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NO.352 転居の途中解約について
投稿者 匿名希望さん 投稿日時 2006.12.26 AM 0:10
はじめまして。途中解約について販売店とトラブルになっているので、ご意見をお願いします。
Y新聞と平成17年9月からの30ヶ月の継続契約を交わしました。この際、平成17年9月からの6ヶ月間は無料サービスを受けました。
平成18年1月に関西から九州へ転居の際、関西の販売店へ解約を申し出たところ無料期間中なので途中解約するなら6か月分支払うよう言われ、仕方なく転居先の住所を電話で知らせました。
転居した日から、新聞は配達されていますが、九州の販売店からは集金の人がきただけで、特に契約書は交わしていません。
今回、経済的な理由から販売店へ解約を申し出たところ、違約金として6か月分(23,550円)払うように言われました。
途中解約できないことや違約金について聞いていなかった事を伝えると「あとで上のものから電話します」と言ったまま何日も連絡がなく、こちらから連絡して、店長が「明日話しに行きます。」と言いましたが、訪問もなく再度電話して翌日に来ることを約束しました。
結局、約束の時間より1時間近く遅れた夜間、店長という男の人が来ました。そこで、もう一度始めから話をしましたが、「ちょっと社長を呼んできます」と言ってすぐに社長と言う男の人と一緒に戻ってきました。
その人は関西の販売店から送られてきたファックスを見せて、『ここにちゃんと契約しているんだから、転居や死亡、長期入院以外では途中解約できない。うちは紹介料を関西に払っているんだから、解約するなら6か月分払ってくれ』と言われました。
ファックスは私が書いた契約書ではなく、関西の販売店が九州の私の住所と旧制の名前を書いて送ったものでした。
私も何度も約束を破られ、この販売店に対する不信感が強かったので、だんだん話が喧嘩ごしになっていきました。
話が進まないので、『消費者センターに相談するから、帰ってください』とドアを閉めようとしましたが、体でドアを押さえたまま「まだ話は終わってない」と言って動こうしなかったり、私の契約書の控えを見せてと言いながらポケットに隠したりしたので、怖くなって警察を呼び、その日は帰ってもらいました。
消費者センターに入ってもらい話をしましたが、「法律的にというより感情論になってしまっていて、販売店は、始めから経済的な理由と言ってくれたらよかったのに、『6ヶ月の無料サービスを受けていない』とまで言ってきた事に腹を立てており『この違約金は絶対に譲れない』と言っている。」とのことでした。
これは、この販売店が「サービスしてもらったやろ。」ということをあまりに強調してきたので、「じゃあ、無料で配布したことを証明できるんですか」といったことを言っているのだと思います。
売り言葉に買い言葉、喧嘩ごしの言葉に対して言いました。
また、関西での契約書の申込契約期間が、本来30ヶ月なら平成20年2月までのところ平成19年11月まで30ヶ月と書かれていました。私はそれに気づかず、今回向うが持ってきたファックスには平成20年2月までと書かれていたため、勝手に延長されたと思い消費者センターにも伝えました。
その誤解は解けたのですが、向うは「そんなことまで言って違約金を支払わないつもりか」と言っていたそうです。
関西の販売店との契約書に協定事項として、『お客様が、購読期間中に表記の販売店のエリア外へ転居される場合は、転居先の販売店が残りの購読期間を引き継がせていただきます』と書かれていますが、個々の販売店との契約ならこの内容にどの程度拘束力があるのでしょうか。
新聞はその後も配達されており、新聞代も口座引き落としのため話がつくまではと思い、止めていません。
母子家庭のため、子供も借金の取立てのような男が二人も来た時の恐怖を忘れられず、私も仕事が手につかないくらい悩んでいます。
今となっては簡単に契約してしまったことを後悔していますが、このような場合6か月分の違約金を払うか契約期間まで新聞を取り続けるしかないのでしょうか?
回答者 ゲン
本来なら、この問題はトラブルに発展するほどのことやないと思う。もっと、簡単に分かり合える単純なものや。もっとも、感情的になると、なかなかそうはいかんがな。
ワシも新聞契約のプロとして、あんたの言い分も、その九州の販売店の言い分も良く解るつもりや。自分の言い分を解って貰いたければ、相手の立場を知ることやと思う。冷静になってな。
これから、それを説明する。
『解約するなら6か月分払ってくれ』という、その九州の販売店の要求は間違うたことやない。これを『解約違約金』と捉えるから、あんたは納得できんのやろと思う。
契約解除が成立した場合、原状回復義務というのが、双方に課せられる。民法545条1項にその規定がある。
これは、分かりやすく言えば契約以前の状態に戻しすという主旨のものや。この原則に従うと、契約が解除されれば、すでに受けていたサービスや貰っていた景品類は返還せなあかんことになる。
あんたの場合は、6ヶ月の無料サービスというのが、それに当たるわけや。
そのサービスは、契約満了を条件としたもので、その契約そのものを解除したいというのは、その約束を守られんということになるわけやから、すでに貰っているものは返さなあかんことになる。
これは、その契約をしてなかったら、本来、あんたが得ることのなかった利益ということでな。実際、新聞の現物で返すというのは、時価判断上、および物理的にも無理やろうから、この場合は、その対価となる金銭での支払いということになる。
この理屈は分かると思う。その九州の販売店は、その返還分だけで、契約解除に応じるという姿勢のようやから、良心的な部類やとも言える。
通常、解約違約金というのは、これから先、得ることのできん利益に対して、いくらか保証してくれという主旨のものやから、その原状回復義務分の返還にプラスされるものなわけや。それを要求してないのやからな。
この問題は、関西の販売店にも、その一端があると思う。
『平成18年1月に関西から九州へ転居の際、関西の販売店へ解約を申し出たところ無料期間中なので途中解約するなら6か月分支払うよう言われ』
というのは、請求額が間違うとる。これも、原状回復義務に照らせば、実際に受けたサービス分、4ヶ月分プラス1月の引っ越しをするまでの日割り分でええことになる。
このときに、ワシの言うたような説明を、その関西の販売店がしたのやったら、その時点で、あんたも納得してたかも知れん。
この業界には、急な引っ越しは認めなあかんという不文律がある。これは、新聞の契約というものが、個人とその販売店間のみに有効なものやからや。
それからすれば、そのエリア外に引っ越しをするあんたには、いくら、契約解除を認めんと言うても、実際には、新たな引っ越し先に、そこから配達するというのは不可能になる。
契約が、個人とその販売店間のみに有効なものという前提がある限り、契約は解除せざるを得んということになる。これには、原状回復義務としてのサービス分の返還はせなあかんが、解約違約金というものは発生せん。
ところが、その関西の販売店は、それを途中契約の解除ということで、解約違約金のように錯覚させ、転出先での購読を強要するように仕向けたと思われる。
その関西の販売店は、そのまま契約を解除されるより、転居通報システムというのを利用すれば、某かの利益も得られると思い、転居先での継続をさせようとしたと考えられる。
新聞社は、個人との契約には関係ないというスタイルは貫いとるが、このサービスの仲介はしとる。
表向きとして、引っ越し客が継続を希望すれば、販売店から連絡を受けた新聞本社が、その意向を汲み、該当地域の販売店に連絡を入れるというものや。
それをすれば、引っ越ししたその日から、新聞を変わりなく読めるということで、顧客へのサービスの一環としてそれをしとるというわけや。
該当販売店は、その客を引き受けることで、本社にその転居通報費というのを支払う。それを、本社は、通報した販売店に、同じく転居通報費を支払うというシステムになっとる。
その額は、新聞社により、若干違うが、だいたい1ヶ月分の購読料程度のもんやということや。
その関西の販売店が、それをちゃんと説明しとれば、あんたも、あるいはその引っ越しの時点で、サービス分の支払いをして、契約解除していたかも知れんな。
そういう意味で不親切ということになるし、この問題の一端にもなると言うたわけや。ただ、そのことについての説明義務があるわけやないから、法律違反とまでは言えんやろうがな。
それも、今となっては遅い。あんたは、その事情はどうあれ『仕方なく転居先の住所を電話で知らせました』ということで、関西の販売店から九州の販売店への、あんたの契約を譲渡するのを認めてしもうとるからな。
これは、指名債権譲渡ということになる。この場合、あんたが、転出先の九州の販売店で、新聞購読を継続することを認めとる限り、以前の関西でのあんたの契約が生きることになるわけや。
現実に、それが履行された後では、何を言うても手遅れやと思う。しかも、その話が今年の1月というのでは、そのことを訴える正当性にもかなり欠けるしな。
『転居した日から、新聞は配達されていますが、九州の販売店からは集金の人がきただけで、特に契約書は交わしていません』というのも、その契約に関する限り、それで有効とされると考えられる。
これには、新聞社経由と考えられるから、法的にも手抜かりはないはずや。
あんたも『今回、経済的な理由から販売店へ解約を申し出たところ』と言われとるのやから、争点は、引っ越しに関わることやなく、個人的な自己事由やと考えられる。
そうならば、最初に素直に、そう言うとくべきやったと思う。そうすれば、これほど揉めることもなかったやろしな。
実際、その九州の販売店も「始めから経済的な理由と言ってくれたらよかったのに」と言うてたというのなら、そのことを伝えていたら、また違った対応やったろうと思う。
もっとも、それまでに『途中解約できないことや違約金について聞いていなかった事を伝えると「あとで上のものから電話します」と言ったまま何日も連絡がなく、こちらから連絡して、店長が「明日話しに行きます。」と言いましたが、訪問もなく』ということもあり、不信感が募ったという思いが強かったのやろうがな。
極めつけは、当日の1時間遅れということやが、責めるのなら、そのことを中心に責めるべきやった。そうすれば、その販売店の店長も折れるところはあったはずや。
いかに売り言葉に買い言葉やとは言うても『じゃあ、無料で配布したことを証明できるんですか』とまで言うのは、まずかったな。それを聞かされる方にすれば『そんなサービスを受けてない』と言うに等しいことやからな。
相談を受けた消費者センターの人にしても、その販売店にそう言われたら困ったやろうと思う。事実にあったことをないと言うのでは、はっきり言うて擁護や反論のしようがないからな。
『これは、この販売店が「サービスしてもらったやろ。」ということをあまりに強調してきたので』ということのようやが、その九州の販売店にしたら、ある意味、無理もないというのは、ワシには分かる。
というのは、あんたの契約を引き受ける際には、転居通報費とは別に、関西の販売店には、あんたにサービスした分の新聞代を支払うてるはずやからや。紹介料というのは、それを意味しとるはずや。
もし、ここで、あんたの主張を認めてたら、かなりな損失になると考えたやろうからな。それは、絶対阻止したかったということになる。
『関西の販売店との契約書に協定事項として、『お客様が、購読期間中に表記の販売店のエリア外へ転居される場合は、転居先の販売店が残りの購読期間を引き継がせていただきます』と書かれていますが、個々の販売店との契約ならこの内容にどの程度拘束力があるのでしょうか』
法的拘束力ということから言えば、まったくないと考えてええ。この時点で、断っていれば、まず100%転居先に引き継がれることはない。もちろん、受けたサービス分は、返還した上でな。
実際、断固拒否すれば、個人情報保護法の施行以後、役所ですらその転居情報は教えんようになっとるから、その転居先を調べるのも難しいはずや。それで、済んでたと思う。
『母子家庭のため、子供も借金の取立てのような男が二人も来た時の恐怖を忘れられず、私も仕事が手につかないくらい悩んでいます』
という、心細い気持ちは分かるが、心配せんでも、あんたの話の内容から、その販売店の人間は、わけの分からん、あくどいというほどの所でもなさそうや。話せば分かる人間のようにも思える。
もっとも『話が進まないので、「消費者センターに相談するから、帰ってください」とドアを閉めようとしましたが、体でドアを押さえたまま「まだ話は終わってない」と言って動こうしなかったり、私の契約書の控えを見せてと言いながらポケットに隠したりしたので、怖くなって警察を呼び』ということもあったようやから、その判断も難しいとは思うがな。
ただ、それがあったにしても、その販売店が、6ヶ月分の解約違約金だけでええと言うのなら、それで、話をつけた方が賢いと考えるけどな。
どのみち、契約解除を希望するなら、原状回復義務により、その分は返還せなあかんものやからな。
ただ、その金額も一度に返還が無理ということなら、分割を申し出るのも手や。但し、そのときは、あんたも素直になって言い過ぎた分は謝る方がええと思う。そうすれば、その販売店なら、案外、それならと承諾するのやないかなという気がする。保証はせんがな。
平成20年2月までということなら、後、14ヶ月ということになる。その内の6ヶ月分を払えば、残り8ヶ月の支払いということになる。
これを多いか少ないかと捉えるのは、人それぞれやが、その程度なら、このまま、購読を続けるというのも、選択肢としてはある。
『このような場合6か月分の違約金を払うか契約期間まで新聞を取り続けるしかないのでしょうか?』と言うのは、結果として、そういうことになる。
ただ、何度も言うが、その6ヶ月の違約金というのは、あくまでも、あんたが先に無料分として貰うてたものやから、まったくのペナルティとして損をするという性質のものやないわけや。
さらに、それも、すでに半分、経過したことやからと、減額を頼むことは可能やと思われる。実際、残りの期間に合わせて、それを考慮する所もあるからな。
但し、それには、現在、揉めとる関係を修復する必要があるという前提での話やがな。
現状やと、あんたは、その販売店に不信感を持っとるのやろうが、その販売店にしても、あんたのことを「えらい我が儘な客やな」という認識になっとるはずや。
これは、販売店の説明不足と、あんたの思い込みがぶつかったためやと思う。もっと言えば、あんたには、こっちは客やないかという思いもあったはずや。折れるのなら、販売店やないかとな。
しかし、今回の件について言えば、あんたは『経済的な理由から』というのが主のようやから、やはり、それを考えるのやったら、頼み事ということになる以上、あんたから謝罪する方が得策やと思うがな。
今さら、そんなのは嫌や。何で、あんな所に頭を下げなあかんねんということなら、解約はあきらめて購読するのも方法や。
実際、今となっては、その販売店も、あんたの申し出に応じるかどうかというのも何とも言えんやろうからな。
いずれを選ぶかは、あんた次第ということになる。