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NO.272 新聞の購読解約について、相談させてください


投稿者 Sさん 投稿日時 2006.6.26 PM 8:30


こんにちは。
新聞の購読解約について、相談させてください。

契約書をなくしてしまったので、正確な日は忘れてしまったのですが、H18年9月までの契約がある状態で、去年(H17.6ころ)に2年の契約をしました。

その際、扇風機(2000円位のもの)とレジャーポットをいただきました。扇風機は使用しています、ポットは未使用です。

今年に入って、掲載される記事の内容が以前とかわり(記者が変わったためもある)、記事として取り上げる方向に偏りが生じてきており、思想的に合わないという感じになって、読みたくない状態になってしまいました。

そこで、解約を考え、販売所に連絡したところ、理由を聞かれましたが、あまりにプライベートな理由なので、こちらの事情で・・・としかいえませんでした。

解約する場合は、どのようにしたらよいかアドバイスください。

来年には引越しをする予定になったのですが、同じ販売区域内です。

よろしくおねがいします。                                             


回答者 ゲン


引っ越しされる予定が、同じ販売区域内ということなら、継続購読ということになるから、そのときになって、それを理由にしての一方的な契約解除は無理やな。

このケースは、あんたの言われとる通り、自己事由ということになるから、その販売店との話し合いで合意して解約するしかないと思う。

とは言え『今年に入って、掲載される記事の内容が以前とかわり(記者が変わったためもある)、記事として取り上げる方向に偏りが生じてきており、思想的に合わないという感じになって、読みたくない状態になってしまいました』というのは、それだけで片づけるには気の毒な気もする。

あんたにとって、それは、契約時には予期せんかったことやろしな。ただ、こういうのは、残念ながら、正当な解約理由にはなりにくいのもまた、事実や。気持ちは分かるがな。

これが、明らかな新聞の大誤報、あるいは新聞社の不祥事が明るみに出たことにより、その信頼性が大きく欠けたという理由で、大勢の解約希望者が殺到した場合は、法律云々の問題やなく、それを引き留めるのは難しいやろうと思う。そういうケースも過去にはある。

今回は、そういう社会的な問題でもなさそうやし、あくまでもあんたの主観的なもののようやから、一方的な解除は、まず無理ということになる。

これは、新聞購読契約というものが、その新聞社と結ばれとるものやなく、販売店とあんたとの間で取り交わされとるということも大きいということがある。

あんたの話の内容を聞く限り、その販売店に対しては、何の不満も問題もないということになる。

つまり、契約相手に落ち度がない場合は、冒頭でも言うた通り、自己事由ということになるから、その販売店との話し合いで合意するしかない。双方が納得すれば、それで契約解除となる。それがない限り、一方的な解除は難しいということや。

一般的には、解約違約金を支払ってということになるが、それは、相手の販売店次第で違うてくる。この解約違約金については、それを要求する所もあれば、せえへん所もあるからな。

まずは、それを確かめることや。それから判断すれはええ。

あんたの場合『H18年9月までの契約がある状態で』ということやから、それまでは、購読しといた方がええやろ。まずは、一つの契約を終わらせる方が得策やと思う。

問題は、それ以降のH18年10月からの2年契約ということになる。

すでに解約の意志を伝えられたとのことやが、本当は、最後の月に、言うた方が良かったとは思うがな。しかし、もう伝えてしもうたのなら、条件的なことを聞くのも一つの方法や。

つまり「仮に継続した2年契約を解約する場合、どうしたらいいのですか」と、その販売店に聞いてみるということや。

考えられる返答は三つくらいあると思う。

一つ目は「解約は無理です。応じられません」というものや。これが一番、多いと聞く。

二つ目が「理由を教えてください」と、今回、あんたが言われたことや。

三つ目は「それなら解約違約金として○○円、支払ってください」とストレートに要求を言うてくるというものや。

一つ目に対しては「解約違約金を支払いたいから、その話し合いをしたい」と言う。それに販売店が応じれば、そうしたらええ。ただ、中には、どうしても解約を阻止せんがために、法外な解約金をふっかけてくる所が極希にあるようや。

このサイトの相談でも、10万円の違約金を寄越せというのがあったからな。もちろん、こんなものに応じる必要はない。

法外な要求に対しては、毅然とはねつけ「それなら、損害賠償請求を起こしてくれ。裁判で、そう決まったのならその金額を支払う」と言えばええ。

こういう販売店とは、あまりまともな話し合いにならんやろからな。もっとも、こう言えば、折れてくる確率は高いがな。

二つ目は、正直に、あんたの理由を言えばええ。こう聞いてくる所は、すべてやないが、だいたいにおいて、話の分かる良心的な販売店やと思う。せやからこそ、理由を聞くわけやからな。

こういう所は、それなら仕方ないなとあきらめる所と、比較的少額の解約違約金を請求する所に別れると思う。

三つ目は、その請求額に、あんたが納得できたら、それで終わりや。納得できんかったら納得できるまで交渉したらええ。

因みに、解約違約金についての上限は、2年以上の長期契約の場合、当サイトでは2万円程度までというアドバイスをしとる。もちろん、これには根拠があってのことや。

当サイトの法律顧問をして頂いている法律家の今村英治先生から寄せられた見解にこういうのがある。


損害賠償の額ですが、特定商取法には継続的役務提供契約の中途解約を認める条文がありまして、これによると例えば学習塾の契約などは 中途解約のペナルティの上限として2万円または1か月分のどちらか少ない方という取り決めがあります。

これを類推適用するのが いまのところ正当な賠償額かなと個人的に思います。したがって迷惑料として2万円を超える額を請求するのはいくらなんでも高すぎるというゲンさんの回答はまことに的を得ていると私は思います。


但し、新聞購読契約についての判例や取り決めがないため、該当するかどうかは何とも言えんが、少なくとも当サイトでは、これを根拠にアドバイスすることにしとる。

一応、この額を基準に、法外かそうでないかの判断ができると思う。断っておくが、これを支払えと言うてるわけやない。あくまで、これが上限で、その額は、話し合いの合意で決めればええことやさかいな。

この解約違約金を請求してくる理由やが、その販売店も営業経費を使うてるということがあるからや。あんたが、契約解除することで、その販売店が損害を受けるのは確かなことやからな。それは、分かってほしいと思う。

ただ、あんたの場合は、状況からすると、継続契約やから、そこの従業員が契約に来たということになり、その経費は、ワシら拡張員からというのと比べると格段に安い。従業員のカード(契約)料というのは、拡張員の半分以下が相場やからな。

せやから、実質の営業経費は、その販売店にもよるけど、通常は1万円以下やと思われる。そのあたりの交渉になるのやないかな。

それに、プラス、貰うた景品分の返還ということになる。

これについては、契約が解除されると、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負うというのがある。これは、民法545条にその規定がある。

その場合、契約は締結した時に遡って消滅し、各当事者は互いに相手方を原状に復せしむる義務(原状回復義務。受領した物を相手方に返還する義務)とあるのがそれや。

『その際、扇風機(2000円位のもの)とレジャーポットをいただきました。扇風機は使用しています、ポットは未使用です』というのは、そのときの時価で判断されるのが一般的やと思う。

洗剤なんかやと、よほどの長期間やない限り、その価値の目減りというのはないから現物の返還でもええが、電気製品は1年も経つと中古扱いになる。

扇風機は実際使うてるから、それは分かるやろが、レジャーポットは使うてないというても、現在も同じ値打ちかというのはどうかというのがある。微妙なところやが、それも交渉したらええことや。

使うてないということで、そのまま受け取ればそれでええし、金額に換算されて、それが納得のいくものやったらそれでもええやろと思う。

基本はあくまでも、契約をチャラにすることで、すべてをもとに戻すということを考えとればええということや。

ワシのアドバイスということなら、こういうことになる。これ以外のことで、何か要求されて困るようなことがあれば、いつでも、また相談してくれたらええ。


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