新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.30 難しい客から他社の拡材を聞き出す方法を教えて下さい。


投稿者 アーちゃんさん 地方紙販売所勤務 投稿日時 2004.9.24 PM8:45 


初めまして、地方紙の販売所に専業として勤めています。ゲンさんのホームページをときより拝見させていただき拡張の参考として利用させてもらっています。

初めてその家に訪問した時すでにY新聞さんの勧誘があったらしく、6ヶ月契約でB券10枚洗剤8個などのとてつもない条件が出されていました。おばぁーさんはそのYさんが来たときは忙しかったので、契約しなかったとのことです。

うちで出す条件とあまりにも違いすぎるので玄関前で思わずよろめいてしまいました。
そしたらそれを見ていたその家のおばぁーさんが家の中へ入って行こうとしたので少し大きめ声でYさんと同じ条件が出せるかどうか店長に相談して又きますと言い別れました。

それから暫くしてもう一度その家に行きました。もうすでにYさんと契約したのかなと思いきや、まだのようでした。その家のおばぁーさんが「店長と相談してきたのか」と言ってきたためYの条件が頭にちらつき「今回特別にB券5枚洗剤5個出します」と思わず言ってしまいました。

くれぐれもご近所には内緒にしてくださいと言って、おばぁーさんの了解を得ました。

その話を店長にしたところ「何でそんなに使うんだ。うちの良いところの織り込みチラシの多いこととか、地元のニュースが多いなどの説明で納得させ拡材はなるべく使用しないようにしろ」と言います。

結局、翌日、店長指示で1年でB券6枚洗剤5個ではどうですか。とばぁーさんに言ったところ解約するぞとすごまれました。

当たり前ですよね。1度出した条件で決まったら修正はむずかしいですよね。
この辺のおばぁーさんとの駆け引きが私には甘いところではなかったのかと今しきりに反省しています。

具体的にゲンさんに聞きたいところは、おばぁーさんの言ってることが本当かどうか、Yの条件を探るのにはどのようにアプローチすればよいのかどうかそこを教えてほしいです。よろしく御願いいたします。


回答者 ゲン


あんたも反省しとると言うことやが、拡材の条件面に関しての独断はまずかったな。今更あんたに説明するまでもないやろけど独断が許されるのは、与えられた上限までや。

これは拡張員も一緒で、その販売所の指示には従わなあかん。その条件を無視した契約は無効になることがある。大抵の場合、あんたと一緒でもう一度交渉のやり直しということになる。

もっとも、拡張員の中には自腹覚悟で販売所の拡材にプラスして契約を取る者もおるが、それは、あんたは考えん方がええやろ。そんなことをしとったら、ろくなことにはならん。

専業のカード料は安いから持ち出しが増える。一度、そういう手段でカードを上げるとそれが癖になる。儲からんというだけやなしに、必ず噂にもなる。

客に、ここだけの話は通用せんと考えとかなあかん。特に、拡材目当てで契約したような客は必ず近所に言い触らす。こういう客は、人より得をしたということが自慢になるんや。

どうなるか、言わんでも分かるやろ。バレるのは時間の問題や。そして、バレた時は言い訳のしようがない。店も従業員のしたことやから対外的に言い訳も出来んし、信用問題になる。それが、もとで馘首になった者もおるから気つけなあかんで。

今日び、拡張員でも拡材のやりすぎなんかで度の過ぎる者は、その販売所に出入り禁止ということもあるんやからな。せやけど、拡張員のする行為は、販売所も関係ないちゅうて逃げ道があるけどな。

せやけど、あんたにしたら折角、客になるかも知れん相手を逃がしたら勿体ないと思うわな。仕事に真面目な人間ほどそう考える。そこで、こんな場合の対処法を教えとく。

まず、与えられた上限以上でないと契約出来そうにない場合は、保留にしておいて店のトップに相談する。あんたの最初の対応は正解や。すぐ相談すれば良かったんやけどな。

その相談をするときでも、なるべく1対1の時を選ばなあかん。誰か他の人間が回りにおれば、立場上、認める訳にはいかんから却下せんとしゃあない。1対1なら、話の分かるトップやったらOKということもある。

それでも、駄目な場合は、そのトップに責任転嫁をするように持って行く。今のままやと、契約に失敗すると責任は、相手を納得させられんかったということで、あんたということになる。

トップがNOと言う場合は、あんたもカードを諦めんとしゃあない。せやけど、その責任まで背負うのはつまらんわな。その場合、あんたにとって不本意でもそのトップを持ち上げて、その客のところに交渉に行かすように持って行くことや。

「店長、僕みたいな者ではこの客は無理です。でも、みすみすYに客を取られるのは悔しいじゃないですか。後学のためにも、店長にこういう客の扱い方を実地で教えて貰えませんか」と言うか「店長にお願いします。あの客は僕にはとても無理です」と持ちかければ大抵のトップは嫌とは言えんし、NOの返事の場合でも、あんたの責任は回避出来るはずや。

これは、今の段階でもまだ遅くないと思う。行くか行かんかはそのトップ次第や。行けば恐らくそのトップもあんたと同じ条件で契約するやろ。あんたの話を聞く限りでは、ワシでもそうなると思う。契約する自信がなければ、そのトップは行かん。

ここで、あんたの所のトップの弁護という訳やないんやが、トップの立場というものを分かってた方がええやろと思うから、ちょっと説明しとく。

新聞の拡張というもんはすべての新聞社が同じ土俵で勝負、競争をしている訳やない。
特に全国紙と地方紙では、そのスタンスが全く違う。N紙を除く全国紙は、売り上げ部数が絶対的なもんや。部数至上主義と言うて全てに最優先する考え方をする。

せやから、全国紙では新聞の拡張競争は当然やと考える。地方紙は違う。部数の競争をしても意味がない。トータルで全国紙に勝てる訳がないからな。地方紙は地方のことだけを考えるところが多い。売り上げ部数も必要やが、それが全てとは考えとらん。

それに、地方においては、ほとんどの所で、地方紙と全国紙の優劣はついとる。あんたところの地方紙は、その地域ではYやAよりも圧倒的に勢力は上のはずや。あんたの所だけやなく、他の地方紙、ブロック紙にも、全国紙を凌駕しとる所は多い。

そういう所は、現状維持がベストなんや。客の流失が防げたらええ。新規開拓はそれほど力を入れとる所は少ない。ましてや、YやAと張り合うのは愚の骨頂やと考えとる地方紙の販売所がほとんどや。

ワシは、実際にそういう所の販売所の所長を知っとる。

その所長は、YやAに客を取られても悠然としとる。後でそんな客も必ず帰って来ると言うてな。事実、結果的にはそうなることが多い。

ワシは今、東海地方のYの拡張をしとるが、この地域は圧倒的に地元ブロック紙のC紙が強い。次がA紙やが、その差は大きい。さらに水を開けられてY紙や。S紙とM紙はさらに影が薄い。

この現状は、ワシら拡張員が何ぼ頑張っても逆転はまず不可能や。勝負はついとる。せやから、ここの全国紙は統合版と言うて夕刊すらない。それで、値段を下げとるのやが効果はない。

C紙には夕刊はある。当然、新聞代も高い。それでも、この地域での売り上げ部数はダントツや。

その理由に折り込みチラシの量がある。これは大きい。企業や商店は部数の多い新聞に広告を出す。ここでは、C紙とY紙では圧倒的に折り込みチラシの量が違う。

この地域の企業や商店にしたら、Y紙はその他の新聞の扱いでしかない訳や。この地域の折り込みチラシを良く入れる会社の事務所にでも行けばそのことが良う分かる。ここでは、日本一の新聞社の片鱗なんか微塵もあらへんのや。

せやから、ワシも含めてC紙以外の拡張員はそのことになるべく触れんように拡張しとる。せやけど、C紙の読者がY紙の読者になったら一目瞭然で分かる。チラシ第一の主婦連にしたら一大事や。あまりにも少ないからな。

こういう客はまたC紙に必ず戻る。例外もある。Y紙の販売所のすべてがそういう状況を指をくわえて傍観しとる訳やない。中には折り込みチラシ獲得に力を入れとる販売所もある。ワシもそういう所では、会社に折り込みチラシの注文を取りに回ることもあるからな。せやけど、それはあくまでも例外や。

加えて、Y紙はC紙にさらに弱い部分がある。野球や。Y紙は巨○、C紙は地元の中○や。
この地域はその中○ファンが多い。

その中○は現在、優勝目前や。片や巨○は優勝の望みもないし、そこのトップはプロ野球のスト問題の元凶とも目されとるからY紙や巨○の人気のないこと夥しい限りや。

ここで、かろうじてYが踏ん張れてとるのも巨○ファンあってやのに、そのファンからも見放されとる。これに、怒って実際Y紙を止めた者も多い。

せやから、この地域のY紙は軒並み新聞の売り上げ実数は落ち込んどるはずや。もっとも、押し紙での名目部数があるから、落ち込んどるとは公表せんやろけど、現場のワシらが一番肌で感じとることや。

そんな状態やから、ワシとこの団の拡張員でも、C紙読者を攻めるのは最初から諦めとる人間が多い。狙いはA紙なんかの他の全国紙の購読者や。ここなら、条件は変わらんからな。つまり、弱い者同士の奪い合いということや。

前出、C紙の販売所の所長は、そこまで見越しとるから悠然としとるという訳や。

せやから、あんたの販売所の店長が、折り込みチラシを説明しろと言うのも的外れやないし、地元のニュースも読者には重要な要素や。

地方紙の存在理由はそこにあると言うてもええくらいやからな。全国紙はどうしても、全国的なニュースになるし、本社の意向が強いから、なかなか地方にまで目が回らん。地元密着のニュースは必要やと思う。

あんたの言う、おばあーさんも、本音ではあんたの所の地方紙を購読したいのやろと思う。Y紙よりも圧倒的に少ない拡材でOKやと言うことからでも分かる。

ただ、このおばあーさんが、本当のことを言うてるのかどうかというはメールの文面だけで判断するのは難しい。直接会えばすぐ分かるがな。

客にもいろいろおる。拡張員を引っ掛けて拡材を余分にせしめようというのは、どこにでもおるからな。乞食読者なんかその最たる者や。ワシらでも手の焼く連中は多い。

この、おばあーさんを判断する方法は、他の客との話を摺り合わせるのが一番確かやろと思う。拡張員にも癖のようなものがあって、同じトークを他でも繰り返すもんや。

他の人間と極端に違う話をする拡張員は少ないから、2,3人の客からY紙の拡張員の話を聞き出せば、大体分かるはずや。拡張には、他社の情報を常に知っとくのも必要や。

その話と、おばあーさんの話が極端に食い違うようやと、用心したらええ。引っ掛けが入っとる可能性がある。

しかし、この場合は、違いがないようやから、まず本当の話とみてええやろ。

裏技として、どうしても知りたかったら、客のふりして電話でもしてみることやな。電話先はY紙の販売所や。ここで聞く方が、拡張員の話より確かかも知れん。

「○○町に住どる○○だけど、お宅はサービスがいいと教えて貰ったのですが、6ヶ月くらいの契約でビール券とか洗剤はどのくらい貰えるの?」と聞いてみる。

大抵は、ありのまま教えてくれる。断っとくけど、その時、B券とか拡材なんかの専門用語を口走ったらあかんで。同業者と一発でバレる。

それと、電話は店から絶対にしたらあかん。今はどこでもナンバー表示があるからバレる可能性がある。公衆電話からが一番無難やろ。断るまでもないと思うが、長電話も禁物や。会わんと言えんと言うようやったら、諦めた方がええ。

大体、こんなところやけど、ええかな。最後にもう一言。ややこしいことは、店長に押しつけや。もちろん、おだてて、よいしょしてな。それが一番賢いと思う。


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