新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.245 販売店の代表者が代わったことを理由に解約できませんか?
投稿者 チャコさん 投稿日時 2006.4.11 PM 5:45
アドバイス宜しくお願いします。
四年前に今年の八月からの契約をし、DVDをいただきました。その時の代表者が今は別の人に変わっています。それを理由に解約することは、できませんか?
契約と言うのは個人と個人の約束で、それを別の人に譲るというのは、違法ではありませんか?(こちらの勝手な解約希望だと理解した上での質問です。)
代表者はかわりましたが、専売所の名はそのままです。
また、その時の事を詳しく説明しますと、13年11月24日にその時読んでいたY新聞の契約期限を正確に把握していない状態で契約しました。
その後、S新聞との契約の時期が来て、まだY新聞との契約が後一年残っていることを説明しました。
その時、13年の申込書がみつからなっかたので、新たにS新聞に申込書を書くように言われ書きました。17年9月3日です。
よくさがして前の申し込み書がでてきてよく見ると代表者の名前が違っていました。今日、S新聞に契約解除を申し出ましたが、改めて電話するとの返事で、今の状態です。
頂いたDVDを新しく買ってお返しするか、もしくは違約金(申し込み書にはありませんが)を払って解約したく思っています。
そこで、私どもが、一方的に悪いのですが、代表者が、代わった事を口実に先ほど申しましたDVDか違約金で契約を解除したいのです。よろしくお願い致します。
回答者 ゲン
法律的に解約を迫るのは難しいと思うが、その販売店にも多少の落ち度はありそうやから、それを指摘して、有利に交渉はできるかも知れん。
ただ、それを説明する前にあんたの質問を先に答えとく。
『契約と言うのは個人と個人の約束で、それを別の人に譲るというのは、違法ではありませんか?』というのは、残念ながら、こと新聞購読契約に関しては違法とは言えんと思う。
新聞購読契約というのは、販売店と契約者との間で交わされるもので、個人間のものやない。
この業者と個人の契約という場合、その業者の責任者が交代しようとも、その企業が存続する限りは、その契約は有効とみなされる。
例えば、Aという商店にある品物を予約注文した場合、その品物の到着までに、その店主が何かの事情で交代したとする。
せやけど、その届けられた品物を、店主の交代を理由に無効やからいらんとは言えんということや。やはり、その店から買い取る義務がある。そう考えたら分かりやすいやろと思う。
但し、倒産により業者名が変更とか別の販売店からの配達ということになったら、微妙なことになるやろがな。
その場合に限っては、指名債権の譲渡というのに抵触する可能性がある。このことについては『NO.194 新聞購読の解約でトラぶって釈然としない』で説明しとるから、確認しといてくれたらええ。
しかし、あんたの場合には、それは当たらんと考えられる。新聞の宅配制度は、その新聞社には、その地域1店舗の営業という原則がある。
今回、その代表者名が何で代わったか、定かやないが、例えそれが、経営不振による権利移譲の交代であったとしても、その販売店の経営を引き継いだ以上、その関係するすべてのものも引き継ぐものとみなされるはずや。
あんたが、その販売店と契約した理由は、そこから配達される新聞を納得、もしくは希望したからということになると思う。
同じ、販売店から同じ新聞が配達されるのやから、その代表者が交代することにより、直接的な被害も不都合もないと判断される。
指名債権の譲渡が問題にされるのは、業者名の変更により他業者へ権利が移された場合や。それにしても、そのときどきのケースによれば、違法とまでは認定されんことがあるようやがな。
因みに『申し込み書にはありませんが』ということやが、、消費者契約法に消費者の一方的に不利な条項の記載は無効というのがある。違約金についての記載は、それに抵触する畏れがあるから、なくて普通やと思う。
それに、解約違約金を請求するかどうかは、あくまでも、その販売店次第ということになるからな。
このQ&Aを見ておられると、度々、そういうのが出て来るから、自己事由での解約には解約違約金が必ず必要やと思われたのかも知れんが、それは、その販売店が納得せんかった場合の解決手段としてアドバイスしとるにすぎんということを分かってほしいと思う。
確かな数字は把握できんが、客が一方的な自己事由で解約を申し込んだケースでも、何も言わずあきらめる販売店も中にはある。揉め事を嫌がる販売店にそれが多い。
理由は、一度、その客と解約金を払うような形のトラブルになった場合、二度とその人間は客にはならんやろという考えがあるからということのようや。
揉めてその場に決着をつけるか、なるべく嫌な思いを与えず、後日、再度契約して貰えることを考えるかのいずれを選択するかということになる。
これは、その販売店の考え方、判断に委ねるしかない。
せやから、あんたの場合、その販売店の出方というか姿勢がまだ分からんということやから、そのまま、何の問題もなく、相手の販売店が解約を認めるケースも考えられるわけや。
これは、渡した景品についても言えることで、すべての販売店がそれを引き上げるということでもないようや。それも、販売店次第ということになる。
本来は『契約解除を申し出ましたが、改めて電話するとの返事で』ということやから、その結果で対応したらええんやがな。
ここからは、あんたにとっての最悪なケースとして、その販売店が「契約解除には応じられない」と返答してきた場合の対処について、アドバイスする。
ワシが、このQ&Aでアドバイスしとるのは、ほとんどがそのケースや。
どうしてもその販売店との解約を希望してとる場合「解約には応じられん」と強気の姿勢を崩さん販売店に対抗するには「解約違約金を支払う用意がある」と持ちかけることを勧めることが多い。
そう言えば、たいていは、その話し合いということになるはずや。こういう問題は、話し合いによる解決がベストやからな。
但し、この解約違約金というのに一切の定めはない。このサイトでは、その時々で金額の提示をしとるが、それはあくまでも目安やと思うてほしい。それも、相談者が損をせんためのな。
その金額を決めるのは、販売店とあんたとの交渉次第ということになる。それで、お互いが納得できたら問題ないことや。
そのためには、あんたにとって有利と思われることを主張することやと思う。
これが、冒頭で言うた「その販売店にも多少の落ち度はありそうやから、それを指摘して、有利に交渉はできるかも知れん」ということに繋がるわけや。
今回の場合『その時、13年の申込書がみつからなっかたので、新たにS新聞に申込書を書くように言われ書きました。17年9月3日です』というのが、ポイントになる。
申込書、つまり契約書が見つからんかったというのは、あんたの場合は仕方がない。せやけど、その場合は、普通、販売店がその契約書を持って来て確認するはずや。また、そうせなあかん。
販売店には、その契約書の保管義務があるさかいにな。客が契約書を持ってないから、書き換えを迫るというのは、あまり聞く話やない。感心もできんし、おかしな話や。
販売店の代表者が代わったというのは、その去年の契約前の話ということになる。その引き継ぎの際に、あんたの契約書を紛失していた可能性が考えられる。
店主交代の場合、往々にして、こういうことが起きるようや。きっちり、すべての引継を完了させとるケースが少ないと聞くからな。
あんたに、契約書の書き換えを迫ったのは、そのケースやと考えた方が自然やろと思う。
せやから、あんたは「なぜ、去年の17年9月3日に、申込書の書き換えを強要したのですか」と、まず聞いてみることや。
「それは、お客様が、契約書を紛失されておられて、契約期間の変更を申し込まれたので、こちらとしてはその新たな契約書が必要だったのです」と、答えると思う。
ここで、問題やとワシが言うのは「解約には応じられん」という販売店が、このとき、なんの悶着もなく、すぐにその契約書の書き換えを提示して、1年後の契約を譲歩したということや。
「解約には応じられん」というくらいの販売店は、普通はここでも難色を示すもんやと思うがな。
せやから、あんたは「13年の私の契約書はそちらで保管されてますよね。なぜ、その契約書が見つからないと言ったときにそれを探して持って来て確認してくれなかったのですか」と、問い質したらええ。
どういう答え方をするにせよ、不備は指摘できる。
さらに「その後、出て来た契約書を見ると経営者の方の名前が代わってますね。そのとき、どうして、それも教えて頂けなかったのですか」と追い打ちをかけてみることや。
これについては、代表者が代わったことを問題にするのやなく、その時点で、代わっていたことを知っていたはずなのに、なぜ、それを知らせなかったのかということを責めるわけや。
その際、その経営者を以前から知っているようなら「○○さんとは、以前からの付き合いがあったから、契約したんです。新しい○○さんとは面識もないのに、挨拶、一つのないなんておかしいじゃないですか」と、突っ込める。
また「以前の13年の契約書があるのなら、見せてください」と言うてもええ。契約書の保管義務は5年となっとるから、ないとは言えんはずや。
販売店が、去年の書き換えのときに、契約書も紛失していたと認めれば、その時点で、契約は無効になっていた可能性もある。あんたが、その時点で無効を主張できたわけやからな。
ただ、これには、あまり固執せん方がええやろなと思う。
その後、あんたは、言われるままにせよ、新たな契約書を作成しとるということで、現在はそれが最優先されると考えられるからな。
経営者の交代を告げんかったということはあるが、その契約書にはっきり新しい代表者の名前が書かれている以上、騙しとまで言えんやろからな。
あくまでも、その不備を指摘して、交渉を有利にするための材料と考えといた方がええやろと思う。
『頂いたDVDを新しく買ってお返しするか、もしくは違約金を払って解約したく思っています』
これは、どちらか一方で事足りると考えておられるのなら、その認識は少し違うと言うとく。
新聞を購読することを条件に景品として貰ったDVDは、解約を希望する以上、必ず返還せなあかんものやと考える。
これは、民法に原状回復義務というものがあって、契約を解除した場合、その契約の締結時まで遡って一切をもとに戻すという取り決めがある。せやから、貰うたもんは返還する義務を負うわけや。
そのDVDにもよるが、たいていはそのときのその物の時価が返還の相場になるやろな。もちろん、その扱いは、販売店との交渉になる。
解約違約金というのは、それとは別に支払われるもののことを言うわけや。そういう説明は、このサイトでも随所にしてあると思うがな。
今回、交渉の余地があるというのは、その額のことや。あんたが、それに対してどの程度の金額が納得できるのかは分からんが、それを主張したらええことやと思う。
あんたも認められとる通り、自己事由の解約を希望するには、それなりのペナルティはつきものやからな。
ただ、今回のように、相手側の不備を指摘できる場合は、その負担は軽減できるはずやということや。
今のところ、まだ、相手の販売店の出方が分からんから、これ以上は言えんが、その答えが出て、交渉の結果、問題があるようなら、また、いつでも、遠慮なく相談してくれたらええ。