新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.308 解約したいのですが…


投稿者 匿名希望さん 投稿日時 2006.10. 2 PM 6:53


はじめまして。解約のことで相談したいのですが、最初の1年は無料でギフト券と油付で平成15から平成20年まで契約しましたが、生活が苦しくなったので解約したいと伝えたら、商品も渡しているので無理と言われました。

それでしたら、いただいたものは返しますというと今度は解約金を払ってもらわないといけないと言われたので、計算してくれと言いました。

その次の日、新聞屋の人が来て、生活が苦しいのであれば、半年後からの延長にするということにしておいて、それでも無理なら解約金が¥20000ほどかかるので分割でもいいから払ってもらわないと困ると言われました。

とりあえず止めて様子を見ようと言うことでしたが、その時のいわれ方がどうも納得がいかず生活に余裕が出来ても、ここの方とは取り引きしたくないと思い、旦那に話をしてもらいました。

そうしたら、分かりましたと納得して帰ったのですが又、何日か前から新聞が入っていました。あれからちょうど半年くらいになるるのでまだあきらめてないのだと思い、又電話でもう止めたので入れないよう伝えました。

その時は又、分かりましたと言ったのに次の日、家に来ました。インターホンにちょっと怖そうな人が立っていたので居留守をつかってしまったのですが、何回も何回もピンポンされ家に入れず玄関に置いたままにしていた新聞を又ポストに戻されました。

新聞は受け取るとお金を支払わないといけなくなるので受け取る気がない事を示す為玄関においておけばいいと言われたのでそうしていました。

こんな事をされて気分も悪く、もう二度とここの新聞は正直とりたくないのですが、やっぱり新聞屋の人のいうとうりに契約していた期間ととめていた期間の分はやめることが出来ないのでしょうか?


回答者 ゲン


確かに、この販売店の対応には問題があるとは思うが、あんたの方にも認識の甘さがあると考えられる。その理由を言う。

『生活が苦しくなったので解約したい』というのは、正当な解約理由とはならん。気持ちは分かるがな。しかし、これは、法律的には、自己事由による解約ということになる。

この場合は、相手先、つまり販売店との話し合いでしか解決することができんとされとる。

このサイトでも、度々、言うてることやが、こういう場合の一般的な解決方法は、解約に対してのペナルティ、つまり、解約違約金を支払ってということになる。

もっとも、実際に解約違約金が必要になるか、ならんかは、相手の販売店次第やがな。ただ、少なくとも、自己都合で解約を切り出す限りは、それを心しとかあかんと思う。

それでなければ、そもそも契約というものが意味のないものになるさかいな。契約書というのは、お互いの約束、同意の上でその期間を定めて結ばれるものという定義がある。

一方が自分の都合だけで止めたと言うて、それで何のペナルティもなく通用するのなら、契約社会は崩壊する。それが許されるのは、その契約が違法な行為のもとで交わされた場合とクーリング・オフくらいなものや。

因みに、そのクーリング・オフ制度というのは、通常の契約の解除が困難やからこそ、消費者に与えられた特別な権利なわけや。しかも、それは契約日から8日間以内と限定された期間だけや。

あんたには、タカが新聞の契約くらいという考えがあったのやろと思う。これは、何もあんただけを責めとるのやない。こういう考えの人は、世の中に結構多いさかいな。

しかし、契約は契約や。一旦交わされた契約に大きい小さいはない。違法性がなければ、すべての契約が法律で保護される。

今回のケースを他の契約に当てはめて考えてみよう。

住宅業者と家の売買契約を結び買ったとする。その住宅ローンの支払いを、生活が苦しいからと言うて、何のペナルティも受けずに解約できるかということや。それなりの手続きが必要なのは分かると思う。場合によれば、かなり損もするはずや。しかし、それでも解約を持ち出す限りは、それを覚悟せなあかんことになる。

契約ということだけを捉えたら、この新聞購読契約も同じなわけや。

『それでしたら、いただいたものは返しますというと今度は解約金を払ってもらわないといけないと言われたので、計算してくれと言いました』というのは、話し合いの端緒とすれば問題ない。

『その次の日、新聞屋の人が来て、生活が苦しいのであれば、半年後からの延長にするということにしておいて』というのも、販売店とすれば、好意的な申し出やと思う。

ワシも、このQ&Aではケースにより「取り敢えず延期を販売店側に申し入れたらどうや」とアドバイスすることがあるさかいな。

例え半年間でも、休止にしといたら状況も変わるかも知れんからな。もし、変わらんかったとしても、それはそのとき、再度、その販売店と話し合ったらええことやと思う。

何でもそうやが、今が苦しいという考えだけに囚われとると、どうしても思考に柔軟性を欠くし、正しい判断がしにくくなるものや。冷却期間があれば、ええ知恵も浮かぶやろしな。

『それでも無理なら解約金が¥20000ほどかかるので分割でもいいから払ってもらわないと困ると言われました』

これも、今回のケースで言えば、法外な要求やないと思う。あんたは、貰ったものは『無料でギフト券と油付』だけと思われとるようやが、1年間の無料というのも、それに加わることになる。

これらのサービスは、当然やが、あんたが、その契約期間を満了することを条件に提示され、かつ実行されたものや。つまり、先に1年間の無料期間の新聞代を販売店側が負担しとるということになる。

良く誤解されとることに、その無料の新聞は余っている新聞の中から配達されるものやから、販売店には大した負担はないやろというのがある。

実際には、販売店は、あんたに配達していた、その間の新聞の仕入れ代金を新聞社に支払ってたというのが実状なわけや。新聞社は、販売店が客に新聞を1年間無料にするからというて、その新聞代の徴収が免除されるということはないさかいな。

無料期間の新聞のことを無代紙というのやが、そもそも、この無代紙については、新聞社は建前上、認めてないさかいな。販売店独自のサービスとしてやっていることや。それも、すべての販売店でしとることでもない。

せやから、最初にその無代紙を購読客にサービスとして配達し、新聞社にその仕入れ代金を支払い済みの販売店にしてみれば「生活が苦しいから止めます」では「はいそうですか」とは納得できんということや。損害が大きいと考えるのが普通やからな。

『平成15から平成20年まで契約』というのは、新聞の入り月がはっきりせんが、1年無料、4年有料の5年契約やと思う。今年が平成18年やから、約半分の有料期間が終了しとるということになる。

契約を解除するのなら、貰った景品と、その無料期間分の新聞代も返還するのが、自己都合でそれを申し出る側の責任やないかと考える。すでに、それだけの利益供与を受けとるのやからな。

1年分の無料の新聞代というのは、セット区域で3925円×12=47100円。全国版で3007円×12=36084円という計算になる。

販売店の提示する『¥20000ほどかかる』という解約金の請求の中には、すでに半分の有料期間が経過しとるということでその半額程度の免除と『無料でギフト券と油付』の景品分、加えて、営業経費も含まれとると思うから、法外な要求やないと言うたわけや。

もっとも、これをその額面通り支払わなあかんということやない。それは、お互いの話し合いで納得できる線で折り合えばええわけやからな。

『とりあえず止めて様子を見ようと言うことでしたが、その時のいわれ方がどうも納得がいかず生活に余裕が出来てもここの方とは取り引きしたくないと思い』

というのが、どういう態度でその対応をされたのかは、ワシには分かりにくいが、あんたの文章通りの説明なら、その販売店の言うてることは無茶なことやないと思う。

むしろ『分割でもいいから』と持ちかけとるくらいやから、あんたの方のことも配慮しとる良心的な対応やなかったかと考えるがな。もっとも、言葉のやりとりで、あんたにはそうは思えんかったのかも知れんけどな。

『旦那に話をしてもらいました。そうしたら、分かりましたと納得して帰った』と言われるのが、どういう話になったのかが分からんが、その販売店の『分かりました』というのは、話しの流れから推察するに『半年間の延期が分かりました』ということやろと思う。

そう考えれば、その販売店の後の対応が納得できる。

しかし、あんたの方では、その『分かりました』という返事は、一切何も文句も言わず、契約解除を認めましたと受け取ってたようやな。

それやったら、苦言を呈するようやが、その時点で、何かその証拠となるものを取っておくべきやったと思う。

例えば、契約書の空白欄に「解約済み」と、その日付と担当者名を入れて書いて貰うとくようなことや。それがないと、その販売店が、そんなことを言うてないと言えば、ただの水掛け論になるだけやからな。

『又電話でもうやめたので入れないよう伝えました。その時は又、分かりましたと言ったのに次の日家に来ました』

ということやが、あんたの方でいくら終わったことやと思うていても、販売店側では何の解決もできてないと考えとるというのが、この対応で良く分かる。次の日に来るということは、それ以外にないからな。

因みに電話で『分かりました』と答えた人間は、おそらく、あんたのその電話の内容を責任者に伝えるという意味で、そう答えたのやろと思う。言えば「お話は承りました」という類やな。

『インターホンにちょっと怖そうな人が立っていたので居留守をつかってしまったのですが』というのは、女性一人だけの場合、そう感じられたら仕方のないことやというのは良う分かる。それは、それで正解や。

これは、やはり、もう一度、ご主人を交えて相手の販売店と、ちゃんと話し合いをして、決着をつけとくべきことやと思う。

『何回も何回もピンポンされ家に入れず玄関に置いたままにしていた新聞を又ポストに戻されました』

これは、おそらく業を煮やしてのことやろうが、こういうことはしたらあかん。程度の悪い人間のすることや。普通は、こういう場合、書き置きでもポストに投函して引き上げるもんやがな。

今回、あんたの話の中で、唯一とも言えるくらい、対応が拙いのがこれやな。冒頭で、この販売店にも問題があると言うたのは、これや。

しかし、このまま放っておいたら、また同じように来るのは間違いないと思う。

勧誘と違うて、今回のようなケースでは、その訪問を拒否することはできんやろと思う。「話し合いの決着が着いてない」と、その販売店が主張すれば、法的にも正当な訪問やさかいな。

そして、決着が着いてない限り、販売店がその新聞を配達することは、正当な商行為と評価される。

『新聞は受け取るとお金を支払わないといけなくなるので受け取る気がない事を示す為玄関においておけばいいと言われたのでそうしていました』

これは、誰にそう言われたことかは知らんが、無責任なことを言う人もいたもんや。契約もしてない新聞が投函されるというケースなら、確かにそういう主張もできる。

しかし、あんたの場合は、具体的な決着がついてない以上、その契約は今も生きとると考えられる。

せやから、配達された新聞が届いている以上、その契約者が、読むと読まざるに関わらず、また、どういう処置をしようと、その間の新聞代は、あんたの方が払わなあかんことになるはずや。契約を解除せん限りは、その状況が続く。

『やっぱり新聞屋の人のいうとうりに契約していた期間と止めていた期間の分はやめることが出来ないのでしょうか?』

このままの状態やったら、そうなるということや。悪いことは言わん。解約するのなら一度、ちゃんと話し合いの場を持つことを勧める。

それに、この販売店の対応からは、あんたが考えとるほど、非常識な人間とは思えんけどな。ちゃんと話せば分かり合えるという気がする。

ただ、あんたの方が毛嫌いしとると、相手がどういう仕草をしても、何を言うてもええようには受け取れんもんやろけどな。

いずれにしても、このままやと、あんたの方がどんどん不利になるやろと思う。日が経てば、今度は集金という口実もその販売店にはできるわけやからな。さらに、訪問を拒否し辛い状況になる。

今回のケースでは、これを苦情として持ち込んでも、おそらく、新聞社も取り合わんやろし、消費者センターあたりでも苦情としては受付けんやろと思う。

何度も言うが、ワシからのアドバイスとしては、その販売店と良う話し合うべきやとしか言いようが、今のところない。ただ、交渉の段階で、無茶な要求でも出るようやったら、そのとき、また、相談してくれたらええ。


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