新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.208 配達人の罰金制度について
投稿者 J さん 新聞配達員 投稿日時 2006.2. 6 PM 11:38
『NO.204 抜き取りの可能性はないですか?』で質問した Jです。引き続きになりますが『NO.202 何度も不着があり、アテにならないので解約したいのですが』 の中で、次の一文が気になりました。
>多くの販売店は、その不着に対してペナルティとして配達人から罰金を徴収しとる。
私の勤める店では、そのような罰金制度はありません。ただし、不着が何度も続けばクビになるという雰囲気ではあります。
配達人が能力的に不適格者であるということですから、それはそれで当然のことと思います。
しかし、そうはいっても、「罰金」というのは法律(労働基準法?)で問題がありませんでしたか?
たとえばその配達人が、拡張員のように、ある種、自営業者のような立場で仕事を請けていたとしたら、そういった懲罰があったとしても、契約上の話ですから問題はないと思います。
でも、配達人がその店の従業員であったとしたら、不着に対して露骨に罰金を科されるのは、個人的には納得できないものがあります。
不着や誤配をしないというのは配達人の基本ですから、それをしようと思ってする人はいないはずです。
私でさえ、年に何度かあります。配り終えた後で一部でも余ると、もう必死に探しまくります。それでも不着の家が特定できないときがあります。
ちなみに私は、必ず「落とし込み」をするタイプの配達員です。(アパートのドアポストのように、物理的に全部入り切らないところは除きますが)これは、抜き取り防止のためと、配達後に雨が降っても新聞が濡れないようにとの配慮からです。(そこが留守宅の場合、雨で濡れる確率も高くなります)
現状の配達方法は昔とちっとも変わらず、人間の記憶や経験に頼りきるシステムであるために、不着が起こっても当然なんです。
ホリエモンが子供の頃2年間新聞配達をした話は既に有名になっていますが、当時、不着が一件もなかったことを店主が”誉めている”のも、それがいかに難しいかを裏付けた発言です。
そういう事情があるのに、罰金を科すというのは、私にとっては、ある種、異常な行為に見てとれます。
しかし、それは私が知らないだけで、もしかしたら、全国的には、そういった処罰規定を設けている店がほとんどで、私がたまたま運のいい店に入っているだけなのかもしれないと思いました。
このあたりは、ゲンさんは、どれほど把握されていますでしょうか?
是非、ご意見など伺いたいです。
回答者 ゲン
『多くの販売店は、その不着に対してペナルティとして配達人から罰金を徴収しとる』については、昔から出入りしとる販売店の多くが、そういうシステムでやっとるから、ああいう答えになったということや。
法律的なことについては、ハカセが当サイトの法律顧問 今村英治 先生 に問い合わせたものがあるから、それを紹介する。
送信者 ハカセ 送信日時 2006.2. 6 PM 0:06
ハカセです。
新聞販売店の罰金制度についてお伺いしたいのですが、よろしく、お願い致します。
配達人の新聞の入れ忘れのミスを、不配、不着と言いますが、販売店によれば、これについて、罰金を徴収している所があります。
これは、専業、アルバイトを問わずです。大体1件あたり500円程度が多いようです。
販売店側の理由として、この行為は、客から解約を宣告されやすく、それに対して、あきらめるしかないということからのようです。言えば、店側の保険的な意味合いが強いものと思われます。
事実、サイトのQ&Aにも、そういう質問も多く、ゲンさんの回答でも、アピールしても度重なる場合は、契約不履行で解約できると言っています。
ここで、お尋ねしたいのは、罰金を徴収する行為は違法になるのでしょうかということです。
これは、昔から普通に新聞販売店で行われていることです。違法になるとしたら、労働法関係かと思うのですが、どんな法律が該当するのでしょうか。
因みに専業は一般従業員として社員契約を結んでいますが、アルバイト配達員は、1部配るごとにいくらという報酬設定になっています。
この罰金制度は慣習ですが、法律的にはどうなのでしょうか。
返信者 今村英治 返信日時 2006.2 6 PM 2:25
お問い合わせの件ですが、罰金徴収が現金回収の場合、損害賠償を請求しているわけですから問題ないものと私は考えます。
給料から天引きですと 減給の制裁に該当するかもしれません。その場合は上限額があります。
労働基準法第91条です。
(制裁規定の制限)第91条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。
新聞販売店のみならず罰金制度を設けている会社は他にもありますよ。
つまり、度を過ぎた罰金ということやなかったら、容認されるということのようや。ワシも、この罰金のことについては課金されとると聞かされても、特に違和感はなかったしな。むしろ、当たり前のことやと思うてた。
ワシらへの罰金のことを考えたら軽いもんやしな。もっとも、ワシらのとは、根本的に性質が違うから比べることはできんがな。
ただ『ゲンさんは、どれほど把握されていますでしょうか?』と言われても、ワシのはほんの周囲だけのことやから、タカが知れてる。
せっかく、このサイトには、多くの販売店の方々に協力して頂いとるのやから、アンケートという形で、このことについて問い合わせてみたいと思う。
アンケートへの依頼は、現役の方々ということでお願いした。
アンケート依頼内容
今回のアンケート内容は、配達人の罰金制度についてです。
1. 不配、不着、遅配に対して罰金及びペナルティの制度はありますか。
2. あれば、その額、程度を教えてください。
3. このことについて、どういう感想をお持ちでしょうか。
以上です。
いつもながら、迅速に多くの回答を寄せて頂き、本当に感謝してる。有り難いことや。早速、紹介して行こうと思うが、今回は、立場の違いでも、意見が分かれることやと考える。
せやから、それぞれの立場ということで、分けて紹介する。まずは、所長、店長というトップの方々からや。
四国 全国紙 店長さん
1. 不配、不着、遅配に対して罰金及びペナルティの制度はありますか。
A.あります。状況によりますが……。罰金制度ではないです。ペナルティですね。
2. あれば、その額、程度を教えてください。
A.毎月、不配表がありますので、不配、誤配については、配達人別にグラフが貼ってあります。しかし、給料から罰金を差し引くのは、良くないという所長判断により実施しておりません。(ちゃんと給料は満額で支給する。)
遅刻での遅配は、厳重注意をしますが、配達人の配達前に大きな注意はしません。あせらせるだけで、事故や不配の元なので、配達終了時にします。
ペナルティというよりは、遅刻、不配、誤配が目立ったりして、改善が見られなければ、解雇します。月に5回以上、こんなことが続けば、解雇も止むなしと考えています。
各配達員、月に不配は3件あれば異常です。よっぽどの理由があれば別ですが。3回を何ヶ月も越えるようだと、配達部数を減らす通知をします。もちろん、次月からの給料の減額はあります。
それでも、直る様子がなければ、解雇ですね。これがペナルティだと私の所は考えています。
実際、20名ほどの配達さんがいますが、全体で月15件〜20件の不配、誤配です。こういういい訳はいけないかもしれませんが、人間がすることですので、間違いはあると考えています。
不配しやすい家は、帯び付けをしたりして、未然に防ぐ指導から始まりますし、予備紙は1部しか持たせません。
手板(仕訳表)の裏に、不配リストを作っておいて、余ればその家を中心に折り返したりさせます。留守止めも含め、毎日の部数調整をする事も大事です。
こういう事が出来ない店は、不配をたくさんするのではないでしょうか?
3. このことについて、どういう感想をお持ちでしょうか。
A.私個人も罰金は反対です。人間ミスは誰にでもあります。それよりもミスを未然に防ぐ手立てに努力すべきだと考えています。
基本的に気持ち良く仕事をしてもらう環境と、ルールの徹底を配達人に遵守させる事が、不配の減少につながると考えます。
関東 全国紙 店長さん
アンケートにお答えします。
@とA、不配=欠配でしょうか?罰金やペナルティーの原則はありません。しかし、色々な理由をつけ、即クビにします。
不着=1ヶ月に5件までセーフ!6件から罰金500円、11件目から罰金1000円です。誤配=も一緒です。
B新聞店はえてしてどうしようもない人間が集まりがちです。そんな人間を甘やかすとろくなことになりません。募集費を多くかけ、不適格な人間は切っていく。それをやらないと新聞業界はいつまでも同じです。
南九州 全国紙 所長さん
1. 不配、不着、遅配に対して罰金及びペナルティの制度はありますか。
なし
2. あれば、その額、程度を教えてください。
なし
3. このことについて、どういう感想をお持ちでしょうか。
不配防止策ではなくペナルティに関しては何も設けていません。
配達員さんもわざと不配を出している訳ではないのでペナルティは不必要。
結果論として不配はなくならないと思っているので、不配が起きた時点で配達員さんにありのままを報告、次にどのようにすれば同じ問題が起こらないか話し合って配達の工夫をする。それを店内会報のような形で翌日直に従業員全員にナレッジ(情報共有)しております。
しかし、これでも様々な理由から不配が起きるのが現実です。お客様はそんな事は知ったこっちゃ無く「届かないものは届かない」ので怒りますが、きちんと直ぐに不配を出してしまったお客様にまず謝罪、そしてありのままの現状報告、今後の対応策をきちんと説明する。
これで問題がこじれた事はございません。逆に不配を機にお客様と更なる信頼関係を築けたことも有ります。
北九州 全国紙 所長さん
返信いたします。
@ 私の所にも、今30名ぐらいの配達はいますが、その中で1名に対してだけ、2度以上の不配に対して罰金を取るようにした時期はあります。
何度注意しても、またやるもんですから、言っても自覚してもらえないと判断したからです。
A 2回すると500円です。でも確かこの頃は、不配はなくなった! と思うくらいになりました。
B 普通の方には罰金は必要ないです。どんな仕事でも、というのは語弊がありましょうが、少々の罰金で済むことではないですし、お互いの信頼関係が崩れてしまいます。
注意の仕方や、配達の順番や、一件の不配に対する話がきちっとできれば、直ることが多いと思います。1回あることは仕方ないこととして、2度目が起きないようにどうするか、お互いに工夫できることを話すことですかね・・。時には罰金もありえるということですかね・・。
意外と、罰金には、否定的な考えの方が多いようや。課す所も、やむを得ずという感じやな。まあ、それはそのとうりやと思う。そんなもの貰うより、不配をなくしてくれる方がええに決まっとるからな。
次は、専業の方々や。
関東 全国紙 専業さん
1. 不配、不着、遅配に対して罰金及びペナルティの制度はありますか。
有りました。種類を問わず、不着、誤配、遅配その他すべての苦情(配達時に音がうるさいとかも)と朝刊の出勤・帰店時刻について。
2. あれば、その額、程度を教えてください。
満額で10000円の手当てを苦情一件につき500円減額で、20件を超えるとマイナスになり、基本給にも減額が及ぶ。
また出勤・帰店時刻についても、新聞の店着時刻や悪天候、チラシの多寡などの外部事情の一切を考慮せずに、遅刻一回につきそれぞれ200円程度の減額を店長の印象で評価していた。場合によっちゃ、休日の剥奪など。
3.このことについて、どういう感想をお持ちでしょうか。
店側の主張としては、手当ての減額であるから問題はないとしている。手当てなしで十分な給与であれば問題はないが、しかし実際の生活をしていく上で、満額の手当てを含んだ額で、やっと生活が成り立つような状況である。その点からすると、労働基準法で禁じられている予定賠償といわざるを得ない。
それに配達員といえども、原則的に朝夕刊時のおよそ12時間おきに拘束されることから、アルバイト等で不足する生活費を補うということは困難であり、新聞販売店が生活費の保証をしなければならないという点を踏まえると、なおさら許されないことである。
付け加えると、配達員ならびに集金・営業員等の過失による契約破棄や集金不能の結果である損失を当人に負担させることなどは、新聞販売店ではよく見られることであるが、間違いなく労働基準法違反である。
従業員の無知に付け込んで当然のごとく行われていますが、利益も受ければ責任も負わなければならないという民法上の報償責任の原理からすればおかしいことは一目瞭然。利益は受けるが責任は負わないというのでは、明らかに無責任であり、法益上の衡量・バランスを欠いているといえるであろう。
東京都 全国紙 専業さん
1.あります。
2.不着・未着・苦情一律1件につき1000円の罰金があります。ただし、店全体で不着・未着・苦情総数が100件を切った時は半額になります。あと不着・未着・苦情が月に3件以下の人には罰金は発生しません。
また月に不着・未着・苦情が20件以上を3ヶ月連続ですると解雇になります。ちなみにこの罰金は休刊日などに店内旅行に行くための積立として活用しています。
3.戒めの意味でもある程度の罰金はしょうがないと思いますね。
東北 地方紙 専業さん
さて、ご質問にお答えさせていただきます。
当販売所では
1.罰金は無、ただし口頭にて注意され、配達新聞の上にお客様が怒っています。不着がないよう十分注意して下さいとコメントが書いてあるA4サイズの紙が必ず置かれています。
2.そして、ノートにいつ、だれが、どこの区で不着したか記載しています。店でどんなに注意してもあとは配達人1人1人の注意力がものをいうのじゃないかと思います。
罰金はなく個人個人で十分注意して下さいとのことです。
3.私の考えとしては罰金課しても不着はなくならないと思います。かえってよく罰金払ってるものが他の人の足をひっぱるような行為を助長しないか心配です。ですから、何度でも個人の注意をうながす努力を粘り強くやっていくことが重要ではないかと思います。
関西 全国紙 専業さん
1.不配、不着、遅配に対して罰金及びペナルティの制度はありますか。
あります。以前は、1件につき400円だったのですが、今は500円になってます。
2.あれば、その額、程度を教えてください。
僕の場合は、先月7件で3500円のマイナスです。でも、これは少ない方です。
3.このことについて、どういう感想をお持ちでしょうか。
こんなことを言うと意識が低いとゲンさんに言われそうですが、ある程度の不配や誤配、遅配は仕方ないのではないでしょうか。僕たちは機械ではありませんから。
僕の考えでいうと、月5件くらいまでは考慮してもらって罰金はそれ以上にしたらと思うんですが。まったく廃止というのも、意識が低下するかも知れませんし。
東海 ブロック紙 専業さん
1.ありません。
3.うちは、そういう不配や遅配というのが少ないので、罰金制度は必要ないですし、あっても、それでなくなるとも思えません。あくまでも、個人の心構えの問題ではないでしょうか。
全国紙と地方紙、ブロック紙の違いなのか、意見が分かれたようやな。
次は、あんたと同じアルバイト配達員の方や。
関西 全国紙 アルバイト配達員さん
1.不配、不着、遅配に対して罰金及びペナルティの制度
今はありません。昔一時、一部の人が不配が多かった事がきっかけで「不配一回ごとに500円」というのがありましたが、いつの間にか無くなりました。
3.このことについて、どういう感想をお持ちでしょうか。
上記の時に、妙なプレッシャーがかかったのか、今まで不配しなかったような人まで不配したりとロクな事がなかったので、やめて欲しいです。
ペナルティなど作らなくても、配達人はきちんと自分の仕事をしますし、「不配」と言っても後で「家人が先に取り込んでた」などの配り忘れとは限らない事で電話が掛かってくることもありますので。
次は、ちょっと、変わった形態の人で、臨配専門にやっておられる方や。これは、代配の専門職のような仕事で、短期間だけ、ある店で代配をするということのようや。
主に、事故やケガ、病気で休業した人の代わりで代配を担当することが多いという。必然的に、多くの店で、その経験をされておられる。
関東 全国紙 臨配員さん
1.不配、不着、遅配に対して罰金及びペナルティの制度はありますか。
A.どこの販売所もあるようですね。誤配も不着とカウントして、全て不着として統一していました。1〜5件までは1件につき罰金100円でしたが、10件以上は罰金1万円、15件以上は2万円、20件以上は罰金3万円という形もあれば、10件以上から3万円で固定という場合もありました。
どの店も不着メーターをつけていましたが、共通して言えることは、あまり丁寧に正確につけてないという感じです。
ずいぶんと連絡帳には記入しても、メーターにはわざと忘れたふりして記入しないというようなことをやっているようで、本当に反省がない人間に対しては意識を変えてもらうために、罰金を科すようです。
ただ、難しいところは区域によって、配達事情が違うということを、そうあからさまには無視できないということがあると思います。
部数が多いところから、区域の構成によっては明らかに不着の危険が高い区域というのはやはりあると思いますし、常配と代配で同じ1件の不着として判断されるのはあまりに酷だと個人的には思います。
代配手当てが出ている店ならいざ知らず、ただ、できるから代配を任されている場合には、これは憤慨ものです。きついことやる上に、厳罰は同じでは納得できないところがあります。そういう事情も店は加味しているのか、メーターは微調整してつけているような感じです。
常配の不着は順路帳をはずして、記憶に頼ることからの個人の過失が大きいですが、代配の場合は順路帳記号ミス、記入漏れ、留守止め消し忘れなどいろんな要因があります。
だから、個人的には不着を厳正に処理するなら、そういう連絡漏れについても厳正に処すべきだと思いますが、それでは店は修羅場になると思うので、そこは本人の意識を重視する感じはあるようです。
また、ある店では業務改善報告書みたいなものを作って、反省と対策を促すような方法をとっていました。
また、他の販売店では、次の月1件でも不着したら解雇するというような、恐喝みたいなやり方をしていました。高齢のバイトを解雇するために、不着を理由にするというえぐいやり方もあります。
また、度々の不着で契約が壊れて、それを自分で残り契約月分を弁済するということは、不着の件数に関わらず、止めた本人に責任を課したりしてきたりしますが、これも、累積の結果、最後の人間が全て責任を取るというのも、憤慨ものではあります。
僕自身も駆け出しのころ、自分で頭下げて継続をもらいにいったことがあります。ただ、不着といっても明らかに抜かれていたり、悪意のあるお客さんが、新聞が入っていない振りをして電話をかけてきて、吹っかけてくるという場合もあります。僕のケースも抜かれていました。
その際、ある知り合いは携帯の写メでポストに入った新聞を撮影して、それを証拠に持って自分の正当性を主張するというようなこともありました。
配達の報酬を計算する仕組みについてもわからないところが多いと俺は思います。
求人誌の「ガテン」を見ていると、上は朝夕刊配達で20万7千円という販売所もあれば、13万、時給計算方式で時給900円〜1500円、あるいは10万以上、奨学生などは9万〜8万というばらつきもありますが、部数の違い的にはさほど差がないように思います。
たとえば、団地の多い区域で150部前後の区域と、俺自身が配っていた区域で本紙260準本紙70ぐらいの区域で、給料が同じ15万というような、明らかにおかしい計算もありました。
アルバイトでもボーナスをもらえる人間ともらえない人間といたりと、かなりおかしなことになっていました。
一番わかりやすいのが部数で計算して、集合ポストと階段のある家とそういうことを補助的に考えて計算したり、標準的な常配の配達にかかる時間で給料計算したほうがいいように思います。
とはいえ、そこは新聞業界なので、どうにもならないだろうという諦めもあります。なので、給料のいい店、条件のいい店に流れていくというような形が加速するのだと思います。
給料が安いなら休日の数で補い、給料が高いのならそれなりの配達のレベルが要求されるような形なら納得もできます。とはいえ、細かいことを言っても始まらないので、そこは伏せてそのままということが多いと思います。
不着の予防については、順路帳の作り方、留守止めの方式、増減簿の精度、連絡の申し送りなど、そういう細かいことを的確にやることが効果的だと思います。
また、たかが新聞配達と捉えず、配達の精度、速さ、などなど技術的なものに誇りを持って、そういう意識で従業員が取り組んでいる場合は、不着は恥だという意識が芽生え、自主的に1件の不着を配達が終わってから1時間も探すような、そういう意識下で業務が行われれば、望ましい状況にもなります。
やり過ぎはまたそれで問題はありますが、意識は大事だと思います。
それだけ、注意してやればやはりおのずと不着は減りますし、その人間をあからさまに責めるという空気もなくなり、全体の問題として店が取り組むいい雰囲気ができあがったりします。
個人的には順路帳が配達の生命線だと思います。そして、順路帳の作り変えが一番の問題だとも思います。個人的には書き換え不要のカード式順路帳というものを長年構想してきたので、次の店で形にしたいと考えています。
数え紙も大事なことだと思います。把握しているかいないかというのは大事で、積む数まで俺はいちいち数えて、回戦ごとに数からたどってどこで不着したか推理して短時間で発見したりします。探すとそういう「勘」も養われると思います。
また、口で銘柄と名前を言いながら配るというようなこともかなり有効で、俺自身、やっています。
ペナルティとは逆に、月間完全配達をすると1万円の手当てがつくというのもありましたが、完全配達は至難の業だと思います。
代配は難しい部分もありますし、常配でもかなり至難の業だと思いますが、1度そいうことができると、自分の配達に対する信頼度が上がるようになると思います。そうすると新聞があまった際に、悩むこともなくなります。そんなところでしょうか・・・・・・。
この人は、いろいろな販売店を経験されとられるということで、説得力もあり、また、目の付け所も鋭い。ワシも、ええ勉強をさせて貰うたというのが正直な印象や。
最後に、新聞販売店の事務員をされておられる2名の方の意見を紹介する。
東北 全国紙 販売店事務員さん
1.不配、不着、遅配に対して罰金及びペナルティの制度はありますか。
不配、不着については以前ありましたが現在はありません。形だけ残っている状態です。遅配は以前も今もありません。
2. あれば、その額、程度を教えてください。
以前についてはあまりにも不着・不配が多かったので1件につき100円の罰金取る旨を張り紙で表示して、実際、所長が配達人の給料から不着・不配件数X100円の計算で差し引きをしていました。
その後不着・不配が少なくなったのもあり、所長がその計算をしなくなったので罰金は無くなりました。(おそらく計算の手間がかかるのでやる気が無くなったと思います。)
現在はまた不着・不配が増え始めましたので、1件につき300円の罰金を取る旨の張り紙をしていますが、これは現状に見かねた従業員さんから「書いて張っておけ」と頼まれたもので実際は差し引かれる事はありません。
配達員もその事をわかっているので効果はないようです。尚、罰金以外のペナルティはありません。
3. このことについて、どういう感想をお持ちでしょうか。
不着・不配・遅配については件数や土地柄にもよるかと思いますが、新しく入られた配達員さんや、急病等で人が足りなくなり急遽別の地区の配達を任された時はどうしても不着・不配はでてしまうのは仕方ありません。
その時は店に連絡をすれば事務で粗品と一緒に新聞を届けますが、読者が居れば状況を聞いて(頻繁にあるかどうか)その旨を指示書に書いてその地区に張っておきます。
(しかし稀にどういう理由かわかりませんが不着・不配・遅配の連絡をせず集金の時に届いていなかったと初めて伝えてくる事もあります。)
罰金については所長側から見れば契約読者で頻繁に不着・不配が理由で途中解約されてしまったら店の経営や信頼に響きますので、給料に大きく響く事が無い程度の罰金は仕方ないですが、罰金を取るのであれば所長も不着・不配・遅配を無くすよう従業員や配達員に指示や教育を徹底する努力は必要だと思います。上が動かなければ下は動きません。
上がやる気がない態度であれば下もやる気が起きません。罰金やペナルティを課してハイ終わりでは、いつまでたっても不着・不配・遅配は無くならないと思います。
補足:私が大分前に知った範囲なので間違っているかもしれませんが、基本的に仕事上で社員が会社に損失を与えた場合、損失金額を社員の給料から差し引く事は出来ないと今の労働法で決められているハズです。
関西 全国紙 事務員さん
1.不配、不着、遅配に対して罰金及びペナルティの制度はありますか。
なかったと思います。私の他に事務員さんがあと二人いてそのうちの一人は経理担当で、会社のお金の管理は、社長も専務も店長も一切ノータッチで、全てこの経理さんが仕切っているのですが、少なくとも罰金の話はきいたことがありあません。
というより、そういったお客様からの電話は事務員以外とることはあまりないので、電話を受けた事務員と、その時点で一番近くにいると思われる配達員とのやりとりで終わることが多いです。(「○番地の××さん不配です。手渡しでお詫びに伺ってください。」「分かりました〜」みたいな。)
もちろん、何時どのお客様から、どういったクレームを受けたかというのは、電話を受けた事務員がその都度パソコンの顧客情報に入力しますが、その内容を社長や専務、店長がいちいちチェックすることはないので、特別ペナルティを科しているとも思えません。
3. このことについて、どういう感想をお持ちでしょうか。
ペナルティや罰金よりも必要かもしれませんが、クレームを受けた時点での、その配達員自身のお客様への対応を徹底させることも効果的ではないかなあと思います。
社長は、不配、不着、遅配があって再配達するとなったときに、その配達員が必ずポストではなくてお客様に直接手渡ししてのお詫びを徹底させているのですが、お客様がお怒りなら受け取って下さらなかったり説教されたりすることもあるみたいなので、人と接するのが苦手な配達員さんだったりしたら、それだけでもう辛いのではないでしょうか。
社員証の着用も徹底させられてるので、お客様には顔も名前も覚えられてしまいますし…。(社交的な人であっても、人から説教されるというのはバツが悪いものですよね(苦笑))
人と接するのが殊更苦手な私が配達員だったら、罰金を払ってお客様の顔を見ずに済むなら、懐が痛まない程度の罰金なら払う方を選んじゃうと思います。(電話の応対でもいっぱいいっぱいなので(笑))
これら、すべての意見を総合すると『多くの販売店は、その不着に対してペナルティとして配達人から罰金を徴収しとる』と、ワシが断言したのは、間違いやったようやな。
今更ながらに痛感するが、自分が見聞きしたことだけが、すべてやないということになる。この結果で言うと、罰金制度のある所とない所というのは、全くの五分五分ということのようや。
これからは『販売店の中には、その不着に対してペナルティとして配達人から罰金を徴収しとる所もある』として、アドバイスせなあかんようやな。
それにしても、こういうアンケートの度毎に、何か新しい発見がある。その意味でも、今回も有意義やったと思う。
この罰金問題やが、結構、いろんな問題を含んどる。一概にええとか、悪いとかという決めつけはできんということやな。
せやけど、いずれにしても、根本は、その罰金の基である不配をなくすか少なくすることやと思う。難しいのは良う分かるが、仕方ないで済ましたら、それまでや。
どんな仕事も、創意工夫で、何とかなるもんやと思うしな。無責任かも知れんが、ワシには、頑張ってほしいとしか言えん。