新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.290 新聞勧誘のあり方について


投稿者 ジャングルさん 投稿日時 2006.8.20 PM 11:00


ハカセさん・ゲンさんはじめまして。
新聞勧誘について検索していたらこのサイトにたどり着いたので質問させて下さい。

新聞勧誘時にいつも思うことが2つあり、それは身分を偽り玄関のドアを開けさせる事と
もう1つは口の利き方が馴れ馴れしいと思うことです。

会社や個人宅を訪ねるときに営業は「私は○○という者です」と名刺をさしだすのが礼儀であり・基本ではないでしょうか。

私が購読している新聞販売所では必ず従業員である「会員証」を身につけていますので担当が代わった場合必ず見せてもらうようにしています。

時々くる悪辣な拡張員?あるいは他社の新聞販売所の人だと思いますが、前記のような手段を使い玄関先で顔を合わせた時に上から見下ろすような態度で「よろしくな」と挨拶をしてかなり馴れ馴れしい口調できます。

特別丁寧な言葉使いは無用ですが営業活動になるわけですから・・

現在ではほとんどなくなりましたが、生命保険や宗教団体の勧誘・寝具の販売やクリーニングなどは必ずきちんと名のりますし、丁寧な応対で接してくる常識者です。

身分を明かせないのは自分の心に疚(やま)しいことがあるからでしょう。

HPの「世に蛇蝎の如く忌み嫌われる新聞拡張員」は自分たちの存在は特別で相手を脅す・騙す契約については何の罪悪感もなく日常化されているのが現状ではないでしょうか?

回答お願いします。


回答者 ゲン


あんたに分かってほしいことがある。それは、拡張員と一口に言ってもいろいろな人間がいとるということや。

一般の営業会社の営業員と同じく、ネクタイにスーツ姿の人間もおれば、ラフなスタイルの者もおる。全国的な傾向で言えば前者の方が多いようやけどな。

これは、新聞社、販売店の意向で、そのスタイルを義務付けとる所が増えとるからというのが影響しとると考えられる。拡張団も、それを受けて、服装を厳しく規制しとる所も多いからな。

もちろん、それを無視して、昔ながらのスタイルに固執する拡張団というのも、数は激減しとるが未だに存在しとるのも確かや。

その昔ながらの事情というのを説明すると長くなる。詳しくは当メルマガ『第50回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■拡張員事情の昔と今』で説明しとるから読んどいてほしいと思う。

要は、新聞拡張団が60数年前に本格的に活動を開始したとき、ヤクザのような連中にそれを任せたことで、その勧誘方法、スタイルが定着したことにより、一部、それを今でも引き継いどるような所もあるということや。

そういう所の拡張団が『自分たちの存在は特別で相手を脅す・騙す契約については何の罪悪感もなく日常化されている』と思われとるわけや。

さらに、あんたは『新聞勧誘時にいつも思うことが2つあり、それは身分を偽り玄関のドアを開けさせる事と、もう1つは口の利き方が馴れ馴れしいと思うことです』ということを挙げておられる。

そういう連中もいとるのは確かやが、ちゃんとした対応をする拡張員の方が圧倒的に多いのも事実なんや。

しかし、あんたは、何ぼそんなことを言われても信用できんわな。実際にそういう連中が、あんたの目の前にいとるのやからな。

加えて、拡張員の風聞が悪いということもあるはずや。それにはインターネットからの影響が大きいと思う。インターネットの世界では、悪辣な拡張員というのは、随所に登場するが、普通の善良な拡張員というのは話題に上ることすらない。

勢い、拡張員というのは悪辣な人間の集まりばかりやと思われがちになる。実は、これは一種の刷り込みなわけやけど、多くの人は、そうは考えとらん。それを鵜呑みにして信じとるからな。

HPの冒頭で『世に蛇蝎の如く忌み嫌われる新聞拡張員』と言うてるのは、ハカセ一流のそういう批判的な人のモノの見方、心情を皮肉ってのことやが、どうも、それは、何の疑いもなくそのままストレートに伝わっとるようや。

これは、自らを卑下しとるものでも、貶(おとし)めとることでもない。言えば、一歩へりくだった表現でもある。

これに加えて、この一文でもってHPのつかみにしとるということもある。このHPを開設する前は、読んで貰えるかどうかさえ怪しいと思うとった。

誰にも読んで貰えなかったら、どんなものでもそれまでや。そのためにも、冒頭の言葉は重要な意味を持つ。大袈裟に言えばHPの運命をも左右するわけや。

ただ、この一文を書くとき、ハカセもそれなりに悩んどった。ここまでのことを書いてもええのかと。ワシは迷わず、構わんと言うた。例え、それがストレートに伝わることがあろうと、読み進めていくうちには『世に蛇蝎の如く忌み嫌われる』ということに疑問を感じる読者も現れるはずやと考えてな。

言うとくけど、多くの拡張員は、世間で思われとるほど、この仕事に卑下はしとらんし、劣等感もない。営業の仕事の一つと割り切っとる。本気で『蛇蝎の如く忌み嫌われる』と考えとったら、この仕事はやってられんからな。

当然、仕事に罪悪感なんかあるわけがない。もし、その罪悪感を感じる人間がいとるとすれば、それは、人としての道を外れたことをした場合だけやろと思う。

ワシは、胸を張って人に自慢できる仕事とまでは考えとらんが、少なくとも、人に後ろ指さされなあかんほどとは思うてない。また、そういうことだけはしてないという自信もあるしな。

あんたも、この文面を見る限り、拡張員イコール悪辣な人間というイメージを持たれておられるようやけど、そういう曇り眼鏡で見ると、世の中、あるいは人間そのものを見誤ることになりかねんというのは言うとく。

世の中には、どんな仕事であろうと悪辣な人間というのは存在する。どんな所にも、ええ人間もおれば、悪い人間もおるのが、人間の社会や。それに例外はない。

このHP上でも、事ある毎に『社会的に信用があるとされとる職業でも、警察官、教師、弁護士なんかが引き起こす凶悪事件は珍しくも何ともないし、裁判官ですら何をするか分からんご時世や。職業に、貴賤なし、悪者なしや。悪者が職業を選ぶんや』と言うてるが、その考えに揺るぎはない。

もっとも、人がどういう印象をその職業の人間に対して持つかというのは、ある意味、仕方のないことやとは思う。その職業次第でその人を評価するというのは往々にしてあることやからな。

ゲンが拡張員をしとるということやなく、拡張員のゲンという見方になるということや。個人の人間性より、何を生業にしとるかでその人の評価や見方が違うてくる。

あんたにとって、理解しづらいことかも知れんけど、拡張員にもいろいろいとるのやということだけは、分かってほしいと思う。せやないと、話を先に進めにくいからな。

『それは身分を偽り玄関のドアを開けさせる事』というのは、そういう人間も存在するとしか言えん。

『もう1つは口の利き方が馴れ馴れしいと思うことです』というのも、同じで、確かにそういう者もいとる。

ただ、これについては、営業論としていろいろな見方、捉え方があるから、一概にそれが悪いとは言えん。客にしても、いかにも営業員然とした雰囲気を嫌うということも結構多いからな。親しみのこもった口調を好む人もおる。

余談やが、このHPにしても、関西弁を駆使することで、その馴れ馴れしさを演出しとると受け取られることがある。中には、無礼やと言う人もおる。

あるいは、その言葉使いから、ヤクザのような拡張員がやっているHPと紹介しとるブログすらある。

逆に、それが、暖かみがあり人情に溢れとると評価してくれる人も多い。正直、ワシらには何が正解かということは分からん。敢えて言えば、試行錯誤の末に考え出し辿り着いたスタイルということだけのことや。

せやから、それを好むかどうかは、あくまでも、その読者の感性で決まる。馴れ馴れしい言動も、受け取り方次第でそれぞれに感じるということや。

ただ、あんたのように『会社や個人宅を訪ねるときに営業は「私は○○という者です」と名刺をさしだすのが礼儀であり・基本ではないでしょうか』と考える人にとっては、とんでもないことやろけどな。

もちろん、必ずそうせなあかんということはないが、日本の社会では、当然のことと認識されとるのは確かなことや。それが、常識ということになっとる。

その価値観から馴れ馴れしさを嫌うあんたに、そういう態度で接するというのは、その拡張員に相手を見る目がないということになる。思慮の足らん程度の低い人間と思われても仕方がない。

あんたは、拡張員は、そういう人間ばかりやないかと言うかも知れん。おそらく、その地域では、その手の人間が多いのやろと思うからな。

それについては、ワシも反論はできん。救いのない言い方やが、これからも、そういう拡張員はひっきりなしに、あんたの所に来るやろうからな。

それには地域的なことが左右する。この業界では良うあることで珍しいことやない。

そういう対応の人間は、たいてい同じ拡張団に所属しとると考えてもええと思う。もちろん、新聞社毎で違う拡張団を抱えとるのが普通やから、その新聞社の拡張員については、という限定での話やがな。

拡張団も新聞販売店と同じで、その営業エリアというのが、新聞社から割り当てられ決まっとる。つまり、拡張団は、その決まったエリア内でしか営業できんから、どうしても、同じような人間が勧誘に来るということが起きるわけや。

それとは別に、個人の資質の違いによることもある。この業界は、他よりも中途採用というのが圧倒的に多い業種や。

拡張員になる者は、たいていは、以前、何かの職業に就いていたというのが多い。その経験を引きずる人間も当然おる。それが、個人差として表れることもある。

『私が購読している新聞販売所では必ず従業員である「会員証」を身につけています』というのは、ワシら拡張員にも義務付けられとることで、業界では一般常識になっとることや。特別なことでも何でもない。

NO.124 勧誘時の社員証、業務委託証明書の携帯について』というのがある。これには、このサイトで協力して頂いている拡張員さんたちの現場の意見も多いから、それを見て貰うたら実態が良う分かると思う。

『身分を明かせないのは自分の心に疚(やま)しいことがあるからでしょう』と言われとるのは、その身分証の携帯、及び提示がないということなのやろと思うが、こういうのは論外や。程度が悪いのにも、ほどがある。

結論として、あんたが、そういう拡張員が嫌なら、相手にせんことやと思う。危害や迷惑を被ることがあれば、新聞社や警察に通報すれば済む。

たいていは、それで解決がつくはずや。それで、難しければ、ここに質問して貰えれば、その解決方法をアドバイスする。

もちろん、嫌なことは嫌と面と向かって、その当人に言うのもええ。反対はせん。ただ、程度の悪い人間を相手にしても仕方ないとは思うけどな。

しかし、何度も言うが、そんな程度の悪い拡張員は、全体からすれば、極少数ということだけは理解できるようやったら、してほしい。

ただ、何でも、ええことよりは悪いことの方が目立つから、そのええことの情報量が少なければ理解してくれと言うても難しいかも知れんがな。

幸いというか、あんたも、せっかくこのサイトを訪れたわけやから、じっくりこのHPを読んで頂ければ、そういう情報にも触れ、ワシの言わんとしとることが分かって貰えるのやないかと思う。


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