新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.180 先付け契約の解約について


投稿者 塾年離婚予備軍Aさん 投稿日時 2005.12.18 AM 1:54


当方長年○○新聞の購読をしており、平成15年の夏に△△新聞の勧誘員さんが来られました。(その時点での○○との契約は平成18年6月までの契約になっていました)

その勧誘員さんが、今までのイメージと全然違う17〜8の少年で、汗をダラダラ流しながら初心者のような感じで営業に来たのです。

ついついほだされて、その新米少年の成績になるのなら・・と思い、平成18年7月から1年の契約をしてしまいました。

その時、洗剤などの景品をくれようとするので「貴方がお金を出して買ったのなら、そんな物はいらない」と断ったのですが、彼は「感謝の印」だと言って置いて行きました。(詳細は覚えていないのですが、洗剤を6箱位です)

その後、暫くその件は私の記憶から薄れてしまったのですが、つい先日、○○新聞の勧誘員さんが来て、平成18年6月以降の契約を勧められた時に、上記の△新聞の契約書が出てきて、その事を告げましたが、○○の勧誘の人は「△△の方はまだ配達されていないのですぐに断りを入れれば良い」と言いました。

夫は「○○以外の新聞は絶対にいやだ」「お前が勝手に△△と契約したのだろう」と半ば口論になり、結局、○○の継続として18年7月から3年間の契約をしました。

新聞の事で夫と常にいがみ合って暮らすのもいやなので、○○新聞にして△△は解約する方針を選択した訳です。

そこで、本日△△新聞販売店の方に断りの電話を入れたのですが、ものずごく威圧的に「契約を解除する事は絶対にできない」と言うので、こちらも少しカチンときて「絶対に解約できない訳ではないでしょう」と応酬しました。

議論は「解約させてくれ」「いや、解約なんてできると思ったら大間違いだ!」という感情的水掛け論だけで、具体的な解決策までの話合いになっていません。

私としては、景品相当のものは返しても良いと思うのですが、まだ購読時期が始まっていないものに対して違約金を払う必要は無いだろうと思います。しかし、あの時の少年営業員さんにペナルティみたいな追徴がかかってしまうとしたら、申し訳ない気がするのです。

どのような心構えと妥協点を用意して、再度交渉に当たったら良いかを教えていただけますか?


回答者 ゲン


期限を取り決めた契約の一方的な解約は、解約される側に相当の落ち度や理由がなければ、双方の話し合いの合意でしか解決の道はない。これは、民法、消費者契約法でそう決められとる。

あんたの話を聞く限り、その△△新聞の販売店には、何の落ち度もないようやから、そうするしかない。法律用語でいう合意解除というやつや。

しかし、あんたの言われるように「絶対に解約できない訳ではないでしょう」という通り「いや、解約なんてできると思ったら大間違いだ!」と、消費者からの解約の申し出に対して事業者がその話し合いすら拒否することはできん。

この場合の話し合いとは、一般的には、解約に対するペナルティ、つまり、違約金を支払うということを意味する。

あんたの言う「まだ購読時期が始まっていないものに対して違約金を払う必要は無いだろうと思います」というのは、法的には間違った解釈ということになる。

あんたにすれば、まだ実質的な損害は発生してないから、ええやろという考えやと思うが、契約が成立した段階で事業者は営業経費という負担が発生しとるのが普通や。

新聞販売店の場合もそれは例外やない。そして、その営業経費負担の割合は、他業種と比較しても高い。その多くは、勧誘員に支払う報賞金ということになる。

あんたとその若い勧誘員との間で契約が成立したと確認された段階で、その販売店は、その勧誘員の所属団体会社(通称、拡張団)にその報賞金の支払いをする。

その額は、各新聞販売店により様々やから一律やないが、あんたの言われとる地域やと、一年契約で一件に対して15000円〜20000円程度の間やと思う。

その販売店は、それを負担しとる。そして、この業界では、勧誘員に落ち度や不備がない場合、クーリング・オフの期間を除いては、その返還を要求することはできん。

つまり、その若い勧誘員からは、あんたの契約があかんようになったから、渡した報賞金を返せとは言えんわけや。

この時点で、あんたの懸念されとる『あの時の少年営業員さんにペナルティみたいな追徴がかかってしまうとしたら、申し訳ない気がするのです』という事態は、もうないと言える。

あんたの一方的な解約をそのまま認めると、販売店にとっては大きな損失やということになる。加えて、販売店にとっては、金銭的なこともそうやが、この解約されたということで新聞社に対して成績不良と思われるのやないかという心理も働くから、解約阻止には必死になると考えられる。

はっきり言えば、販売店にとっては、こういうことを簡単に認めてたら死活問題になると思うわけや。その販売店にすれば、何も悪いことはしとらんのに、やっぱりいらんから断るというのでは、あんまりやとなる。

せやから「いや、解約なんてできると思ったら大間違いだ!」という言葉になって表れたのやと思う。それでも、多少、言いすぎの感はあるのは確かやけどな。

やはり、こういう場合は、語気を荒げることなく、お願いか説得する方が得策や。その点では、思慮不足やと思われても仕方ないがな。

あんたにとっては、そんな内輪のことは関係ないと言われるかも知れんが、ペナルティとして違約金を支払うということの背景には、そういうことがあるわけや。

消費者には、クーリングオフという一定の期間内なら、無条件で契約を解除できるという特権が与えられとる。それは、知っておられると思う。

その期間内やったら、当然やが、その販売店も何も言わんかったはずや。結果的に、あんたはその権利を放棄したことになる。

なぜこのクーリングオフという制度が設けられたかと言えば、通常では一旦交わした契約の解除は困難やからや。つまり、現在のあんたの置かれた状態がそれに当たる。

それらを念頭に入れて貰うた上で、これから、その交渉、および選択肢についてのアドバイスをしようと思う。

1.まず「ペナルティとして違約金を支払う用意があるから、話し合いをしよう」と持ちかける。

それでも、どうしても、その交渉にすら応じないのであれば「解約を通告しているのだから、その話し合いに応じず勝手に新聞を入れても、新聞代の支払いには応じられん」と言えばええ。そこまで言えば、たいていは話し合いに応じると思う。

それでもだめな場合は、決裂ということになるが、そのことを証拠を残す意味でも、内容証明郵便で書面にして通知しといた方がええと思う。後で、そんなことは知らんと言われんためにもな。

2.違約金の額に関しては、まず販売店側の言い分を聞く方が得策やろと思う。その額で判断する。

それが納得できるもんやったら、それで話はつくし、納得できんかったら、納得できる金額の提示をする。それが話し合いや。

ただ、この場合、お互い常識的な金額やないとあかん。常識的な金額というのは、販売店が被る損害額というのが基準になると思う。

3.違約金で話が折り合わん場合の選択肢として、現在の○○新聞販売店に譲歩を求めるという方法もある。

今回の揉め事の原因は、その○○新聞販売店の勧誘時の言葉にあるとワシは思う。

『つい先日、○○新聞の勧誘員さんが来て、平成18年6月以降の契約を勧められた時に、上記の△新聞の契約書が出てきて、その事を告げましたが、○○の勧誘の人は「△△の方はまだ配達されていないのですぐに断りを入れれば良い」と言いました』

と言うことやが、これは、限りなく悪意に満ちた虚偽で錯誤を与える言葉やと考えられるからや。

「△△の方はまだ配達されていないのですぐに断りを入れれば良い」と言われたことで、無条件で解約できると、あんたは錯覚されたと思う。

しかし、その勧誘に来た人間、これは、ほぼその店の従業員やと思うが、そんなことは簡単にできんということは十分承知のはずや。常識ある販売店の人間ならな。

つまり、あんたとその△△新聞販売店が、揉めるやろうということは容易に想像できたにも関わらず、そう言うというのは、この業界ではしたらあかんことの一つや。

普通、こういう契約書がある場合は、仕方ないと遠慮するもんや。長期購読者と言えば大事な顧客や。その顧客を、それと知って揉めさせるようなことをしたらあかん。

どうしても、そうせなあかんのやったら、相手の△△新聞販売店に「私の方から話をつけますので」と言うて、話をつけるなりして、あんたに迷惑のかからん状態にしてから、改めてちゃんと契約するべきやったと思う。

もっとも、そういう気遣いをするような所なら、最初から、そんな話もせんやろけどな。あるいは、その○○新聞販売店から来たという勧誘員が独自に自分の成績のみを考えてそうしたのかも知れんがな。

せやから、一度、その販売店に「そちらの言う通り、まだ配達されていないのですぐに断りを入れましたが、相手の△△新聞では契約を解除できないと言われて困っています。どうしたらいいんですか」と聞いてみたらどうかな。

それで、その○○新聞販売店が△△新聞販売店に掛け合うて話をつけて貰えるのなら問題は解決するやろと思う。同時に、その○○新聞販売店の誠実さも分かるやろ。

それが、だめやという場合は、当初、あんたが言うてた通り、△△新聞を1年取るので、契約をそれ以降にしてくれと言うてみるのも、方法としてはある。これについては、よほどの所でない限り嫌やとは言わんはずや。

それなら、現在の揉め事はなくなるから、解約のための違約金云々の心配もせんでええことになる。

4.その場合は、ご主人との問題ということが残るということになるが、そもそも、あんたは、その△△新聞の若い勧誘員と契約したときは、ある程度、ご主人の反応も考えておられたはずや。

ご主人を納得させることができると考えてたのやないかな。それとも「○○以外の新聞は絶対にいやだ」とまで強固に言うとは思うてなかったのかな。

これは、家庭内のことやから、ワシが口出す問題でもないんやけど、理由のいかんはどうあれ、実際にあんたが困っておられるのやから、ご主人にも協力して貰わな、この問題の解決はないと思う。

この問題を一番丸く収めるには、やはり、○○新聞販売店に1年契約をずらせて貰うことやと思う。そのために、ご主人は嫌かも知れんが、それを納得して貰うように説得するしかない。

その辺りは、ご主人と話し合って、それでも嫌なら、違約金を支払ってでも△△新聞の解約に同意して貰い、その交渉にも参加して貰うことや。

いずれにしても、ご主人抜きでは、この問題の解決は難しいやろと思う。トラブルというのは、多かれ少なかれ生きていれば誰でもある。それに伴う勘違いやミスもな。

トラブルのない人生なんかはあり得ん。問題はそうなったときの対処や。なんでもそうやが、ええ加減に済まそうと思えば、結果もええ加減なものにしかならんからな。

あんたから、この件に関して、説明がしづらかったら、ワシからのこのメールをご主人に直接見せられたらどうかな。こういうアドバイスもあるのやと。

心配せんでも、ご主人も事情が分かれば、必ず協力してくれるはずや。それには、あんたが、ご主人を信頼することが肝心やけどな。

あんたに限らず、たかが新聞の契約くらいと思いがちの人は多いが、契約であることには変わりはないということは分かってほしい。それには、名前や住所を書き込み捺印までするのやからな。簡単に考えたらあかんということや。

今回の問題は、相手の出方次第で、いろいろ対応も変えなあかん可能性はある。何か分からんことがあったら、いつでも遠慮なくまた相談してくれたらええ。対処は、その状況に合わせていくらでもあるさかいにな。


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