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NO.361 ゲンさんはどんな音楽がお好きですか?


投稿者 PONO さん  投稿日時 2007.1.24 PM 1:46


いつも楽しみに読ませて頂いてます。

私は音楽関係の仕事をしているのですが、ゲンさんはどんな音楽がお好きですか?

もしよろしければ教えてください。


回答者 ゲン


好きな音楽か。そう言われて気がついたけど、最近はあまり積極的に音楽を聴くことはなくなったな。

若い頃は音楽を聴くのは好きな方やった。改めて思い返すと結構いろいろな音楽と出会ったと思う。まあ、50数年生きてきとるのやから、当たり前と言えば当たり前やがな。

ワシのような、おっさんの好みが分かっても、あんたに大したプラスにもならんとは思うが、暇つぶしの話のネタにでもするのなら聞いてくれたらええ。

敢えて一曲だけ挙げろと言われば、真っ先に思いつくのが、レイ・チャールズの『Georgia On My Mind (わが心のジョージア)』やな。今でも、一人なったとき、たまに聴くことがある。

2004年、6月10日、氏は残念ながら帰らぬ人となった。ワシは子供の頃からこの歌を聴くのが好きやった。その彼が実は盲目の歌手やったと知ったときは感動したもんや。

魂を揺さぶられるという表現があるが、正にそんな感じやった。

あんたは、音楽関係の仕事をされておられるということやが、羨ましいと思う。

音楽というのは、誰の人生にも必ずついて回るものや。何か出来事があれば、その音楽と共に記憶に残っとることが多い。

人の記憶に残ることができる。そういうものに携われるだけでも素晴らしい仕事やと思うよ。

音楽の好みというのも、その時々で移り変わりやすい。特に、ワシはそうや。もっとも、レイ・チャールズの『Georgia On My Mind (わが心のジョージア)』は、例外やがな。

十代の頃は、当時流行ってたマカロニ・ウェスタン映画「夕陽のガンマン」なんかのテーマ曲が好きで良う聴いてた。エンニオ・モリコーネの独特の音楽は最高やったな。

サルヴァトール・アダモも好きな歌手の一人やった。「サン・トワ・マミー」や「雪が降る」が有名やったけど、ワシは「ブルージーンと皮ジャンパー」という曲が一番気に入ってた。あの口笛から入るイントロは何とも言えんくらい格好よく思えたもんや。

二十歳代になってベンチャーズにも熱狂したな。良くコンサートに行ったもんや。最前列で聴いたあの迫力は今でも覚えとる。エレキギターの最盛期やったな。

日本の歌やとガロの「学生街の喫茶店」も想い出深いな。あの歌詞の通りの恋をしてフラレたこともあった。初恋やった。「君とよくこの店に来たものさ……」というあのフレーズを聴くと、今でも純粋やった?昔にタイムスリップする……。

サザンオールスターズも好きや。「いとしのエリー」なんかは、レイ・チャールズに共通するものがある。

それも、そのはずで、桑田 佳祐は、そのレイ・チャールズの大ファンということのようやさかいな。かなり、その影響を受けとるという話や。それが、ワシを惹きつけるのかも知れん。

他にも、長渕剛の「RUN」や松山千春の「人生(たび)の空から」というのもええ。

好きというのとは、ちょっと違うのやが、昔、建築屋の営業をしてたときに、客との付き合いで良くパブやスナックに行って、五木ひろしの曲を歌わされたことがあった。

断っとくけど、ええように想像せん方がええで。とてもやないが、ワシの歌なんかは、人に聴かせられるもんやないさかいな。

ただ、営業面で言えば、この適度なヘタさ加減の方が客受けがええのは確かやけどな。

ハカセのように上手すぎる者は、却って反感を買いやすいから営業員としてはマイナスや。というても、わざとヘタにしとるわけやないで。単に天性の音痴というだけのことや。

ついでやから、ハカセの好みも言うとく。奴さんは、家族で良くカラオケ店に行くという。ワシもたまにそれに付き合うことがある。

ワシは基本的に、素人の歌を聴くのは嫌いや。いかにも上手いやろうという顔で歌う人間が多いが、あれは堪忍してほしいと思う。

素人は所詮素人や。他人の評価は、自己評価の半分程度やと思うてたら間違いないのと違うかな。それ以下のもおるけど。

営業員の哀しさで、カラオケスナックなどに行くと見ず知らずの客のヘタくそな歌にも自然に拍手しとる自分がおる。まあ、その場のエチケットでもあるのやが、情けない思いはどうしてもぬぐえん。

ただ、ハカセの歌は違う。声がええということもあるが、それ以上に、何かしら哀愁というか、人を感動させるものがある。

仲間ということを抜きにして聴いてもなかなかのもんや。プロに共通するものがある。歌には、その人間の内面と生き様が出るもんやというのを何かの本で読んだ記憶があるけど、そういうことなのかも知れんな。

何か、音楽関係の仕事か勉強をしたのかと聞くと、学生時代、大阪のミナミにある千年町という飲屋街で、クラブ歌手のアルバイトをしてたということや。

そこで、プロ歌手に手ほどきを受けたという。その辺りでは、ちょっとした、人気者やったらしい。

「ゲンさん、その辺でやめときましょう。子供のカードゲームやあるまいし、言うたもん勝ちみたいで嫌ですから。それに、いくらここで自慢しても誰も信じませんよ」

それもそうや。文章で歌が上手いと聞かされて、なるほどと納得する人間もおらんわな。

まあ、そういう関係もあって、ブルース調の歌が得意というか好きなようや。個人的には、谷村新司が好きやと言うてた。そう言えば、どこか似てるかも知れんな。

週一で発行しとるメルマガにも、時折、それとなく音楽に関連した話をしとる。

先ほど挙げた長渕剛の「RUN」という曲のことも『第96回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■季布の一諾 』の中で、約束を守る、嘘をつかないということに関して引用した。その一部分を抜粋する。


約束を守るというのは、安請け合いすることさえ気をつければ、それほど難しいことやないとは思う。

しかし、嘘をつかんというのは、人間である以上、絶対と言うてええほど無理なことやないのかと考えるからや。

ワシなんかも極力、嘘はつかんようにしようとは思うとるが、それでもついてしまうということが少なからずある。

ワシの好きな歌手の一人、長渕剛の曲の中に『RUN』というのがある。

その歌詞の中に「……できることなら、できることなら、嘘はないほうがいい。嘘はつかない。そう心に決めて、嘘をつき続けて、オレ生きている……」というフレーズがある。

それを聞く都度、ワシの生き方そのままやなと思う。

特に、ワシは営業を長く生業としてきたから、客とのトークの中で、いろんなことを言うてきた。嘘やでたらめに近いことはあったはずや。それが、罪のある話かどうかは別にしてな。


また『第59回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■ 運動会はサンバのリズムに乗って』では、当時、人気やった「マツケンサンバU」をハカセの下の子、コウ君が運動会で踊ることになって、そのときの様子を紹介したものがある。

「マツケンサンバU」を紹介するというと、普通は笑い話のネタのように思われがちやが、ここでは、人種の枠を超えた微笑ましい光景があった。そのことで想い出深い曲として紹介しとるわけや。

最近では『第124回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■真っ赤なお鼻のトナカイさんの話』の中で、「赤鼻のトナカイ」という誰もが知っているクリスマスソングに秘められた感動秘話について語ったものもある。

何度も言うが、誰の人生にとっても、音楽との関わり合いは深いと思う。忘れ去った過去の出来事でも、それを聴いた瞬間、そのときの情景を鮮明に思い出すことができる。

そういう意味では、音楽は記憶そのものやと言うてもええ。人にはなくてはならんものや。

何度も言うが、そういう仕事に携わっておられるというのは、本当に羨ましいと思う。これからも、その仕事を通して、一人でも多くの人に素晴らしい音楽を届けて頂きたいと切にお願いしたい。


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