新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.36 長年同じ新聞を購読していても景品は一度も貰ったことがない
投稿者 ヤマシタさん 男性 39歳 投稿日時 2004.10.23 PM5:53
HP大変面白く拝見しました。田舎のためか私は、今まで拡張員の人とお会いしたことがありません。噂ではいろいろ良からぬことは聞き及んでいます。しかし、ゲンさんのようなユニークな人がおられるのなら一度お会いしたいものです。
私の家は、親の代からA新聞で他の新聞を読んだことはありません。HPを拝見していると、新規に新聞を購読するとかなり多くの景品が貰えるようですが、私共は一度もそんなものを貰ったことはありません。
ゲンさんも同じ新聞を長く続けて読んでる客には、販売店は何もサービスしないと言われていますが、まったくその通りだと実感しています。今までは、それが当たり前だと思っていたのですが、私の知人とこのことが話題になり話をしていると、知人は契約毎に毎年ビール券10枚と洗剤5箱貰っているとのことです。
知人とは同じ市内で同じA新聞です。私はその話を聞いて無性に嫌な思いをしました。その知人はA新聞を取り始めて5年ほどだということです。こんな不条理なことが許されるのでしょうか。
長年取っている人間は販売店にとって大事な客ではないのでしょうか。景品は請求しないと貰えないのですか。憤りすら感じます。
しかし、私は今さらこのA新聞に掛け合って景品を寄こせなどと言う気持ちもありません。今は新聞を止めてしまおうと思っています。
しかし、なぜこんなことになるのかゲンさんに教えて頂きたいと思いメールしました。くだらない質問かも知れませんが、よろしくお願いします。
回答者 ゲン
これは決して下らんことやない。考えようによれば大きな問題や。今まで、こういう声が聞こえて来んことの方が不思議なくらいやった。もっとも、思うてても人には言いにくいことかも知れんけどな。
客の立場で言えば、これほど理不尽なことはないと思う。同じ新聞を購読していても、ある者は過分の景品が貰え、ある者は何もない。
しかも、長期固定購読者ほど何もなくて、割合新しい客に景品のサービスをする販売所が多い。もちろん、これは今に始まったことやない。昔からそうや。
あんたとこは、親の代からの購読客ということやけど、それやったら契約書の類なんかはないのと違うかな。どこの販売所でも、あんたと同じ客は多い。
この契約書のない長期固定客には、ほとんどの販売所はサービスしとらん。拡材の景品は新規顧客獲得のためにあるというのが販売所の基本的な考えや。拡材とは、その名の通り拡張のための材料なわけやからな。
本来なら、誰にもこんな景品みたいなもの渡したないのが販売所の本音や。
しかし、それをやったら他新聞の販売所に客を取られることになると思うてる。景品は客の取り合いのためにある。せやから、比較的新しい客に景品が集中しとるんや。
あんたの所に拡張員が全く来んということやが、こういう場所は結構多い。理由はいろいろや。
まず、合配というのが考えられる。合配というのは、一つの販売所が幾つもの新聞を配ることや。地方に多い。こういう地域には拡張員はおらん。競争する必要がないからな。
新聞の購読希望は客から連絡が入る。その客の好きな新聞を配達する。もっとも、その合配店にしてもメインとなる新聞はあるがな。それでも、拡材を奮発までしてその新聞を取らすことはない。
その合配店の配達エリアも何かの決まりがあるわけやない。範囲はまちまちや。一つの市で一つの販売所という方が少ない。大抵は幾つかの販売所に別れる。
一つが、合配店で他がA紙やY紙の専属配達店やというのも珍しいことやない。あんたの所が合配店やとしたら、景品がないのが普通のことやとなる。
その地域がある新聞で独占状態になっとるような所も拡張員は少ない。例えば、その地域が9割方A紙で独占されとるような所は、他社の拡張員も客になる者が多いとは考えんから敬遠するし、A紙の拡張員も残り客が少な過ぎて仕事にならんと思うてるからその販売所には寄りつかんということになる。
同じ販売所のエリア内でも、拡張員の多い所とほとんど寄りつかん場所が存在する。特に農村などの地方にこういう顕著な地域が多い。少ない所は何年も拡張員が来んということも珍しいことやない。
景品のサービスをするかせんかはあくまでも、その配達所次第や。全国の新聞販売所で統一されとることやない。
新聞の宅配制度はその地域のみの配達に限定されとる。同じ新聞でも、他の地域の販売店がサービスがええからと言うて、そこから新聞を取ることは出来ん。あんたのように不満に思う人にとったら理不尽なことや。
しかし、そうやなくあんたの隣近所でそういうサービスがあり、あんたにないというのなら、これは問題や。というても、実際はそういうことは多いんやけどな。
前出の長期固定読者には何もないというのがそうや。こんな所でもアピールすれば何か景品は持って来るはずや。何もないんやったら新聞止めるで、とでも言えば一発や。
しかし、あんたのような人はそれは言えん。プライドが傷つくわな。新聞の景品くらいのことでと。せこいと思われるのも嫌やし、何か見透かされたような気分になる。
せやけど、何で長年浮気もせんと新聞取ってるのに何もないんや、と思うのも当然や。腹も立つやろ。
正直言うて、ワシら拡張員はあんたのような客を常日頃捜しとると言うてもええ。
せやけど、実際に、何ぼ不満があっても初対面でそう言う客はほとんどおらんがな。こういう客は簡単なようで難しい。その心情を理解せなあかん。
ワシが、あんたのような客と出会ったら、まず試しに3ヶ月程度、新聞を変えてみませんか、と持ちかける。人間読み慣れた新聞を変えるというのは、そう簡単なもんやない。
そこで、一時的な変更を勧める。新しく購読する新聞が気に入ればそのまま続ければええし、以前の新聞が良ければ、元に戻せばええ。その時には、何もサービスしてへんかった販売所もサービスするはずや。
販売所にとって何が痛い言うて固定客に逃げられるほど辛いもんはないからな。あんたが他の新聞を購読したと知れば必ず、頭を下げて来る。
つまり、一時的な変更が静かな抗議になるんや。しかも、この抗議は効果がある。何もわざわざ文句を言う必要もない。そのことをその客の立場になって説得する。
その後は、どうするかはその客次第や。ただ、これだけは分かって欲しいが、その販売所にしても商売なわけや。儲けというか利益が出な商売にならん。せやから、その販売所が何も特別せこいというわけやない。
あんたにとっては理不尽なことに思えるやろけど、業界にとっては仕方のない普通のことなんや。
あんたには関係ないことかも知れんが、すべての顧客に勧誘時と同等の拡材を渡してたら、潰れる販売店も出るおそれがある。
販売店も本来なら、長期購読者にサービスしたいと考えとると思う。実際にそうしてる販売所もある。せやけど、ほとんどの販売所はその余裕がない所が多いんや。そのことが理解出来るようやったら分かったって。