新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.363 相談に乗ってください
投稿者 やまちょんさん 投稿日時 2002.2. 2 AM 11:13
はじめまして、こんにちは。
新聞契約に関して相談にのっていただきたいのですが、よろしいでしょうか。
先月半ば、夕方寝ていたところインターホンにて起こされました。『お届け物です』と言われ、たまたま宅配の不在通知を受け取った日ということもあり、再配達と勘違いして認め印を手にドアを開けてしまいました。
すると、いきなり洗剤を押し付けてきて『このマンションの方全員に挨拶として洗剤を渡しております』と言われ、そのとき初めて新聞の勧誘だったことに気がつき、『結構です!!』と断ったのですが『おじさん困っているんだよ、助けると思って取らなくてもいいから件数だけ欲しいからサインしてよ。』
『上の階のお姉さんも、下の階のお姉さんも4月からってことでサインしてくれたし。』私が『5月位に仕事が変わるかもしれないので、もしかしたら勤務地変更になるかもしれません。それなのに契約できません!!』というと『じゃあ、7月からってことで。そこからまた12月からに延ばすこと出来るから。』といわれ、早く二度寝したかったこともあり、サインしてしまいました。
寝起きで判断能力が鈍っていたとはいえ、うかつだったと思っています。
確かにサインはしましたが、契約日や配達開始日、支払い方法、契約期間は記入もしていないし(おじさんが勝手に6ヶ月と記入)商品価格の記載もされていないので、おじさんの言うとおり、予約なんだと思っていました。
しかし、新聞の予約などないということを知りクーリングオフ期間は過ぎているのですが、なんとか解約する方法がないものかと思いメールさせていただきました。
ちなみに、押し付けられた洗剤・ビール券は、いつでも返せるようにそのまま持っています。やはり、6ヶ月間契約するしかないのでしょうか?アドバイスお願い致します。
回答者 ゲン
『おじさん困っているんだよ、助けると思って取らなくてもいいから件数だけ欲しいからサインしてよ。』とその拡張員が言うたとのことやが、これは「泣き勧」と言うて、相手に同情を引くことで契約させようという古典的な手口や。
もっとも、普通はそんなおっさんに同情なんかは誰もせんやろうが、人によれば、こういう泣きつきに弱いタイプも確かにいとる。性質的に頼まれると断り切れんわけや。
その拡張員が、あんたをそういう人だと値踏みしたからその手法を採ったのか、それとも、ワンパターンでこの手口を使うとるのかは話だけでは何とも言えんがな。
あんたは、面倒臭いということで比較的簡単に契約したようやが、こういう連中は、最初のトークで落ちなんだら、その上に「病気でこの仕事しかできない」とか「家には小さな子供が腹をすかせて待っている」と言い出す。
あるいは「このまま、何もなく帰ったらえらいめに遭わされる」「命を助けると思ってお願いします」と言い出す輩までおると聞く。
ワシらからすれば、唾棄すべき勧誘ということになるのやが、それに同情して契約したからというて違法性を問うことは残念ながらできん。それを理由に解約も無理や。
つまり、それが事実かどうかに関係なく、同情するという行為は、その人間が自発的に相手を思いやるということやから、法律の関与することやないとなるわけや。
それが、この泣き勧が、未だに残っとる大きな理由の一つやと思う。
ただ『取らなくてもいいから件数だけ欲しいからサインしてよ』というのは、違法性はありそうやけどな。
これは「サインしても購読しなくていい」と言うてることになるからな。あんたも、そう受け取ったと思う。
「サインしても購読しなくていい」というような契約は絶対にないから、これは間違いなく「不実の告知」というのに該当すると考えてええ。
消費者契約法の第4条1項に、契約の取り消し事由として、この「不実の告知」というのがある。それを理由に契約の取り消しを要求することはできる。
販売店次第では、それを告げれば「どうも、セールスがいい加減なことを申しまして」と謝って解約に応じる所もある。
そういう所は、その拡張員に対して怒っとる場合が多い。まあ、それも当然で、その拡張員は「購読なんかせんでもええから契約だけしてくれ」と言うてるわけや。
つまり、その拡張員は、新聞を売るよりも、その販売店から拡張料さえ貰えればええということになる。後で、客と販売店が揉めようと関係ないという考えで、そういう真似を平気でするわけやからな。
それを知れば、当然のように怒る販売店もおるということや。拡張員に対して厳しい販売店なら、その人間を出入り禁止にして、その拡張団に対してそれ相当のペナルティを要求する所もある。
しかし、それとは反対の対応をする販売店も僅かやが存在する。そういう販売店は、一度契約したものは有効やと考え解約されたくないという思いが強い。
その「不実の告知」にしても、その拡張員がそれと認めなんだら、証拠がない限り水掛け論になりやすい。そして、ほぼ100%の確率で、それを認める拡張員はおらんやろうと思う。
実際、そのパターンは多い。解約されたないと思えば、その拡張員側に立って客を責める販売店もおるわけや。
そういう場合、あんたは、あくまでも違法性を主張して徹底抗戦を試みるか、あきらめて購読するという二者択一の選択ということになる。
『確かにサインはしましたが、契約日や配達開始日、支払い方法、契約期間は記入もしていない』ということやが、ここで気になるのは契約日の記入がないという点や。
これは、突っ込める材料にはなる。通常、これは絶対に記入せなあかんことや。せやないと、クーリング・オフの告知義務に違反する畏れがあるからな。その期日の記載がないことで、クーリング・オフの告知をしてないと主張できることになる。
それを理由に解約を販売店に言えば、かなりの確率で「仕方ありませんね」と言う場合が多いやろうと思う。
もっとも、これに関しても簡単に認めん販売店もあるかも知れん。実際に、拡張員が行った日も、販売店はすぐ分かるということがある。
あんたも、その日を突きつけられたら「違う」とも言えんやろしな。その事実をあんたが認めたら、単なるミスということで処理されやすい。
せやから、解約が狙いなら、販売店に言うより先に新聞社の苦情センターに「契約日がないためにクーリング・オフできませんでした。これは告知義務違反ではありませんか」と言うて連絡してみるのも手や。
新聞社に頭の上がらん販売店なら、それで簡単に解約に応じるやろと思う。
それでも、納得せん販売店は、あんたに拡張員が実際に来た日時を認めさせようとするかも知れんが、そんな場合は、論点をそれにするのやなく、あくまでも「契約日の記載がないためにクーリング・オフができなかった」と告知義務違反を中心に主張することや。
9割以上は、それで解約できるやろうと思うが、それでも納得せん販売店とは、「不実の告知」の場合と同じく徹底抗戦ということになるやろな。
『配達開始日、支払い方法、契約期間は記入もしていないし(おじさんが勝手に6ヶ月と記入)商品価格の記載もされていない』
ということやが、配達開始日と契約期間は、あんたの話から7月からの6ヶ月と分かる。7月からと書かれていれば、それは7月1日からを指す。これについては、争っても無駄やと思う。
「おじさんが勝手に記入」ということやが、これはそれでええ。営業員が記入すべき事やから、これに関しては問題ない。あんたがサインしたことで、そのすべてを認めたということになるからな。契約書とは、そうしたもんや。
支払い方法も記載しとくべきなのは確かやけど、契約書の不備と言えるかどうかは難しいと思う。あんたの方で簡単に確認が取れるということでな。
それに、購読開始月の月末25日〜翌月5日までがこの業界での集金日の常識となっとるから、記載するまでもない、あるいは、うっかりしてたと言い逃れするやろうと思う。
商品価格が記載されてないというのも、手落ちと言えば言えるが、新聞の価格は1994年4月以降、13年近く値上げされてないということがある。
その契約において、値引きがあったというのなら別やが、なければ、その価格ということになる。
それに、新聞代の変更は、そう簡単にできるもんやなく、また変更するのなら、かなり前から、あらゆるメディアで報道されるから、ほとんどの人には知れ渡るはずや。
一般常識として、新聞代がいくらかということは広く知られとるから、これも問題にするのには弱いと思う。ただ、その販売店の資質が問われるとは思うがな。
『5月位に仕事が変わるかもしれないので、もしかしたら勤務地変更になるかもしれません』ということで、本当に転居になるのなら、その時点で、貰うた景品を返せば、問題なく解約できる。
これは、急な引っ越しということになるから、どんな販売店でも認めるしかないということでな。
引っ越しがなかった場合でも『じゃあ、7月からってことで。そこからまた12月からに延ばすこと出来るから。』と、その拡張員が言うた通り、たいていの販売店では、その程度の延長は認めるはずや。
日延べがええ方法とは限らんが、転勤の可能性があるのなら、それをするのも手ではある。
結論として、「不実の告知」「契約日の記載もれによるクーリング・オフの告知義務違反」などを主張して、販売店に解約を迫るか、揉めるのが嫌なら契約通り購読するのか、あるいは、転勤をあてに日延べするのか、いずれかを選択せなあかんことになるやろうと思う。
大半は、解約に応じるやろうとは思うが、その販売店次第では、どうなるかは未定や。
あんたの場合、どのみち、今、問題を起こしても後で起こしても結果はそれほど変わらんやろうと思うから、転勤の可能性があるのなら、日延べする方法を採った方が得策やないかな。
但し、徹底抗戦をするのなら、7月の購読開始までに結論を出した方がええ。そこから先の日延べをすれば、そのときに揉めて解約を主張するというのも難しいやろうからな。
そのときになって、また何か分からんことでもあれば、遠慮なく言うてくれたらええ。