新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.346 今回の予約は本契約になるのでしょうか??


投稿者 けいこさん 投稿日時 2006.12.15 AM 2:05


ゲンさんにぜひお尋ねしたいと思います。

過去ログ全部に目を通してはいないので重複の質問だったらごめんなさい。

三年前に勧誘の方が来られて「三年後の予約でいいので!購読予定月の一ヶ月前にまた来ます!予約なので一ヶ月前に来たときにまた取るかどうかの確認はしますから!」と言われて購読契約書というものに三ヶ月間の購読でサインしていまいました。

印のところには取りあえず名字のサインをしてあります。ただ、本契約ではないから「ご契約日」の所は無記入です。

しかし過去ログを読んでいるとどうも予約というのはないみたいで・・・現在は購読開始予定月の3ヶ月前に当たります。

少し理由があり、かなりお金を節約しなければならなくなり、新聞の購読は行いたくないと考えております。

今回の予約は本契約になるのでしょうか??

ちなみに予約の時に300g洗剤を20個ほど頂いてしまいました。


回答者 ゲン


『過去ログ全部に目を通してはいないので重複の質問だったらごめんなさい』と、言われておられることやが、これについては気にせんといてほしいと思う。

というより、似たような相談であっても、それぞれ微妙に事情や状況が違うから、同じような回答、アドバイスになるとは限らんということも多い。ケース・バイ・ケースということや。

今回の質問についても、それが言える。

『三年後の予約でいいので!購読予定月の一ヶ月前にまた来ます!予約なので一ヶ月前に来たときにまた取るかどうかの確認はしますから!』

こういうことを言う勧誘員は多いが、言うた通りになることは極めて少ない。

確かに、購読の1ヶ月前に連絡をしてくるというのは、たいていの販売店でするはずやが、それは、取るかどうかの確認やなしに、配達しますよという通達がほとんどや。

『しかし過去ログを読んでいるとどうも予約というのはないみたいで』と言う通り、契約に予約というものはない、と言うより、予約そのものが契約ということになる。

例えば、旅行会社に、旅行の予約を入れて、直前にキャセルすると、相応のキャンセル料を請求されるはずや。または、申込金からその分を差し引かれて返金となる。これなんかも、予約が契約になっとるからそうなるわけや。

つまり、文書で書いたものは契約書と認められるということや。『購読契約書というものに三ヶ月間の購読でサインしていまいました』というのは、いくらそのつもりがなかったとしても、形の上では立派な契約ということになる。

『印のところには取りあえず名字のサインをしてあります』というのも、それで十分、契約書としての効力を発揮する。新聞購読契約の場合は、それで何の問題もない。

実印や銀行印、あるいは特定の印鑑が必要な契約書なら別やが、それ以外は、そこに印鑑を押すこと自体が義務付けられとるわけでもないからな。

ただ『「ご契約日」の所は無記入です』というのは問題がある。契約日は必ず記入することは法律で義務付けられとる。

これがないと消費者の自己都合による唯一とも言える解約権利である、クーリング・オフの行使の期日が分からんからな。

新聞購読の場合、クーリング・オフについては書面で知らされた日から起算して8日間以内という決まりがある。

今回の場合、書面というのは、その『購読契約書』を指す。その裏面に、クーリング・オフについて赤字で書かれとるはずや。それがその通知文の書面に該当するわけや。

せやから、その契約日の記載がないということで、あんたは本契約やないと主張はできるかも知れん。「正式な契約を交わすときに、そこに日付を記入することになっていた」と。

理屈とすれば、それで通りそうや。

ただ、ワシらの常識では、その契約日の期日のない契約書を販売店が認めるということはまず考えられんから、その勧誘員は、持ち帰った契約書の控えに、その契約日の期日を3年前の日付で勝手に書き込んで、その販売店に提出した可能性が限りなく高いと思う。

せやから、あんたが「契約日の記載がない」と主張しても、販売店の方は「いや、確かに契約日の記載がある」と反論するものと考えられる。

もっとも、これはこれで問題があるがな。

契約書というのは、双方同じものを持つという絶対の原則がある。一方が違う内容の契約書を持っている場合、その契約自体が無効になることもある。

いずれにしても、あんたが、この契約に対して、契約解除を希望するのなら、その販売店の出方次第やが、かなりの確率でできるやろうと思う。

但し、実際問題として、それであんたが、どれだけ得をするのかというのは保証はせんがな。

『ちなみに予約の時に300g洗剤を20個ほど頂いてしまいました』というのは、契約を解除するのなら、そのために貰うたものは返還せなあかんことになる。これは、原状回復義務と呼ばれとるものや。

あんたにしても、それを受け取って「それは貰うたものやから知らん」というのも言いにくいと思う。また、そんな程度のもので気分的な引け目を感じるのも嫌やろうしな。

まあ、300g洗剤というからには、おそらく台所洗剤やと思うからそれほど値段は、張らんやろうが、それでも20個ということやと、その商品にもよるが3000円前後はするのやないかな。

3年も前の商品ということなら、その品物の返品というのは難しいやろうから、現金での返還ということになるはずや。

それに加えて、契約日の記載がないということで、まだその権利があるとしてクーリング・オフでの解約を希望する場合は、内容証明郵便か配達証明書付き郵便またはハガキでということになり、その費用として1000円前後が必要になる。

大雑把に計算して、それで得られる利益が5000円〜8000円の間となる。しかも、それは、上手く事が運んだ場合の出費やと考えといた方がええ。

今回のケースは揉めることも予想される。

あんたの主張に応じんような販売店もいとると考えられる。たいていの販売店では、その気になれば、あんたの契約が3年前の何月何日やったかというはすぐ分かる。

これは、パソコンにデータとして残しとるし、同時にその情報を新聞社の方にも報告しとる。当然、そちらにもデータとして残っとる。

せやから、その契約日がないのも、単なるミスやと主張することも販売店の立場として、できるということや。

少なくとも、ここ最近8日間以内での契約やないとは言える。あんたもそれに対しては反論できんやろと思う。それを根拠に、クーリング・オフはできんと主張するはずや。

あんたの主張は、その契約書の不備を突くことやが、それに対してその販売店がどこまで納得するかが問題となる。認めん所はかなり抵抗すると予想される。

どちらかと言えば、あんたの言い分の方に分があるとは思うが、揉める要素があるということや。

また、その販売店が老獪な所やったら、あんたの「本契約でない」という主張を崩してくるやろうと思う。

あんたが、本当にただの予約やと思うてたのなら、何で、そのためのサービス品を受け取ったのかと言うてな。普通、予約なら「本契約のときに持って来てください」という客が多いとも言うやろな。

実際、そういう客の方が圧倒的に多いのは事実やさかいな。普通は、そのときにならな契約の意志が分からんという人は、景品などのサービス品は受け取らんものや。

景品を先渡しするという行為は、実は、そうすることで、後で契約を断るというのを防止する狙いがあるからそうするわけや。契約の意志があったからこそ、その景品、サービス品を受け取ったはずやとな。

その3年前に勧誘に来た人間が、今もその仕事をしとるかどうかは分からんが、例え、その人間がおったにしても、あんたに言うたようなことは絶対と断言してもええくらい認めんはずや。

その1点に関しては、水掛け論になりやすいというのが、過去の例や相談からも多い。

もっとも、言葉巧みな勧誘員も多いから、何となくその場をごまかされ信用したというのもあるとは思う。また、あんたの方にも、タカが新聞くらいという軽い気持ちもあったのやないかな。

ワシから言えることは、まず、相手の販売店の出方を見ることに徹することがベストやということや。

『現在は購読開始予定月の3ヶ月前に当たります』ということなら、実際にその販売店から連絡が来るまで、放っておけばええ。

1ヶ月前から遅くとも1週間前までには連絡してくるはずや。極希に、3年前の3ヶ月契約ということで販売店によれば忘れとるというケースもある。期待薄ではあるがな。

さらに、その勧誘員が、ワシらのような営業専門の拡張員やなく、その販売店の従業員やったら、本当に1ヶ月前に「どうしますか」と言うて来る場合もある。これも可能性としては低いと思う。

また、あんたの主張を認めて、その景品、もしくは景品分の金額での返還をすると言えば、簡単に解約に応じるという場合もある。

これについては、ワシの過去での経験、サイトに寄せられる情報を総合すると、7〜8割くらいは、そうするものと思われる。

断っておくが、これは、そうする販売店が良心的で、それに応じん販売店がえげつないというのとは違うからな。

これは、あくまでもその販売店の営業姿勢によるものや。それは、分かっておいてほしいと思う。それに対して、どう思うかは、あんた次第やがな。

その販売店が認めんと言う場合は、揉めてでも解約を勝ち取るために争うか、あきらめて購読するのかは、あんたの判断次第ということになる。

ただ、少なくとも、今、何かのアクションをあんたの方から起こすのは得策やないとは思う。

それに、そのときになって難しい局面になったら、また、いつでも気軽に相談してくれたらええしな。その状況に合わせたアドバイスはするつもりや。


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