新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.303 団を入れない販売店をどう思われますか?
投稿者 haruka さん 販売店従業員 投稿日時 2006.9.24 PM 6:16
販売店で働いている自分としては、げんさんの拡張の話は、すごく為になり、参考になります。また自分のいたらなさも、気づかされたように思います。すごくいいサイトですね。
最近の不思議を報告します。ある団なんですが、訳のわからないカード打つようになりました。新聞代を置いていく場合、ほとんど3か月カードですが、そこは、6か月で新聞代置いていくんですよね。
2ヶ月前から、一切、団を入れないすごい販売店が、あらわれました。その結果、2ヶ月で、200部へらしたみたいです。団が、上げた怪しいカードや新聞代ただのカードを全て切ったとの事です。
げんさんに聞きたいのですが、団を入れない販売店をどう思われますか?よかったらご意見を、お聞かせください。よろしくお願いします。
回答者 ゲン
『団を入れない販売店をどう思われますか?』ということやけど、単にこの質問だけやと、ワシとしては困るとしか言えん。ワシは、その拡張員やさかいな。
あちこちの店でそう言われたら、仕事ができん。それだけは堪忍してほしいと思うのは、拡張員ならワシだけやないやろと思う。
ただ、そうするのは、その販売店の考え方と、それが許される状況というのも加味されてのことやから、一概には何とも言えんというのが正直なとこや。
その状況次第で、ワシの意見も違うものになる。支持できることもあれば、批判的にもなるということや。
新聞社は、すべての販売店に対して同じ対応はせん。販売店毎に、その対応が違うのが普通や。新聞社は、それを否定するかも知れんがな。
つまり、今回のケースやと、販売店が団を入れんと宣言しても、それが許される状況というのが必要になる。新聞社が、それを認めるということやな。
表向きは、各販売店の要請で団の入店を手配、仲介するということになっとる。それから言えば、団を入れんというのは簡単なことのように思う。
しかし、それは、その新聞社の方針や販売店の能力、あるいは拡張団の実力、地域の事情次第で大きく変わってくることがままある。分かりやすく言えば、力関係によって違いが生じるということや。
一般的に新聞社と販売店とでは、力関係に大きな開きがある。それには、新聞社が販売店の経営者を選ぶというシステムが大きく影響しとると思う。
新聞販売店の店主になろうと思えば、新聞社の経営者研修を終了し、その許可、お墨付きが必要やさかいな。
そして、何より新聞社と販売店間で交わされる『業務委託契約書』の内容が、圧倒的に新聞社側に優位やというのがある。
契約上、新聞社は販売店に対して生殺与奪の権利を有しとると言うてもええくらいや。新聞社の意に添わんことをすれば、一方的に契約解除、改廃ということになり、簡単に廃業に追い込まれるさかいな。
せやから、どうしても何事につけ、新聞社は販売店に対して「押しつけ」という感じになる。少なくとも、販売店側は、そう受け取ることが多い。押し紙の問題なんかもこの構図が大きく影響しとると思う。
そして、これは、新聞社と拡張団との関係においても同じようなことが言える。
しかし、例え新聞社と言えども、販売店によっては口出しできん、しにくいというケースもある。
例えば、合配店というて様々な新聞を扱っとる所は、特定の新聞社に支配されることなく、新聞社も「どうか売ってください」という低姿勢やから、その力関係は存在せん。例外や。
それとは違い、大規模店と言われる販売店の発言力も強く、新聞社も遠慮がちに対応する所も多い。因みに、この大規模店と言われるのは、3万部以上の公売部数のある販売店とされとる。
もっとも、地域により若干、その数字は変動はするやろうがな。要は、その地域で売り上げ上位と目されとる販売店ということや。
こういう所に対しては、いかに新聞社の担当といえど、高圧的な物言いや押しつけをすることはない。たいていは、その販売店の意見が通る。
これは、新聞各社が、部数至上主義の原則で動いとるからやと思う。多く売り上げる所は大事にするというか、何事も大目に見るということになる。
あんたの言う『一切、団を入れないすごい販売店』というのが、そういう所やと、その経営者の判断次第で、そうするのは可能やということや。
『2ヶ月で、200部へらしたみたいです』というのは、数字としたら確かに少なくはないが、そこが大規模店で3万部の公売数のある所やと、そのくらいは大した部数にはならんと考えられる。
しかも、その理由が『団が、上げた怪しいカードや新聞代ただのカードを全て切ったとの事です』ということなら、新聞社も否ということはない。そんな部数は、最初からない方がええやろからな。
実は、このサイトにも、そういう理由で、去年から一切、拡張団を入れとらんという販売店からの話も届いとる。その理由を聞いてみたことがある。その返事や。
答えは簡単です。3ヶ月で止まるカードを解ってて買う事が出来ない。置勧に近いカードを買っても泡のごとく消えます。
今の団に新勧や他紙をひっくり返す技術などあり得ないと思ってます。極端なこと言えば置勧なら店でもやれます。
そんなバカなカードを買うお店が信じられないです。本当に残るカードが多くあれば勿論買いたいですが、現状では、無理です。
店で死ぬ思いしながら営業を行なった方が連帯感、達成感など味わえますし、そもそも営業自体をアウトソーシングするなど一般企業では、考えられない事を外部に委託していただけで、今が本当の姿ですし、正常な店造りの原点だと考えております。
これなんかは、コメントのしようがないくらいの正論や。これで、実際に販売店が維持できれば、新聞社と言えども口出しすることはできんということになる。
ただ、この経営者の方も『店で死ぬ思いしながら営業を行なった方が』と言われとる通り、それで部数減を招くのは拙いからこういう表現になったのやろと思う。要は、部数を維持できるように企業努力をすれば、問題はないということやな。
そういう不正絡みのケースは別にして、ただ新聞社、地域によっては、理由のいかんを問わず入店が拒否しづらいということもある。
それは、拡張団の規模と内容による。新聞社によれば、ほぼその1社に任せとるような巨大拡張団も存在する。そこは全国規模や。そこの拡張員の入店を拒否する販売店は、まずない。
もっとも、そこは、不正や怪しげなカード、いわんや新聞代がタダというような営業は皆無やと言うから、販売店も拒む理由もないのやがな。むしろ、その入店を心待ちにしとるということや。
そこまで、大きな拡張団やないにしても、その地域で有力な所も、それなりに発言力はある。拡張団は、団員に仕事をさせなあかんから、それに見合った販売店の入店を希望する。
担当も、勢いその有力拡張団から優先的に日程を組む。大規模販売店以外は、よほどのことがない限りその入店を拒否しづらいということになる。
現実問題として、有力拡張団というのは、カードを良く上げると認められとるから、それを拒否するには、それと匹敵する営業力が必要やが、そういう販売店は少ない。
拡張団を拒否するには、新聞社の担当を説得できる要素がないとあかんということや。
これとは別に、小規模な販売店が、拡張団の入店を拒否することもある。この場合の理由は、たいてい一つで、拡張団に払う拡張料がないということや。資金不足で泣きつくというケースや。
これは、経営の逼迫(ひっぱく)した販売店に良く見られる。このことに関連した話を、現在『第112回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ある新聞販売店、落日の軌跡』をハカセが執筆中やから、それを見れば、事情も良く分かるはずやと思う。
尚、これは、今週の9月29日(金曜日)発行の予定や。これは、現場関係者の報告が元になっとるから、あんたにも興味の惹く話やと思う。
しかし、こういう販売店は、何の展望もないから、先の『去年から一切、拡張団を入れとらん』という店とは、まったく事情が違う。
同じ、拡張団を拒否するにしても、理由はいろいろやということになる。「その状況次第で、ワシの意見も違うものになる」と言うた意味も分かって貰えるやろと思う。
結論として、ワシら拡張員を拒否されるというのは困るが、不正をする者や新聞代をタダで置いていくような拡張団、拡張員は排除して貰いたいとは思うから、そういうことが、はびこっとる地域では止むを得んことやと言うしかない。
行き着くところは、ワシら拡張員も信頼される営業マンにならなあかんということに尽きるやろな。