新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.31 配達のアルバイトにも勧誘のノルマは一般的なのですか


投稿者 ジュンさん  アルバイト配達員 投稿日時 2004.9.25 PM5:12


私はA紙の販売店のアルバイトで、朝刊の配達をしています。

数年前までは、販売店側に「"配達さん"は大事にします」という風潮があって、私たちが日々配達に専念できるようにと、いろいろな面で優遇されていました。しかしここ1,2年で状況がガラリと変わってきたのです。

一番大きな変化は、それまでは要求されなかった"読者紹介キャンペーン"の際に、ノルマを課せられるようになったことです。
店長いわく、「自分は配達でアルバイトに入ったんだから単に配っていればそれでいいという考え方は改めてください。」とか、「拡張の営業をするから、君たちが配る新聞もあるわけだ」という言い方をしてきます。

それでキャンペーンの度に最低、カード1枚を上げるようにと言われていますが、実際には、ほとんどのアルバイト員は達成できません。(もちろん各自、自宅で新聞を取るようにはしています。)

そして、その不足分のノルマは、現状では、店の経営者が補っている状態です。そのせいか、我々配達アルバイトにはノルマが達成できなかったとしても何の"おとがめ"もありません。

この背景を考えてみますと、一つには、店の経営者が次々と替わったということもありますが、最も大きな原因は、読者の大幅な減少が関係していると思っています。部数がピークだったころに比べると、今は2割ほどダウンしているからです。

前置きが長くなりましたが、こういった状況(配達のアルバイトにも勧誘のノルマを課す)は、新聞社の別なく、全国、どこの店でも一般化していることなのでしょうか?

それとも、ここの店だけが、拡張員を呼ぶ資金がないくらいに経営がひっ迫していて、店が潰れそうなシグナルが出ている状態なのでしょうか?

ちなみに、今月の給料日のことですが、初めて、朝一で銀行口座に入金がないという事態を体験しました。

店に電話をかけたら、"間に合わなかった"とかで、昼すぎには入金してくれましたが、どうにも不安でしかたありません。

アドバイスをよろしくお願いします。


回答者 ゲン


ワシも長いこと拡張員をしてるし、5年ほど前までは代配もしとったから配達も含めて販売所のことはそこそこ分かっとるつもりやが、配達のアルバイトに勧誘のノルマを課すというのは聞いたことがない。

ただ、努力目標として奨励しとる所はある。販売所の事務所にそんな張り紙が多い。ほとんど、充てにしとらんから、強要なんかはせんと言う。

あくまでも努力目標やから、罰則なんかはないとも言う。報奨金はいくらかある。ただ、販売所の所長に依れば、アルバイトにもノルマがあるかのように言う人間もおるらしい。

せやけど、実際はそんなに期待はしとらんし、成果がないのも承知や。狙いは専業にはっぱをかけるためやと言う。

アルバイトにすらノルマがあるんやから、専業のお前らはもっと、頑張らなあかんということを強要する材料に使うちゅうことや。

しかし、これは裏目に出ることの方が多い。もともと、専業に勧誘や拡張能力のある者は少ない。そんな連中を追い込むような、はっぱをかければ不良カードに走り易い。

これは、力のない拡張員の場合と一緒で、不良カードに走る者は拡張に自信がないからそうなる。どんな世界でも力のない奴を追い込んだらあかん。ろくなことにならん。

ハカセが、あんたの「配達のアルバイトにも勧誘のノルマを課すのは、新聞社の別なく、全国、どこの店でも一般化していることなのでしょうか?」という質問に答えるため、当サイトに協力してくれている全国の新聞関係者の方々に、メールでその実情を問い合わせて貰ったデータがここにある。

送付先は関西、東海、関東、東北、北海道の12件。新聞社もY紙、A紙、M紙、S紙の全国紙、C紙、H紙のブロック紙、K紙、I紙の地方紙と幅広く、有り難いことに、その全ての人にすぐ返送して貰った。この場を借りて感謝したいと思う。

結果は、ワシの予想通り、アルバイトの勧誘ノルマはないという回答が多かった。

1件だけ、あんたと同じような回答の所があった。
これは、東北のY紙に出入りする拡張員からの回答や。

『ノルマについてですが、学生を除き配達アルバイトの方にも当然あります。しかし、ノルマを達成できなくても罰金等のペナルティはありません。成功報酬として現金、図書券などを渡します。アルバイトの方には、ノルマと言うより目標と言う言葉が適切だと思います』

また、興味深い回答として、元新聞奨学生の話でこういうのがある。

『「空き家チェック」はたまにやらされていました。2,3ヶ月に一度でしょうか。それと購読申込みハガキ配りも1,2ヶ月に一度ありました。マンションなどの集合ポストにハガキを投函する作業です。土日の朝配達後にやらされました。いうなれば、営業はなしでも営業補佐はあった、ということですかね。』

結論として、アルバイトの努力目標の勧誘と営業補佐については全国紙ではいくつかあるということが分かった。それを強要するもしないも、多くはその販売所のトップの考え次第のようや。

あんたの質問の答えとしては、アルバイトの勧誘ノルマは全国どこでも一般化はしていないということになる。

因みに、ブロック紙、地方紙に至っては、配達のみのアルバイトには付帯業務は一切ないという回答やった。

それから、このことは、拡張員を呼ぶ資金があるなしとは関係がないし、経営がひっ迫しとるということやないと思う。

拡張員は表向き、販売所の要請で行くということになっとるが、直接、販売所と団が取り決めしとるわけやない。もっとも、もぐりの小規模な団は知らんがな。

ほとんどは、新聞社の担当が決める。販売所はそれを拒むことはせん。それで、契約部数のノルマが達成されんかったら改廃に追い込まれることも珍しいないからな。

それに、拡張員には契約が上がった分の拡張料しか支払わんから、拡張員を呼ぶための特別な資金など必要とせん。交通費も食事代もすべて拡張員の自前やしな。中には、気前のええ所長なんかがおるけど、そんなん数えるほどしかおらん。

それに、契約が上がれば店は絶対に損はせんからな。敢えて、販売所の負担があるとすれば、単車のガソリン代くらいのもんや。

店が潰れそうなシグナルというのは、もっと別の所に現れる。幾つか上げるからそれらと該当するようやったら要注意や。

@ 配達部数が減少しているのに、紙受けが減らず、残紙が増え続けとる。
これは、仕入れと販売のバランスが崩れて来とるわけやから、経営に大きく響く。

あんたの所はピークから2割ほど部数が減少ということやから、この残紙がその頃より増えとるかも知れん。押紙と言うて新聞社が販売所に購買を押しつける新聞は、例え売り上げ部数が減ろうと減少するのは考え辛いからな。

A 折り込みチラシの量が激減している。これは、広告収入の減収やな。折り込みチラシは、購買部数で引き受けるから、配達部数との差が開けば、当然、引き受けた折り込みチラシの残りは増える。分かり易い現象や。

B 必要以上の人員削減と配達負担の増加が急激にある。経営者にとっては、経営努力ということになるんやろけど、働く者を無視した改革はすぐ行き詰まる。必要な人材も逃げ出すからな。仕事の出来る人間が減り出すと危ない。

C 頻繁に本社の担当が訪れるようになる。本社の担当はスケジュール以外の訪問はまずせん。大抵の用事は電話で済ますからな。改廃に本社が乗り出したら、頻繁に来る。

D 顧客とのトラブルが増える。これは、専業との会話で大体分かるはずや。拡張員の質が悪くなるのも要注意や。拡張員はきちんとした店では悪さはせえへんし、出来んもんやからな。反対にここは甘いと思われたら好き放題に悪さをされることがある。こういう所も先が見えたる。

E 経営者の金使いが急に荒くなる。儲かってないのに高級車を買い換えるいうのも考えなあかん。見栄を張るタイプの経営者もどうかと思う。これは、何も新聞販売所に限ったことやないけど、なぜか、こういうことを平気でする業界の人間が多い。

F必要な経費を始末するようになる。単車の修理とか買い換えを控えるようになると何かある。商売道具に金をかけんようになったら終いや。

ワシは、今までかなりな数の店の改廃や廃業を見て来た。それらの店に共通して言えるのが、上記のような状態に陥った店や。ワシは自慢やないが、3ヶ月その店に出入りしたら大体の予想はつく。ワシが、この店はあかんで、と言うた所はほとんど潰れた。

最後に、給料の入金のことやが、これは今の所、何とも言えん。一度くらいは本当にミスもあるからな。せやけど、次に同じことがあったら危ないというか、その時は深刻な状態やろな。

新聞販売店という所は、常に現金収入がある。掛け売りもせんし、手形商売でもない。ちゃんとした経営をやれば、銀行なんかの借り入れも必要ないはずや。逆に、金に詰まってるようなところが見受けられたら深刻な状態やと思うて間違いないやろ。

それと、あんたは、メールの文面からの印象だけやが、いろんなことに注意深く観察する人のようや。そのあんたが危険やと感じるのなら、その店も危ない所に来とるかも知れんな。

転ばぬ先の杖を考えてた方が無難かも知れん。何かあったら、また教えて。力になれることもあるかも知れんしな。


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