新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.254 スポーツ新聞だけ頼んでる客ってどうなんですかね?


投稿者 ジーニアスKさん 投稿日時 2006.5.20 AM 7:21


ゲンさんに質問なんですが、○○新聞販売店に○○新聞とスポーツ紙を頼んでいたのですが、現在は○○新聞を止めてスポーツ紙だけ配達してもらってます。

スポーツ新聞だけ頼んでる客ってどうなんですかね?やはりたいして利益にならないからうっとおしいだけですか?それともスポーツ新聞だけでもとってもらうとうれしいもんですか?


回答者 ゲン


確かに販売店によっては、スポーツ紙だけの購読客は歓迎されんというのはある。しかし、それは個々の販売店の考え方次第でもかなり違うてくると思う。

普通の商店は、そこで扱っている物はすべて商品やという認識がある。その商品の利益率が高かろうと安かろうと客に対して、それをあからさまに言うことはまずない。

「まいど、おおきに」と、商売人としての愛嬌を振りまくのが普通やし常識や。それが、新聞販売店には少ないという批判はある。

新聞販売店には、スポーツ紙の他に工業新聞、商業新聞に代表される業界紙も各種あるし、同じ全国紙のN紙を販売配達している全国紙販売店も多い。

また、全国紙販売店の場合では、それぞれの地域で、地方紙の委託販売をしとるというのもそれほど珍しいことやない。販売店が扱う新聞の種類としては一般が思うより結構あるもんなんや。

商店としてなら、それらを売り上げることで利益にはつながるから、喜ばしいということになる。当たり前やが、どんな新聞も売れれば、某かの利益にはなる。

それが、何で歓迎されんことになるのか。それは、新聞販売店の仕組みそのものに理由があると思う。

多くの新聞販売店には、メインで取り扱う新聞、これを本紙と言うんやが、その本紙以外の新聞を積極的に売ろうという姿勢の所はまずない。

新聞販売店は、メインの新聞社と業務取引契約というのを必ず交わしとる。つまり、それでメインの新聞を売るということを義務付けられとるということや。

新聞販売店は、ただ利益を上げたらええとか、食っていけたらええという考えだけではやっていけん。新聞社に業績を認めて貰えな、いつ、その業務取引契約を解除されるか保証の限りやないからや。それを解除されるのを、改廃というて、実質的に店がつぶれることを意味する。

たいていの場合、新聞販売店の業績を上げるというのは、本紙の部数を伸ばすことをいう。新聞社にとってその販売店の経営がどうであれ、それは大した関心事にはならん。

あくまでも、新聞社が販売店を評価する基準は、部数の伸びということになる。部数が伸びれば評価されるし、減少すれば評価が下がる。その数字がものをいう。少なくとも、当の販売店経営者には、そう考える者が多いということがある。

加えて、新聞本社からは部数を伸ばすことにより、その奨励金として補助金が多く出るということがあると聞く。当然のことながら、成績次第で新聞社からの受けも良うなり、販売店仲間での立場も上がるから、すべてにおいて好転することになる。部数が落ち込めば、その逆になるということや。

また、本紙の売り上げ部数がそのまま、その販売店の格付けのようなことになる。そこでは、スポーツ紙や業界紙の販売部数は加味されんわけや。

加えて、折り込みチラシによる収入も、直接、その本紙の部数というのが影響する。

必然的に、新聞販売店は、その本紙のみを重点的に売ることに力を入れることになる。本紙以外では、拡張報賞金、俗に言うカード料を出すことは、ほとんどないということがそれを如実に物語っとる。

ワシら、拡張員に至っては、本紙のみの、しかも新規勧誘、過去読の起こしからしか、その拡張カード料を貰うことはできん。それ以外のスポーツ紙や業界紙では、たいていの販売店が報賞金なんかを支払うことはないからな。

勧誘員は言うに及ばす、販売店も力を入れんから、それらの単独勧誘はせんことが多い。そうは言うても、販売店は、その新聞を扱うとる手前、客からの希望があれば売らんわけにはいかん。

但し、それらには、本紙にある景品サービスというのは、ほとんどないはずや。値引きや無料サービスもないのが普通や。

さらに、スポーツ紙の場合は特殊な事情がある。本紙は、新聞販売店への依存度が圧倒的に高いが、スポーツ紙の売り上げは、駅売り、コンビニ売りがメインになっとるというのがある。

つまり、スポーツ紙にとって宅配による依存度はそれほどないということになる。積極的に販売店にその売り込みを依頼することもなければ、系列会社とはいえ本社からその部数を伸ばせという厳命もあまりないようやからな。宅配依頼のある部数だけ販売店に廻そうというくらいにしか考えてないように思う。

全国紙には、ほとんどの系列会社にスポーツ新聞社があるから本紙と同じようなものやないかという反論も聞こえてきそうやが、同じ系列やとは言うても、その経営は違うから別物なわけや。グループ企業としいう見方が一番ええやろと思う。

駅売り、コンビニ売りでは、本紙と比べれば圧倒的にスポーツ紙の方が売れる。スポーツ紙はそこで売ることに命運をかけとるから、日々の内容が面白いものが多い。洒落やウイットに富んだ紙面作りになっとる。根本的なところで、本紙と違うわけや。

正直言うて、ワシらもスポーツ紙を売り込んで金になるのなら、それに越したことはない。かなりの部数売れるやろからな。

新聞販売店にとって、スポーツ紙、業界紙の配達というのは、サービスの一環という考え方が強い。本紙とスポーツ紙の抱き合わせなら、かなりのサービスをする販売店が多いが、スポーツ紙のみやと何もないということになる。

サービスにサービスはつけられんということや。せやから、販売店としたら、スポーツ新聞は配ってやっとるという姿勢の所すらあるわけや。それを態度に出すか出さんかの違いはあってもな。

あんたの所の販売店がそういう所やとしたら、今回のように『やはりたいして利益にならないからうっとおしいだけですか?』という質問もしたくなるような対応をされたということになる。そういうのも良う聞く話やからな。

しかし、すべての新聞販売店がそうとばかりは言えん。中には『スポーツ新聞だけでもとってもらうとうれしい』と思う所も確かにある。

こういう販売店やと、そのスポーツ紙の勧誘も奨励するし、僅かやが報賞金も出る。これは、そのスポーツ紙の売り上げによる利益というよりも、そういう客を確保しとれば、いずれは本紙の購読客になって貰えるのやないかということを考えるからや。

事実、あんたも一時は、そこの本紙を取ってたわけやから、再度、また取って貰えるかも知れんという希望があるわけや。

それを、スポーツ紙だけやからと、その客を邪険にしたり、断っていたりすれば、そこで、その客とは縁が切れることになり、本紙への復活は望めんということになる。

その場限りのことを思えば、スポーツ紙だけの客というのはどうでもええやろし、その客を本紙の客へとつなぎたいと考えるのなら大事に扱うということや。

ワシが、冒頭で『それは個々の販売店の考え方次第でもかなり違うてくると思う』と言うたのは、それがあるからや。

せやから、あんたの『やはりたいして利益にならないからうっとおしいだけですか?それともスポーツ新聞だけでもとってもらうとうれしいもんですか?』という質問の答えとしたら、その販売店次第でどちらとも言えんということになる。


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