新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.261 他社の拡張員同士が一緒に勧誘に来ることがあるんですか?
投稿者 匿名希望さん 学生 投稿日時 2006.6. 2 PM 4:09
すいません、NO.260で質問をした者です。
Y新聞とA新聞はクーリングオフしました。ゲンさんにまた聞きたいことがあってこのメールを送りました。
この前のメールで少し読み間違えられたかもしれない文があったので訂正します。月曜日にY新聞、A新聞の柄の悪い拡張員が二、三人きたと言いましたが、これはY新聞とA新聞の拡張員が一緒に三人来たということです。
人は外見で判断しないほうがいいと言ってましたがどうみても外見はヤクザっぽいし話し方もタメ口でした。
このサイトをちらっと見ても集団でくるというのはあまり見かけないので少し気になりました。集団で訪問にくるというのは珍しいんでしょうか?
しかもこの場合Y新聞とA新聞とで会社が違うのに一緒に訪問し、お互い知り合いみたいな感じだったので、これらの拡張員同士の関係も知りたいのですが何か予想はありますか?
回答者 ゲン
『Y新聞とA新聞の拡張員が一緒に三人来たということです』というのは、確かに読み間違えたな。盲点やった。
せやけど、未だにそんな連中がおったとは意外やった。言い訳になるかも知れんけど、5,6年前くらいやったら、そういうのもおったから、あんたの『Y新聞、A新聞の柄の悪い拡張員が二、三人きた』というのに、その可能性も考えたと思う。
あんたの言葉通り、その日、拡張員が二、三人来て、その内のY新聞の拡張員とA新聞の拡張員のそれぞれと、別々に契約したと考えてたからな。
『集団で訪問にくるというのは珍しいんでしょうか?』というのも、ないことはないが珍しい部類になるやろな。
こういう場合の拡張員には3種類が考えられる。
一つ目は、連勧というて、数人のグループでその地域を勧誘するというやつや。これは、ワシでもすることがある。
これについては『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張パターン編 その5 連勧拡張についての考え方』で説明しとるから参考にしてくれたらええ。
しかし、これは、数人でその地域一帯ということやから、一軒の家にということやない。もっとも、状況次第では、サポート営業ということで二人でということはあるかも知れんがな。それでも、さすがに三人はないはずや。
但し、この場合は、複数の新聞を勧誘することは考え辛いと思う。少なくとも、あんたのケースはこれとは違うはずやと断言できる。
二つ目は、たまたま付き合いのある拡張員同士が、喫茶店あたりで一緒になって来たというケースや。あるいは、最初から示し合わせてかも知れんがな。
これは、付き合うこと自体が、この業界では完全にご法度なんやが、隠れてそうしとる者も確かにおる。
ただ、そういう場合、一緒に客宅へ行くというのは、交代読者というのが多いはずや。もともと、他紙他団の拡張員同士が手を組むのは、その交代読者を確保する目的のためというのが相場やさかいな。
例えば、交代読者になりそうなY新聞の客に、A新聞の拡張員と一緒に行ってA新聞の購読を頼むわけや。その客がA新聞の購読客になれば、またY新聞の拡張員がその客を勧誘できるということになる。
何でそんなことをするのかと言うと、通常、拡張員は現読拡張禁止というのがあるからや。現読の場合は継続依頼ということになり、これは販売店の専業の仕事ということになる。
その客とY新聞の拡張員との間に人間関係が出来上がっていたら、比較的簡単に話がまとまるからな。当然、その逆もある。
しかし、発覚すると拙い。特に販売店はええ顔をせんし、新聞社に知れるというのも論外になる。拡張団も表向きは禁止や。見てみん振りをするかも知れんけどな。
ただ、そういうのは当事者同士が黙っとったら分かりにくいというのがある。こういうケースでは客も結託しとる場合が多いから、トラブルとしても発覚しにくいしな。
あんたの言うように、連れもって新規の勧誘に来るというのが良う分からん。しかも、あんたのように学生さんの所へというのがな。
この場合は、複数の新聞の契約をさせることになる。しかし、どう考えても、学生さんにそんな金銭的な余裕があるとは考えんのが普通の拡張員の感覚や。
後でクーリング・オフされる確率が高いと思うのが自然や。それとも、その地域はそのクーリング・オフが少ないのかな。いや、少なくしとるということになるのかもな。
素人さんに一見して、これ見よがしにそれと分かるヤクザルックをしとるということで、クーリング・オフを防ごうという意図でもあるのやろ。
実際に、あんたにも2紙契約させとるというのが、それを裏付けてそうや。
三つ目は、そいつらがフリーの拡張員の場合や。どこの新聞でも扱うとる。これは、ワシら正規の拡張員からも毛嫌いされとる連中や。拡張員の中で一番、たちの悪い連中や。
当然やけど、すべての新聞を扱うとるということは、すべての人間が客ということになる。どこの新聞を取っていようが勧誘の対象になる。つまり、現在、購読しとる新聞を変更さえさせればええわけやからな。
たいていの拡張員は、新聞社専属の拡張団に所属しとるが、こいつらは違う。正規の拡張員からすれば、こんな連中は外道ということになる。フリーで販売店に売り込むもぐりの拡張員や。
ただ、こんな奴らからでも契約を買うという販売店がおるから、未だに存在しとるということになるのやろと思う。
もちろん、こいつらの所属しとる組織は拡張団と呼べるものやない。拡張団と呼べるのは、新聞社から公認された組織だけやからな。フリーは公認なんかされることはない。
ちょっと考えたら分かることやけど、新聞社が公認の拡張団にすべての新聞を売り込むことを認めることは絶対にあり得んことやからな。
これが販売店ならそういうこともある。合配というて複数の全国紙や地方紙を販売しとる販売店や。ここへは、各新聞社が販売と配達を依頼する。
しかし、こういう販売店は読者を勧誘することはない。合配店の地域では拡張員なんかもおらん。独占販売やから競争の必要もないしな。ここには、購読者と無読者のいずれかしかおらん。
あんたの所へ現れた拡張員がこの内のいずれかは分からんが、クーリング・オフをしたということなら、それでええと思う。
万が一、脅しをかけて来るようなことがあれば、前回のアドバイスを参考にしてくれたらええ。
ただ、一つ目と二つ目の拡張員なら、その身元はすぐ割れるが、三つ目の拡張員やと分からんこともある。
一つ目と二つ目のような正規の拡張員は、新聞協会への登録を義務付けられとるし、また、団によれば住民票の提出がなければ雇用されんという所もある。偽名なんかは使いにくい状況にあるわけや。
しかし、三つ目の場合は、正規の拡張員やないから、その身元は怪しい。偽名というのはざらや。ワシらは、こういう連中を「幽霊」と呼んどる。
サイトの『拡張員とは』の中でもその部分に触れた箇所もあるから、参考にしてもらえればええ。
正体が分からんかったら、どうしようもないのかというと、そうでもない。その拡張員の正体が掴めんでも、そいつらが勧誘する新聞販売店は分かるはずや。
せやから、警察や新聞社に苦情を言う場合、販売店の勧誘員にクーリング・オフ後に文句を言われ脅されたと言えばええ。販売店は逃げようがないからな。今は昔のように、拡張員が勝手にやったという言い訳は通用せんようになっとるからな。
販売店も責められたら、その拡張員を責めるしかない。必然的に、そういう拡張員の出入りが制限されることになるということや。
あんたも、クーリング・オフをしたということは、そういう拡張員には毅然とした態度を取ると決めたということやろから、それを貫けばええと思う。
一つ教えとくが、ヤクザのような人間が良く「警察に言うたらただでは済まんで」と脅すことがあるが、これは、本当にそうされたら、その人間が困るさかい言うてるわけや。
こういう連中は、脅しの利く人間にしか、そういうことはせんもんやから、必要以上に怖がる必要はないと思う。
結論として、クーリング・オフ後の脅しは、例え、こういう連中でもせえへんとは思うが、万が一、それがあったとしても、前回のアドバイスで言うた対策で十分やと思う。