新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.193 拡材の洗剤を返さないで追っ払う方法をお願いします


投稿者 キムラさん 東京在住 投稿日時 2006.1.13 PM 9:03 


はじめまして。聞いてください。

付きあってる彼女の家に(実家)拡張員が来て洗剤6個置いて契約して帰って行きました。契約は父(半分ぼけてる)がしてて家族誰一人も知らなかったみたいで、さらにその父がいきなり入院してしまったあとに新聞が届いたのでびっくり。

解約しようとして連絡したら拡張員がきて洗剤返せと何回も来るみたいです。自分が「洗剤かえしたらええやん」というと彼女は「洗剤ぐらいええやん天下の○○が言う言葉かいな」っと。

洗剤を返さないで追っ払う方法お願いします。ツーなやつを。


回答者 ゲン


『洗剤を返さないで追っ払う方法お願いします』ということやけど、そんな無茶な方法は知らん。また、例え知っていたとしても教えるわけにはいかん。

このQ&Aの謳い文句に「質問や相談は、基本的には相談者様の立場に立ってお答えします」と言うてるのも、相談者に理があるという前提に基づいてや。言えば、困っている人の立場に立ってということを意味しとる。

ワシは、えげつないとか、無法な勧誘に対してなら、いくらでも相談に乗り、対抗策も教える。せやけど、まともな営業をしとる相手に、そうするつもりはない。

あんたの話を聞く限り、その相手は良心的とさえ言える。あんたは拡張員やと言うてるが、ほぼ間違いなく販売店の人間のはずや。

普通、洗剤なんかの拡材は、販売店からの支給になる。拡張員が個人的に用意するケースは少ない。それを返せというのは販売店くらいやからな。

販売店の従業員と拡張員とでは、その立場に大きな違いがある。そのことは『拡張員とは』で説明しとるから、一度読んでおいてほしい。

一般的には、その区別がなかなかつかんから、この勘違いは仕方ない。せやけど、ここからは、その相手は販売店の人間やとして続ける。

その販売店の人間が良心的やと言う意味は「洗剤返せと何回も来るみたい」ということにある。こういうように、拡材を返せと言うのは、この契約の解除を認めとるからやと思うてええ。

普通、このケースは、拡材だけの返還で契約解除を認めるケースは少ない。あんたの話の内容だけでは、認めるに値する要素が見当たらんからな。

『契約は父(半分ぼけてる)がしてて家族誰一人も知らなかったみたい』というのも、そのお父さんが契約すること自体は、何の違法性もない。そこに、無理にとか騙しというのも伺われん。

『半分ぼけてる』というのも、はっきりせん表現や。これは、認知症のことを言うてるのやと思うが、契約当時、その症状が発生してたという証拠がいる。医師の診断書やな。

さらに、契約者であるそのお父さん以外の人間が、この契約を解除するためには、法定後見人になる必要がある。それがあって初めて法的にも契約解除が認められることになる。

これについては、当メルマガ『第60回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■認知症患者のための契約解除法』に詳しく説明しとるから、参考にして貰うたらええ。

逆に言えば、それらの条件が揃うてなかったら、販売店は、その契約解除に応じる必要はないということになる。どうしてもという場合は、話し合いにより解約違約金を支払ってとなる。

あくまでもそれを拒む場合は、損害賠償請求で訴えられるということも考えられる。その場合、販売店側の勝訴ということになる確率が極めて高い。結局、損害賠償金を払わなあかんようになると思う。

それを、この販売店は、拡材の返還だけを要求しとる。それも、条件提示のないところを見ると無条件の解約に応じとると考えられる。

これが、ワシの良心的やという理由になる。よしんば、勧誘員に違法な手段での契約が仮にあったとしても、それは、契約解除ができるということにしかならん。

民法545条に、契約が解除されると、契約は締結した時に遡って消滅し、各当事者は互いに相手方を原状に復せしむる義務(原状回復義務。受領した物を相手方に返還する義務)を負うというのがある。

つまり、あんたの彼女が主張する「洗剤を返さん」というのは、何の正当性もないということになる。さらに『洗剤ぐらいええやん天下の○○が言う言葉かいな』というのも頂けん。

これは、新聞購読契約は新聞社との直接契約やと勘違いしとるから、こんなことを言うのやと思う。この勘違いは本当に多い。もっとも、これは、この業界特有の特殊な仕組みでそうなっとるから、そう思われても仕方ないんやけどな。

新聞購読契約は、購読者とその販売店間のみで交わされるものや。新聞社はその契約に関しては一切関係ないという立場をとる。そういうシステムなわけや。

今回で言えば、その彼女のお父さんと販売店の間だけの契約ということになる。したがって、その洗剤の出所はその販売店ということになる。

新聞社は関係ない。少なくてもこの件に関して、洗剤の返還があろうがなかろうが、腹は痛まんわけや。洗剤を返さんことで負担になり困るのは、その販売店だけになる。

あんたも「洗剤かえしたらええやん」と言うてられることやから、その辺りを説明して返すように言うてやってほしい。それが、その彼女のためにもなる。

どんなものにでも、タカがそんなものというものは存在せん。存在するのは、そう思う心だけや。

今回、その洗剤を返すことですべてが終わるのなら、ラッキーやと思わなあかん。どんな病気で入院されたのかは知らんが、そのお父さんにも、その洗剤を返すことでいらん負担をかけずに済むのと違うかな。

最後に一言。彼女のためを思うのやったら、諭すのも愛やと知ってほしい。

思い通りにさせることとは違う。それは単なるワガママにしかすぎんからな。それを容認する愛はどこかで必ず破綻すると思う。いらんお世話かも知れんけど。


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