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NO.257 他紙販売店のアルバイト配達に移りたいのですが


投稿者 lakusyunさん 関西在住 新聞アルバイト配達員 投稿日時 2006.2.27 PM 2:00


はじめまして。
朝夕刊の配達のみの仕事、いわゆるアルバイトをしている者です。
 
この仕事を始めて2年ちかくになった者です。金銭的に割が合うと思いまして、他紙の販売店に移ろうと思いますが、うちの所長が言うには他紙は部数が多い割には、1部辺りの単価が安いと言っていました。本当でしょうか?

この言葉の裏には、どこの販売所でも配達の人手が足りない現状を考慮して、やめさせない口実だと僕は思いますが、ゲンさんはどう思いますか?

他の販売所では時給制の所もあり、どの形態が割が合うか知りませんが、ゲンさんが知っている範囲で教えてもらえると幸いです。
  
もう一つ疑問があります。うちの所長が言うには他の新聞屋に配達アルバイトに移ろうと思った場合、6ヶ月間は他の新聞屋に移れないと言っていましたが本当でしょうか?僕は嘘だと思いますが・・・・。
 
うちの販売所は正社員がいないので、配達アルバイトをやめたい場合、次の配達アルバイトの申し出が来ないと、やめられません。
 
ですが近日中に一人配達希望者が来る予定ですので、その人が続けば、僕もやめられます。やめられた場合実行に移そうと思います。


回答者 ゲン


結論から言うと、地域や新聞社ということより、その販売所それぞれで給料や雇用条件は違うから、ワシの知っとる範囲というのは、まったく参考にならんやろと思う。

ワシも昔、その近辺の販売店にも出入りしていたから、その点で知っとると思われたのかも知れんが、それにしても、7,8年も前の話やさかいな。

これは、あんたの所の新聞販売店系列であっても、各販売店毎でも違うはずや。ある程度の線はあるにしても、報酬や給料体系を決めるのは、その販売店の経営者次第ということになる。

せやから、あんたが他紙の販売所のことを知りたければ、直接、その店に聞くのが一番、てっ取り早いと思うがな。

「アルバイトをしたいのですが」と言うて、電話してみたらどうかな。もしくは、今の店に分からんように面接してみることやな。

『所長が言うには、他紙は部数が多い割には、1部辺りの単価が安いと言っていました』というのも、それで分かるはずや。

『やめさせない口実だと僕は思いますが、ゲンさんはどう思いますか?』というのも、正直、良う分からん。そうとも言えるし、そうとばかりも言えんという気もする。

ただ、ワシの印象やと誰かに聞けばすぐ分かるようなことを、敢えてそう言う人間は少ないと思うがな。その所長の言う通りやという確率の方が高いと思う。もっとも、いろんな性質の人間がおるから断言はできんけどな。

この業界は、販売店だけに限らず、ワシら拡張員でも、その拡張団毎に報酬体系というのが違うというのは普通にある。

アドバイスにはなってないかも知れんが、直接、勤めてみようと思う店に聞くしかないのと違うかな。

『うちの所長が言うには他の新聞屋に配達アルバイトに移ろうと思った場合、6ヶ月間は他の新聞屋に移れないと言っていましたが本当でしょうか?』

あんたは嘘臭いと考えとるようやけど、地域によれば、あながち考えられんこともないと思う。

それは、その地域で、各新聞販売店同士で協定のようなものが結ばれとる場合や。

こういう協定が結ばれとる所は、拡材競争を抑制する目的で販売店同士が手を握っとる場合が多い。そういう所では、その他にも細かく決め事がされとる場合も考えられる。

そうなる条件としては、各紙のシェアがほぼ横並びという場合やな。シェアに差があるとどうしても、低い販売店は伸びる要素を阻害されると思うから、それに参加せんことが多い。

その点、あんたの地域やったら、各紙拮抗しとるから、そういう可能性は十分あると思う。

そういう所やと、従業員同士の往来も経営者同士の暗黙の了解事項として制限しとるということも考えられる。

職業選択の自由は、就業可能年齢に達したすべての人に認められとるから、辞めるのも勤めるのも制限されることは基本的にない。但し、職業選択の自由があると同時に、雇用選択の自由も経営者側にある。

せやから、入社試験や面接というものがあるわけや。経営者は、そこで、自社に役立つ人材やと思うたら雇い入れることになる。反対に必要ないと判断したら採用せんということや。

『他の新聞屋に配達アルバイトに移ろうと思った場合、6ヶ月間は他の新聞屋に移れない』というのが、協定を結んどるその販売店主間の確認事項なら、申し合わせでそういう人間を雇わんというのは考えられることや。

それが発覚すれば労働法上は問題になることも考えられるが、実情を危惧する経営者の立場からすれば、それは当然のことやとなる。

新聞配達員は、自分の配達区域の投函先情報は、一軒漏らさず完璧に把握しとる。これが、同地区の他店に移った場合、その情報も一緒に持ち込まれるという危惧を販売店経営者にすれば抱くことになる。

つまり、A新聞販売店からB新聞販売店に移籍したとすると、A新聞販売店で配達していた顧客には、B新聞販売店からは配達していないということになる。

ということは、B新聞販売店からすれば、A新聞販売店の顧客は勧誘の狙い目やとなる。その顧客情報もその配達員に聞けば、長期購読者、あるいは交代読者かというのも容易に把握しやすい。

配達員によれば、その顧客と心やすい場合も考えられる。あんたの転職に伴い、そういう客を新たな顧客にできる可能性もあるわけや。

さらに、あんたのようにそこで2年近くも勤めとるのなら、その販売店の内情にもある程度詳しいはずや。それが、移転先の販売店に洩れる危惧がある。少なくとも、経営者はそう考える。

それが『他の新聞屋に配達アルバイトに移ろうと思った場合、6ヶ月間は他の新聞屋に移れない』という販売店主間の申し合わせになっとる可能性があるという根拠や。

これを避けるには、通勤の問題もあるやろから、隣接する地域の他紙販売店への移籍を考えたらどうかと思う。

いくら、その地域で協定が結ばれとるといっても、地域外の他紙販売店とは交流がないのが普通や。利害関係が成立せんからな。

そこへの移籍やったら、あんたの情報は何の値打ちもないから、販売店もそれほど文句を言うこともないやろと思う。第一、その移籍を現在の販売店に黙っとれば、まず分からんやろしな。

これが、現在の販売店と同じ区域なら、クレームもつくやろし、何より協定が結ばれとるとすれば、あんたを雇い入れることはないと思われる。

それならと、新たな移籍先へ、現在の販売店で仕事していたことを隠して働き出しても、すぐに分かるやろと思う。

現在の販売店にも配達員は多いはずやから、そのうちの誰かと配達中に出会すということは十分考えられる。そのときになって揉めてもつまらんと思うけどな。

それに、これは、ワシの男としての信義ということを断った上で言うのやが、やはり、道義上も現在の販売店が嫌がる、もしくはマイナスになるような所で働くべきやないと思う。

これは、ワシ自身のことであんたには関係がないかも知れんが、ワシは、この拡張員の仕事は最初、京都でしてた。

そこを辞めたときは大阪の他新聞の拡張団に移った。さらに、そこを辞めたときは、東海の他新聞の関係のない拡張団で仕事を始めたということがある。

個人的な損得で言えば、同じ地域の他新聞拡張団の方が有利やし確実に稼げたはずや。実際、当時はその誘いも多かった。せやけど、ワシには、それはできんかった。

もちろん、そこを辞めるには、それなりの事情はあった。しかし、どんな事情があれ、そこで仕事してたということは動かし難い事実や。そこから得る収入で生活もしてた。

自分の勝手な都合で辞めるのなら、せめてそこのマイナスにだけはならんようにしようと考えた。それがワシの信義やったわけや。

あんたも、2年近くそこで仕事したということは、少なくともそれで生活してたと思う。あるいは生活の足しにしてたということになる。その意味で世話になったと言うてもええのやないかな。

あんたが、その販売店を辞めたいというのは、本当に『金銭的に割が合うと思いまして、他紙の販売店に移ろうと思います』というだけのことかどうかは分からんが、ワシにアドバイスを求めてきたからにはそう言うしかない。

もっとも、この世話になったというのは、労働の対価としての正当な報酬を貰ってただけやから、それには当たらんと考え、そこまで義理立てる必要はないと言うのなら、ワシのアドバイスはこれで終わることになる。

そういう人には、ここから先を聞いても何の参考にもならんと思うしな。勘違いせんといてほしいが、その考えが悪いと言うてるわけやない。ただ、考え方の相違があるというだけのことや。

人それぞれ、いろいろな考え方がある。それを、これが正しいからこうしろとは間違うても言うつもりはない。また、その資格もない。その判断は各自でするしかないというのが、ワシのスタンスやさかいな。

ワシの言うことにある程度、納得できるということで、この先も聞いてみてもええということなら、先に言うた他地域での他新聞販売店への移籍を考えることを勧める。

あんたの住んどる地域なら、関西でも販売店の密集しとる方の部類やと思うから、その気になって探せばすぐ見つかると思う。単車通勤すれば、10分から15分圏内で十分見つかるはずや。

そこでも通勤に難があるということなら、6ヶ月後くらいに、通勤の便利な近所の販売店を探すという手もある。これなら、現在の販売店からクレームを言われることもないやろと思う。規定通りということでな。

因みに、6ヶ月間、同一地域内での移籍を認めんというのは、情報価値としてその期間が重要やということがあるからや。それをすぎれば、その情報価値も下がるということになる。6ヶ月もすれば、顧客の変動もかなりあるということでな。

そうすることが、一番無難な方法やとは思うが、最終的にどうするか決めるのはあんたや。


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