新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.260 かなりややこしいのですが、アドバイスお願いします。


投稿者 匿名希望さん 学生 投稿日時 2006.5.31 PM 10:06


先週の水曜日に年寄りの拡張員でS新聞の押し売りがきて、何も考えずに一年契約してしまいました。

そして今週の月曜日に柄の悪い拡張員が二、三人来て断りきれずにA新聞とY新聞を契約してしまいました。

その際に、自分が「S新聞と契約済み」だと言うと、拡張員の一人が「S新聞は読んでいても就活(就職活動)の為にならないし、いきなり一年契約はおかしい、俺が解約してやるよ」と言ったので、S新聞契約書控えをその人に渡しました。

翌日その拡張員から電話がきて、「やっぱり自分で解約してくれ」と言われ、自分も解約の件を他人に任せるのは不注意だったと思い「控えを返してくれ」と言いました。

しかし、2日たっても控えが戻ってこず、電話しても「仕事が忙しくて今日は無理。」と言い、自分の気のせいかもしれませんが控えを返したくないように聞こえるのです。

水曜日のS新聞は控えなしでクーリングオフしたのですが、月曜日のA新聞とY新聞の方はまだクーリングオフしてません。

相手が柄の悪い人だったのでクーリングオフしたいのですが、相手がまだ自分の契約書の控えを持っているというのが気持ち悪いし、クーリングオフするとその控えを悪用されそうな気がするのです。

全ては自分の不注意のせいですが、柄の悪い相手に他社の控えを渡したままクーリングオフしてもいいでしょうか。控えによって電話番号住所がばれてるので報復を受けそうで怖いです。

クーリングオフしたあと、拡張員の電話番号を着信拒否にするのってどうですかね?
アドバイスお願いします。


回答者 ゲン

残りのA新聞とY新聞も嫌やったらクーリング・オフしとくことや。その柄の悪いという拡張員のことなら、それほど心配する必要はないと思う。

今更、言うまでもないことかも知れんけど、クーリング・オフというのは文書で通知せんと法的効力はないとされとる。

内容証明郵便か配達証明ハガキでというのが一般的や。念のために、その手続きの詳しいことは『NO.144 クーリング・オフについて教えて下さい』で説明しとるから参考にしてほしい。

『S新聞は控えなしでクーリングオフしたのですが』というのも、ちゃんと文書で通知したということなのかな。

そうならええが、万が一、口頭で伝えただけというのなら、例えその場は、その販売店が「分かりました」と返事をしていたとしても、第三者なり文書なりで証拠が残ってない限り、後日、そのS新聞の販売店が「そんな話は聞いてない」とでも言えば、あんたの立場はかなり弱くなる。

口頭で伝えるというのは、それはそれで構わん。しかし、その場合は、その販売店に、契約書の控えに「解約済み」と書いて貰うようにと、このQ&Aでも、ことある毎にアドバイスしとる。

あんたの場合、そのS新聞の契約書の控えがないということやから、その辺が気になったので一応、確かめたかったわけや。

実際、後になって、口頭でクーリング・オフを伝えていたのに、それが処理されとらんというトラブルは結構あるからな。

その事例の一つとして『NO.249 クーリング・オフができてません』というのもあるから、該当するのなら、読んどいて貰うた方がええ。対処法も説明しとるしな。せやけど、相手次第では、かなり難しいということを覚悟しとかなあかんがな。

それに、あんたの文面から、簡単にクーリング・オフやて言うてるのも、気にかかったということがある。

クーリング・オフは、安全を期すためには、一番安い配達証明つきのハガキの場合でも、官製ハガキ50円+書留料350円+配達証明料420円=820円が必要になる。

金銭だけやなしに、それに費やす時間も手間もかかる。さらに言えば、それを扱うとる郵便局が近くになければ、そこまで足を運ばなあかん。結構、面倒なことや。

しかし、それでも、そうせなクーリング・オフでの解除はできんわけや。

S新聞の場合は、8日間の期限切れやから、今更遅いかも知れんが、A新聞とY新聞の方は、まだ間に合う。

ただ、それも時間に余裕はない。期限は来週の月曜日。その日までに郵便局へ行き、その手続きを済ませんとアウトということになる。

『自分が「S新聞と契約済み」だと言うと、拡張員の一人が「S新聞は読んでいても就活(就職活動)の為にならないし、いきなり一年契約はおかしい、俺が解約してやるよ」と言った』

という拡張員は、たちが悪そうや。これは、あんたも気付いとると思うが、自分とこの新聞を取らせるためのその場の方便、嘘や。最初から、言うてるようなことをするつもりはさらさらなかったはずや。

せやから当然のように『翌日その拡張員から電話がきて、「やっぱり自分で解約してくれ」と言われ』という返答になった。

さらに『2日たっても控えが戻ってこず、電話しても「仕事が忙しくて今日は無理。」と言い』というのも、最初から、そうするつもりがないわけやから、単にじゃまくさいだけのことやと思う。

ただ、あんたは『自分の気のせいかもしれませんが控えを返したくないように聞こえるのです』ということで、その拡張員が、その控えを悪用するのやないかという危惧を持っとるようやけど、それについては、それほど心配する必要はない。

あんたの控えをその拡張員が持っていても何の役にも立たんし、意味もないからな。それに、あんたの個人情報が書かれとるということなのやろうが、その拡張員の契約書にも、同じように書いておれば同じことや。

別にそのS新聞の控えがなくても、すでに『控えによって電話番号住所がばれてる』わけやからな。

『クーリングオフするとその控えを悪用されそうな気がするのです』というのもない。他新聞の契約書の控えを悪用するというのは、聞いたこともないし、意味のないことや。

これが、その拡張員の勧誘する新聞の契約書なら、あるいは偽造して、契約期間を延長させるということも考えられんでもないが、そういうのも、普通は考えにくいことや。ましてや、それが、他新聞の契約書というのなら、尚更、利用価値なんかない。

おそらく、今頃、渡したというその控えは捨てられとるのと違うかな。

『報復を受けそうで怖いです』というのが、あんたにとっては一番、気になることやと思う。しかし、これも、必要以上に怖がる必要はない。

クーリング・オフ後の妨害、脅しは、特定商取引に関する法律第6条で禁止されとる。つまり、クーリング・オフをしたことを理由に文句を言うこと自体が法律違反なわけや。

以前は、民事不介入ということで見てみん振りをすることが多かったこういう勧誘の問題についても、最近では警察もかなり力を入れとる所もあるようやから、それがあったら、通報すれば、その拡張員の逮捕ということもあり得る。

これは、ある新聞販売店員の犯した事件やが、この特定商取引に関する法律第6条の禁止事項で逮捕されたというケースが、丁度、1年ほど前にあった。

それについては『NO.108 近所で販売店員が逮捕されました』を見て貰うたら分かる。

この中でも、当サイトの法律顧問をして頂いている今村英治先生が『法律は一般法より特別法が優先します。あいまいな刑法を適用するより具体的に訪問販売の禁止行為を定めた特定商取法を適用するのは当局としてはもっともなことです。根拠がハッキリしないと逮捕状も出づらいです』と言うておられる通り、通常の刑法犯よりも優先されるということや。

加えて、それが発覚すれば、その拡張員は団を馘首にされ、この業界から追放になることも十分考えられる。

当然やが、そこの団からも、それ相当の叱責をされる。その内容は想像に任せるしかないが「だめじゃないですか」というような甘いもんやないくらいは分かるやろ。

その拡張員を抱えとる拡張団にしても、新聞社から相当、激しく怒られるやろから、そうせな対面が保てんわけや。下手したら、それを理由に、団を潰されかねんからな。それくらい、大きな問題になり得るということや。

そして、このことは、今や、たいていの拡張員は知っとるから、よほどのアホでもない限り、クーリング・オフ客に文句を言うてくることはまずない。

ましてや、報復するちゅうなことは、自分で絞首台に上がるようなもんやさかいな。そんなリスクを負ってまで、そんなことをする拡張員は、皆無に近いと思う。

普通、拡張員が、再度、その客を訪れるというのは、そうすれば、翻意してまた契約するやろと思うからや。

その可能性がないような所へ行くことはまずない。そうしても、何の得にもならず文句を言うだけ損やと考えるのが普通や。

過去、このサイトに相談された方々の中には、あんたと同じ危惧を抱かれた方がかなりおられたが、拡張員にそうされたという報告は1件も聞いてないからな。

ただ、世の中には、極希にとんでもない思考をする人間がおることも事実やから、それが絶対におらんとは言わん。そういうアホがおるかも知れんからな。確率的には、おそらく数万分の1以下やろうがな。

それと、あんたが抱く恐怖心の問題もある。いくらワシが「大丈夫やと思うで」と言うても、あんたが、その恐怖心を払拭できんかったら、何の慰めにもならんやろしな。

せやから、そういう拡張員がおったとして、念のためその対策を言うとく。

1.その拡張員が直接来ても絶対にドアを開けんことや。タイミングがええと言うてええのかどうか、たまたまM紙以外の全国紙とクーリング・オフをしとるわけやから、どこの拡張員であろうとすべて同じ対応すればええ。

無視するのが一番ええが、できん場合でも、ドア越しに話すことや。そこで、きっぱりと断りの意志表示をする。

もっとも、これは、一番最初にしとけば良かったことやけどな。どんな対策よりも、あんた自身の毅然とした態度が一番、効果のあることや。次からは、心しといた方がええと思う。

2.その際、何か録音できるものでも、身近に用意しとくのもええ。やはり、その拡張員が来て、どうなことを喋ったかという証拠もあった方がええからな。

証拠さえあれば、警察や新聞社にも堂々と通報や文句を言えるしな。

3.親御さんか信頼できる人に、今回のことはすべて報告しとくことや。こうしておけば、万が一の場合も、すぐ相談できる。

そういう拡張員が来たとして、まず初めに苦情を言うのは、販売店ということになると思うが、その場合でも、親御さん辺りから、その苦情を言うて貰う方が効果的な場合が多い。

あんたが言う場合は、その販売店次第では、学生さんということで甘く見る所もあるかも知れんからな。

今回のその拡張員にしても、あんたが学生さんということで甘く見た結果やと言えんこともない。そんなこっちゃ、あかんのやがな。

4.『クーリングオフしたあと、拡張員の電話番号を着信拒否にするのってどうですかね?』というのは、悪くはないが、次善の策というところやな。

むしろ、それをするより、その拡張員から電話がかかってきたら、携帯電話の録音機能を利用して、相手が何を言うか録音しとくことや。これが、最善やと思う。

直接は来んやろうとは思うが、あんたの危惧通り、電話の1本くらいはあるかも知れん。

その場合「何で、クーリング・オフしたんや」というくらいは、必ず言うはずや。

「親に怒られたので」と、このとき、親御さんに相談しとけばこう言える。もっとも、クーリング・オフは、相手にその理由を告げることさえ必要やないから「気が変わった」だけでもええがな。

その後、その拡張員が、何らかの脅しをそれで言うてれば、それを証拠として、警察に通報することも、新聞社に苦情を言うこともできるわけや。

また、その電話の最後に「これ以上、脅すのでしたら、この電話の内容は録音していますので、警察と新聞社に通報しますよ」とでも言えばええ。それで、たいていは終わるはずや。

しかし、それでも心配やと言うのなら、クーリング・オフをせんとその新聞を期間まで購読することやな。身の安全ということで言えば、それが一番や。損をするのと口惜しい思いはするやろうけどな。

ワシは、アドバイスはするけど、こうしろというようなことは言えんし、言うつもりもない。それを実行するか止めるかは、常に相談者の判断に任せとるからな。

最後に、あんたの『相手が柄の悪い人だったので』という部分が気になったのやが、見かけの先入観だけは、持ってほしいないと思う。

まあ、今回の場合は、たちの悪そうな拡張員やったから、あまり苦言は言いたくはないけど、当然やが、人は外見だけでは分からんもんやということも、分かるようやったら分かってほしい。

拡張員イコールあくどい人間やないということや。先入観を持たれると、何を言うてもしても悪いようにしか受け取られんからな。

外見はどう見えても、まともな拡張員もおるということや。実際、あんたが相談しとるこのワシにしても、立派な?拡張員なわけやからな。

外見も、50を過ぎた頭の薄い、完璧なおっさんや。学生さんからしたら、ワシの正体を教えず、目の前に立てば、やはり、柄が悪そうで胡散臭そうなおっさんやと思うかも知れんしな。

もっとも、そう思われんようには気をつけとるつもりやが、そう言うて頑張るほど、自分でも性格のええ人間やとも思うてないから仕方ないかな。

当メルマガに『第65回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ 拡張員列伝 その4 強面(こわもて)のリュウジ 』という話がある。

ここに登場する拡張員のリュウジというのは、そのあまりにも怖い顔をしとるために、そこの客宅に訪問したというだけで、警察を呼ばれたことがあった。

また「新聞」と言うただけで、リュウジを見た客は、その顔の恐ろしさで思わず契約してしまうこともあったという笑うに笑えん話もある。

しかし、この男は、本当に気のええ奴で、一本気なまじめな男やった。ただ、その見かけが損をしとるわけや。そういう人間も世の中には存在しとるということも知っておいてほしい。

誤解せんといてほしいが、そうやからと言うて、これから拡張員と仲良うしてくれと言うてるのやない。

ただ、このことで、あんたが、外見だけで人を判断するようなことになれば、あんたのこれからの人生が損をすると思うし、その原因が拡張員やと言うんでは、ワシも辛いからな。


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