新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.250 新聞購読期間と口約束について
投稿者 kinoさん 投稿日時 2006.5. 3 PM 5:14
はじめまして。
新聞契約について困ったことがあり、サイトを探しているとココにたどり着きました。よろしくお願い致します。
当方は、勧誘に来た販売員(拡張員?)の方も了解した上で、15年5月から3年間(そのうち無料1年)という契約のつもりで、申込書に購読期間を記入してもらい、その販売員は帰っていきました。
しかしながら、申込書を受け取った時には、よく見ていなかったのですが、販売員の方が帰った後、申込書をもう一度よく確認すると、期間が19年4月まで48ヶ月となっていました。
あわてて販売店に電話連絡し、勧誘に来た同じ販売員と話をして購読期間の訂正を求めました。
ところが、先方は有料期間が3年であると誤解していたようで、なかなか訂正に応じてくれませんでしたが、長時間に及ぶ言った、言わないの押し問答の末、やっとのことで納得していただき、電話を切りました。
思えばそこで申込書に覚書や申込書の再作成をお願いすればよかったのかも知れませんが、電話できっちり確認が取れたのでそれでヨシとして、特に書面での確約はしませんでした。
そして、購読期間が終了した18年4月が過ぎ、5月に入りましたが、その新聞が未だに投函されています。
そこで販売店に、電話で2度ほど、購読期間が切れたので入れないように連絡しました。
申込書では19年4月までとなっていますよと言われ、申込直後の電話連絡で、勧誘に来た販売員に直接訂正のお願いをしたことを伝えましたが、電話を受け取った方が事務の者に聞いておきますと言ったのみで、投函が続いています。
新聞受けに購読期間が切れたので入れないようにとの張り紙をしましたが、はがされた上、新聞も入っています。
購読期間の誤解と、申込書への誤記は先方の販売員のミスであり、その後電話ではありますが、訂正の確認もしているにもかかわらず、当初の申込書の内容に基づいて新聞を入れられて困っています。
5月からは別の新聞社からの配達も始まり、どうしたものかと思慮しております。
お忙しいとは存じますが、対処の方法につき、アドバイスの程よろしくお願い致します。
回答者 ゲン
まずは、あんたの主張をその販売店に言うてみることやと思う。前回、話した勧誘員というのは、その販売店の人間のようやから、その余地はありそうや。
今もその担当者がいてたら、その人間と再度、交渉する。「あのときの約束と違うじゃないですか。私はあなたを信用してたのですよ」という具合にな。
それで、話がつけば問題はないが、その人間がおらんとか、そういう話は知らんとかと言うてとぼけるようやと難しい対応になる。
『思えばそこで申込書に覚書や申込書の再作成をお願いすればよかったのかも知れません』と、あんたも言うておられる通り、そうしとくべきやったとワシも思う。
『ところが、先方は有料期間が3年であると誤解していたようで、なかなか訂正に応じてくれませんでしたが、長時間に及ぶ言った、言わないの押し問答の末、やっとのことで納得していただき』ということなら、尚さらや。
それだけ揉めたのに、電話のみでその相手の話を信用するのは、あまりにも迂闊やなかったやろか。
今回のケースは、それをしとらんかったということで、法的には、あんたの方が弱い立場になる。あんたの主張する約束を相手が認めたという証明ができん限りはな。
第三者があんたと販売店の人間とのやり取りを聞いていたいうのなら、あるいはということもあるが、そうで、なければ難しい。
契約書の内容が、それを否定しとるからな。これは、出るとこへ出ても、おそらく、あんたの主張が認められることはないやろと思う。
唯一、それをひっくり返す可能性があるとしたら、状況証拠を掴むことや。具体的に言うと、あんたとほぼ同じような時期に、まったく同じ契約を交わしとる人間を見つけることや。
そういう人間がいとるとしたら、必ず、その近所で見つかるはずや。
ただ、あんたが主張するサービスは、普通からするとかなり破格なものやと思う。
3年契約の内1年が無料サービスというのは、この業界でも異例中の異例やないかな。少なくともワシは聞いたことがない。
せやから、本当にそういうサービスが行われとるのやったら、かなりな数、そういう客がいとると考えられる。
勧誘する側からすれば、これほどおいしい条件はないわけや。こういう条件なら、ワシらやったら相当数の契約を上げることもできるやろと思う。
そういう客を見つけられれば、あんたの主張が通りやすい。
「他にも、私の言う同じサービスをしているじゃないですか。その同じサービスを何で私に認めないのですか」とその販売店にも言えるわけや。
しかし、あんたの話を聞く限りの状況やと、その可能性はかなり低いと思われる。
そもそも、今回のケースは最初の勧誘にきた段階で、誤解があったと考えられる。
『勧誘に来た販売員(拡張員?)の方も了解した上で、15年5月から3年間(そのうち無料1年)という契約のつもりで』という誤解は、結構多い。
これは、おそらくその勧誘員が「3年契約して頂いたら、1年サービスします」と言うたことを、あんたは「3年契約で、その内1年がサービス」というように考えたと思われる。
しかし、その勧誘員は「3年契約して頂ければ、別に1年のサービスをつけます」という意味でそう言うたとも考えられる。その可能性が高い。
事実、その場で書いた契約書の内容が、そうなっているのやからな。そこに言葉の行き違いがあったことになる。そのとき勧誘員には、それで錯誤をさせようという悪気はなかったと思う。
目の前で、その契約書を書いて渡しとるわけやから、ちょっと、確認すれば、その場ですぐ分かることやしな。そんなつまらんごまかしをする人間は考えにくい。
一般的な販売店で、一番ポピュラーな無料サービスの契約は、1年契約でその内3ヶ月が無料というやつや。この率から言うと、4年契約で1年無料サービスということになる。つまり、そのときの販売店の主張が、一般的なサービスなわけや。
あんたの主張する3年契約の内1年がサービスということになれば、2年払って1年タダということになるから、1年払って6ヶ月の無料サービスをすると言うてるのに等しいことになる。
これは、ワシらの常識からすると、あまりにも破格ということになる。
しかし、あんたはすぐ、それに異を唱えて販売店に連絡し、そのとき『ところが、先方は有料期間が3年であると誤解していたようで、なかなか訂正に応じてくれませんでしたが、長時間に及ぶ言った、言わないの押し問答』があったというのは、販売店側にも、そういうことで譲れん思いがあっとのやろと思う。
ただ、経緯はどうあれ『やっとのことで納得していただき』ということなら、あんたの主張を認めることを言うたのやろけど、その販売店で、その担当者がどういう立場の人間やったかというのも問題になる。
その担当者が、店長クラスやとしたら、店により、それも裁量の範囲やと認められる。この場合は「あなたは、あのとき確かにこう言ったはずでしょ」と強気で責めれば、折れる可能性がある。
これが、ただの従業員やとしたら、その販売店が認めんと言い出しかねん。法的には、新聞購読契約というのは、販売店と購読者間のものということになっとる。
勧誘員の言うたことが、その契約書に盛り込まれてなかったら、それは知らんと言える立場ということになる。契約書は、それに書かれとることが最優先されるという原則があるからな。
あんたが、契約当初、訂正を求めて『長時間に及ぶ言った、言わないの押し問答の末、やっとのことで納得していただき、電話を切りました』と相手が応じたというのは、本当に納得した上でのことかというのは、疑問やろと思う。
普通の販売店なら、こういう勘違いを認めることはまずない。その場で、あんたが「そういことなら解約する」と言うたとしても、それは、それで仕方ないと応じとるはずや。
そういう、してもないサービスをすることで、他の客からクレームが入ることを怖れる販売店の方が圧倒的に多いからな。
それを、納得したというのは、その担当者が、あんたを怒らせて解約すると言われたら、自分の成績にならんので、それを怖れてのことやと考えられんでもない。そのときは、まだ、クーリング・オフの期間内というのもあったやろと思う。
これが、あんたが契約書の書き換えを希望したら、それを認めることはなかったかも知れんがな。
あんたから、それがないのをええことにそうしたわけや。この辺りからは、その担当者の悪意が働いとると考えられる。
つまり、実際の購読期間になれば、契約書が物を言うということで、その場は適当に合わせとけと思うたのかも知れん。そう考えれば辻褄が合いそうや。
『新聞受けに購読期間が切れたので入れないようにとの張り紙をしましたが、はがされた上、新聞も入っています』というのは、もう少し様子を見る必要がある。
配達員が、はがした張り紙を店に持って帰って指示を仰いどると考えられんでもないからな。但し、翌日以降も投函が続くようやったら、販売店は、引き下がらんという意志があるということになる。
今回のケースで、無料期間の1年というのが、最後の年というのなら問題はないが、おそらく、最初の1年がそうやと思うから、その販売店はかなり強気に出るものと思われる。
消費者契約法の錯誤を理由に契約解除を通告することもできるが、相手がその事実を認めんかったらそれも難しいやろと思う。錯誤をしたという具体的な事実が必要になる。
また、例えそれで契約解除に持ち込んだとしても問題は残る。それは、最初の1年に無料サービスを受けていた場合や。
契約解除ができた場合、原状回復義務というのが双方に生じる。契約は、はじめから何もなかったものとして元に戻すということや。これは分かると思う。
ただ、ここで問題になるのが、先にサービスした1年分の新聞代に関してや。これは、あんたの利益とされる。原状回復義務の観点から言うと、この利益を返還せなあかんということになる。
景品を貰うた場合やったら、その返還が必要になる。それと、同じ考え方なわけや。
この場合、実際に配達された新聞で返すということは不可能やから、無料分の新聞代を払うということになる。これは、かなりの負担となる。
それなら、2年間、有料で払っていた新聞代についてはどうなるのかという疑問が湧くと思う。契約書の通り、後、1年購読するのなら何の問題はないが、今の時点で契約解除となった場合は、そのすべてを契約前に遡って処理されることになる。
契約の途中解除とはそういうものや。もっとも、それは、相手の販売店との交渉次第で変わることはあるやろとは思う。
無料サービスを最初にするというのは、その後、購読者が契約解除を申し入れた場合、そのサービス分の返還をして貰うという意味合いが販売店側にある。契約を完遂して貰うための手段なわけや。
ワシからのアドバイスとしては、何度も言うが、あんたが正しいと思う主張をして、相手にそれを認めさせるしか方法はないと思う。
相手が認めず、あんたは納得できんということで、揉めたあげく、その販売店が新聞を入れ続けて集金に来た場合、その支払いを拒否したとする。
その販売店が、どういう対応をするかは未定やが、法的には、あんたに対して損害賠償請求を起こすことができる。
ワシも、あんたが有利やと思うたら、受けて立ったらええと言うが、このケースは不利やとしか言いようがない。裁判になって勝てる確率は少ないやろと思う。裁判ということになれば、その契約書の内容が重視されるはずやからな。
それを回避する方法は、主張するだけのことはしてみて、埒があかんと思うたら、残り1年分に対して、解約違約金の提示で解約するというのもある。その金額は、当事者間の合意ということになる。
また、苦肉の策として、今月から契約している新聞の契約の後に、再度、その新聞の購読をするからと持ちかける方法もある。その残り1年分をその契約に含んでくれということでな。
これは、販売店次第では可能やと思う。つまり、そのための先づけの契約をするということや。これができれば、現状では一番、損をせん方法やと思う。
もっとも、どういう選択をするかは、あんた次第やけどな。
普通は、口約束でもお互いが納得すれば十分なんやが、揉めた場合はそれではあかんということや。
あんたにとっては、理不尽な回答ということになるかも知れんけど、契約書の持つ重みというのは、そういうもんやという認識を持つ必要があると思う。それがあれば、迷わず契約書の訂正か書き換えを依頼してたはずやからな。