新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.268 信じていいんでしょうか?
投稿者 K.S さん 投稿日時 2006.6.20 AM 3:57
はじめまして。
質問なんですが、先日、家のマンションの階段のところで、たまたま勧誘の人に会ってしまい「新聞は取っていますか?」と聞かれ「取ってないです」と言ったら「三ヶ月だけとってくれませんか。私が自腹切るんで。」と言われ、払わなくていいならと思いその場で7月から9月までの契約をしてしまいました。
私が「本当に払わなくていいんですね。」と聞くと「集金の人にお金は渡しておくんで大丈夫です」と言い「後で確認の電話がいくと思うけどタダっていうことは言わないでね。何か受け取りましたかと聞かれたら適当にギフト15枚とか答えて。」と言われて本当は貰ってないのに勝手に備考の欄にギフト15枚と書かれました。(私の契約書にだけ書かれて複写にはなっていません)
最後に「誰か知り合いいない。このマンションじゃなきゃだめなんだけど。」と言いその場を去っていきました。
しかし、確認の電話は6日たった今でもかかってきません。本当にタダなのか不安になってゲンさんに相談したいのですがクーリングオフをしたほうが良いのでしょうか。
それと仮にクーリングオフの際貰っていないギフト券15枚を返せとか言われるのでしょうか?。教えてください。よろしくお願いします。
回答者 ゲン
相談されたのが、契約して6日めということなら、大急ぎでクーリング・オフをすることを勧める。クーリング・オフの期間は、契約日から8日間以内とされとるからな。
今となっては、相手の販売店に連絡して来て貰い契約書に「解約済み」と記載してくれと頼む時間的な余裕はないと思う。
クーリンク・オフは、ご存知とは思うが、文書による通告でしか、法的効力はないとされとる。このQ&Aでも、口頭のみで伝えたからと思うて安心していたらトラブルになったという例が幾つかある。
これは、面倒でも、最寄りの郵便局に行き、内容証明郵便、もしくは配達証明付きハガキでせなあかんということになる。因みに、その手続きが終了する期日が8日以内やったらええということや。相手に届くまでの期間とは違う。
その詳しい手続きのことは『NO.144 クーリング・オフについて教えて下さい』 を見て貰うたら分かると思う。
「このタダやから、取ってくれ」と言われて契約したという相談のトラブルは多い。確かに、本当にタダになったというケースもある。しかし、それは、その場でその契約分の新聞代金を勧誘員が手渡した場合くらいなものや。
あんたのように『集金の人にお金は渡しておくんで大丈夫です』と言うような、その場で確認のできんケースは大半がええ加減な話やと思うてまず間違いない。
『後で確認の電話がいくと思うけどタダっていうことは言わないでね』というのは、たいていの販売店はこういう行為を禁じとるから、こう言うてるわけや。それが、バレたらその勧誘員の立場がないからな。
せやから、それが発覚しても「そんなことを言うた覚えはない」と徹底して白を切るはずや。そのくらいの根性がなかったら、こういう真似はできんと思うしな。
下手したら「それは、客がタダで新聞を取ろうとしとるから、そんなええ加減なことを言うとるのと違うか」と、あんたを悪者にしかねん。
「そんな話は通らんで」と思うかも知れんが、口で言うた言わんということは、その証拠がなかったら水掛け論になり、証明のしようがないから、そう言い切ることもできるわけや。それを信じる者がおるかどうかは別にしてな。
また、例え、後日、そういうトラブルになっても、その勧誘員からしたら「こいつなら、簡単に押さえ込める」と思う人間以外、こんなええ加減な話はせんというのもある。要するに、こういう話を持ちかけられること自体、甘く見られたことになる。
間違うても、ヤクザみたいな輩や、うるさそうな人間には絶対にこんな話は持ちかけんはずやからな。
『それと仮にクーリングオフの際貰っていないギフト券15枚を返せとか言われるのでしょうか?』
というのも、その可能性は十分、考えられる。これは、穿った見方になるかもかも知れんが、そのための証拠作りの可能性もある。あんたが「そんなことはない」と拒否しても「契約書に書いてあるやないか」と言うことでな。
ただ『私の契約書にだけ書かれて複写にはなっていません』ということなら、例え、そういう態度にその勧誘員が出てきても「契約書はクーリング・オフしたから必要ないと思い捨てた。あんたから、何も貰った覚えもない」と、突っぱねたらええ。
複写の方に、それがないということは、その勧誘員もそれを渡したと言える証拠もないわけやしな。
しかし、それもほとんどが取り越し苦労やとは思う。クーリング・オフをしてもその勧誘員からのクレームは、おそらくないはずやからな。クーリング・オフをして、あんたに文句を言うてねじ込めば墓穴を掘るのは、その勧誘員ということになる。
クーリング・オフ後の訪問は正当な理由がない限り法律違反になるから、行きすぎた脅迫なんかがあれば、警察や新聞社に通報したらええ。実際に、それで逮捕されたという事案もあるしな。
因みに正当な理由には「クーリング・オフをする理由を教えてください」というのは当たらん。クーリング・オフは、その理由を伝える必要すらないわけやからな。
唯一の正当な訪問理由は、実際に渡した景品の回収くらいなことしかないということや。
これは、他の人にも言うてることやが「タダやからええか」ということが癖になったら、終いにえらい目に遭うことになるということを知っておいてほしい。
冷静に考えたら分かることやが、何で新聞がタダになると思うのやろか。
新聞が作られ届けられるためには、新聞社の社員、新聞記者、印刷工場の作業員、配送の運転手、新聞販売店の従業員、配達員と、多くの人間の力が必要になる。
当然、そこに経費や人件費が発生する。多くの関係者の生活がその収益に支えられとるわけや。さらには、それを売るワシら拡張員やテレビ、ラジオのCMなどの営業経費もかかることになる。
新聞は、それらの経費を得るために、その価格が設定されとるから、どう転んでもタダにできるわけはないということや。
新聞に限らず、世の中には、タダで作られる商品は皆無やと言うてもええ。オマケやサービスというものでも、その価格は本体に織り込み済みというのが当たり前やからな。
今回のケースは、あと少し、この相談が遅く、クーリング・オフの期限が過ぎてそれができなんだら泣きを見ることになってたかも知れんということを良う考えといてほしい。
もっとも、今でも、そのクーリング・オフをするために多少の出費が必要やから、その分は、まったくの損ということになる。まあ、その程度は授業料と思うてあきらめるしかないやろがな。
「世の中、タダより高いものはない」というのは言い古された言葉やが、それに間違いはないと思う。「得しますよ」という甘い言葉の裏には多くの危険が潜んどるということや。