新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.34  新聞販売所について教えてください


投稿者 イチハラさん 投稿日時 2004.10.5 PM1:54


始めまして、ゲンさんの嘆きを拝見させてもらいました。
販売所の経営者を募集している広告を見て興味を持っていたのですが、ゲンさんの体験を拝見していたら、営業権を譲渡するような販売所は、拡販禁止の建物が多いとか、人口が減少しているとかの理由で売り上げを上げるのが難しい販売所が売りに出されているのではないかという気がしてきて、現場の方の率直な意見を聞かせていただけたらと思ってメールさせていただきました。

また、ゲンさんが小規模な販売所はダメだとも言われていましたが、どのくらいの規模だと小規模な販売所に当たるのでしょうか?


回答者 ゲン


この広告のことなら、ワシも知っとる。広告では、明日から即、利益が生まれ、部数も増やし易い新聞やと謳っとるが、それはあくまで宣伝文句や。せやけど、過大広告やとか眉唾物の話とは言わん。成功するかせんかは経営者次第やからな。

どんな悪条件からでも成功しとる販売所の所長は何人もいとるし、逆に、大きな店舗を譲り受けながら潰した人間もおるからな。

ワシが新聞販売店の経営者に必要やと思うことを、これから幾つか挙げるから参考にしてくれたらええ。

@ この新聞販売に携わることで、一番重要なのは人材や。特に経営者の手腕次第で決まると言うても過言やないと思う。

手腕とは経営能力だけやなく、人間関係を上手くまとめる力量のことも含まれる。そのためには自身が魅力的な人間かどうかということも重要な要素になる。優秀な従業員や客の確保に直結するからな。

もちろん、やる気と覚悟も必要や。もっとも、新しい事業に挑戦しようというのやから、そのくらいは承知しとるとは思う。

A 新聞販売業界には精通してた方がええ。広告では、素人でも研修期間を終了したら大丈夫のようなことを書いとるが、ずぶの素人では厳しい。

自身が精通してない場合は、必ずそういう人材を確保しておくことや。その人間と信頼関係にあり、店長に据えられるようでないと成功は難しいと思うてた方がええ。

新聞販売所では、トップが先頭で常に仕事する姿勢が重要になる。トップの仕事ぶりがそのまま他の従業員の仕事ぶりに影響する。

あの人には頭が下がると従業員に思わせるくらいで普通なんや。特に、初期において、それは重要な要素や。

一番危険なのは、すべてが出来上がった状態の店に、経営者としてだけ入ることや。一見、楽そうに思う。現実に、商売が成り立っているように見えるんやからな。

当たり前のことやが、経営に問題がなければ、経営権という利権は誰も手放さん。当然、何かあると考えるべきや。

もちろん、前の経営者が、ずさんやったということもあるから、一概にその店の状況が悪いとは言えん。経営者が変わって立て直した所は何ぼでもあるさかいな。

それには腹心の部下は欠かせん。前の従業員が、新しい経営者を歓迎するとは限らんからな。軋轢が生まれればそれで終いや。それを補える人材がどうしても必要やと思う。

B 商売やから、資金力も重要な要素や。どの程度の資金力が必要なのかと聞かれても、これだけあればええとは言えん。新聞社、地域、販売所の規模によっても大きく違うからな。

せやから、ワシとすれば、あればあるほどええと答えるしかない。少々の失敗は支えられるくらいにな。

どんな商売でもそうやが、最初から順風満帆とは行かんもんや。その中でも、特に新聞販売店は厳しいと思うといた方がええ。

あんたの質問にもあることやから、ついでに言うが、規模の大小のラインは、大体、公売部数が3000部やというのが一般的な見方や。小さい所やと500部程度の2,3人で配達しとるような所もある。

その広告にも、資金500万円から可能のようなことを言うてるが、それやと、例え500部の店舗でも無理やとワシは思う。

C それらが、問題なければ、次は実際に募集しとる地域のリサーチをせんとあかん。その新聞販売店がその地域でどの程度にランクされとるかを知ることや。

新聞販売店には、必ずその販売所の販売範囲というものが決まっとる。そこの総世帯数と実際の購読部数との比較や他新聞との比較を考える。

そこで、トップやと有利やけど、常識的に言うてこういう所の募集は少ない。最下位というのも考えもんや。圧倒的にシュアが低ければ、問題も多い。

一番大きなのは、折り込みチラシが少ないことや。これは、勧誘しとるワシらにしても拡張しにくい地域になる。まだまだ、折り込みチラシの多少で新聞購読を決める人間、特に主婦層は多いからな。

地域での、その新聞の評判も調べておいた方がええ。特にその新聞の拡張員の評判が悪いと、後々の部数拡張もしんどいからな。

もっとも、これは、時間がかかることを覚悟の上なら、その悪評の挽回は不可能やないとは思うがな。

D 新聞社からの購入部数と実際の購読部数の開きを、確かめとかんとあかん。その開きが10パーセント以上あるようやと、経営を圧迫する恐れがあるから考えた方がええ。

まだ、他にも考えなあかんことがあるかも知れんが、ワシの意見としてはこんなもんや。

悪条件ばかり重なってるからと言うても、失敗するとは限らん。実際に成功しとる経営者もおるからな。

あんたの質問にあった拡販禁止の建物というのについて簡単に話す。一般的に、ウイクリーマンションなんかがそうや。ここでの契約は認めん販売所が多い。短期間に移動するからな。出入りの激しいアパートやマンションもそういう場合がある。

他には、販売所独自が拡張員に拡禁(拡張禁止)にしとる建物もある。トラブルが多いか逆に従業員でも拡張しやすいかのいずれかや。

しかし、これらは、あまり最初に考慮するほどの問題やないと思う。その地域の他の新聞販売店も同じような条件やからな。

人口の減少というのは、ちょっと考えとかんとあかんかな。地域の購読者数の減少は、販売地域限定の販売所にとっては拡張競争の要因ともなるからな。客の取り合いは厳しいで。

良う考えて、どうするか知らせて欲しい。次の段階でのアドバイスもするから。


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