新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.150 途中解約についての質問です
投稿者 匿名希望 学生 投稿日時 2005.9.17 PM8:51
今日、新聞勧誘が来て、契約しました。
新聞を取ってみるのもいいかなとその時は思ったんです。でも後になって考えたら、1ヵ月3千円でも一年だと3万円……。私は学生なのでそれだけの金額は大変です。
契約の時に、途中解約もできます、と言っていて、それならと思ったのです。読んでみてどうかなと考えてからしばらく続けてみようと。記事内容が自分と合わないかもしれない。契約は一年契約です。訪問員がそう決めました。
でもネットで調べたら3ヶ月契約というのもあって、それがよかったのにでも訪問員はそんなことを言わなかったし自分も知りません。
これだけならそんなに不安にならないのですが、さらに仕入れた情報だと契約期間内に途中解約できない、とあるではないですか。
一年も支払い続けるかと思うと気が重いです……本当に数ヶ月目では解約できないのでしょうか?
また在宅なのに購読休止か、引越ししないのに転居を理由に購読中止したら、それは違法なのでしょうか。
回答者 ゲン
結論から言うと、あんたの場合は「今日、新聞勧誘が来て、契約しました」ということやから、今ならクーリング・オフの期間に該当する。解約したければ、問題なくできる。契約日から8日以内という決まりはあるがな。
その手続きなどの詳しいことは「Q&A NO.144 クーリング・オフについて教えて下さい」を見て貰うたら分かると思う。
『契約の時に、途中解約もできます、と言っていて、それならと思ったのです』という相談者は後を絶たんけど、契約というものは、相手に何の瑕疵もないのに一方的に途中解約をすることはできん。
それが、できるとその勧誘員が言うたのは、間違いなく嘘ということになる。もし、次にそういうことを言う勧誘員がおったら「じゃあ、契約書にそう書いて下さい」とでも言えばええ。
そして、契約の確認の電話が入るはずやから、それを、その販売店に確認すれば、それが合意として扱われ有効になることもある。まあ、そういうことは絶対に勧誘員も応じんやろし、販売店も認めんけどな。
後で、そういうことを言うたからとアピールしても、その勧誘員は「そんなことは言うてない」と言う確率が高いと思う。その真意は当事者間でしか分からんから、それで揉めても水掛け論になることが多い。
せやから、普通は、それだけを理由に契約の解除というのは難しい。したがって、あんたの場合は、話し合いの合意以外には『契約期間内に途中解約できない』ということになる。多くは、解約違約金などを支払ってということが一般的や。
『契約は一年契約です。訪問員がそう決めました』『ネットで調べたら3ヶ月契約というのもあって、それがよかったのにでも訪問員はそんなことを言わなかったし自分も知りません』というのは、説明の程度でモラル的にはどうかという気はするが、勧誘員にすれば普通にあることや。
これに関して、十分な説明がないのは違法やないのかという意見があるが、消費者契約法でも、単に「説明がなかった」「説明が不十分」ということだけでは契約の取消は出来んということがある。
ワシら拡張員は、販売店の指示によってその日の営業方法が決定される。その販売所が、1年契約を主体に取って来てくれと指示を出せば、そうする。それが、その販売店のその日のメイン商品やからや。
また、そうでなくても、拡張員個人のスタイルでも違う。1年契約がほしいと思えば、それだけを売り込むことはある。これは、新聞契約だけやなくても、どんな営業にも言えることや。
営業員は、どうしても、利益率の高い商品の売り込みに力を入れるもんや。新聞販売で言えば、3ヶ月契約より1年契約の方が、利益率は高い。当然、勧めるのは儲けのええ方や。
しかし、それでは、何も知らん消費者が不利になる。海千山千の勧誘員に、言葉巧みに誘われ、あるいは無理矢理契約させられる客も確かにおるからな。あんたのように、ちゃんとした説明が受けられかったということもある。
その救済のために、特定商取引に関する法律の第9条、訪問販売における契約の申込みの撤回等という法律があるわけや。これが、クーリング・オフや。
その期間内やったら、理由の有無を問わず、またその理由を知らせることもなく消費者側から一方的に契約の解除が出来るという法律や。水戸黄門の印籠みたいなもんや。これが目に入らぬか、で終わりやからな。
しかし、この期間が過ぎれば、それは適用されん。簡単には、契約解除ができんようになるわけや。それがあるからこそ、このクーリング・オフの制度ができたと言うてもええ。
最後に『また在宅なのに購読休止か、引越ししないのに転居を理由に購読中止したら、それは違法なのでしょうか』ということやけど、その理由を伝える段階で違法と言える可能性はある。
『在宅なのに購読休止』をその販売店に伝える場合、どう言うつもりなのかな。「留守にします」のでというのが、一番多そうやけど、それは嘘になるわな。
『引越ししないのに転居を理由に購読中止したら』も同じようなことで、まさか本当のことは言えんから「転居しますので」と言うわな。これも、嘘や。
それらが、バレて、販売店が損害を被ったと騒げば、損害賠償を請求される可能性があるということや。
しかし、それが例え、上手く行ったとしても、そういうことはせん方がええし、そんな考え方もしたらあかん。道徳的にあかんとかモラルに反するとかという話やない。あんたのためにならんと思うから言うことや。
これが、上手く行けば、あんたは、こういう裏をかけば、世の中はちょろいもんやと思うやろ。実際に、そうして生きとる人間もおる。もっとも、それが、望みなら、そういう人生を選ぶのも自由や。それなりのリスクと危険を覚悟ならな。
これは、普通に考えたら分かることやけど、あんたも、そうやって裏ばかりかく人間を見てどう感じる。信用できる人間やと思うかな。油断ならん奴やと見るやろ。
つまり、そういう人間は、僅かの損得に走るあまり、実際は大きなものをなくしとるというわけや。信頼、信用というな。
そして、それは、一度、そういう思考や考えに取り付かれたら、もう遅い。損得を考えるのはええ。しかし、そのために手段を選ばず、人を欺くようなことをしたらあかんということや。例え、それが、どんなに些細なことに思えようともな。
あんたのように、そういうことをしたらどうでしょうか、と問いかける人は、まだ救いがあると思うから、老婆心ながら忠告しとるだけのことやけどな。
それと、もう一つ、苦言を言わせて貰うなら、あんたの文面からは、知らんかったから仕方ないというニュアンスが伝わってくるが、その考えも改めた方がええ。
世の中、特に法律は、それを知りませんでしたという言い訳は、一切、通用せんからな。小学生の子供なら、まだ習ってないから分かりませんでも通るが、大人になったらそうはいかん。
知らん者が悪いとなる。そういう局面が多くなるわけや。誰かが教えてくれるやろうでは何も学びとることはできんということを知っといてほしいと思う。
今回、あんたは、積極的にそれを勉強する姿勢があったからこそ、このサイトに辿り着いたのやと思う。
もっとも、それが良かったかどうかは、あんた次第や。人の受け取り方はいろいろやから、ワシの話を納得できると思うてくれる人もおれば、説教くさいと考える者もおるさかいにな。