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NO.148 友人の拡張団の問題について


投稿者 こまった八ちゃん 投稿日時 2005.9.14 PM 7:14

友人の拡張団の問題についてゲンさんにお尋ねします。
私の友人は、拡張員になって1年くらいになるのですが、思うように拡販できない悩みと、最近では団の中で新たな問題が持ち上がり困っております。

問題というのは、団の中に車の運転の出来ない人がいて、行き帰りを団員の人が持ち回りで送り迎えしているそうですが、夜遅くになって帰りと反対方向に送っても、ありがとうの一つも言わず当たり前のような顔をしているそうです。

その人は一月に相当契約も取るらしく、送って行った人の拡販が不調の時くらい一本でも礼として譲ってくれてもいいのにと、団員の中で不満が出て団長に相談したのですが、その団長は気が弱いらしく、そのうちに言っておくと言って何ヶ月も経つらしいのです。

どのように解決したらよいか悩んでいます。ゲンさんは長い間拡張員をされていてこのような経験をされたことがありますか。


回答者 ゲン


自分勝手な人間というのは、拡張団に限らず、どの世界にも必ずおる。その自分勝手な人間がおるから困るというのは、分からんでもないが、この相談の程度では、どうにかしてほしいと言われても難しい。

そんな人間は、放っとけと言うしかない。あかん人間やという意味やなく、この程度なら困るというほどの悪質さも感じられんということでな。これが、このサイトへの相談やなかったら、間違いなくそう言うて終いや。

そうは言うても、誰かに相談せなあかんくらい、当人にとっては深刻なことかも知れんがな。それと、友人思いから、わざわざこのサイトを探しあて、その相談をされてきた、あんたに免じてアドバイスくらいはするつもりや。

しかし、それには、苦言の部分が多いと思うといてほしい。そして、その苦言を、ちゃんと伝えられるのが、本当の友情やということも分かって貰うとかなあかん。

人の相談に乗る場合、なるべく、その人間の言うことをすべて、鵜呑みにするような聞き方をしたらあかん。そうすると、どうしても同情的な思考になる。無理ないなと思うわけや。それは避けた方がええ。例え、どんなに親しい人間でもや。

そこから導き出される答えは、その友人のためにならんことが多い。一緒になって、その人間を責めるようなことしか言わんからな。そして、悪口というのは、どうしても盛り上がり気味になるもんや。

それでは、本当の解決を見つけにくく、判断も誤りやすい。場合によれば、取り返しのつかん事態に発展し、あんたも友人も破滅する畏れもある。

どういうことかと言うと、こういう誰か特定の人間を責めるような話をしとる場合、その同調者が多いか、あるいは短絡的な思考の持ち主同士やと、やっつけてしまえという結論になることもある。

実際に、それで、とんでもない事件を引き起こして一生を棒に振った人間かておる。それを後で悔いても遅い。当事者だけやなく、周りの人間、すべてが不幸になることも十分考えられるからな。

それが、話を鵜呑みにするなということの理由や。事情を把握できんうちは、迂闊に判断を下すべきやない。その友人が間違うとる場合もある。

こういう場合は、まず、その友人の言うた背景をできる限り詳しく聞いて、知る必要がある。また、できれば、想像力も働かせてほしい。

まず、そこの拡張団の仕組みから考えてみよう。団員が住んどる所が、自宅なのか、団の社宅なのかで大きく違う。社宅なら、この運転できんという男(以後、便宜的にA男とする)にとっては、送り迎えは当然ということになる。

ワシらの団では、これは当然のことやから、その送り迎えに対して特別に礼を言う必要はない。それでも、儀礼的には、皆、言うてるがな。しかし、例え、それを言わん者がおっても、それだけのことなら、常識のない奴やなという程度で終いや。

反対方向に送るということも、そういう場所に社宅を確保し入居させたのは、団やから、団に責任がある。

ワシらの団では、各地域毎に数名づつ、アパートやマンションを社宅として確保しとる。そこに社用車が最低でも1台ある。

選任の運転手を決め、その人間が送り迎えを受け持つ。そのための運転手当が出る。大した額やないが、その車をほぼ自由に使える。そのガソリン代は団持ちや。

せやから、ワシらの団では、送る人間よりも、送られる者の方からの苦情が多い。仕事以外で勝手に車を乗り回しとるとな。そのガソリン代もワシらの団費から出とるのやないのかと言うわけや。

ここでも、両方の言い分はそれぞれある。送られる方は、今、言うた通りやが、送る方は、安い運転手当で、人より早く起きて迎えに行き、一番最後やないと帰れん。車を自由に乗るくらいのメリットがないとやってられんとなるわけや。

次は、自宅からの通勤の場合はどうなのかということを考えよう。それぞれが自宅からという場合は、車も個人の所有ということが多いのやろなと考えられる。

この場合、そのガソリン代も自分持ちということであれば、こういう苦情も分からんでもない。どうしても、乗せてやっているという発想になる。礼の一つも言えんのかとなるのも当然やと思う。

ただ、ここでもA男の事情についても考えてみる必要がある。そもそも、このA男が、その団で働く条件がどういうものやったのかを知らなあかん。

仕事のできる男のようやから、団が便宜を図るという約束があったのかも知れん。せやから、A男は、その送り迎えも、そのためやと考えとるということがある。A男にとっては、当たり前なわけや。

その送り迎えを交代でする運転手には、団から何も手当のようなものは出てないのかな。おそらく、こういう苦情があるということは、何もないのやろな。

いずれの場合も、一番の落ち度は団にありそうや。団長が、それについてうやむやに済ましとるから、そういう苦情が出るのやと思う。

あんたの友人は『団員の中で不満が出て団長に相談したのですが、その団長は気が弱いらしく』と思うとるようやけど、拡張団の団長にまでなる人間に、そういうのは考え辛い。少なくともワシは知らん。

ずる賢い狸のようなのは何ぼでもおるがな。この団長も、その口やないのかな。A男の気分を害して辞められたら困ると思うてるか、何か事情が他にもあるはずや。

団員の苦情を引き延ばして何も言うてないということやから、その団長にとっては、そのA男 、一人の方が、そういう苦情を並べる団員よりも比重が大きいのかも知れん。単にずるいだけの人間かも知れんがな。

ここで、アドバイスするとしたら、送り迎えの手当をその団長に、その全員で貰うように交渉することやな。仕事のうちとして金で割り切るのが、一番ええやろと思う。団長が、それを拒否するのやったら、全員で送り迎えはできんと言うたらええことや。

確かにどういう事情があれ、A男のように、一言も礼を言わんというのは褒められたことやない。ただ、何度も言うが、世の中にはそういう人間もおるということは、分かってなあかん。

そういう者に礼を言えと強制することもできん。それをすれば、不幸な結果を招くことになりかねんというのは、先に言うた通りや。そういう人間は、本当に放っとくしかないと思う。

その礼を言わんということやけど、A男にしても、送り迎えしとる団員から、そういう苦情を言われとるというのも知っとるのやないかな。当然、悪口雑言も耳にしとるはずやから、尚更、そういう運転手に対して、礼を言う気にもなれんのかも知れんで。

つまり、一つのことでも、見る方向が違えば、それぞれで言い分はあるもんや。一方だけが悪いというのは、よほどのケースでしかない。

『その人は一月に相当契約も取るらしく、送って行った人の拡販が不調の時くらい一本でも礼として譲ってくれてもいいのにと』というのは、頂けん考え方や。

これは、まったく送り迎えとは関係のない話やからな。その友人の拡張団の中では、もっともな話なのかも知れんが、他でそんなことは言わん方がええで。誰も同情はせんし、ええようにも思われんはずや。

それに、このことがあるだけで、A男の常識がないというイメージまで消えてしまう。送り迎えの礼としてカードがほしいだけなのと違うのかとなるわけや。

その友人に伝えたってほしいが、本気でそんなことを考えとるから「思うように拡販できない悩み」ということになるのやとな。

成績が上がらんのは、多くはその人間の考え方に原因がある。営業の仕事は、受け身では絶対と言うてええほど成績は上がらん。カードを譲れというのは、その受け身の考え方の最たるもんや。棚ぼた待ちやから、もっとたちが悪いかも知れん。

そんな考えを払拭せな、カードなんか上がるはずがない。その友人も、1年も拡張員しとるのやから、1本のカードを上げる苦労も知っとるはずや。安易に考えたらあかん。

この問題の最良の解決法やと思えるのは、友人にA男の懐に飛び込めと言うたることや。そのA男がどんな男か、直接会うたことがないから分からんが、少なくとも仕事はできるわけやろ。

そのA男を送って行くということがあるのなら、その道中で、その拡張法を聞き出すようなことをまず考えなあかん。勉強するという姿勢や。

その気むずかしそうなA男を、おだてるなり、よいしょするなりしてな。そんなのは、嫌やとその友人が言うのなら、所詮、そこまでの人間や。今以上には、なれんやろと思う。広い意味で言えば、それも営業なわけや。

拡張の営業は、今更、言うまでもないが甘いもんやない。身を捨てるくらいの覚悟がいる。人に最初から毛嫌いされとるというのを前提に営業するんやからな。それくらいの気構えがなかったら、やっていけん。

ワシらの若い頃は、仕事は盗めと良う言われた。そのときは、その意味がそれほど分からんかったが、今は、それが良う理解できる。

つまり、自分に一番身に付く勉強は、人から教えられることやなく、人から盗み取ることや。それを思えば、A男に取り入るくらいどうということはないやろ。

むしろ、そいう人間が目の前におること自体がチャンスやと思わなあかん。何でもそうやけど、問題が起こった場合、そのマイナス面や、目先の損得だけを考えとったら、見えるものが見えんようになる。

もっとも、そのA男から聞き出した拡張方法が、その友人の役に立つかどうかは分からんがな。しかし、ワシが問題にしとるのは、そういう姿勢なんや。どんなことでもプラスにするように考えな損やし、成長はないと思う。

それに、もしかしたら、それによって、そのA男が心を開くことがあるかも知れん。人間は良う知り会えば、最初の印象とは違うということもあるからな。そうなれば、その友人の悩みや問題は簡単に解決できそうや。希望的観測というやつかも知れんがな。

これも、大事なことやけど、くれぐれも相談事でアドバイスはしても、押しつけたらあかんで。最後の決定はその友人に任すことや。それが、友人のためにもなり、あんたのためにもなる。


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