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NO.358 こんな状態でも解約違約金を支払う義務はありますか?


投稿者 eve さん 投稿日時 2007.1.14 PM 8:08


両親が九州に住んでいますが、3年前、母親が脳出血にて半身麻痺で車椅子の生活、軽度の認知症あり。

父親は、ほとんど一人で歩けず寝たきりに近い状況にて、どちらも新聞を読める状況でないため解約依頼しましたが、違約金を払えとのこと。

契約期間は、18年1月〜20年12月です。支払う義務がありますか?


回答者 ゲン


ご両親が大変なことになっておられるとのこと、ご心中お察しする。

あんたの話を聞く限りでは、その販売店に問題がありそうやけど、それも事情次第では、そうとも言えんところがあると思われる。

『支払う義務がありますか?』というのが、法的にという意味であれば、残念ながら、今回の相談のケースでは、そうなる可能性の方が高いと思う。

無条件の契約解除が認められるためには、かなり、高いハードルが要求されることになるさかいな。

一度交わされた正規の契約は、明かな不法行為やクーリング・オフ以外では、契約者からの一方的解除はできんことになっとる。

しかも、今回の場合は『契約期間は、18年1月〜20年12月です』ということからすると、昨年の平成18年の1年間は購読していたということになる。

当然、その間、新聞代の支払いもされておられたやろうから、その購読が可能やったという既成事実が構成されとることになる。

せやから、それが、できんようになった事態が無理からぬことやと説明して、理解を求める必要がある。

販売店が、無条件に契約解除を認める場合は、急な引っ越しと単身購読者の死亡くらいなものというのが、この業界の常識になっとる。

いずれも、その販売店からの購読が不可能になるからな。しかし、あんたの言うケースは、それとは少し違うようや。

契約者が誰なのかというのが良く分からんが、通常、ご夫婦で生活されておられる場合は、ご主人、つまり、あんたのお父さんが契約者というのが一般的やから、それで考える。

『父親は、ほとんど一人で歩けず寝たきりに近い状況』というのは、いつから、そうなられたのやろうか。それが、大きなポイントになる。

これが、つい最近起こったことであり、重度の障害者になって経済的にも支払いが困難になったというのであれば、契約解除を認める販売店も多いと思う。

ただ、ご夫婦で生活されておられる場合は、もう一方の奥さんにその支払い能力があれば、そちらに請求ということも考えられるが、このケースは『3年前、母親が脳出血にて半身麻痺で車椅子の生活、軽度の認知症あり』ということのようやから、それも難しいやろしな。

どんなにえげつないと言われる販売店でも、新聞代を支払って貰えんということがはっきりしとるようなケースで新聞を配達し、集金しようとは考えんと思う。

通常、こういうケースの場合、その事情を言えば、よほどのことがない限り、たいていの販売店やったら、無条件の契約解除を認めると思うが、その販売店はそうやないということのようやな。

その販売店が常識的な販売店やと仮定した場合、そう言うには、それだけの理由があるはずや。

その販売店の言う『違約金を払え』というのが、どういうものかにもよって状況が違うてくる。つまり、あんたが解約違約金やと受け取っとることが、販売店にとっては違うということも考えられるわけや。

こういう誤解は、契約解除についての相談では結構多いことでもある。

例えば、今回は3年契約のようやが、その中に無料サービス期間というのがあり、解約するのなら「その無料期間分の新聞代を払うてほしい」という場合がある。

あるいは「契約時に渡した金券を含む景品類を返還してほしい」と言うケースのいずれにおいても、実質的には「解約違約金」には相当せんのやが、そう誤解して受け取る場合があるということや。

これについては、例え、無条件の契約解除が認められたとしても、民法の原状回復義務の原則に従い、受けたサービス分、貰うた景品類は返還せなあかんということになる。

契約を解除するということは、約束が守られんということやから、その遂行を条件としたものは当然返すべきとなる。

契約解除による原状回復義務というのは、双方を契約する以前の状態に戻すということやさかいな。この理屈は分かると思う。

これを「解約違約金」と誤解する場合があるということや。また、それを伝える販売店の方も、購読者に上手くその説明ができずに「違約金を払え」と言うてしまうケースも多いようや。

新聞購読契約においての解約違約金というのは、そのサービス分、景品分以外に、その販売店が残りの契約を解約することで、得られるはずやった利益分をいくらかでも保証してほしいということで請求するものや。

つまり、サービス分、景品分にプラスされるものが「解約違約金」ということになる。

せやから、まず、その販売店の言う違約金の内容を良く聞いてみることやと思う。

それが、契約時に貰うた景品分や、すでに受けてしもうた無料サービス分の新聞代やと言うのなら、契約解除を希望する限りは仕方がないと考えるがな。

それだけやなく、別途「解約金を払え」ということなら、それについては話し合いをするしかないと思う。

この解約違約金というのは、どれだけ払えばええかという取り決めは、少なくとも新聞購読契約においてはない。お互いの話し合いで決めるしかないものやさかいな。

その場合、購読者の意志というのが重要になる。あんたは、親御さんのことやからと、その販売店に掛け合ったのやと思うが、販売店によれば、購読者以外の申し入れは一切受付んという姿勢の所もある。

法律上、例え身内といえど、本人もしくは代理権者以外の人間が、契約解除の要請をすることはできんことになっとるからな。

ただ、相手の販売店に代理権者と認められるか、本人から代理権を与えられた三親等以内の代理権者、つまりあんたの場合やと契約名義人のお父さんに代理権者としての委任状を作成して貰えれば、交渉人にはなれる。

これが、法的に契約の解除、破棄をするつもりなら、法定後見制度、保佐、補助制度によるそれぞれ、後見人、保佐人、補助人の認定を裁判所で受ける必要があるが、このケースでは、そこまではいらんやろと思う。たいていは話し合いで済むはずや。

ここで、気になることが一つある。それは、あんたは、一緒に暮らされてはないようやが、現在、誰が、ご両親を看られておられるのやろうかということや。

ご両親がそういう状態の場合は、普通は介護が必要やろうと思う。『どちらも新聞を読める状況でないため』というのは、相当深刻やと思われるからな。

こういう場合、誰か他の身内の人が身の回りの世話をしていると考えるのが普通やし、それが無理なら、擁護施設や病院などへの入所、入院を考えなあかんと思うのやがな。

そこが、その販売店の配達区域外の所やったら、契約の解除、もしくは退所、退院までの間、配達の延期を要請すればええ。これは、どんな販売店でも了解するはずや。

『父親は、ほとんど一人で歩けず寝たきりに近い状況』というのが、契約当初からというのであれば、また違った話になる。

そのときに、どういう経緯で契約したのかにもよるが、あんたの話には、そのことについて言及されとられんから、問題がなかったものとして話を進める。

その場合、少なくとも1年間は、新聞の購読に支障がなかったことになる。経済的な問題にしても、当初は困るほどでもなかったと思われる。

実際、こういうケースで契約者が異議を唱えるのは、購読前か遅くても、購読直後になることが多い。それが、購読1年後というのは、販売店にすれば、何で今頃になって契約解除を言い出すのかということになる。

ご両親の大変さというのは、身内の方以外には分かりにくいことやと思う。

『半身麻痺で車椅子の生活』というのは、世間では取り立てて珍しいことでもないし『軽度の認知症あり』というのも、傍目には普通に映ることも多い。

『父親は、ほとんど一人で歩けず寝たきりに近い状況』が、なぜ新聞を読めんほどなのかというのも、おそらくその販売店には理解できんやろうと思う。

一般論やが、そういう人に新聞を配達したらあかんということはない。逆に、販売店がそれを理由に配達を拒否すれば、差別に問われ大問題になりかねんさかいな。

むしろ、そういう人の方が、新聞を楽しみにする人が多いのも事実や。病院などでは入院患者が、病室でその新聞を読んどるということからも、それは裏付けされとるしな。

問題は、やはり経済的なことやと思うが、それが、なぜ今になって契約解除せなあかんのかという説明は、する必要があるやろうと思う。

販売店の思惑には「違約金を払え」と言うことで、契約解除を阻止したいということが含まれとると考えてええ。

中には「解約する」という言葉に過剰反応する販売店もあり、絶対に解約には応じんという姿勢を貫くこともあると聞く。また、その対処が稚拙なため、客に対して横柄な態度をとる販売店もあるようや。

取り敢えず、そういう販売店であったとしても、あんたが代理権者になり、話し合いをすることや。もちろん、それは他の身内の方でも構わんがな。

あんたの方も「こういう状態やから仕方ない」という姿勢を全面に出すのやなく、返還すべきものはすると言えば、たいていは、丸く収まるはずや。

その販売店が、普通の常識ある所なら、それで話はつく。ヘタにこういう問題で、こじれることにでもなれば「あそこはえげつない販売店や」と噂にもなるやろしな。一つの契約に固執すれば、そういうリスクを負うことにもなるからな。

それでも、あくまでも解約はせんと突っぱねる販売店もあるようやから、そのときは、また連絡をくれたらええ。

その状況に合わせて次のアドバイスをするつもりや。対処法はいくらもあるさかいな。

いずれにしても、販売店の言い分を聞くことが先決や。納得できるどうかは、その後やと思う。


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