新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.162 口頭で伝えたクーリング・オフが処理されておらず困っています
投稿者 まゆうし さん 投稿日時 2005..11.5 AM 10:41
始めまして。
今回、初めて新聞の契約に関するトラブルに会い、途方にくれている者です。さまざまなHPのなかで、こちらは大変わかりやすく、かつ的確な回答をされているのを感じ、思い切ってメールさせていただきました。
うちは長年○○新聞のみを取っておりますが、この11月から(つい何日か前)いきなり、△△新聞が入り始めました。
2年前のことで、すっかり忘れていたのですが、二年前、○○新聞と名乗ったセールスマンに強引に△△新聞を三ヶ月間契約させられ、その日のうちに確認の電話が販売店からきた時も、もう契約してしまったのだから仕方がないかという諦めの気持ちで、はい、と返事をしました。
が、後日、○○新聞の広告で「○○を名のった他社勧誘員の手口に注意」というチラシが入り、その書いてある内容を見て、まさにこれとまったく同じだ、と思い当たり、契約の一週間後、思い切って、販売店に電話をして、キャンセルしたい旨を伝えましたら、販売店はあっさり了解してくれました。
あっさり了解してくれたものですし、とくに販売店からその後の手続き指示もありませんでしたので、こちらもこれですべて終わったと思い込み、快くOKしてくれたので、まさかこの上警戒してさらに書面上の手続きをしようかなどとは思いもせず、すべて済んだこととその時は思ってしまいました。
クーリングオフの正式な書面上の手続きもせず、(クーリングオフにあたるという事も思い浮かばないほど無知でした)何千人もいる大きな会社なら、受けた人の名前も聞いておくところだったのですが、地元の販売店ということもあり、OKと言ったのだから、と信頼して、とくに電話口に出た方の名前も聞きませんでした。
それから、2年たってこういうことになった訳です。
あわてて販売店に電話を入れ、二年前の件を話したところ、そんな電話があったのなら必ず販売店としてもクーリングオフの手続きをするはずだが、それをしてないということは、お客さんがいいかげんなことを言っているのではないか?
と逆に責められ、とにかく契約書があるのだから、履行してもらうと言われました。私としては、嘘偽りなく、キャンセルの電話を入れましたし、その電話を受けた人間は、確実に了解してくれたのです。
ですから、考えられることは、電話を受けた人が、その後のクーリングオフの販売店としての事務処理をうっかり忘れてしまったのか、あるいは二年も先のことであるし、故意に詐欺的な意図で何も処理をしなかったのかのどちらかであるのは確かです。
ただ、そうは言っても、私の方にも落ち度が多々あるのも事実です。クーリングオフの書面上の手続きを、無知であったがゆえに全くしていなかったし、名前も聞かなかった。
電話をかけた着信履歴ももうNTTにも残っていません。お客様控えの契約書も、キャンセルをOKしてくれたあと、もうすっきりしたと処分してしまいました。
あるのは先方の契約書のみです。こちらには全く分のない状態です。
ただ、電話のキャンセルをOKしたのに、販売店としてのその後の手続きをまったくしていなかったのは、先方の落ち度だし(わざとかもしれませんが・・・)、先方がどんな処理をするのかなんて、こちらには全くわからないことです。
でも、今となってはそれを証明するすべもありません。また、契約の時に何か景品をもらったのかもしれませんが、もらったのか、もらわないのか、また何をもらったのか、それをどうしたのかもぜんぜん記憶になく、景品など、目当てにしているわけでもないので、もしもらっていてそのままになっていて忘れているのなら、それ相当分の金額を返したいと思っています。
そこで、こういう提案をしました。
「うちは、キャンセルの電話を入れて、そちらはOKした。でもそちらは、事務処理をしておらず、そんなことは知らないという。うちは、まったく真実を言っているのだが、それを証明するすべもない。気持ち的には釈然としないが、言った言わないの交渉はきりがないし、精神的に参っているので、こちらが折れて、契約しているその三ヶ月分のお金を払います。でも、毎朝、△△新聞を見るたびに嫌な気持ちを思い出していやなので、新聞は入れないでほしい」
すると相手は、お金も払ってもらうし、新聞も入れると言い張るのです。後で何か言われると困るからだそうです。
そんなこと、あなたたちじゃないんだから、こっちは言わないわよっ。と思いましたが、こちらとしては百歩譲って譲歩した提案なのに、それなら最初の二年前に戻って、販売店のやったことは詐欺なんじゃない?と、こちらもまさにその思いにかられます。
代金というかたちでお金を渡すと、新聞を入れなければならないのなら、契約不履行の損害賠償という形で、良いのでしょうか?
わたしも信頼しすぎて無知だったのがいけなかったのかもしれませんが、それにしても、契約の時の悪質なやり方に心理的に嫌なものを負ったうえに、販売店の段階でも、もしかしたら騙されたのかしら?と嫌な気持ちにされ、又、その後の対応にも、不愉快な思いをさせられ、なぜ、自ら△△新聞を頼んだ訳でもないのに、こんな経験、思いをしなくてはならないのだろうという気持ちです。
以前は△△新聞とて、別に嫌な感情など持っていませんでしたが、この一件があってから、物として△△新聞を見るだけで、嫌な気持ちになってしまいます。
また、販売店の対応も、お金を払わなければ、弁護士を介して法的な措置に出ると言ったり、(その方がこちらはいいと思っているのですが)しつこく新聞は入れつづけますと対応され、とにかく、対応はやくざ的です。
販売店とお客というかんじではなく、とても嫌がらせ的に感じます。うちとしては、今回お金を払ってでも、もう、△△新聞は入れて欲しくないし、販売店とかかわりをこれ以上持ちたくありません。
今後、どうやって対応するのが良いのか、また、良いアドバイス等ありましたら、お忙しいところ恐縮なのですが、ぜひぜひご助言いただきたく、メールしました。お手すきのときで構いませんので、返信いただけましたら、大変幸せに思います。
回答者 ゲン
これには、様々な対応が考えられるが、あんたは『今回お金を払ってでも』ということで処理したいという思いが強いようやから、解約の意志を示し、解約違約金を支払うと言えば問題なく解約できるはずや。
『特定商取引に関する法律』に中途解約のペナルティ(解約違約金)を支払えば、継続的役務提供契約の中途解約を認める条文がある。
この『特定商取引に関する法律』というのは特別法やが、法律は一般法より特別法の方が優先する。
これを、業者側が拒否することはできん。せやから、そうしたいと申し出れば解約に応じるしかなくなる。
それなら『契約しているその三ヶ月分のお金を払います』と、すでに申し入れしとると言われるかも知れんが、それは少し違う。
代金を払うということであれば、販売店も商品である新聞を配達すると言うしかなくなる。せやから、あくまでも、契約の解除を申し出ることや。
因みに、その解約違約金の額は、当事者間で決めることになっとる。但し、その損害額の限度を超えての請求は禁止されとる。このケースで言えば、その3ヶ月分以上の新聞代に相当する額以上はあかんということや。
一般的に、こういうケースは、拡張員なんかの外注営業に委託しとるような場合で、その新聞代の半額くらいが妥当とされとる。
3ヶ月契約なら、4500円から6000円というところやな。プラス貰うた景品の返還ということになる。まあ、これは、あくまでも、一般的というだけで、決まり事とは違う。せやけど、こう言えば、よほどの販売店やない限り分かるはずやと思う。
その販売店も『お金を払わなければ、弁護士を介して法的な措置に出ると言った』ということで、損害賠償を仄めかしとるのは、歴然としるから、あんたのその申し出を拒否する根拠や理由は何もないことになる。
それでも、中には、その申し入れを無視し、あくまでも、契約に固執して配達をすると言う所があるかも知れんが、そのときは、△△新聞のその地域を担当する販売部に連絡したらええ。
『私どもは、貴新聞購読契約を解約違約金をもって解除したいと、申し入れていますが、当該販売店がそれに応じて貰えず、大変困っています』と言う程度でええ。
その際、クーリング・オフを口頭で伝えたにも関わらず、解除になってなかったという事情を言うてもええが、これは、あんたも言う通り、書面での通知が義務付けられとるから新聞社もおそらくそう言うて対応するやろと思う。
あんたと同じ、こういう揉め事は結構多い。せやから、クーリング・オフの意思表示は文書での通知ということが義務付けられたわけや。どうしも、今回と同じように言うた言わん、聞いてないということになって水掛論になりやすいからな。
ワシも、このQ&Aでは、最初は口頭でということを勧めとる。実際には、あんたのようなケースは少ない。大抵はそれで処理されとるもんや。
ただ、その場合でも、その販売店は、拡材の引き上げには必ず来るから、その時に、契約書の控えに解約済みと書いて貰うようにアドバイスしとるし、クーリング・オフの8日間の期限切れ近くになっても、誰も来んかったら、念のため文書での通知をするように言うとる。
新聞社から、その販売店に連絡が行けば、かなり高い確率でその販売店も折れて来るはずや。
それでも、あかんというケースは、全面対決しかない。全面対決になれば、あんたの方の言い分が通れば、無条件の契約解除を勝ち取れる可能性もある。
『○○新聞と名乗ったセールスマンに強引に△△新聞を三ヶ月間契約させられ』というのは、詐欺やし錯誤ということになる。
民法95条に勘違いして契約してしまった場合、真意の意思表示の合致がない契約は無効というのがある。消費者契約法にも不実の告知による契約は解除できるとある。
また、民法第96条に詐欺や脅迫により契約の意思表示をした場合は取り消すことが出来るというのがあるし、消費者契約法にも同様の条文がある。
あくまでも、そちらが、解約に応じないのであれば、私どもはこれで戦うから、どうぞ、裁判にするなりしてくれと強気で開き直ればええ。
言うた言わんの水掛論に終始した場合、裁判を起こした方にその立証責任が生じる。それができん限り、その販売店に勝ち目はないやろということや。
もっとも、この業界で、購読契約の揉め事で販売店が裁判を起こしたというのは聞いたことがないから、それはまずないやろけどな。
例え、それを臭わせたにしても、それはただの脅しでしかない。販売店側にしても、そうするには、あまりにもリスクが高く割に合わんからな。
あんたは、揉めるのは嫌やろうと思うが、相手次第ではどうしても、そうならざるを得んということは世の中にはある。それに、案外、強気で言えば、好転することもあるしな。
実は、今回のこういうケースでは、初期の頃なら、ええ解決方法があった。これは、ワシが、良く使う手法やが、あんたのように△△新聞に対して嫌悪感を持っておられたら、ちょっと、難しいかも知れん。
まあ、参考程度に言うとく。その△△新聞の入る3ヶ月の期間が分かったときに、現在、購読しとる○○新聞にその3ヶ月間の休止を頼むんや。
あるいは、その○○新聞の契約切れが間近なら、△△新聞に期間の変更を依頼すればええ。これなら、双方にそれほど異論は出ることはない。契約は、どちらも生きることになるからな。
但し、あんたの方が納得して我慢できればということになる。それが、初期の頃やったらと言う意味や。遅きに逸したということやろけどな。
ただ、交渉事のアドバイスをさせて貰えば、嫌や嫌やという感情はあまり表に出さん方が無難や。どうしても、感情的になりやすいからな。当然、相手も敵対的に受け取る。
揉め事の大半は、この感情的な諍(いさか)いからくるもんや。感情的になったり、怒ったりしても、あまり得することはないさかいにな。冷静に対応することが、一番賢いと思う。
ワシからは、こんなもんやが、問題がさらに拗れるようなら、また、連絡してくたらええ。対処方法というのは、その状況に応じていろいろあるから、それほど、心配する必要はない。
それに、今回のケースはどう転んでも、あんたの方に分と理があると思うしな。
この件に関して、ある全国紙の店長さんから、意見を寄せて頂いたので紹介する。このサイトは、新聞販売店関係者の方も多数見られておられるので、こういう取り組みがまだの所は参考になるのやないかな。
また、一般の読者の方には、こういう真摯な対応をされとる販売店も多いということを知って頂きたいと思う。
投稿日時 2005.11. 6 PM 10:25
今回の事は、電話をされたというなら・・・相談者側の意見はわかります。ずさんな管理のお店だと言わざるを得ません。
ただ、契約書を捨てられていたのは、ものすごく残念です。せめて解除しても、新聞の入れ月までは保管してほしかったというのが、私たちの思いです。
というのも、私の店でも契約解除・クーリングオフはありますが、よくあるのが契約書を無くした・・・なのです。
契約解除に応じる場合は、こちらにある原本と、お客様控えは照らし合わせが私の店の原則なのです。というのも、やはりお互いきちんと納得したいからなんです。
私の店では、クーリングオフ、契約解除の電話には…契約の大小に関わらず、景品の有無に関わらず、「訪問によって、契約解除」を行います。
こちらで作成した、「契約解除合意書」にサインをもらって、契約書原本と一緒に保管していただくというものです。当然、今回の件は「クーリングオフ」ですので、無償で解除です。
「契約解除」においては、景品の返還、場合によっては「契約解除における違約金」を請求することもあります。
これを確実に行い、双方の納得をきちんと明らかにしておきましょう・・・という、やり方です。
同業者からは、細かい事をしすぎ・・・みたいに言われますが、店側も契約に対する考え方をきちんとしておきたいのです。
これがあれば、お客さん側も今回のことは起こらなかったとも思います。
ここまでする必要はないのかもしれませんが、せめて・・・店側もその電話があった時点で、訪問はしてほしかった。
お客さんも、電話のみじゃなく、訪問してもらって・・・契約解除をしてほしかった。
細かい処理が面倒くさいなら、契約書の控えに契約解除の一筆を入れてもらうといいですよね。
どちらにしても、契約解除はきちんとしないと・・・揉め事になると思い直した一件でした。