新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.289 どうしたら


投稿者 hero さん 現役拡張員 投稿日時 8.16 PM 9:33


今、拡張の仕事しています。インターフォンやモニターで「結構です」とか言われて、直接話せないケースがあります。お客様を出さす、玄関の扉をあけさすトーク・テクニックを教えてください。


回答者 ゲン


『インターフォンやモニターで「結構です」とか言われて、直接話せないケースがあります』というのは、この仕事をする限りは、避けて通れんことや。そういうのは、当たり前にあることやと認識しとく必要がある。

相手の立場で考えれば、それは簡単に分かることやが、自分本位になるとそれが分かり辛くなる。というより、分かろうとせんと言うた方がええのかも知れんけどな。

それは「こうして仕事に来とるのやから、せめて話くらい聞けよ」という思いが、どこかにあるからやと思う。あんたは、叩く(訪問)のが仕事やから、どうしても、そのことだけを考え一生懸命になる。

ところが、多くの客にとって、そんなあんたの事情なんかはどうでもええことなんや。関係もなければ、付き合う義理もない。そう考えるのが普通なわけや。

それが、理解できんから『お客様を出さす、玄関の扉をあけさす』ということに重き置くことになる。話さえできれば何とかなると思う。

それでは、この仕事はよけい難しくなるだけや。無理に引っ張り出した客には、どうしても強引な勧誘になりやすくなる。ドラブルはそういう所で起きる。

きつい言い方かも知れんが、あんたは『お客様』と言うてるほど、客の立場は考えとらんはずや。考えとるのかも知れんが、分かってない。

ただ、客さえ出てくれば必ず落とせる、カード(契約)にできるという自信があり、それがあんたのスタイルやと言うのなら、それはそれでもええと思う。ワシが批判がましく言う筋合いのもんでもないしな。

あんたが教えてほしいという、トーク・テクニックというのは、確かに幾つかある。このサイトでも初期の頃、そういう質問を受けて答えたこともあるからな。

NO.6 最近、新聞拡張で伸び悩んでいます。色々ご指導ください』 というのが、その典型や。表面的な回答でええと言うのなら、今回のあんたの質問の答えはそこにある。

但し、それがすべてで通用するとは限らん。実際、その質問をしてきた人とは、それっきりになったから、それで上手くいったかどうかはワシには分からん。テクニックのみに走ると上手くいかんやろとは思うがな。

断っておくが、この世界には便利で万能な営業トークというものは存在せん。存在するのは、確率を上げるための考え方だけや。

あんたが、ワシの言うことを信用するのなら『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』を、じっくり見てほしい。そこに、ワシが言わんとしとることが書いてある。

それを読めば、ワシが言うた『それは、あんたの考え方に原因がある。自分本位のものの見方に陥っとる場合にそうなりやすい』という意味が分かって貰えるのやないかな。

ワシは、営業の基本は、客との人間関係を作ることやと信じとる。そのために、どうすればええのかということが分かれば、あんたの悩みは悩みでなくなるはずやと思う。

冒頭で断られることについて『そういうのは、当たり前やと認識しとく必要がある』と言うたが、見ず知らずの人間、しかも、何かを売りつけようという営業員なんかの話は、よほどの事情がないと聞く耳を持たんというのが普通の反応やと知るべきや。

そのよほどの事情というのは、新聞がほしくなった、新聞を替えてみたい、拡材がほしいなどと、客が考えてた場合に限られる。そういうときになら、話を聞くこともあるやろ。契約する確率も高い。

新聞の購読契約が成約になる確率は、100軒叩いて1軒あるかないかや。後の99軒は無駄足になる。ただ、その無駄足があるから、その1軒に辿り着けるとも言えるんやけどな。

せやから、この仕事を始めた初心者には、まず訪問数を増やすことから勧めるようにしとる。ただひたすら叩く(訪問)ことや。そこから、始めるしかない。

それで、出てきた客に、誠意をもって全力で勧誘に当たることを心がける。出て来た客というのは、よほどの事情を持っとる場合が多いから、素人でも契約できる可能性は高い。

出て来ん客は、その事情のない人間ということになる。それを、いくら手練手管を使って引っ張り出して勧誘しても難しいと思う。

ワシは、そういう客やと踏めば、その他99軒やと割り切り、あきらめることにしとる。無理はせん方が結果はええと経験的に思うとるからな。

せやから、いくら、インターフォン・キックがあろうと門前払いがあろうと、ワシは、それを苦にすることはない。この仕事は、断られることを苦にしとるようやと続けるのは、まず無理やさかいな。

ただ、考え方、やり方次第では、客が出てくる、あるいは話を聞く確率は上がるとは思う。それは「出さす」という考え方やなく「聞いてください」という気持ちになることや。その気持ちだけでもかなり違うてくるはずや。

インターフォンで断られるというても、留守以外なら、必ず客はあんたの第一声を聞いとるはずや。それで、判断されとるわけやけど、少なくとも、チャンスはその1度だけにしろ、あるわけや。

できる拡張員は、その1度のチャンスに全身全霊を傾けてアプローチする。そのときに、客に好印象を与えられたら、出てきて貰える、話を聞いてくれる確率がぐんと高くなることになる。

それには、いろいろな要素がある。あんたの容姿、立ち振る舞い、声の調子、雰囲気など、そのすべてが相手の客に好まれた場合や。

その客と人間関係を作ることを主眼に置いとれば、自然にそういう対応が生まれてくるもんやと思うとる。

人間として客に好かれれば、それほど苦にすることなくカード(契約)は上がるはずや。問題は、それに気付いて、それが信じられるかどうかや。

表面的なテクニックだけを頼りにするよりも、考え方が大事やということを学んでほしいと思う。

たった一つの気付きが生まれるだけで、人は大きく変わるもんやさかいな。すべては、あんた次第や。


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