新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.357 この勧誘の仕方は問題ですよね???
投稿者 Sさん 投稿日時 2007.1. 6 PM 9:51
NO.356 での丁寧なご回答本当にありがとうございます。
自分ではぜんぜんわからなかった事が、わかったので心がすっきりしました。
たかが新聞と思っていましたが、どうしてこんなトラブルになるのか・・。本当にわからないことばかりで・・。
メールで相談をしたのは、今回が初めてなので、正直本当にメールの返事が来るのか心配でした。
結局、新聞の契約は長期の契約が終わってから、新しい所を入れてもらう事となりました。
これからは気をつけたいと思います。
ところで、以前、A新聞の勧誘の人が一人暮らしのお年寄りのところに、お米や、その他いろいろな物を積み上げてプレゼントだと言って、新聞の勧誘を迫っていたのを見て、注意したことがありましたが・・・
あくまでもプレゼントだと言い張っていました。
この勧誘の仕方は問題ですよね???
回答者 ゲン
『この勧誘の仕方は問題ですよね???』ということやけど、問題があるかどうかは、その状況によりけりやと思う。
『一人暮らしのお年寄りのところに』というフレーズだけを聞くと、どこかの悪徳商法の手口を連想させるが、ワシらの売っとるのは新聞という、れっきとした商品やという自負がある。
購読料自体も、1ヶ月3000円から4000円までのものやし、他の悪徳商法のようなべらぼうな金額のものでもない。
たいていの訪問販売の悪徳商法では、定価の数倍の値段にもなるようなことが多いけど、どんなにえげつない勧誘員が売り込もうと新聞代は、決まった額以上には絶対にならん。ましてや、まがい物なんかはあり得んものや。
せやから、そういうものとは、根本的に違うということは知っておいてほしい。もっとも、程度の悪い勧誘員がおるのも事実やから、胸を張って言えることやないかも知れんがな。
ワシの顧客にも年輩の人は多いが、たいていは喜んで貰うとる。その理由もいろいろある。
若い人には理解しづらいかも知れんが、年輩の人の多くは、新聞のある生活というのが当たり前の環境、時代を生きてこられとるわけや。
ワシの若い頃なんかも「新聞くらい買うて読んどけよ」と良う言われたもんや。拡張員にやないで、そこらの普通のおっちゃんにや。それに対して、誰もが「そうやな」と納得もしてた。
新聞は、単にニュースなどの情報を知るということ以外にも、文章や文字の勉強になるのも確かやと思う。簡潔で誰にでも分かりやすく書かれたものやから、読むのにもそれほど苦にするものでもないはずや。
新聞を読むことにより、自然に読書力や文章力が高まるのは、間違いのないことやと思うからな。
誤解を承知で敢えて言わせて貰えば、最近の若者の読書力と文章力のなさは、正に、その新聞ばなれに起因しとるからやないかとさえ思えるからな。
「新聞くらい買うて読んどけよ」という言葉の中には、それで勉強しろという意味合いも含まれとったわけや。
また、年輩の人の場合、新聞を読み続けることで、頭も活性化され認知症予防にも確実に役立つと思えるから、そういう人に勧めるのは、それなりに意義があるとも考えるがな。
年輩の人にとって、新聞に対する抵抗感というのは、あんたの想像より、はるかに少ないと思う。むしろ、新聞がないことによる寂しさの方が強いとさえ言えるほどや。
あんたにとっては、不合理なことに映るかも知れんが、たいして読みもせんのに新聞を購読しとるという人の割合が最も多いというのは、それがあるからや。
そして、その新聞は勧誘に来るもんやということも常識やと考えとる人が多い。
さらに言えば、販売店に直接頼むより、ワシら拡張員と契約すれば、某かの得をするということも良う知っとる。
それを、単に『一人暮らしのお年寄りのところに』というだけで、勧誘したらいかんということになれば、ある意味、差別ということにもなるのやないかと思う。
もっとも、そのお年寄りというのが、目も満足に見えんとか、あきらかに認知症傾向にあるような人やというのなら、また話は別やがな。
そんな人に売りつけるというようなことは、絶対にしたらあかん。これは、倫理にもとる以前の人としてのあり方が問われる問題や。
また『お米や、その他いろいろな物を積み上げてプレゼントだと言って、新聞の勧誘を迫っていた』というのが、その客が嫌がっとる場合も同様や。
あんたの『注意したことがありましたが・・・』というのも、そういうのを見かねてやとは思うがな。
その勧誘員にしても「あくまでもプレゼントだと言い張っていました」と言うのは、何かしら後ろめたいことがあるから、そんなしょうもない言い訳をしとるのやろうしな。
はっきり言うが、勧誘員が、購読もせんのにタダでプレゼントするというのは絶対にあり得んことや。本当に、そんなことをすれば、その品物の代金をその勧誘員が負担せなあかんことになるからな。
その品物が、販売店から支給されたものなら、契約が上がって客に渡した分以外は、当然やが返さなあかん。それがなければ、自腹を切ることになる。
そういうことを嫌う販売店は「返して貰うて来い」と言う場合も多い。自腹を切るからええやろうでは済まされんということや。
新聞の購読を条件に渡しとるものを、タダで貰うたという評判が立ったら、仕事がやりづらくなるからな。店の信用にも関わる。
まあ、そういうことは絶対と言うてええほどないことやがな。あんたが、その勧誘員に注意したときも、その品物は、ちゃんと持って帰ったはずや。
ただ、同じように品物を出して「契約して頂いたら、こういうサービスをお付けしますので」と言うて勧誘するのは、通常の営業行為の範囲やとは思う。
このこと自体には、違法性もなければ悪質性もないはずや。それを断るかどうかは、あくまでも、当の客次第やからな。
あんたに「新聞の勧誘員は悪徳」という思いや偏見がどこかにあって、そう注意したのなら少し考えてほしいと思う。
前記のように、目も満足に見えんとか、あきらかに認知症傾向で判断力に疑問のある状態であるとか、当人が嫌がっとる状況以外の場合は、そう言うことで営業妨害に問われる可能性すらあるからな。
もっと言えば、嫌がっとるという状況にもいろいろあるわけやから、単にそれだけで悪質とも決めつけられんと思う。
ワシらの仕事では「はい、分かりました。それでは新聞を取りましょう」と、即決する客の方が圧倒的に少ないという現実がある。
大半は相手にもされず、希に話すことができても「他の新聞を読んでいるから」とか「新聞を取る気がないから」と言うて難色を示されるのが当たり前という状況のもとで営業しとる。
断られてからが、営業の仕事と言うてもええくらいや。これは、勧誘員に限らず営業職すべてに共通して言えることでもある。
ある程度のねばりや押しは、営業をする上では、どうしても必要になる。また、それがないような営業員なら、営業をする資格はないと断言してもええ。
「新聞いりまへんか。あっ、そうですか」と言うて引き上げるのなら、ただのご用聞きにすぎんからな。
営業というのは、甘い考えではできんものなんや。中でも、この新聞営業は、営業の中でも最も難しい部類に属するものやと思う。
難しいが故に、不法な勧誘に走る者も、おるわけや。普通では、契約なんか取れんと考えてな。
そういう連中も、ワシから言わせれば、営業する資格はないがな。「不法行為をしてまでせなあかんようなら勧誘員には向かんから、さっさと辞めろ」と常にサイトでも言うてるしな。
あんたの言う状況を見とるわけやないから何とも言えんが、話だけなら「お米や、その他いろいろな物を積み上げて」というのは、稚拙な営業ではあるが、それなりに必死に頑張っとると受けとれんこともない。
同じ勧誘員としての欲目かも知れんがな。
結論として、冒頭で言うたように、問題があるかどうかは、その状況によりけりやということになるわけや。どうやろ、こんなところで納得して貰えたかな。