新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.240 新聞特殊指定のアンケートについて


投稿者 N.Y さん 投稿日時 2006.3.26 PM 1:23


先ほどアンケートの回答を送った後で思ったのですが、どうも納得できないので教えてもらえませんか?

僕もいろいろネットで調べたのですが、新聞社が特殊指定に反対している理由について少し変じゃないかと思うんです。ちなみに下が僕の調べた新聞社の反対する主な理由でした。


【新聞社の主張】
新聞の特殊指定が廃止・縮小された場合、激しい販売競争が起きる可能性がある。同一の新聞なら、全国どこでも同じ価格で購入できる戸別配達システムが、大きく揺らぐ事態も起こり得よう。

日本新聞協会は、読者に安定的に新聞を届ける宅配制度を維持し、ひいては言論の自由などを守る立場から、見直しに反対している。

人口が少なく配達コストがかかる山間部、過疎地などでは、購読料金の値上げや配達打ち切りといった動きが出てくるのは必至である。

販売店を過当な競争に巻き込んだ結果、サービス向上どころか、国民、読者の利益を損ねてしまっては本末転倒だ。


新聞の特殊指定が、地域や読者によって異なる定価や値引きして販売することを禁止しているのはわかります。

でも、それが、新聞の特殊指定をはずしたらすぐ値引き競争になるというのがよくわかりません。なぜ撤廃すれば必ず、販売店同士で安売り競争が起こると断言できるのか疑問です。

ゲンさんもメルマガで、すでにその禁止項目に違反して値引きしている販売店もいると書かれています。

僕は現在、新聞はとってませんが、まえに「新聞代が高いからとれない」というと「それなら半分の2000円でいいから」と勧誘員の人がいうので3ヶ月だけとったことがあります。他にもビール券10枚ほどもらいました。

このHPにもタダでもいいからという相談もありましたよね。だとしたら、今さら新聞の特殊指定がはずされようが継続しようが関係ないのではないでしょうか?値引きしている販売店は現実にあるわけですから。

新聞社も販売店がそんなことをしているくらいわかっているはずでしょう?それとも、本当に知らないのでしょうか。新聞の定価は守られていると思っているのでしょうか。

僕はこの新聞特殊指定がなくなっても今とそれほど変わらないと思うのですが、違うのでしょうか。違うとしたらその理由を教えて下さい。
よろしくお願いします。


回答者 ゲン


『新聞社も販売店がそんなことをしているくらいわかっているはずでしょう?それとも、本当に知らないのでしょうか。新聞の定価は守られていると思っているのでしょうか』

残念ながら、ワシには新聞社がどう思うとるかというのは分からん。想像はできるが、それはあくまでも想像や。こういう根拠があるから、こうと違うかと言えれば、まだ話す価値はあるけど、そういうのもない。

ただ、表面的なことを言えば、新聞社は定価は守られとるはずやというスタンスや。どんな行為であれ、値引きに繋がることはあかんということやからな。

ワシ、個人の意見なら、あんたの言う通り、普通に考えれば、そんなことくらい分かっとるはずやと思うがな。

ワシも今回のメルマガ『第85回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■新聞特殊指定について』 で、すでに値引きしている販売店もあると言うてる。

無代紙という値引き行為に匹敵すると思われる無料サービスがあるとも触れとる。しかし、これはすべての販売店がそうやない。一部や。メルマガにもそう書いてあるはずや。

もっとも、その一部というのがどの程度の割合かは分からんがな。その確かなデータを集めるのは難しいやろとは思う。

ただ、あんたの言うのは、そういう所があれば、すでにそれが拡がり現実的に値引き競争が起きとるのやないかという疑念やろと思う。

確かに、現在でも、一部に行きすぎた過当競争があるのは事実のようや。当サイトにも、そういう情報を送ってくれる方は多いからな。

5,6年前なら普通にあったことやが、最近では定価販売が主流やと思う。少なくとも、ワシが今、出入りしとる販売店では値引き行為というのは、あまり聞かんからな。もちろん、ワシらには禁止や。契約書にも定価の書き込みをするようにきつく言われとるからな。

ただ、ワシらの方は全国版というて、朝刊だけしかないから定価が3007円なんやが、それを3000円にしとる所は多い。

厳密に言うたら、これも値引きなんやろけど、どうやろ。ワシは、単に集金時の釣り銭が面倒やからという理由だけでそうしとると思うんやけどな。客にしても、その7円を値引きして貰うたとも思うてへんやろしな。

ただ、ワシらのレベルでも値引きに近いこともはあるにはある。販売店が禁じとっても、拡張員個人がそうしとるという場合がある。

早い話「乞食読者」と呼ばれとる人間と付き合うときそうすることもある。その場合、どうしてもその1本の契約がほしいと思えば、破格の景品を渡したり値引きに近いことをしたりすることがあるのは確かや。当然やけど、販売店には内緒やがな。

しかし、それらは、あくまでも一部や。そして、その一部にそうしとるからというて、それがその地域の顧客全体に拡大しとるということは今のところないようや。また、そういう話もあまり、聞くこともないしな。

新聞社の危惧はあくまでも予想やと思うた方がええ。予想や見込みは絶対そうなるとは限らんことやからな。可能性という言葉を使うとることでもそれは分かると思う。

しかし、最悪の事態に備えた危機意識を持つことも、ある意味必要や。特に巨大組織ともなれば、そうなってみな分からんでは話にならんやろしな。

ただ、今回の新聞社の見解は、少し説明不足やとは思う。あんたの言う通り、なんで、新聞の特殊指定が外されたら、過当な価格競争になる可能性があるのかという理由が見えんのは確かやからな。

新聞社の見解やと、特殊指定が外され、販売店を縛るタガが外れると、多くの販売店でその価格競争に突入すると思い込んどるように聞こえる。

また、新聞社の見解には、新聞特殊指定が外されると再販制度が骨抜きになるというのもある。

再販制度は、販売店が定価販売を守らんかった場合、新聞社がその販売店との業務委託契約の解除が可能というだけで、値引き販売自体を禁じたもんやない。

特殊指定は、その販売店の直接の値引きを禁止しとるから、実質的に再販制度をより強固なものにしとるということになる。

せやから、その特殊指定が外れたら、販売店は自由に値引きできるし、するやろうという発想や。これも本当は良う考えたらおかしなことなんやけどな。

特殊指定が外れても、すぐ再販制度がなくなるわけやない。こちらの方は、そう簡単に外すわけにはいかんやろと思う。将来的には分からんがな。少なくとも、今すぐどうこうなるという問題やないはずや。

つまり、特殊指定が外されたとしても、新聞社にはまだ、販売店に対して業務委託契約の解除が可能という切り札が残っとるわけや。

果たして、新聞社の意向を無視してまで、販売店がそういう行為に走るやろかというのがある。

新聞社側からはどうか分からんが、少なくとも販売店側にしたら、新聞社の意向に逆らったら、契約解除、つまり潰されるのやないかと考えるのが自然やろと思う。

それに、過去にも、行きすぎた景品競争、拡張戦争と言われる時期は何度もワシ自身経験したが、その都度、各販売店は、その地域で販売協定というものを作って凌いできたということもある。

もちろん、これは、公のもんやない。ただ、お互い共倒れはしたいとは誰も思わんやろからそういう動きは自然に発生すると思う。

多くの販売店の本音は間違いなく新聞の定価販売や。値引きをしたいと積極的に考えとる所は、まずないはずやと思う。できれば、景品なんかのサービスもしたくはないやろしな。

すると、どういう条件やったら、その値引きに走るやろかということになる。

考えられるのが、ある新聞だけ独占状態になっとるような地域やな。極端な話、その地域のシェア80%を占める新聞販売店は、全国にざらにある。ここの販売店は、自らはまず動かん。

動くとすれば、残りのシェアの取り合いをしとる新聞販売店や。価格に制限がないとなれば、チャンスやと考える所があっても不思議やない。

せやから、そういう地域で値引き競争が始まる可能性はある。ただ、それが効果的かどうかというのは、また別の問題やけどな。

その端的な例が、現在、ワシらが拡張しとる東海にある。ここでは、ブロック紙のC新聞のシェアが、おそらく70〜80%を占めるのやないかと思う。

この地域では、名の通った全国紙であっても、客は疎か、企業や商店からも軒並み三流紙扱いされとるという現実がある。

これは、チラシの関係もあるんやがな。チラシ依頼業者は当然、シェアの多い新聞に持ち込んで入れたいと思うからな。

値引きというのとは違うが、この地域では全国紙は軒並み、全国版ということで、定価を3007円にしとるが、そのC新聞は、全国紙の朝夕セット価格と同じ3925円や。

本当は、C新聞も朝刊のみやったら3000円なんやけど、ほとんどはセット価格の客が多いということや。

ただ、中には、全国紙との交代読者もおるということで、そうしとると聞くが、販売店としては、あまり積極的に客には朝刊のみやとその値段やとは言うとらんようや。

さらに、サービスに至っては総体的に全国紙の方が上や。

それでも、C新聞が圧倒的なシェアを誇っとる。少なくとも、この地域では、値段やサービスだけでは動いとらんということになる。

それが、極端な値引きで差がつけばどうかというのはあるが、販売店が、それにどれだけ堪えられるかという問題もある。

もともと、シェアの少ない所で頑張っとる販売店は経済的な体力に乏しいのが普通や。一口に値引きというが、これは、する方も諸刃の剣になる。

そういう環境の地域で、値引きだけて客を奪うとなるとかなり思い切った覚悟がいる。確かな金額は何とも言えんが、最低でも500円〜1000円程度は値引かなあかんのやないかと思う。

せやけど、それが、既存の客に知れたら大変や。軒並みその値引きを要求するやろしな。諸刃の剣になるというのはそういうことや。

しかも、これをするには、新聞社の協力なくしては無理やと思う。そんな値段で売って、仕入れ値が同じやったら販売店を維持できるわけがないからな。

仕入れ価格を下げて貰うしか手がないとなる。しかし、新聞社は、販売店の値引きに反対しとる立場や。それに応じるとも思えん。

加えて、その客を奪うためには、ワシら拡張員の存在を抜きには考えられんということがある。そうなれば、必然的に拡張料も必要で営業経費も嵩むやろしな。

新聞各社の販売店のシェアが拮抗しとる地域やと、価格競争よりも協定でその地域の価格を維持しようとする動きの方が強くなるはずや。

それらを考え併せると、値引き競争というのは、現実的に起こる可能性としては少ないように思う。

あんたの言う『僕はこの新聞特殊指定がなくなっても今とそれほど変わらないと思うのですが』というのが、正しい見方なのかも知れんな。

ただ、それも実際にそうなってからやないと確かなことは分からん。新聞社の危惧する値引き競争の可能性は皆無とは言えんからな。

どの世界にも、一発勝負に賭ける人間はおるもんや。計算や冷静な判断で動く者ばかりとは限らんと思うしな。

それに、協定を結ぶ地域もあるとは言うたが、それは、日頃の当事者同士の付き合い次第でも大きく違うやろから、そこでも、値引き競争が始まる危惧は大いにある。

実際『拡張の歴史』でも紹介した、拡張戦争というのは、正にそういう所で起きたことやからな。

現在、この新聞特殊指定に関してアンケートを集めとるが、どうなることが一番ええのか、良う分からんというのが正直な感想や。ただ、どうなっても、この業界に携わっとる限り、その環境で生き残ることを模索せなしゃあないやろ。

今まで、こういう問題を切羽詰まった事として捉えてなかったけど、考えるには、ええ機会やないかと思う。

例え、今回の公正取引委員会の見直しが、どういう結論になったとしてもな。それは、一般読者であるあんたも同じやないかな。新聞のあり方やなんて普段は考えることもないやろしな。

もっとも、ワシらは結果次第では、死活問題にもなりかねんから、そんな悠長な考えではあかんのやろけど、そうなったらなったで仕方ない。ワシらにそれを止めることはできんのやからな。

どうやろ、いろいろ言うたけど、あんたの答えになったやろか。


補足

ここでも、言うてることやけど、現在、当メルマガ『第85回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■新聞特殊指定について』でアンケートを募集しとるから、良ければ読者の方にも参加してほしいと思う。

アンケート内容

1.公正取引委員会の新聞特殊指定の見直しについて

(支持する・どちらでもない・支持しない)

2.新聞協会の主張について

(理解できる・どちらでもない・理解できない)

3.現在の新聞宅配制度について

(このままで良い・どちらでもいい・変えるべきだ)

4.この件に関してのご意見。


アンケート送付先 Mail hakase@siren.ocn.ne.jp
(尚、これは下のメールボックスからも可) 

アンケート募集期間 2006.3.24〜2006.4.2

尚、この結果は、次々回の第87回の当メルマガ誌上で発表する予定や。


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