新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.198 交代読者と固定読者の拡材サービスの違いに矛盾を感じます
投稿者 shogoさん 現役拡張員 投稿日時 2006.1.23. AM 1:02
こんにちは。冬本番の季節となり、厳寒日が続いておりますがお変わりありませんでしょうか?
本日は、ゲンサンに助言が頂きたくメールさせて頂きます。
私は、拡張員になり一年半が過ぎようとしております。
現在は、班長となり団長には、けん引役、新人指導役などをまかされ、毎日、拡張に励んでおります。昨年の個人成績としては○○県ではNO1の成績となりました。
ゲンサンは謙遜されてますが、ゲンサンの営業講座がなければ、ここまではこれなかったと思い、あらためて深く心から感謝しています。
今回の相談というのは、現読固定になにもサービス品を渡す事ができないという矛盾と、それにともなう歪みについてです。
セールスマンですから営業をして拡材を渡し契約をとるのは、私の当然の仕事ですが、私は、交代読者を増やしたいとは考えていません。
奇麗事を言うみたいですが、契約したお客様に、固定になって欲しいと考えております。
それなのに、交代読者にばかりたくさんの拡材を渡し固定には何のサービスも渡す事が無いこの世界に矛盾を強く感じるようになりました。
そのように他紙と戦えば歪みが生じると思うんです。
販売店によっては、バンクを拡材戦争により荒らしたくないと考える所長もいて、これには私も共感するようになりました。
ただ、拡材は生命線なのでこれなくして拡張は難しいという自分のなかにジレンマがあるのも事実です。
お客様には、契約の際、私の感謝の形ですといいながらバスタオルやらキャノーラ油やらビール券を渡しますが、それなら現読固定にもサービスを渡したいとおもいます。
ただ、それができない。その事に大きな矛盾を感じるのです。
販売店によっては、6−8ルールを完全に無視して、店公認で、半年契約でビール券20枚などというところもあります。それなら、現読固定にもサービスをすべきだと思うんです。
これらの矛盾に大きな疑問があるし、だけど自分もカードを生産しなくてはならない・・・
この事についていささか悩んでおります。
あともう一つ。話は変わりますが、契約成功の際、アドレナリンが脳内にビシビシ分泌されるのを最近感じます。
今回の相談は、矛盾についてなのですが、拡張員としてのわたしの考えはどこか、おかしいでしょうか。
お忙しいでしょうが、時間がある時、いつでも構いませんのでゲンサンの、意見が聞きたいです。
回答者 ゲン
あんたから初めて相談されたのは、確か『NO.27 私の現在の拡張方法で良いのかどうか、アドバイスをお願いします』で、一昨年の9月4日のことやったな。
この仕事を始めて、まだ2ヶ月ほどやと言われ、やっていけるかどうか、不安も持たれてたようやったけど、その当時から、真面目なひたむきさというのは感じとった。
せやから、その回答でも言うてるように『そのままでも、そこそこ仕事は出来るようになるやろ』と予想もできた。
但し、ゆとりが持てれば、もっと伸びるはずやと思い、そのアドバイスをしたと思う。
あんたは、それを忠実に守ったようや。そして『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』を実践されたという。それが、役に立ったと言うてくれるのは、本当にうれしい。
以前にも言うたけど、それは、あんたやからこそ、そうできたと思う。誰にでもできることやない。
謙遜やなく『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』の内容が、ええからやというのとは違うと思う。ええか悪いかは、あくまでも、それを読む人間の受け取り方次第で決まるからな。
これは、すべての指南書についても言えるけど、例え、そこにどんなにええ事が書かれていようと、それを受け取る人間が、納得して実行せん限りは何の役にも立たん。ただの机上の空論にしかならんからな。
あんたから、最初に貰うたメール文は今でも良う覚えとる。『とても参考になるサイトを開設してもらい、とても嬉しく思います』という書き出しやった。
その日は、このサイトを開設して、ちょうど2ヶ月やった。知名度という点では、ほとんどなかっと思う。
ハカセも、文章は書けても、どこにも宣伝というか広める術を知らんかった。これは、未だにそうや。もっとも、そういうことに拘ってないというのもあるけどな。
ただ、なぜかは知らんが、開設3日めにしてGoogle の検索サイトに載り、1ヶ月半後には、Yahoo!JAPAN のおすすめトピックスで紹介されたということはある。
それでも、知名度が飛躍的に高まったとまでは言えん。あんたから、最初のメールがあっのは、そんなときや。
あんたが、このサイトを知ったのは、おそらく、そのGoogle かYahoo!JAPAN の検索でやと思うが、その当時は『拡張員』か『新聞拡張員』のキーワードくらいでしか探り当てらんかったと思う。
あんたは、拡張の仕事に悩み、何とかしたかったから、懸命に役に立つ情報を探してたはずや。せやないと、簡単に見つけられる環境やなかったからな。
藁をもすがる思いやったかも知れん。そういう状況の中やから、このサイトを見つけて、これやと思うたのやろと推察する。
鵜呑みとは言わんが、その思いが、サイトの内容を、より以上に値打ちのあるものやと考えさせ、そこに書かれていたことを、素直に取り入れることができたんやないかな。あんたの思いと合致したわけや。
これは、一見、偶然でラッキーなように感じやすいが、実は、必然に近いものやという気がする。
その人間が真に必要やと思う情報は、必死にアプローチせな探し出すことは難しい。その反面、そういう姿勢の人間の前には、それが不思議と現れるということがある。
世に言う、チャンスというのは、実はそれが実態なんや。何もせず、何も考えん人間の所には、それは訪れんし、分からん。
ただ、そこには、偶然の要素もまたあるのは確かや。あんたの場合で言えば、この拡張の仕事を始めて2ヶ月というと、このサイトを開設したのがその頃やからな。その偶然がなかったら、この出会いもまたなかったことになる。
偶然と運は、その思いの強さで招き入れることができる。ワシは常にそう信じとる。確かな根拠があるわけやないけどな。
あんたの現在の状況は、なるべくして成ったと思う。あんた自身の力と努力、考え方によるところが大きい。それらを含めたすべてが、あんたの実力ということや。このサイトを持ち上げてくれるのはうれしいがな。
今回の本題に入る。
『交代読者にばかりたくさんの拡材を渡し固定には何のサービスも渡す事が無いこの世界に矛盾を強く感じるようになりました』
これに矛盾を感じるというのは、良う分かる。ワシも、昔、この仕事を始めた頃は、その思いが強かった。普通に考えたら不公平に思うわな。
しかも、客としての値打ちも固定読者の方が上や。あちこちとふらふら浮気しとる人間が、何で得するんやという理屈になる。
これは、地域によっても違うやろけど、あんたの言うとうり固定読者へのサービスは押さえられとる所が一般的や。
長期購読者の中には、一切のサービスを貰うてないというのも珍しいことやない。契約書すらないままに何十年と続けとる人も多いという現実がある。
しかし、これは、システム上の問題が大きく影響しとるから、ある面、仕方ないと考えるしかない。特に、ワシら拡張員レベルでは、いかんともなし難いということや。
基本的に、購読客への拡材サービスは、販売店の裁量によって行われる。販売店の個々の経営者によれば、固定客に対してもそこそこサービスしとる所はある。そういう所は、やはり、総体的に評判がええ。
しかし、そうしたくてもできん所もある。一律にサービスをしとったら、現実に潰れるか経営が危うくなるということがあるからや。
例えば、再契約時、もしくは1年に一度、洗剤1箱を余分に購読客すべてに渡すとする。2000部の実売数の販売店やと、洗剤1箱の負担を200円としたら、400000円もの出費となる。
サービスするとしたら、洗剤1箱というわけにはいかんやろと思う。貰う方も、何の有り難みも感じんやろからな。必然的に、その負担もその度合いにより増える。
拡材のサービスも交代読者を含む新規客だけにやから、それが成り立つ。地域や販売店によっても違うが、ワシの知る限り、解約客、新規客の割合は、月に5%程度が一般的や。もっとも、止め押しを含めれば、もっと多いやろうがな。
それを含めても、たいていは2000部の店やと、月100件から150件くらいの変動があるのが普通やと考えてええ。それ以上は、安定しとらん販売店ということになる。
この程度やから、少々の拡材を出しても何とかやれるということや。それに対して新聞社の助成金も出ることやしな。
拡材というのは、その名の通り、拡張のための材料なわけや。新規客への特別サービスということになる。
これは、どんな商売にも、多かれ少なかれこういうことはある。保険やクレジカードにも同じようなことが言える。やはり、新規客には、特別にサービスすることも多いからな。
せやからと言うて、既存の顧客全員に改めてサービスを一律にするということはない。その場の新規客だけや。
余談やが、クレジット会員なんかは、新規のサービスがええということで、意図的に契約と解約をくり返して、その都度、サービスを受けとる者もおるという。
これなんかは、交代読者と同じ感覚や。どこにでも、同じことなら得をしたいと考える人間はおる。それをしたら、ええとか悪いというのとは別のことや。容認される範囲ということなら、そうせな損やという感覚やな。
あんたの理想が実現できるとしたら、新聞社が、すべての購読客にサービスするという姿勢を示すのが、一番手っ取り早いし、それしかないと思う。販売店の負担なしの捨て材としてな。
せやけど、これは、現在、行われとるゴミ袋程度はあっても、ビール券や商品券をそのサービスにというのは考え辛い。洗剤1箱でも怪しいもんや。これを、先の販売店でしたのと同じ考察をしてみる。
1000万部を誇るという新聞社が、例え200円の洗剤1箱を負担するとしても、計算上は20億円以上の金がかかることになる。
しかも、先にも言うたように、それで効果があるかということになる。客もはっきり言うて洗剤1箱では喜ばんと思う。ないより、ましかという程度や。効果を考えたら、もっとということになる。
それを承知で、新聞社がするか、どうかという問題がある。すべての客へと考えると、そういうことになる。したがって、物理的には難しいという結論になると思う。
あんたの気持ちは分かるが、できることとできんことがあるということや。ワシら拡張員は、販売店の代理で新聞を売ることが仕事や。
基本的には、その販売店の意向に添って仕事をするしかない。その意向に従えば、あんたの『契約したお客様に、固定になって欲しいと考えております』というのは、販売店にも喜ばれてええやろと思う。
拡材も、新規客だけに渡せと言われたら、そうするしかない。ただ、個人的に、過去に顧客になって貰った所を訪問して、そうするのはええと思う。ご機嫌伺いという形で立ち寄り、許される捨て材くらいを置いてくるのはな。
それは、ワシもたまにする。客の中には、気の合う人間というのもいとる。そういう人間と懇意になっとれば、損をすることはない。
その客が、例え、その新聞を続けて購読していたとしても、それはそれでええ。あんたも、そう願うということやしな。
そうすれば、喜ばれることが多い。ワシは、建築屋の営業をしてた頃から、それを続けとる。建築屋の営業で苦情の多いのが、契約したら、営業員が寄りつかんというものや。
そういうクレームがそこから出たら、その家からのリピートは難しくなる。それを防ぐ意味もあって癖になってしもうてるわけや。
また、このご機嫌伺いというのは、直接的な契約につながらんでも、情報を入手しやすいということがある。
こちらが、気が合うと思う人間は、相手もということが多いもんや。自然と、心やすく話も弾む。
それがあれば、他新聞の勧誘状況とか、そこの販売店の風評とかを簡単に知ることもできる。地域の情報にも明るくなる。あるいは、人により、客を紹介してくれることすらあるからな。
実は、ワシはアパートやマンションのオーナーとはこうして知り合うことがあるんや。そのオーナーやというのは、最初に勧誘したときはなかなか分かりにくい。
しかし、2,3度行って、気に入って貰えれば、そういう話も出る。中には、それで、そのアパート、マンションの住民を紹介してくれる場合もある。そういう客には、当然のようにサービスしとるというわけや。
さらに、その客が何ヶ月後かに、他の新聞を取っとることもある。それをまた起こすこともできる。これが、交代読者ということにもなるかも知れんがな。
あんたに、これだけは言うとく。あんたが勧誘して落とすことのできた客は、他の人間の説得にもなびく可能性が大きいということや。
その客も、もともとは違う新聞を購読しとったはずやからな。そういう客を獲得する以上は、それを覚悟しとかなあかんということになる。
好むと好まざるとに関係なく、あんたが勧誘した客は全員、交代読者の要素を持った人間ということになる。
せやから、あまり、そういう交代読者云々ということに拘らん方がええと思う。それに、多くの真の固定読者というのは、いくらワシらが勧誘しようとも、そう簡単に転ぶもんやないさかいにな。
彼らは、拡材なんかのサービスをワシらが思うとるほど重要視しとらん。あんたも他新聞の長期固定客を落としたとき「別にサービスは何もいらんで」という人間に出会ったこともあるやろ。
そういう物に、魅力を感じとらん人間も世の中には結構いとるということや。ビール券や洗剤みたいなもんという感覚やな。これは、不公平という以前の次元の違う話になる。
せやから、勧誘自体が圧倒的に断られることが多いという現実につながるわけや。単に、ワシらを嫌うてる人間ばっかりが、いとるからやないということになる。
真の意味での長期現読固定客とワシらは縁がないもんやと思うてたらええ。ただ、あんたが獲得した客は、付き合い次第でその固定客になる可能性はあるがな。
「あの新聞屋さんには、○○さんがいてるから止められん」という客がいとるのも、また事実やからな。
せやから、あんたにとってのそういう客を大事にしてたら、そういう客からの恩恵は必ずある。なくても、評判が落ちることはないから、少なくともマイナスに作用することはないはずや。
あんたの考えは、おかしいということはないが、考えすぎのようや。自分の置かれた立場でできることをする。それで、ええのやないかな。
それが嫌なら、それができる立場になるしかない。今回で言えば、新聞販売店を経営するところまで行けばそれも可能やと思う。
販売店の店主で、元拡張員というのもこの業界は結構いとるからな。まんざら、あり得ん話やない。
但し、その立場になればなったで分かることやが、経営面を考えたら、かなり、難しいと思う。
まあ、今の段階では、そこまで、考えんでもええのやないかな。ただ、将来的なビジョンの一つとしてなら、一考の余地はあるかも知れんがな。
最後に『契約成功の際、アドレナリンが脳内にビシビシ分泌されるのを最近感じます』ということやけど、これなんかは、あんたがいかに真面目に営業しとるかの証しになる。
難しければ難しいほど、契約が達成されたときの高揚があると思う。これは、一生懸命やればやるほど、その達成感でそうなる。
これが、不正や、不良、また騙しなんかで得たカードやったら、そんな高揚感は絶対に湧いて来ん。ただ、バレんようにしようとか、どうしてごまかそうか、ということにしか考えが及ばんからな。
今回のワシのアドバイスの要点としては、考えすぎんということと、顧客のためにという気持ちを忘れんかったら、自然とあんた自身のためにもなるから、今のまま頑張ればええということや。それ以上は、あんたに言うことは何もない。