断で規則を変更して勝手なことを言うなとなるわけや。
それと、もう一つは、やはり、新聞購読契約書の不備にも問題が大きい。今回の場合で言えば『契約書裏には"おしらせ”欄で"ご不在の際の新聞取り置きが不要の場合は当該月の購読料は 新聞1部売りX配達日数=ご請求金額"』という一文が争いの原因や。
販売店にとっては、この1部売りが、定価の180円ということになるのやが、客は、購読料金÷30日が、1部の定価やと考える。この考えの差は大きい。これは、明確に金額を明示していないからそうなる。
休止の1週間は、値引きの対象にはならんということにも、同じことが言える。その記述がないからな。問題が起きてから、実はこうなんですよと言うのは、客の心情を逆なですることになる。
新聞購読契約に関しては、新聞社は関係ないという立場やから、販売店独自でそれに対処することを考えなしゃあない。不備のある契約書は作り変えるか、手書きでもええから、その都度、補足しとくかや。
それと、その地域の客に販売店のやり方を浸透させておく以外にはないやろと思う。なかなか、難しいことやけどな。
この店長さんの質問に『それが当たり前でなければ、読みたい時だけ配達してもらうことが出来る、それも休み止めの考え方になりませんか?』とあるけど、それは、少し違うのやないかなと思う。
新聞を読みたい時と限定するのは、特殊な事情を除いては、考えられんのやないかと思う。
新聞に載る記事というのは、事前に察知できるものやない。書いとる記者にすら、その日の数時間前にその事件やニュースを知ったというのが普通なんやからな。
ましてや、この期間からこの期間までは何事も起きんから、いらんやろと新聞を止めるというのも変な話や。事件やニュースは、いつ起きるか分からんからな。それを知るためには、取り続けとく必要がある。新聞の必要性の一つや。
特殊な事情というのは、旅行や帰省、あるいは出張といった、ある期間、その新聞が読みたくてもその家では不可能になったときや。新聞の休止を申し入れるのは、正にこういうときしかない。
意図的に、新聞を止めても客には、大してメリットはない。新聞代のことを考えて、そうするくらいなら最初から契約なんかはせんと思う。
常時、購読しとる者にとって、新聞が急になくなるというは、寂しいもんやさかいにな。この仕事をしとると、それが、良う分かる。それを考えると、この店長さんの意見は、少し違うのやないかと思う。
もっとも、そういう仮定の話として、そう考えたなる気持ちというのも分からんでもないがな。
ただ、意見は、いくらでも歓迎するので、どんどん寄せて貰いたい。販売店の立場なり、事情を一般読者に知って貰うにはええと思う。実際、このサイトの値打ちも、そういう方々からの投書によることが大きい。アンケートはその最たるもんや。
このサイトが、その役に立つのなら、利用して貰うたらええ。どこまで影響があるのかは保証せんけどな。
それに、その意見を見て、どう判断されるかは、それぞれやということも分かっといて貰わなあかん。当然やけど、好意的な意見や感想ばかりやないと思う。
もっとも、それは、ワシの意見に対しても言えることやと思う。言うとくけど、ワシは自分の意見が唯一無二やとは考えとらんし、絶対、正しいとも思うとらんからな。むしろ、間違いの方が多いかも知れんと思うてる。ワシが、それに気付いてないだけでな。
このサイトに届く批判的な意見は少ない。しかし、それは、必ずしも好意的に捉えられとるからとは限らん。どんな意見も、すべての人間に受け入れられることはないからな。