新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.347 意見を聞かせてください
投稿者 Mさん 現役拡張員 投稿日時 2006.12.17 AM 0:05
はじめまして。僕は、ある拡張団に所属する者です。実は、げんさんに意見を聞きたくてメールしました。
今、自分の活動している地域の某紙の団では、12月に入り、本社からの奨励策として、カタログギフトを、団長を通してもらっています。
通常の月の拡材は、ギフト券、ビール券、洗剤ですが、その上に、成績に応じてカタログギフトを褒美的にもらえます。
勿論、 カタログギフトは、拡材としてです。でも、団長から自分たちが、それをもらう条件として,2枚カードをあげるごとに1冊、さらに6ヶ月以上のロングカードをあげるごとに1冊という具合です。
しかし分からないのは、条件付で褒美的に、もらっているものなのに、1冊もらうごとに、伝票に2000円の金額を書かせられることです。
勿論団長としては、節税のための対策の一環として、やっていることだと思いますが、実はそのギフトカタログは他の団の人に聞くと、団長は本社から、それを、1部、300円から500円で仕入れていると聞いたからです。
言い換えると、団長の節税のために、自分ら、団員が、その実質300円ぐらいのギフトカタログカタログのために、2000円もの受け取り伝票を書かせられるのは、自分の確定申告の際は、デメリットになるのじゃないかということです。
後1つは、やはり源泉がらみです。普通は登録していないと、セールスができませんが、登録するときに前の団からの移籍の手続きが、団長の手違いで1ヶ月遅れました。
やむなく、団長の指示で、本当はいけないことですが、1ヶ月は、他人名義のセールス証で営業をしたのですが、普通に所得税は引かれていました。
確定申告のときのことが気になったので、どうゆう風になるのか聞いてみたら、団長いわく、その1ヶ月間に対しての源泉は出せないと、言われました。それに関してもおかしい話だと思いました。
この2つの件に関して、どう対処して、どう団長に意見したらいいのか、また、何も言わない方がいいのか。アドバイスください。よろしくお願いします。
回答者 ゲン
結論から先に言うと、あんた所の団長には何も言わん方がええやろうと思う。言うても、おそらく無駄やし、あんたの立場を悪くするだけのことや。プラスになることは少ない。
この業界の仕組みは、それこそ千差万別、いろいろある。その営業会社である拡張団次第やと言うしかない。
おかしいとか理不尽やと思えるようなことは何ぼでもある。ワシらの方でも似たようなもんや。一々、挙げたらキリがない。
当然のように、それに対して、不平不満の多い団員もおる。もっとも、それで文句を言うたからというても、睨まれることはあっても報われることはないがな。「それなら、改めましょ」というのも皆無に近い。
それでも、地域性というのは多少あるとは思う。
特に拡張団の多くは、その地域の販売一部、二部といった懇親会、協力会に所属しとる手前、その地域で極端に違う営業姿勢を採るわけにもいかんからな。少なくとも、新聞社の販売部の人間が容認できる範囲やないとあかん。
不平が言いたくなるのは、その団に雇われとるという意識が強いからやろうと思うが、自分で確定申告せなあかんというのは、給料制やなく完全歩合制のはずや。
つまり、そういう所の拡張員は、形の上では、その団の下請け個人業者ということになる。言えば、営業の専属外注請負人や。
法的にも、その扱いになる。労働基準局の管轄外やし、労災保険なども、特殊な手続きを踏まんことには適用されんからな。
(注、このことについては『ゲンさんのお役立ち情報 その1 労災についての情報』 を参考にしてほしいと思う)
むろん、実質は違う。一般の会社員の勤務状況と大差ない。むしろ、より過酷や。
時間は長時間拘束されるし、上司の指示通りに動かなあかん。他の個人事業者のような自由もない。しかも、時間拘束されたからと言うて、その分の労働や残業手当を貰えるわけでもない。
収入は、あくまでもカード(契約)を上げた分の歩合報酬のみや。誰が最初に思いついたシステムかは知らんが、使う方としては実に都合のええ仕組みになっとるわけや。
カードを上げん人間には一銭も払う必要がなく、休日を与える必要もない。人件費などの心配をすることすらない。住宅を貸し与えとる所やと、物件を持たん大家として、家賃のみならず、光熱費からでも搾取が可能やさかいな。
この業界の仕組みそのものが、搾取の上に成り立っとるものやから、それについても普通ということになる。
せやから、今さら、そういうシステムが、えげつないと言うても始まらんということや。どういう理由からにせよ、この仕事を選んだ限りは仕方のないことやと思う。
嫌なら、辞めるしかない。ワシらが、唯一、できる抵抗というのがそれや。苦情をならびたてて、その境遇、待遇が変わる、あるいは良うなるというのなら別やが、それはまずあり得んからな。
そのやり方で長年やってきた団長、会社にそれを求めても無理というものや。
もし、変わることがあるとすれば、それは下からの突き上げやなく、新聞社などの上からの通達でしかない。この業界が変わってきたのも大半はそれやからな。
上が変わらな下は変わらん。少なくともワシはそう思うとる。
特に、この業界では、ワシら拡張員に対しては、言い方は悪いが、使い捨てという感覚の強い所が多い。よほど、上層部に認められた者か、実力のある人間以外の発言権はないと考えといた方がええ。
それらのことを踏まえた上で、あんたの個別の質問に答える。
『しかし分からないのは、条件付で褒美的に、もらっているものなのに、1冊もらうごとに、伝票に2000円の金額を書かせられることです』
これは、その団が、帳簿上、その2000円をあんたに支払ったという形にしとるということのようやが、それもシステムの一つとして受け入れることや。他がどうやと言うても始まらんと思う。
『言い換えると、団長の節税のために、自分ら、団員が、その実質300円ぐらいのギフトカタログカタログのために、2000円もの受け取り伝票を書かせられるのは、自分の確定申告の際は、デメリットになるのじゃないかということです』
これは、実際の収入よりも増えるから、その分、余分に税金を払わなあかんから不利やということやと思うが、それは、今だけのことやろ?
この12月で、どれだけの額になるのかにもよるが、トータルで10万円程度やったら、税額の負担も大したものやないとは思う。まあ、ワシは税理士やないから、そんなに詳しい計算はできんがな。一般的にはそうや。
『NO.174 源泉徴収票および確定申告について』でも言うてるが、確定申告をしとるだけでも十分やと思う。
これは、何もごまかせと言うてるのとは違うが、ワシらは個人業者やという立場やから、それを生かせば節税の方法もかなりあるということや。そのことについても、いくらか言及しとるから、まだやったら見といてほしい。
『団長いわく、その1ヶ月間に対しての源泉は出せないと、言われました』というのも、その団とすれば、そう言うしかないやろな。
『やむなく、団長の指示で、本当はいけないことですが、1ヶ月は、他人名義のセールス証で営業をした』というのは、言えば幽霊に仕事をさせたということになる。
その幽霊名義にしか、団としては所得の証明はできんわな。せやから、あんたとしては、その1ヶ月分の収入自体がないものとして申告するしかない。その1ヶ月は、無職扱いということや。
そうすれば、例え、その1ヶ月の所得税を引かれとるとしても、その収入自体が、あんたにはなかったことになるわけやから、全体としては所得税額は減ることになる。実質的には得するはずや。また、そうならなおかしい。
ただ、それがバレたら、厳密に言えば脱税ということになる。これは、その団が主導したことやから、責任の大半はそこにかかるとは思うが、あんたも何のお咎めなしともいかんやろと思う。それと知ってたわけやからな。
これについては、済んでしもうた後やから、今さら騒ぎ立ててもどうにもならんやろうと思う。まあ、心配せんでもよほどのことでもない限りバレることはないはずや。保証はせんがな。
ただ、一事が万事、そういう姿勢の団やというのなら、ちょっと考えものかも知れんという気はする。
これは、あくまでも一般論で、その団がそうやという確かなことは分からんが、それでも、その手の、せこいことを続けとるような所は、普通に脱税行為なんかもあると考えた方が自然や。
そういうのは、目を付けられやすいというのがある。実際、脱税行為で潰れた団というのも、このサイトにも報告されとるからな。せやから、その団は、先がない、あるいは危険やという見方もできるわけや。
それでも、これからも、その団で仕事を続けるというのなら、このまま、何も言わずにおった方がええ。文句や不満を個人で言うても、睨まれるだけ損や。
それをするのなら、集団ですることやな。それなら、効果はあるかも知れん。しかし、普通は、お互いの利害関係の強い拡張員同士が団結するというのも考え辛いから、それも止めといた方が無難やと思う。
必ずというてええほど、裏切り者のような人間が出るはずや。考えすぎかも知れんけどな。
それなら、泣き寝入りしかないのかということになる。どんなに理不尽なことでも我慢せなあかんのかと。
答えは、そうした方が無難やということになる。
しかし、あんたは、すでに、その団長に直談判するよりも効果的なことをしとると言えるかも知れんのや。それは、ここに、相談したということでな。
このサイトは、ワシらがそう意図したものやないが、新聞社の上層部、特に販売部の人は良く見てチェックしとると聞く。もちろん、多くの拡張団の上層部や販売店の経営者、店長クラスの人も見られとるようや。
あんたの所のシステムが、他と極端に違うてえげつないというのであれば、これを見たそれらの人たちは、どこのことなのか気づくかも知れん。もっとも、同じようなことをしとる所は他にもあるやろうがな。
新聞社の上層部から見て「それはあかんやろ」ということになれば、それに対しての改善の通達があるかも知れん。通達というのは、この業界では命令やな。
団員の一人や二人に言われたくらいでは屁とも思わん団長も、さすがにそういう所からの命令を無視することはできんはずや。
一部には、それでも無視する所もあるようやが、無視すれば自らの首を絞めるだけのことや。潰されるのは、概ね、そういう所やと聞くからな。
ワシが、あんたに何も言うなと言うたのは、そういうこともあるからや。
あんたが、もし、日頃から、その手の苦情を言い続けとって、その内容が、このサイトにあると知れば、当然のように、あんたに疑いの目が向くことになる。
もちろん「そんなことは知りまへんな。他でも似たようなことをしてる所がおますのやろ」と、とぼけといたらええが、それでも、睨まれることにはなるやろうから損や。
これが、昔やったら、少々のことは新聞社や団も握り潰すことはできた。しかし、今は、このインターネットというのがある。
つまり、人の口に戸は立てられん、というのが、より現実的になっとるわけや。
せやから、これはあきらかに理不尽やないか、おかしいやないかということがあれば、これからも、ここに相談してくれればええ。無言の抗議ということになるはずや。
一見、回り道のようやが、効果ということであれば、直接、掛け合うよりもあると思う。もちろん、絶対とは言い切れんがな。