新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.165 引っ越し時の解約について相談があります


投稿者 M さん 学生 21歳 投稿日時 2005.11.10 PM 1:41


初めまして。私は1人暮らしをしています。先月から○○新聞を3ヶ月購読する契約を結び、現在も購読しています。

ただ、今月末に都合で引っ越すことになったので、販売所に来月分の契約はキャンセルしたいという話を先日電話でしました。

しかし、販売所からは「3ヶ月分の契約なのでキャンセルはできない」「転居先の住所を教えてくれ。そこにまた新聞を配達する」「3か月分の購読料はちゃんと払ってもらう」というようなことを言われました。

私としては転居は解約の正当な理由になるということを聞いたので何とか解約したいと思っています。

もちろん話し合いで解決することが一番良いと思うので月末までは何とか交渉しようと思っているのですが、もし話がつかなければ転居先の住所を販売所には伝えないまま引っ越してしまおうかとも考えています。

そういうことをした場合、販売所が私の転居先の住所を突き止めて再び購読料の請求にくるようなことはあるのでしょうか?
ご指導よろしくお願いします。


回答者 ゲン


あんたの場合、解約ということやなしに、契約履行不能ということになる。つまり、その新聞を取ることが、その販売店からはできんようになったということや。

この業界は、独居契約者の死亡と急な引っ越しは仕方ないという不文律があり暗黙の了解がある。せやから、大抵の販売店はそれを容認する。中には、あんたの所のような販売店もあるようやがな。

新聞の購読契約は、あくまで、購読者と販売店との間のものや。新聞社と契約しとるように思う者もおるが、それは違う。新聞社は、購読者との契約は一切、関係はないというのが公式な立場やからな。

あんたの引っ越し先で、その販売店が配達可能やと言うことであれば、その契約は継続されるものと考えられる。

しかし、あんたの引っ越し先やと、それは、物理的にも、制度的にも無理や。新聞には宅配制度というのがあり、販売店の宅配可能地域範囲というのが限られとる。せやから、販売店は、その範囲外に新聞を配ることはできんわけや。

こういう状態になった場合、民法第543条で履行不能による解除権が認められるとある。

今回の場合、契約期間中に急に発生した遠隔地への引っ越しという正当な理由があれば、それが認められると考えられる。

せやから「3ヶ月分の契約なのでキャンセルはできない」ということはなくなる。あんたのように、それが分かった時点で速やかに通知しとるというのは、対応に問題はないと思う。

また「転居先の住所を教えてくれ。そこにまた新聞を配達する」というのも、移転先の住所に関しては個人情報に属することやから、あんた次第や。嫌なら答える必要はない。そこに配達するというのも無理な話や。

理由は、先ほど言うた宅配制度と契約そのものにある。契約が、個人と販売店のみの間で有効なものである以上、その契約履行が無理な状況ということになれば、履行不能ということで解除される。

「そこにまた新聞を配達する」ということになれば、その地域の新たな販売店と契約を結ばなあかんことになる。当然やが、現在の販売店にそうする強制力はない。

あんたの文面からは、その販売店の強制のようなニュアンスが伺えるが、もし、そうやとしたら何か勘違いしとるとしか言えん。

おそらく、こういう者は、契約書の裏面に『お引っ越しの期日、新住所が決定次第、当○○にご連絡下さい。当○○から、新住所担当の当○○に連絡します』と、記載されとるのを決まり事やと思うとるのやないかな。

これは『お知らせ』事項であり、法的拘束力のあるものやない。お願いというのなら分かる。「次の引っ越し先でも、引き続き取って頂けないでしょうか」というのは、販売店として言うのは構わんと思う。

ケースにより、そうすることで、その購読者に有利になることもあるから、それが親切になることもあるしな。

履行不能で、その解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負うということになる。これは、民法545条にその規定がある。

この場合、3ヶ月契約満了の条件で貰ったサービスの返還ということがそれに当たる。これは、契約解除前の状態に戻そうという考え方や。

あんたの場合、残り1ヶ月を、引っ越し先で購読することにより、それを免除されることになる。どちらを選ぶかは、あんた次第ということや。

ただ、あんたの場合は、その契約の半分以上は履行済みなわけやから、その販売店との話し合いでいくらかは免除して貰うてもええとは思うがな。

「3か月分の購読料はちゃんと払ってもらう」と言われたということやが、この意図は良う分からん。

新聞契約の場合、その期間中であっても、実際に取ってた新聞代だけを払えばええ。休止ということもあり、その間の処理は、大抵、日割り計算の支払いとなる。

あんたの場合、来月はもうおらんわけやから、新聞をその販売店から受け取ることはできん。受け取れんものを払うことはない。また、そんな請求もできるわけがない。当たり前のことや。

『もちろん話し合いで解決することが一番良いと思うので月末までは何とか交渉しようと思っているのですが、もし話がつかなければ転居先の住所を販売所には伝えないまま引っ越してしまおうかとも考えています』

と言われとることやけど、致し方ないことかも知れん。但し、その場合、貰うた景品分は郵送ででも返しておいた方が無難やないかな。それと、今月分の支払いも済ませとかんとあかんで。

もし、話し合いが拗れてそれができんような場合は、貰うた景品分と今月分の新聞代の送付は書留で証拠の残るようにしとくことや。そうしとけば、あんたも堂々としていられるやろと思う。

『そういうことをした場合、販売所が私の転居先の住所を突き止めて再び購読料の請求にくるようなことはあるのでしょうか?』

ということやけど、転居先の住所を突き止められるというのは、ないこともないかも知れんが、購読料の請求というのが、来月分ということであれば、根拠がないからまずないやろ。

実際にそこまでしても、あんたが引っ越す場所までの往復の交通費にもならんやろし、それが、確実に貰えるとも考えんやろ。それに、どんな販売店でも、そこまで暇やないと思うから、可能性というのは、限りなくゼロに近いと思う。

あんたは、メールの文面から真面目な人やと思うが、万が一、今月分の新聞代を踏み倒すという意味があるのなら、悪いことは言わん、止めといた方がええ。

料金の踏み倒しというのは、立派な犯罪になる。被害届けくらいは出す販売店もおるかも知れん。

実際、景品や当月分の新聞代を踏み倒したとして、被害届を出しとる販売店もワシは知っとるからな。

まあ、あんたにはそんな心配はないとは思うが、立つ鳥、後を濁さずを心がけとれば、どうすればええか自ずと分かるやろと思う。


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