新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.236 契約監査について


投稿者 T さん S紙拡張員 大阪在住 投稿日時 2006.3.19 AM 1:59


突然のメール、失礼致します。
大阪でS新聞の拡張員をしています。貴サイトは以前から拝見させて頂いています。拡張の仕事を始めてからはとても励みになっています。有難うございます。今後も長く続けて頂ければと思います。

Q&Aへと書きましたが、質問・相談と言いますか、愚痴に近い内容になると思います。それでもQ&Aへ掲載をお願いしたいのは、ゲンさんのご意見をお伺いしたいことと、S新聞社の職員で貴サイトを見ている方もいるでしょうから、意見として頭に留め置いてほしいという期待を含めてです。

私がこれまでに入ったほとんどの販売店では、契約が取れた場合、当日に電話確認をしています。(拡張員が店に戻り、その場、又は別室事務所で)販売店や担当者にもよりますが、この時の態度、話し方について、腹の立つ事が多くあります。

ある販売店では毎回のようにある話です。

まず、上がったカードを見せます。サービスを多く付けた内容ですと、所長はそれを見るなり「こいつはカスの客やな…」などと必ず言います。

もちろん店が認めている上限までにしています。お客さんには聞こえていませんが、いやなら販売店経営などやめたらいいのではないでしょうか。

こちらは、契約をくれたお客さん全員に、当然ですが好感を持っています。店にとってもこれから先の大事な顧客でしょう。なにも無理な要求もしてきていないのに「カス」とは何でしょう。

それから電話確認。

「今日は営業の者がお邪魔致しまして、」契約内容、拡材の確認。ここまではいいのですが、
店「他、なにか変わったことは言っていませんでしたか?」
客「??」
店「いえ、内緒にしといてくれとか、後から何か持って来ますとか…」

このような事を言うと、なにかおかしな者と契約したのかとか、不審に思うお客さんも時々います。

私は身分を聞かれた場合、「正規の代理店です」と説明しています。

客「代理店の者だと言ってましたが?」
店「ええ。拡張員です。」

この次にお客さんが何と言っているのか、受話器を持っていないからわかりませんが、電話を切ったあと「これはキャンセルになったよ」と。

これは1店だけの話ではありません。万一の、後爆や騙しなどを防ぎたいからそうするのでしょうが、自分が客なら、来た者を信じて契約したのに何なんだ、よくわからない店だからもういいよ、と断るでしょう。

ちなみに私の所属している団は評判がいいと、販売店からよく聞きます。それでも構わずこのような事をします。お客さんへのイメージとしてもマイナスにしかならないのでは
ないですか。

本社がそのような監査をするよう指導でもしているのでしょうか。

ついでに書きますと、キャンセルなど考えられないと思って帰り道「キャンセル」となった家に訪問したことが何度かあります。

「よくわからないからもういいです」が一番多い、のはまだいいとして「販売店の方と契約することにしました」何軒かありました。… これは何でしょう。

同じ団の年配の人から聞きました。他紙の拡張もやってきたとのことで、その人が言うには「他は監査はどっちにも失礼がないようにする。おかしいのはS紙だけ」

これは事実なのでしょうか。まあ、仮にそうだとして今の仕事を辞めたりしませんが、事実であれば「おかしい」と思います。

自分なりに気持ち良く仕事しています。契約を取って夜、店に戻ってからが一番大きなストレスを感じる時です。

長々と駄文、愚痴のようになり、失礼致しました。以上の事柄について、ゲンさんのご意見を頂ければ幸いです。

また、新聞社の方、ここをご覧ですよね?でしたらご意見下さい。


回答者 ゲン


話を聞く限り、かなり程度が悪いな。特に例として挙げた販売店は最悪や。

あんたの言うてることは、団長なり班長は知っとるのかな。もし、知っとるということなら、販売店もやが、その団にも問題ありそうやな。

『私の所属している団は評判がいいと、販売店からよく聞きます』と言うのはええ。真面目な拡張団やということやろからな。

ただ、拡張団のトップや班長は、それだけではあかん。団員を守れな、その地位におることの値打ちがない。

今回の話の中に、その販売店の人間から『電話を切ったあと「これはキャンセルになったよ」と』いうのがあったけど、こういう場合、通常の団の団長や班長なら、その理由をかなり強い口調で問いつめるもんや。それが、団員、班員のカードやったら尚更ということになる。

さらに、それが『キャンセルなど考えられないと思って帰り道「キャンセル」となった家に訪問したことが何度かあります。「よくわからないからもういいです」が一番多い、のはまだいいとして「販売店の方と契約することにしました」何軒かありました』というのは許されることやない。

それは、誰がどう見ても、その販売店が、団員の契約を取ったということやからな。これは、ワシらの世界では重大な違反行為になる。

ワシやったら、絶対に吊るし上げとると思う。

ワシも7,8年前になるが、あんたと同じ大阪のS紙で拡張してたことがある。もっとも、大阪と言うても広いし販売店の数も相当あるから、何とも言えんが、あんたが指摘するほど酷い所はなかったと記憶しとるがな。

ただ、中には、それに近いことを言う者もおったけど、そういうのは、ワシは許さんかった。もっとも、それが、例え、店長クラスの人間でも、意見すれば、たいていは「すんません」と素直に謝ってたけどな。

ワシはその当時、そこそこの団で班長もしてた。ワシは昔から責任者としての立場で仕事することが多かったから、部下と接するには何が大切かということは自分なりに理解しとるつもりや。

特に、営業会社においては、部下が契約を取って来るというのは、その直属の上司、経営者にとっては有り難いもんや。そのおかげで、その人間の立場も保証され、会社も成り立っとるわけやからな。

契約を取って来た部下は特に大事に扱わなあかん。少なくとも、ワシはそれには気を配ってたつもりや。

せやから、その班長をしていたときにも、部下の上げた契約がキャンセルになった場合はとことんその理由を、当人に問い質したもんや。

たいていの人間は、ワシにはごまかしは通じんと思うて喋ってた。その人間が、ええ加減なことを言うてるか本当のことを話とるかというのはすぐ分かるからな。

それで、その拡張員に責任のあるケースやと分かれば、遠慮なく叱る。ワシにとって、人に意見するとか叱るという行為は、一種の親切やと思うとる。

せやけど、そこに憎しみが入ったらあかん。面子を潰されたという感情でただ怒るだけでは何の意味もない。純粋にその行為を叱るわけや。

例えば、それが、てんぷら(架空契約)のような不正行為やったりしたら、それをすることのデメリットを教え諭しながら叱る。一番のデメリットは信用を落とすことやとな。

一度でも、てんぷらをした男というレッテルを貼られると、その販売店での信用は、当然のことながらなくなる。

この信用をなくすというのは、あらゆる職場でマイナスやというのは誰でも理解できると思う。その後、少々心を入れ替えて頑張ってみても、そこでの信用回復には、相当の期間が必要になるからな。

ここで、重要なことが一つ。その叱るという行為は、絶対に他の人間の前で懲罰的な意味を込めてしたらあかんということや。それは、ただの見せしめにしかならんからな。

責任者の中には、これが効果あると勘違いしとる者も中にはおるが、これはまったく無駄なことや。

あるいは、自分の存在感を示したいということかも知れんが、こんな上司は、たいていは誰からも評価されとらんもんや。

叱るのは、あくまでもその本人だけにや。ワシの経験からもこれが一番効果がある。そうすれば、その人間もその非に気付くことが多かったからな。

これは、上司に向かって意見するときも同じや。どんなことがあろうと、他の人間の前で意見したり、文句を言うのは下の立場の人間としたら厳禁や。

それは単に意味がないだけやなく、下手をすると身を危うくするからな。そして、肝心のその言うたことは何も相手に届かんものや。「人前で恥じをかかせやがって」としか思わんもんやからな。

但し、その部下に問題がなく、今回のように、あきらかに販売店側の作為的なことで契約をキャンセルされたようなケースは、それこそ、体を張ってその部下を守らなあかん。

今回のようにあからさまなケースでの経験はないが、それに似たようなことで、こういうのがあった。

ある販売店でのことや。入店したその日の契約の引継は無事上手く行った。それが、2日後、部下のカードが崩れ(契約解除)たと団の事務所にファックスが入った。

理由は、契約者が考え直したいと断って来たからやと言う。販売店としたら、そういう客には、強くは言えんからあきらめるとのことやった。

まず、ワシはその部下に聞いた。すると、その部下は「おかしいな。そんな素振りはぜんぜんなくて、サービスがいいというので、お客は喜んでましたけどね」ということやった。

そこで、ワシは、そのキャンセルの真意を聞き出すためにも、その客宅へ再訪させた。その際、まず、謝れと指示しといてな。間違うても問い詰めるようなことはするなとも言うた。

そして、そこで、どういう話を聞こうと何も言うなと釘も刺した。ただ、謝って帰れと。それが、結果的には功を奏したことになった。

「班長、あの客、キャンセルになってませんよ。後で専業の人間が契約書の書き換えだけ来たそうです。僕は班長の言われた通り『今後ともよろしく』とだけ言って帰ってきましたけど……」

そうは言うても、この部下は当然のように不満に思う。

こういうケースは、希にあった。たいていは、そこの従業員が自分の契約ほしさにする場合が多い。もっとも、裏で販売店の店長クラスが糸を引いとることもあるがな。

ワシは、すぐさま、その事実をもとに、その販売店の所長に談判しに行った。こういう場合は、その当事者の従業員を締め上げるより、その方が効果ある。

但し、一つ間違えばこちらの進退もかけなあかんことになるが、そのくらいの覚悟は責任者なら常にしとくことやとワシは思う。

このケースは、その所長の知らんことやったらしく、その件は謝って貰うて、元通り部下の契約として一件落着した。

その後、その販売店もやが、他の店でもワシらの団に、そういうことをする販売店の人間はおらんかったと記憶しとる。

この契約を横取りする行為というものが、ワシらの世界では、どれだけ重罪かということがその販売店は分かってないようや。

もっとも、そうなるにはそうなるだけの理由もあるのやろうがな。人間的に腐っとる場合は、どういう理由付けしても意味がないが、長年の販売店と団との確執という背景もこの業界では考えられることや。

例えば、今は真面目で評判が良くとも、昔は不正する者が多かったという場合は、やはり、信用という問題でどうしても疑問符がつくわけや。そこの引継の担当者が古株であればあるほどそういう捉え方をする。

また、この業界は、販売店と拡張団の力関係が違うというケースが往々にしてある。新聞社と販売店や拡張団との力関係は、はっきりしとるが、販売店と拡張団では、そのケース毎に違うのが普通や。販売店が強い場合もあれば、拡張団が強いということもある。

そして、話を聞く限り、あんたの所の団とその販売店とでは、圧倒的に販売店の力が上ということになる。

せやなかったら、こういうあからさまな客取りはせんはずやし、できん。

『それから電話確認。

「今日は営業の者がお邪魔致しまして、」契約内容、拡材の確認。ここまではいいのですが、
店「他、なにか変わったことは言っていませんでしたか?」
客「??」
店「いえ、内緒にしといてくれとか、後から何か持って来ますとか…」

このような事を言うと、なにかおかしな者と契約したのかとか、不審に思うお客さんも時々います』

これは、あんたの指摘通りで、その販売店の担当者は、間違いなく、行った拡張員に対して不信感を持たせるように客を誘導しとるわけや。

狙いははっきりしとる。今回のあんたが遭うたことと同じように、客を取るためや。拡張員は何を言うか分からんけど、販売店の人間は大丈夫ですよ、というアピールをして、契約を横取りするのが目的や。実際にそうなっとる。

そうやないかも知れんが、少なくとも、このケースは、そう受け取られても仕方ないと思う。

この販売店が何でこんなことをするのかというのは、いくつか理由が考えられる。

やはり、一番大きな要素は拡張料をなるべく払いたくないということやろ。拡張員のカードを潰せばそれを払わんでも済むからな。

次に、その販売店の営業力のなさというのも挙げられる。その販売店の従業員に営業力があれば、そんなことをすることはまずない。普通はこんなことはせんもんやからな。

『よくわからないからもういいです』という客には、再度、その販売店からアタックしとるはずやと思う。一度、客になったわけやから、上手く言えば落とせるということでな。

試しに、そういう客に聞いて見れば分かるのやないかな。あんたが聞いたとき断っとっても案外、取っとるというケースもあるかも知れんで。

この仕事で、一番、難しいのは、客になりそうな人間を探し出すことや。1本のカードを上げるためには、拡張員は相当数の客を訪問して叩く。そうせな、そういう客は拾えんからな。

いきなり行った先でカードが上がるというのは、ないこともないが、そんなものは交通事故に出会すくらい確率の低いことや。販売店にしたら、その叩く手間が省けるということになる。

あんたの言う『万一の、後爆や騙しなどを防ぎたいからそうするのでしょうが』というのも、一見考えられんこともないように思うかも知れんけど、監査のときは、客に礼を言うのが基本や。いらんことを言う販売店は圧倒的に少ない。

販売店の所長、店長連中を集めた新聞社の研修会でも、それは徹底しとることや。

それに、本当に後爆や騙しを防ぎたいのであれば、普通は、契約が確定してから行くケースが多い。早めに行けば、本当にそうなら話が違うとクーリング・オフをされるからな。その販売店にしも、真意は客に逃げられたら困るはずやと思う。

いずれにしても、そういう販売店が多いというのは問題やな。ただ、ワシの知る限りにおいてもS紙の販売店でも、そういうケースはほとんどなかったがな。

ひょっとすると、そういう販売店は、あんた所の団にだけ、そうしとるということも考えられんでもない。どう考えても、すべての団がそんなことをされて黙っとるということ自体が不思議やからな。

団にとって、あんたには分からん弱みのようなものが、その販売店に対してあるのかも知れんで。その販売店にそういう仕打ちをされとると知って何もせん団長や班長というのは、そうでなければ説明がつかんと思う。

よほどの理由か、トップの姿勢かは伺い知ることはできんがな。ただ、あんたに一言、言うとくけど、このことを、その団のトップまたは班長には言わん方がええと思う。

もっとも、あんたも、それが無駄やと思うたから、ここに相談に来たのかも知れんがな。

心配せんでも、見てる者は見とると思うよ。こういう悪評は、結構、自然と流れるもんや。ただ、悪評だけでは、どうにもならんというのも事実やと言えるんやがな。

糾弾するにしても、確かな証拠が必要になる。これが、顧客サイドから新聞社の苦情センターに持ち込まれた話やったら、それなりの調査が入るかも知れん。

しかし、現状では、例えその話が耳に入っても新聞社にすれば、単なる噂の域を出んことになる。噂で動くことも注意することもないやろと思う。

あんたの今の立場であれば、静観というのが一番、賢いやろと思うが、どうしても我慢できずにそういう行為を摘発するつもりなら証拠がいるということや。

ただ、この世界に限らず不条理なことというのは、どこにでもある。それを我慢するかせんかは、その人間次第になる。

それについて、ワシがどうこうということも言えん。あんたの期待通り、新聞社の人から何かアクションでもあれば伝えるつもりや。


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