新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.339 人捜しはどうしたらいいのでしょうか


投稿者 Kさん 元拡張員 投稿日時 2006.11.18 AM 6:09


お久しぶりです。以前、色々と相談にのって貰ったKです。

さっそくですが、お願いしたい事があってメ−ルしました。実はある人を探しています。名前はMと言います。50歳前後の人です。

Y紙かM紙で拡張員をしていると思うのですが、知りませんか。以前、拡張してた時に知り合った同じ拡張員で、お金を貸しています。1週間前から連絡が取れません。

奥さんの所にも帰ってないようです。

お金貸してるって言うたら、それは二人の事だから私は知らないって言う事で、逆に私との関係を聞かれたので、仕事の関係だと言いましたが「なんでそんなにお金貸したん」って言われました。

奥さんは、そのうち帰って来ると思うって言うてました。もし連絡取れたらこっちにも連絡くれるとは言うてたんです。

警察に被害届け出してるって言ったんですが、それは言わない方が良かったんでしょうか?奥さんに捜索願い出したらって言うたんですが、それはどう思います?

それと、前の奥さんの息子さんにも連絡したのですが、10月に連絡があってからは無いと言う事でした。

その息子さんは、お母さんとお父さんは連絡取ってると思うって言うてたんで、私の名前言って仕事の関係でどうしても連絡取りたいとお願いしておきました。こっちも解りませんが、今の奥さんよりは時間かかりますが、確実性は高いと思います。

実際、相手は拡張の業界辞めたいと言ってたので、辞めてるかもしれません。でも長い間やってたのでなかなか辞めれないようにも思います。

あのお金が返って来ないと人生終わりです。すみませんが宜しくお願いします。


回答者 ゲン


あんたには、申し訳ないが、ここに、名指しで人捜しを依頼されても「はいそうですか、分かりました。協力しましょう」と言うわけにはいかん。

確かに、あんたには、このサイトでアンケートにも協力して頂いたことがあるから、できることなら力になりたいとは思うが、こればかりは無理や。

このサイトには、いろいろな情報を数多くの方々から日々、送って頂いている。その中には、律儀にご自身の住所、氏名を告げた上で相談される方も結構な数、おられる。

それと比例して、その相談の対象となる相手を名指しもされとる。各地の拡張団情報や悪質やと思える販売店情報というのも驚くほど多い。新聞社のゴシップと思えるものも挙げたらキリがない。

また、マスコミで報道されとらんような有名な事件の加害者及び被害者情報なども結構含まれとる。

それも考えたら当然で、一般の方のみならず、拡張員や新聞販売店関係者の方々は、日本全国に散らばっておられるのやから、すべての場所で、それぞれ、その情報を知る立場にある。その情報網は、バカにできるもんやないからな。

ある著名なジャーナリストの方が、それに一早く気づかれ「新聞業界の闇に関する情報があれば、是非、ご一報下さい。そちらの業界は、社会の矛盾が真先に出る業界の一つだと思います」と言うて来られたことがあった。

それに対してハカセは次のように返信した。


確かに、当サイトには新聞社、拡張団、新聞販売店に関係した裏情報というのは数多く寄せられます。しかし、その情報を私としては外部に漏らせないという事情があります。

と言いますのは、当サイトは、暴露目的ではないと謳って、その匿名性に関しては徹底しているということがあります。

このサイトに秘密を言っても、他には洩れないだろうという信用の元に、そういった情報が寄せられているわけです。ですから、誠に申し訳ありませんが、私の独断で外部に情報を漏らすわけにはいかないのです。


これについては、あんた自身が、一番良く分かられておられることやと思う。あんたからも、過去にかなりな情報を寄せて頂いているが、それをこのサイト上で暴露したことは一度もないはずや。

ワシらは、それは守っていかなあかんと考えとる。確かに、名指しの暴露話は面白いかも知れん。それをすれば話題にもなって、訪問客も増えるやろと思う。

しかし、それと引き替えに信用を失うことになる。ワシらは、それを畏れる。せやから、今回の、あんたの名指しの質問には答えられんということや。それを理解してほしいと思う。

ただ、名指しやなく、人物が特定されんような事例の一つとしてなら取り上げることはある。特に情報提供者の秘密が守られるような内容で、尚かつ、読者の役に立つ話としてならな。

メルマガ『新聞拡張員ゲンさんの裏話』で紹介しとる話の中に、その手のものが幾つかある。

情報提供者が特定されんように配慮する意味もあり、事実を物語風にアレンジはしとるけどな。もちろん、その情報提供者の了解を得た上で公開しとるわけや。

今回のあんたの質問に答えられる内容があるとすれば、その行方不明やという拡張員、Mの立ち寄りそうな所を話すくらいのことやと思う。

ワシは、そのMがどんな男か知らんが、あんたの話を聞く限り、かなりええ加減な男のようや。そういう人間の行動パターンというのなら、ある程度、想像はつく。

以前にも、あんたにはメールで言うたけど、そういう人間は、金のある間は仕事はせんやろうと思う。消費者金融や街金、闇金に借金してその返済に充てたというのなら分からんがな。

しかし、そのMは、おそらく、そういう所ですら借金はできんようになっとるのやろと思う。普通は、金融関係で借金ができるのやったら、そうする。

昔の拡張員仲間に頼って金を借りようという発想をするのは、それだけでも、どうしようもなく行き詰まっとるというのが分かる。

そのMにどのくらいの金を貸したのかは知らんが『あのお金が返って来ないと人生終わりです』というくらいやから、相当な額になっとるのやろと思う。

せやけど、貸した金が返らんくらいで、そんな切羽詰まった考え方はせん方がええ。例えそれが、すべてあんたの借金になるものやとしてもな。

金みたいなもん何とでもなる。思い詰めんことや。人間、切り抜ける道は何ぼでもあるさかいな。

そのMの行方やが、現在の奥さんの話やと本当に分からんようやな。また、奥さんの「それは二人の事だから私は知らない」と言うたということからも、そういうことが、しょっちゅう繰り返されとったというのが想像できる。

普通は、そこまでのことは言わん。もっとも、その奥さんの性質ということもあるやろがな。「なんでそんなにお金貸したん」とも言われたそうやが、これも、金を借りた相手に言う言葉やないわな。まるで、友達同士でかわす他人事の会話や。

奥さんは、一番近い身内や。法律云々は別にして、知らん、関係ないで済まされる立場やないからな。

ただ『奥さんは、そのうち帰って来ると思うって言うてました』というのは、Mの行動パターンを一番、把握しとる奥さんが言うのやから、その通りやろうと思う。気長に待てば、帰って来る確率はかなり高いはずや。

もっとも、あんたの危惧通り、Mが帰ってきたとしても、その奥さんからの連絡は期待できんやろけどな。

『警察に被害届け出してるって言ったんですが、それは言わない方が良かったんでしょうか?』

言うてしもうてから聞かれても困るが、それは相手にプレッシャーを与えるだけのことで「分かりました。それなら、主人が帰り次第連絡させます」ということには、ならんやろうと思う。結果論やが、言わん方が良かったやろな。

但し、それを言わんかったとしても、その奥さんの対応からすると、いずれにしても、あんたへの連絡は望み薄ということになる。

『奥さんに捜索願い出したらって言うたんですが、それはどう思います?』についても、同じで、いつか帰って来ると考えとる人間がそんなことをするはずがない。言うだけ無駄や。

『その息子さんは、お母さんとお父さんは連絡取ってると思うって言うてたんで、私の名前言って仕事の関係でどうしても連絡取りたいとお願いしておきました』

というのも、その息子さんから直接、あんたにMと連絡が取れたからというて連絡が来ることも、それほど期待はできんと思う。

良うて「父さん、Kという人が来て連絡ほしいて言うてたで」とそのMに伝えるくらいやろと考える。それを聞いたMがどうするかは、あんたの方が良う分かるやろ。

そのMが、まだ拡張員をするつもりなら、その行く先は、幾つかに絞られると思う。特に長年、続けてとるというのなら、それほど選択肢はないはずや。

一番可能性の高いのは、以前、所属したことのある団か、その関連の所やな。あんたも所属してたという直近の団で聞いても行き先は分からんかも知れん。

この一週間、行方が消えたのは、あんたからの借金だけがその理由やというのは考え辛い。おそらく、被害者というのはその団の中に他にもおるはずや。

一番、考えられるのは、そこの団長が金を貸しとるという場合や。確か、あんたから貰うた昔のメールにそんなようなことが書かれとったと思う。

そうやとすると、あんた以上に、その団がMの行方を追っとるということが考えられる。

そう仮定すれば、その団とつながりのある所へは行かんやろな。行くにしても、現在の団と関わり合いのない所に限定されるはずや。

個人情報保護法が施行される去年の4月以前やったら、そういう団に問い合わせたら分かることもあったかも知れんが、今はそれも望み薄やろと思う。この業界も個人情報の取り扱いには神経を使うとる所が多いさかいな。

そうでなくても、この業界の隠蔽体質には根強いもんがある。良きにつけ悪しきにつけな。普通に人捜しをしているというて「その人だったらうちにいます」と返答する団は少ないやろと思う。

今は、かなり少なくなったとは言うても、それでもすねに傷を持つ人間もまだ結構いとる。特に借金取りからの問い合わせというのは昔から良うあることや。簡単に教えることは少ない。

新聞社にしても、それは言える。拡張員は登録制になっとるから、その情報はあるが、それを外部に知らせることはない。あるとすれば、その調べる対象が何かの事件の容疑者で、令状を持った捜査関係者だけへのはずや。

そして、今回のように例え被害届を警察に出していた場合でも、その警察がそれを事件として調べることは、ほとんどないやろと思うから、それで知れることは望み薄や。そのMが何かの事件の容疑者にでもなっとれば、話は別かも知れんがな。

他には、今までの団やその関係やと信用もないということで、新たに別の団を探すということも考えられる。これも、可能性としたら大きい。

その場合は、スポーツ紙の求人広告を見てというのが大半なはずや。そのMが消えたと思える前後3日くらいのスポーツ紙に載っとる拡張員の求人広告を探すというのも、一つの手や。

ワシ自身もそうやったが、行き先に困った人間が手軽に調べることができるのは、そのスポーツ紙というのが多いさかいにな。

これは、近くのコンビニにでも行けば一週間くらい前までのスポーツ紙のストックはあるはずや。それを買いたいと言えば、奥から出して売ってくれる所もある。

スポーツ紙の場合は、たいていのコンビニは買い取りということになっていて、その売れ残りは販売店に返品できんというシステムになっとるから、その店でストックしといて、ダンボールの回収と一緒に古紙業者に出すのが一般的や。

余り物を買いたいというのやから売ってくれるとは思う。但し、それがアルバイトの人間やったら、面倒臭がって「ありません」と言う場合もあるやろうがな。

因みに、新聞本紙の場合は、そのストックはない。本紙は売れた分だけという契約になっとるはずやから、販売店から日々、新しい新聞と交換をして、売れ残った古新聞は引き上げとるからな。

その古紙業者が回収に来るのが、地域やその店にもよるが、たいてい一週間に一度というのが一般的やとされとる。

但し、あんたの所は、おそらくそうやとは思うが、一部の地域のコンビニでは、スポーツ紙も新聞本紙と同じ契約を交わしとる所もあると聞くから、前日の残りがないこともあるというのは、念のために言うとく。

もっとも、スポーツ紙で広告を打つ業者は、定期的に打つか、ある期間、長期でというのも多いから、現在のスポーツ紙でもその業者が掲載されとることもあるとは思うがな。

もちろん、販売店に行っても、スポーツ紙が残っていれば売って貰えるかも知れん。ただ、売れ残りのスポーツ紙は、たいてい従業員が持って帰っとる所が多いようやから何とも言えんがな。

普通、スポーツ紙自体、販売店に入荷されるのは少ないからな。新聞本紙のように、大量の予備紙や積み紙もないやろし、押し紙というのも、スポーツ紙に限って言えば、あり得んはずや。

暇があれば、図書館でスポーツ紙の置いてある所やと調べることもできる。また、そのMがインターネットをするのなら、ネットでの求人広告を調べるという方法もある。

そこで、住み込み可というのがあったら調べてみることや。ただ、その場合やと、地域がかなり拡散されるから絞り込みは難しいやろと思うがな。

他には、人捜しのプロ、興信所に依頼するという手もある。

しかし、いずれにしても、行方を眩ませた人間を捜すというのは、金も時間もかかることを覚悟せなあかん。それを個人でするというのは、現実的には難しいと言うしかない。

今のあんたができることは、その金を回収しようとするなら、裁判で訴訟を起こすしかないと思う。そのMを見つけたところで、その金の返還を口頭で言うたくらいでは無理やと思うからな。

それをするような人間なら、とっくに何らかの返済計画を示して、それを実行しとるはずや。行方を眩ます人間に、その誠意はないと考えとかなあかんから、法的手段しかないわけや。

ただ、それには、そのMの資産というのを調べとかなあかん。その奥さんのおられる家が持ち家ということなら、まだ可能性はあるが、借家住まいで財産と呼べるものがないようやと、裁判をしても、差し押さえる物件がないのやから回収は不可能に近いと思う。

あんたが打てる手は、打っておくのもええが、それと平行して、これから生きていく方法を真剣に考えることも必要や。

あんたはまだ若いのやから、まだ何とでもやり直しは利くはずや。こんな程度のことで、「人生終わりました」やなんて言うのは早い。

確かに金を返さず行方を眩ます人間も悪いが、貸したあんたにも落ち度はある。しかも、あんたは、今回と似たようなことを過去にもしてたと思う。ワシが以前、あんたにメールで助言したことを思い出してほしい。


正直言うて、返って来んと困る金を貸した、あんたにも落ち度がある。そう思うて、返して貰うたら儲けもんやくらいに構えるしかないやろ。こういうことで、揉めたら、ろくなことにはならん。

こういう、問題は、貸した人間は、善意でしたことやから何の落ち度もないと思うてるやろけど、傍目からは、そうは見えんもんなんや。どっちもどっちやとな。

これも、何度も言うが、今回のことは、ええ勉強になったと思うてあきらめることや。ワシとしたら、あんたのためには、そうとしか言えん。

『私本当に人間不信になりました。こんな話どこでも有る話ですか?』ということやけど、どこにでもあることや。特に、この業界では多い。そして、こういう揉め事がこじれて、殺し合い寸前の喧嘩沙汰は珍しいことやない。別に脅かしとるわけやない。

この手の人間に、金を返せと迫って追い込めば、開き直って、喧嘩沙汰に持ち込む者も多い。その人間から、金を取り返そうと思うたら、それこそ、それを覚悟で腹をくくらなあかんことになる。

せやけど、結果は、あがけばあがくほど最悪になる可能性の方が高い。ワシが、半分あきらめろと言うのは、そういう、争いは嫌っちゅうほど見てきとるからや。

考えようによれば、その人間もかわいそうな奴やくらいに考えといたらええ。そうやって、どんどん、自分の信用をなくして行っとることに気づいとらんのやからな。

ワシには、その人間の行く末が見える。この世界には、そういうのが多いからな。最後は誰にも相手にされず、悲惨な末路を迎える。

それも、自業自得やから仕方ないがな。世の中、因果応報と言うて、自らの行いは自らに返るもんや。

そんな人間を相手にすれば、するほど、深みにはまると思うといたら間違いない。


これは、1年以上も前に言うたことやけど、今回も同じことをワシとすれば言うしかない。

悪いことは言わん。心機一転、これからのことを考えて生きていくことや。なくしたものが金なら、そんなものこれから、何ぼでも取り返すことはできる。あまり、思い詰めんことや。


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