新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.149 購読は続けたいと思っているのですが…
投稿者 ハツ さん 主婦 投稿日時 2005.9.16 PM 0:24
すごく読み手に分かり易くて、ゲンさんの人柄がよくわかるいいHPですね。
そこで相談を聞いていただきたいのですが、私は1年前に今の土地へ引っ越してきました。
前の土地を引っ越す直前に新聞の拡張員の人がきて、契約延長のお願いをされましたが、引っ越すのでと断ったら、引っ越し先でもちゃんと新聞が継続されるように手配しておくと言われたので、引っ越し先(今の)住所と引っ越す日付や連絡先などを伝え、延長の契約をしました。
ところが、引っ越して数日が過ぎてもまったく新聞は届きません。結局自分で新聞店をさがして電話し、契約しました。住所変更について、今の新聞店にたずねると「はあ?なんのこと?」みたいなかんじでした。
そして新聞が雨でびしょびしょに濡れて読めないことが3回くらいありました。前の日から降り続いた雨なのにカバーがないのってどうなんでしょうか?ドアポケットに投函されるのですが、軒が広いマンションなので、投函される以前に濡れたとしかおもえません。
集金も長いこと来ないと思ったら月末でもなんでもない日に来て、その1週間あとにまた来たり、わけがわかりません。こっちは忙しいので一度に払わせて欲しいです。そんなかんじなので、あるときは、お金が用意していないと言うと「困りますよ〜」としつこいし、もうウンザリです。口調こそおだやかですが、あまり感じが良くありません。
最近、そのY新聞は深夜にガラの悪い勧誘が相次いだということで、集金以外は出入証をもらえないことにマンションの自治会で決まったそうです。
新聞の毎月の値段も同じマンションでも各戸で違い、同じ条件でうちは夕刊もとっていないのに千円ぐらい高いと聞き、いい加減がまんできなくなってきました。
Y新聞は読み続けたいと思っていますが、濡れていたことや金額が大幅に違うのがかなり頭にきているし、いいかげんな部分が多すぎるので、一度他のにかえようかと思います。
ですが契約があと1年くらいあるので、このままガマンするしかないのでしょうか?
アドバイスをお願いいたします。よろしくお願いします。
回答者 ゲン
『契約があと1年くらいあるので、このままガマンするしかないのでしょうか?』ということやけど、解約したければできるが、それには話し合いで合意する必要がある。
そういう場合、多くは解約違約金を店側に払うということが一般的や。その額を決めるのが話し合いということになる。その請求額も、販売店によって違うことが多いから、聞いてからということになる。
それで折り合えると思うたら解約したらええ。折り会えん金額やということなら、交渉するしかない。決裂するようなことがあると、解約は難しいということになる。
その交渉を上手くするためには、相手に落ち度がないとその話はしにくい。しかし、その販売店には、その落ち度がありそうや。
『新聞が雨でびしょびしょに濡れて読めないことが3回くらいありました』というのが、それに当たる。これは、債務不履行や担保責任による解除など(法定解除権)に該当すると考えられる。
業者が契約通りにきちんと履行しない場合や商品に欠陥があった場合などには、民法上、契約を解除することができるということや。新聞が濡れて読めんというのは、その要件を満たすと考えてええ。
通常、多くの新聞販売店は、雨の日には、すごく気を遣うもんや。新聞が雨で濡れて読めんような場合は、大抵の客は怒る。怒って解約やと言い出すのも珍しいことやない。
それが、あるからどこでも、雨の日には、1部づつ新聞をビニール袋か梱包機で包む。あんたの言う『前の日から降り続いた雨なのに』にも関わらず、新聞が濡れとったというのなら、怠慢ということになる。
但し、これは、苦情は苦情として、そのことが起きたときに、その都度、伝えといた方がええ。解約したいと思うたときに、以前、こういうことがあったというのでは弱い。証拠はその時点では何もないことになるしな。
また、その苦情を言うことによって、その販売店は、それを改善していた可能性もあるからな。大抵の販売店なら、そういう苦情が出たら、即座に濡れてない新聞を持って行き、その場で謝る。簡単なサービス品持参でな。
販売店に苦情を言うのは、ある意味、親切になる。中には、そのことがまったく気が付いていないこともあるし、そこの客は、そのくらいなら許してくれると安易に考える場合もある。乾かせば読めるという発想にもなることがある。怒っとることが分からんわけや。
その苦情を言うて、改善できんようやと、そこで初めて、それを理由に法定解除権を行使して解約やと言うことができるわけや。あんたもその方が言いやすいやろと思う。
また、そこまで強行に出て揉めるのも嫌やと思うのなら、話し合いに持って行っても確実に有利な材料にはなる。
『集金も長いこと来ないと思ったら月末でもなんでもない日に来て、その1週間あとにまた来たり、わけがわかりません』と言うことなら、その販売店に支払い日時を通達したらええ。
例えば、月末の30日なら、その日にしか払えんとな。それも、払うのは1ヶ月分だけやと。1ヶ月分の支払いなら、購読者はそのつもりやからどうということはないが、これが、2ヶ月分、3ヶ月分とたまると結構な金額になるし負担にもなる。
しかも、それが、購読者の都合でそうしたというのなら、仕方ないが、販売店の怠慢でそうなるというのは願い下げにしてほしいと誰でも思う。販売店の中には、その月、払うつもりにしていた分やから、翌月、集金に来ても一緒やないかと言い出す者もおる。
これで、怒り出す客も当然やが多い。客にしたら、何を勝手なことを言うとんねんとなる。これで、他の新聞に切り替える客は多い。ワシらにとっては、そういう人と出会えればおいしい客やとなるわけや。
ワシは、こういう場合、こちらの新聞の誠意度を示す意味も込めて、集金日時の取り決めをして、それを契約書に書き込むようにしとる。うちはそうしていますと。すると、そういう客は、ほぼ間違いなく契約する。
そして、そのフォローとして、その販売店にも、その客は、その集金日時にこだわっとるからくれぐれも、それはないようにと伝えると、販売店側も、その通達事項としてパソコンにそれを入力するから、集金時にも間違いが少ない。
それに、販売店側も、その集金日時が分かっとる方が、計画が立てやすいから助かることにもなるしな。
集金がルーズなら、銀行振り込みか、コンビニ払いに移行するのも、一つの手や。進んだ所なら、クレジット・カード払いというのもある。
『新聞の毎月の値段も同じマンションでも各戸で違い、同じ条件でうちは夕刊もとっていないのに千円ぐらい高いと聞き、いい加減がまんできなくなってきました』というのも、気持ちは良う分かる。
これも、客をなくす原因の一つや。販売店で、客毎に新聞代が違うというのは、良う聞く話や。特別に珍しいことではない。これは、新聞社、販売店毎にキャンペーンというて特別サービスをする場合があるんや。その時に契約した客は安いということがある。
これは、納得できんやろけど、自家用車なんかの販売を例にして貰うたら分かりやすいと思う。毎年、決算期前になると、どこの業者でも値引率が高くなる。それと似たようなことやと考えて貰うたらええ。
ただ、それも、暗黙の決まりのようなものがある。なるべく、その近辺での格差をつけんようにするのがそれや。あんたのように、同一マンション内で違うというのは、最悪や。
どうしても、情報が筒抜けになりやすいからな。ちゃんとした、販売店なら、そういうことには気を遣うもんや。結果的に、あんたの場合のように客をなくすことにつながるからな。
これも、解約する場合の交渉の材料に使える可能性がある。それには、その証拠として、どこそこの誰は新聞代がいくらかということは、把握しといた方がええ。
最後に、以前の販売店の引継の不手際はあくまで、元の販売店の責任や。それに関しては、今の販売店には何の落ち度もないということを言うとく。
あんたへの、アドバイスの総括になるが、まず、あんたの思うとる苦情を、その販売店にぶつけてみるというのはどうや。それでも、改善されんようやと、解約したいと言えばええ。
あんたの相談内容では、強硬な意志は感じられんから、話し合いを選ぶことになると思うが、そのときには、改善されんかった苦情を楯に交渉したらええのやないかな。