新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.306 古紙回収のトラックのマナーについて
投稿者 Jさん 投稿日時 2006.9.29 PM 2:32
ハカセさん、こんにちは。
先日、私が狭い道でクルマを運転中、新聞専用の古紙回収トラックが、クルマ同士がすれ違いできないくらい狭いポイントで一時駐車をしている場面に遭遇しました。
これを機に、ハカセさんにメールを送ることを思い立ちました。
たとえば、ゲンさんを通して、メルマガに登場するテツさんから、個人的な見解でもけっこうですから、コメントをいただけたら幸いだと思い、事情をお伝えするものです。
内容としては、市街地や道幅の狭い住宅地でよくある、すれ違いや追い越しのトラブルです。
本来ならば、一方通行にでもした方がよいくらいに、道路のところどころが狭くなっている対面通行の道路でのことです。
私がクルマでそこを通りかかった際、その対面に、道を塞ぐように古紙回収のトラック(4t車)が停まっていたのです。
タイミングが悪いことに、運転手は私から見えるところにはおらず、すぐには動いてくれるような状態ではなかったのです。
私はむやみにクラクションを鳴らすのが嫌いなのと、少し手前に、広い道路に出られる迂回路があるのを確認していたので、らちがあかないと思った段階で、クルマをバックさせました。
しかし、バックギアの音が聞こえたのか、ドライバーが、慌てた状態で運転席側に飛び出してきました。
待たされたのは、おそらく10秒くらいだったですが、問題なのは、時間ではなくて、私がトラックが停車している場所まで来て、初めてそこがすれ違いのできないポイントだと気づかされたことです。
つまり、どちらかがバックしないと交通を麻痺させてしまう事態が問題だと思うわけです。
そのときは、私の後ろに一台もクルマが来ていなかったので、私が50mくらいバックすることで、やっとすれ違うことができましたが、もっと交通量が多かったらと思うと、やはりマナーの点で、トラックの方に問題があるのでは?、と思った次第です。
もちろん、古紙回収に限らず、迷惑な一時駐車をするトラックはいっぱいいますが、古紙回収業者のこうした事情というのは、その性格上(作業の細かさの事情から)、やはり、いたしかたのないものだと思われますでしょうか?
たとえば次の2つのうち、業界では、どちらのタイプが多いと思いますか?
1.どんなに道幅が狭くて、後に続くクルマや、すれ違うクルマが足止めを喰らおうとも、とにかく、直接、古紙を荷台に積み込むことができるポイントにトラックを停めてしまうのが日常化している業者。(手早く回収するから大目に見てよ、という考え方)
2.他のクルマや人の流れを遮断しないよう(他者を待たせないよう)、一旦最低限のスペースを確保できるところにトラックを停めてから、台車などを使って古紙のあるところまで徒歩で移動して回収する業者。
もちろんこれには、交通量の大小や地域性など、さまざまな要因により、その見解が異なるのかもしれませんが、あくまで、基本的な考え方としてはどうであるのか?、という質問と捉えてください。
もし、ご不明の点がありましたら補足などいたしますので、ご検討して下されば幸いです。
ちなみに、今回のトラックは、”流し”の古紙回収業者ではなくて、C新聞専属の古紙回収業者のようでした。
読者が決まった日になると、専用の表紙をつけて、古新聞を軒先に出すと回収していってくれるというシステムだったと思います。
土地柄、C紙は発行部数が多いので、それゆえ回収も専門の業者に委託していると思われます。
その他、部数の少ないA紙、M紙、Y紙は、それぞれの店が直接回収にあたっています。(そもそも流しの回収業者は、こちらでは見かけません。)
ちなみに、屋外に置いてある古紙の束を見れば、その家がC紙の読者であることは一目瞭然なので、他紙の拡張員にとっては、その光景は、勧誘の材料にうってつけではないかと思ったこともあります。
回答者 テツさん
私のような者で良ければお答えします。私は、現在、京都、滋賀を中心に古紙回収業を営んでいる者です。
他府県に関しましては、若干、事情が異なるかも知れませんが、私の知る限り、個人的な意見としてお話します。
この方の質問のうち、1.と2.のどちらが多いかということですが、どちらかというと1.の方ですね。やはり、仕事を優先させる業者が圧倒的に多いと思います。
特に、今回のケースは回収ですので、それを受けた業者は、回収が難しいからといって、それを取り残すことは許されませんから、まず、その荷物を回収することを優先するはずです。
それは、私どもも一緒です。ただ、私どもは回収員には、必ず、迷惑をかけた方、待って頂いた方へは、お礼と謝罪をするように指導はしています。
もっとも、そういう苦情が多い地域、または予想される場所では、それなりの対策は取った上でのことですが。
特に京都市内では、町内回収の場合、4tトラックのような大型車が通行できない道路がかなりあります。
その場合、軽トラックで荷物を回収して、大通り、または指定駐車場所に待機している大型車に積み替えるということもする場合があります。
当然ですが、回収する地域の道路事情、交通事情というのはあらかじめ調べますし、それなりの注意も怠らないのが普通です。
今回のように4tトラックですと、相談者の方のように通行困難な状況になることが予想されます。しかし、たいてい、こういうケースは、長年、そこで回収しているという業者がほとんどですから、トラブルは少ないはずです。
一般的に回収員は、そういう行き違いのできないような道路の多い地域での回収は嫌がります。実際問題として、その都度、車が行き違いできるような場所を探して、そうするというのは、非常に効率が悪くなりますからね。
仕事にならないと考えるわけです。ですから、それで良く揉めるような地域の場合、回収員は嫌がるということです。その地域での大型トラックでの回収というのは続きにくいでしょうね。
ただ、状況的に、そういう行き違いのできない場所が少ないとか、比較的交通量の多くない道路というのであれば、多少の無理はするかも知れません。今回のケースがそれではないでしょうか。
これは、相談者のように迷惑だと思われる方にとってはとんでもないと考えられるかも知れませんが、私たちの仕事には公共的な意味合いの強いものだという意識があります。
つまり、リサイクルの関する環境のための仕事ですから、多少のことは理解を示してほしいということです。例えて言えば、ゴミ収集車と同じ感覚ですね。
ゴミ収集車は、たいてい大型のパッカー車ですよね。彼らには、ほとんどの方が理解を示し、そういう同じような現場に遭遇しても、その作業が終わるまで何も言わず待つことが多いと思います。
作業が短時間ということもありますし、公共の収集車ということもあるでしょう。
しかし、私たちも自治体から、古紙を回収することを認可された民間業者なのです。もちろん、大上段に構えてそれを主張するわけではありませんが、せめて、ゴミ収集車並の理解をしてほしいというのが正直な気持ちです。
ただ、誤解しないで頂きたいのですが、それだから仕方がないと言っているわけではありません。
たいていの回収員は、そういう事態には気を配っています。『ドライバーが、慌てた状態で運転席側に飛び出してきました』というのも、その回収員にその意識があるからです。
『もっと交通量が多かったらと思うと、やはりマナーの点で、トラックの方に問題があるのでは?、と思った次第です』と言われるのは、その通りです。そのことも、多くの回収員は分かっているはずです。
『その性格上(作業の細かさの事情から)、やはり、いたしかたのないものだと思われますでしょうか?』というのも、そう考えて頂ければ有り難いですね。
『2.他のクルマや人の流れを遮断しないよう(他者を待たせないよう)、一旦最低限のスペースを確保できるところにトラックを停めてから、台車などを使って古紙のあるところまで徒歩で移動して回収する業者』
どちらかというと、こういう気遣いは少ないと言いましたが、まったくないというわけではありません。
短時間で終わる作業は、前述の通りですが、極希に時間を要する場合もあります。
古紙を出すお宅の中には、何年もため込んで大量の古紙を出す場合というのがあります。また、トラックを移動させるほどではない狭い地域に集中して大量の古紙があるようなケースですと、当然ですが時間がかかります。
その場合、長時間停めることが確実ですから、車の行き違いには十分配慮します。それで、そのスペースが確保されない場所だと判断すれば、その行き違いができる所にトラックを停めて、台車を使い回収します。それは、当然のことです。
また、回収する家は道路際だけではなく、狭い路地を入った奥のお宅というケースもあります。その場合も同じように、駐車スペースを確保してから台車を使い回収しますね。
農家あたりだと、一輪車を貸して頂けることもあります。でこぼこの狭い通路では重宝します。私たちは、トラックには常に台車は積んでますが、一輪車まではありませんからね。
結論として、一般的には、交通事情を先に考えるより、積み込む作業を優先しますが、状況により、交通事情を優先するということもあるということになります。
ただ、これも、たいていの回収員がそうだろうということで、中には、モラルの悪い人間が存在するのも事実です。こういう人間はどうしようもないですけどね。
私には、このようなお答えしかできませんけれど、これでよろしいでしょうか。
回答者 ゲン
『ちなみに、屋外に置いてある古紙の束を見れば、その家がC紙の読者であることは一目瞭然なので、他紙の拡張員にとっては、その光景は、勧誘の材料にうってつけではないかと思ったこともあります』という質問については、テツには無理やから、ワシが回答させて頂く。
せっかくやけど、はっきり言うて、それを知ったとしても、あまり役には立たんと思う。
通常、ワシらは拡張する場合には、その地域の住宅地図を渡される。それには、その販売店の現読購読者、予約読者が色分けされとる。
つまり、その家の古紙を確認するまでもなく、地図を見れば、他紙の家は一目瞭然なわけや。特に、C紙の場合は、この東海では8割方を占めとるから、今さらそれを知るまでもないということになる。
むしろ、C紙以外の他紙を取っている家が確実に分かる方が、役に立つようや。ワシは、客本位ということを重視し、購読紙で判断することは少ないが、うちの団の連中のように、C紙以外の客の方が責めやすいと考えとる拡張員が多いのは事実やさかいな。
せやから、C紙以外の回収なら、その情報も役に立つと考える者もおるかも知れんが、この東海ではそういうのを見る機会は少ない。少なくとも、ワシはないな。
それが、この東海でC紙が君臨しとる要因の一つやと思う。拡張員が切り崩しを嫌がっとるわけやからな。
確かに断られることも多いが、それは絶対数が多いから当然なんやけど、どうしてもC紙の客だけに断られたという意識が拡張員に染み込むことになるんやな。勧誘に行かんかったら、いつまで経っても切り崩すことなんかは不可能やと思うがな。
残念やが、この東海では、C紙以外の残り2割の客を全国紙が分け合うというのが実状なわけや。