新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.259 新聞の変更は可能か?
投稿者 ちょび髭 さん 投稿日時 2006.5.30 AM 2:03
拝啓 質問です。
1年ほど前にした来年4月から一年契約の新聞をそこの販売店で配達しているN経新聞に変更して頂きたいと考えております。可能なのでしょうか?
同じ販売店ですし、万が一の場合はサービスで2〜3千円の景品を貰った記憶があるので返却すれば変えてもらえますよね?御回答お願い致します。
回答者 ゲン
『1年ほど前にした来年4月から一年契約の新聞をそこの販売店で配達しているN経新聞に変更して頂きたいと考えております。可能なのでしょうか?』
ということやけど、これは、その販売店次第やと思う。それに応じる所もあれば、難色を示す所もある。どちらかと言うと、難色を示す所の方が多いようやけどな。
普通、販売店は、本紙というて、そこで専属に扱う新聞以外への変更は嫌がるもんや。これは、単に利益の問題だけやなく、新聞販売店のしくみ、構造的な問題でそうなる。
多くの新聞販売店は、専属の新聞社と業務委託契約書というのを交わしとる。それには、その専属の新聞を売り込むことが条件とされとる。つまり、新聞社は、その新聞を売るために販売許可を与え店舗として認めとるということになるわけや。
せやから、販売店はその専属新聞の売り込みのみの営業をするのが普通や。分かりやすく言えば、ワシら拡張員を含め、その販売店からの新聞勧誘は、その専属新聞のみとなるということや。それ以外の新聞の販売に力を入れることはほとんどない。
『NO.69 ゲンさんは専門紙を併売されたことはありますか?』で相談された方は、そのことについて憤慨しておられた。他の専門紙を希望しても無視されたと言われてな。
ここでも、言うたが、一般読者にとって、そんな販売店の仕組みなんかは関係ない話やと考える人が圧倒的に多いということがある。
あんたの言うように『そこの販売店で配達している』ということで、同じ店の商品やないかという考えにどうしてもなる。
これが、他の商店なら、買った品物が未使用であれば、そこで扱っとる他の商品となら比較的簡単に取り替えて貰えることが多い。また、消費者にもそれが当たり前という認識がある。
あんたもその感覚で、その販売店で扱っとる他の新聞と切り替えるだけやから、問題はないと思われとるわけや。
しかし、多くの販売店は、本紙以外の新聞に変更されるというのは、実質、解約されるのに等しいというくらいの気持ちになる。実際に、その本紙の客が減るわけやからな。
専属販売店は、その新聞社に評価して貰えんとやっていけんと考える。その評価は、その新聞の売り上げで決まる。部数が伸びれば評価されるし、下がれば評価が下がる。その部数がすべてなわけや。
因みに、本紙以外の新聞の部数をいくら伸ばそうが、評価されることはないということになる。当然やが、それはあくまでも他紙の新聞なわけやからな。
それなら、何でN経新聞のように、同じ全国紙でありながら、他紙の全国紙の販売店で扱うとるのかという疑問が湧くと思う。
N経新聞にも、専属の販売店もあり、専属の拡張団から拡張員が送り込まれ営業活動をしとる。顧客へのサービス、拡材も同じようにある。しかし、いかんせん、その数が他の全国紙のそれに比べると極端に少ない。
そこで、新聞社同士の提携により業務委託をしとるということや。つまり、N経新聞は、他紙にお願いしますという立場になる。これは、他の専門紙、業界紙についても同じような構図になっとる。
つまり、販売店は、本紙以外の新聞は、サービスで配達、集金しとるという感覚が強いわけや。
どちらかと言うと、新聞の変更に難色を示す所の方が多いという理由には、それがあるからや。これが、同じ変更でも、N経新聞から本紙へというのなら大歓迎ということになるんやけどな。
それなら、変更は無理なのかというとそうでもない。その販売店次第では、比較的簡単に応じて貰えることもある。これについては、冒頭でも言うた通り、その販売店次第や。
本紙から他紙への変更は、どんな販売店でもしてほしくないというのは一緒やが、それを頑なに拒否して、客と揉めるのは拙いと考える経営者もいとる。
あんたも一度は、その本紙の契約をしたくらいやから、また、いつかその本紙を購読するとも限らんわけや。
それが、そんなことは絶対できんと拒否して揉めたら、その客は、二度とその販売店の客にはならんはずや。少なくとも、そう考える販売店は、客を怒らせるより、そうする方がましやと判断するということになる。
そういう販売店やったら何の問題もない。問題は、難色を示し、容易にそれに応じん販売店ということになる。
本紙以外の新聞を取るのなら、そういう客はどうでもええという考えの販売店もあると聞く。そういう所やと、解約希望者に対するのと同じ対応をするようや。
ただ、これは、理屈の上でも、また法律的にも、れっきとした契約書がある以上、その販売店は、あんたの申し出に応じる義務がないということも理解しといた方がええと思う。納得しにくいかも知れんけどな。
その販売店が、変更を拒否したとして、あんたが仕方ないとあきらめるのならともかく、どうしてもN経新聞に変更したいというのなら、その契約済みの本紙を解約せなあかんということになる。
この場合、他の新聞が読みたいから解約して変更したいというのは、自己事由ということになる。そして、自己事由での契約解除は、一方的にはできんということがある。
解約のための話し合いが必要になる。その交渉も、その販売店次第で違ってくる。そういう販売店との交渉は、合意の上で解約違約金を支払ってというのが多い。
ただ、あんたが、この先どうでもN経新聞やないとあかんということならともかく、それほどでもないというのなら、含みを持たした交渉をすれば、そういう販売店でも問題なく変更を認める確率は高くなると思う。絶対やないけどな。
「誠に申し訳ないんやけど、今は、○○のためにN経新聞が必要なんで変更したいんやが、また、あんた所の新聞も読むことになるかも知れんし……」という具合に含みを持たせて変更を依頼したら、販売店も対応が変わるはずや。そう、むげには扱わんと思う。
実際、N経新聞が必要なくなることもあるやろし、飽きるかも知れん。そのときになって、新たにそこの本紙がほしいと思うても、その断り方次第では、言いにくくなるということも考えられる。なるべくなら、ソフトなイメージを与えとった方がええのやないかな。
その場合『同じ販売店ですし、万が一の場合はサービスで2〜3千円の景品を貰った記憶があるので返却すれば変えてもらえますよね?』ということを、あんたの方からは切り出さんことや。
それを言えば、そうしたら、文句ないやろと言うてるみたいなもんで、その販売店の気持ちを硬化させることにもなりかねん。成る話がならん畏れもあるからな。
こういう場合は、その販売店の出方待ちにしとけばええことや。
いずれ、本紙の客になって貰えると思えば、景品の返還は要求せずそのままということも考えられる。例え、その景品を返してくれと言われても、あんたもそのつもりやったんやから問題もないやろしな。
ただ、客なのに何でそこまで下手に出なあかんねんということなら、お好きにと言うしかないがな。いずれの対応をするかは、あんた次第や。
何度も言うが、この件は、その販売店次第という要素が強いから、一度、どういう出方するのか確かめてみてはどうかなと思う。それからでないと対策の立てようがないやろ。