新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.367 予約が重なり困っています
投稿者 M.Iさん 投稿日時 2007.2. 4 PM 1:26
はじめまして。今さっき、新聞店に行き解約の話をしてきたのですがいくつか腑に落ちない点があったのでお聞きしたい事があります。宜しくお願い致します。
契約をしたのが60過ぎの母で勝手に自分の名前を書き契約をして新聞店からかかってきた確認の電話にも出て了承してしまいました。自分には何の相談もなく新聞店からの話もなかったので解りませんでした。
契約をした母に詳しく話を聞いて、販売店からもらった契約書のコピーを追って行ってみました。
自分の住んでいる市にはAとBと2つの新聞販売店があって、BはAが終わってからで良いから言い、AはAでBが終わってからでいいからと誘い、契約が入り乱れています。
@平成15年7月から平成18年6月まで36ヶ月間契約をA販売店と結ぶ。
A平成18年7月から平成21年6月まで36ヶ月間契約をB販売店と結ぶ。
B平成21年7月から平成26年6月まで36ヶ月間で契約をA販売店結ぶ。
各契約ごとに洗濯洗剤を1ケース(12個入り)位を積まれたようでした。1度ドアを開けてしまうと景品を次々に積んで契約を結んでもらうまで帰らず粘るという状況だったそうです。
こういった感じでそうこうしているうちに母も何年先まで契約を結んだのか解らなくなってしまいました。
そのため平成16年8月にBとAの契約がかぶってしまい、その順延を申し込みにA店に行った所で話に乗せられ「順延してあげるからもう少し契約してよ」とか言われ最終的に@の残り分とこの先始まるAの分を合算して、そこに更にプラスしたようです。
度重なる契約の混乱と口車に乗せられて契約してしまったのは母のようなので瑕疵はこちらにあるような感じになってしまいました。
しいて言えば契約者の名前が私本人(世帯主)なのですが販売店からは何も説明がなかった(もちろん自分が契約を迫られていれば断固拒否しましたが…)、混乱に乗じて期間を延長したというところでしょうか…。
なのでとりあえず今年1年は一時停止で順延してもらったのですが、来年からは残り期間の契約が始まってしまい、それを受けざるを得ないのかなぁと思い始めました。
契約した時は母も目が見えていたのですが、2年程前から失明に近い状態で新聞は読めず、自分も母の介護のため新聞を読む暇もなく来たまま資源回収に出しているような状況です。家計も治療代等々で苦しい状況です。
以上の事を販売店に伝えて、契約の解約及び契約の短縮をお願いしたのですが『契約を交わした以上は……』と、取り合ってもらえませんでした。本当にダメなのでしょうか?
そして、もしダメだったとして契約を姉の家に引き継ぎのような事というのは出来るのでしょうか?姉は他県に住んでいるのですが…。
販売店との話の中で『引っ越しても全国に支社があるので追いかけます。』との事でした。
ただ今も毎週のように新聞の勧誘が来ているらしく(恐らく10年契約を結んだAとは別のB店)またおだてられて契約を結んでしまったりするのがとても不安なのですが、これを防ぐ良い手だてはあるのでしょうか?
もう少し様子を見て本人も目が見えないのに度々来られると不安らしいのでB店に出向いて止めるように行ってくるのも手なのかとは思うのですが…。
新聞契約の解約がこれほど困難なものなのかということを今回の件で改めて痛感しました。
なんだか一人で諦めモードに入ってしまいましたが、もし何か良い方法等があればアドバイス頂けると幸いです。
お忙しい所長々と、しかも複雑な経緯を盛り込みまして申し訳ありませんでした。
回答者 ゲン
確かにかなり、ややこしいことになっとるようやな。ただ、あんた次第では、現在購読中以外の残りの契約を取り消すことは可能やと思う。
あんたの話を聞いとると、すべての契約は、お母さんが、あんたの名前で代理契約をしていたということになる。
民法第113条に代理権を持たない者が、その他人の代理人としてした契約は、その本人がその契約を認めない場合は無効となるとある。
民法で言う代理権を持たない者とは、配偶者以外のすべての人間を指す。例え、親兄弟であっても、名前をかたって契約はできんということや。
夫婦であれば、民法第761条(日常の家事に関する債務の連帯責任)で「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責に任ずる」というのがあるから、新聞契約の場合は、代理権者として認められると考えてええ。それ以外はあかん。
例えば、親が子供の名前で金を借りることができんというのと同じ理屈やな。新聞購読契約のようなものを、法律用語では継続的役務契約と言うのやが、これは債権として扱われると考えられとる。
その契約者本人、この場合、あんたが「そんな契約は知らん。承諾できん」とクレームをつければ、法律上、契約を取り消すことができる。
『契約者の名前が私本人(世帯主)なのですが販売店からは何も説明がなかった(もちろん自分が契約を迫られていれば断固拒否しましたが…)』ということなら、この法律の規定で取り消しを通告することは可能や。
このことについては『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第1章 新聞営業の基本的な考え方 法律・規則編 その3 民法についての考え方』で触れとるから参考までに見てくれたらええ。
普通、そういうことを心得とる販売店は、留守番をしとるようなお年寄りから、その息子さん名義の契約をしたような場合は必ず、その本人にも承諾をとるもんや。
その息子さんから「そんな契約は知らんで」と言われたら、その契約をあきらめなあかんからな。
そのA・Bの両方の販売店は、おそらくそういうことは知らなんだのかも知れんな。知ってやってたとしたら、タチが悪い。
もっとも、お母さんの人の良さにつけ込んで、ここまでの契約を取るというのも、違法やないかも知れんが、タチの悪さは変わらんがな。
あんたの場合、@は、すでに終わったものやから除外するとして、現在購読中のAのケースは、実際、新聞が配達されとるわけやから、それを「知らんかった。承諾してない」と主張するのは無理があると思う。
それ以外のBに関しては「承諾してない」と主張するのは可能や。ただ、その販売店は「今までずっと同じパターンで契約してきたのやから、今さら承諾してないとは言えんはずや」と言うかも知れん。
その場合は「今までは、民法第113条の規定も知らなかったから、嫌でも仕方ないとあきらめていたが、この法律があると知った限りは、断固、拒否する」と主張すればええ。
ただ「とりあえず今年1年は一時停止で順延してもらったのですが」というのを、どういう形でしたかというのが、問題になる。
新たな契約書を作成され、それにあんた自身がサインしてしもうてたら救われん。当たり前やが知らんで済まん。正規の契約書になるからな。
これが、その販売店との話の中で、お母さんがあんたに内緒で、しかも販売店も、あんたに黙っていたということを認めた上でのものなら、取り消しをすることは可能やと思う。
ただ、こういうのは、後になって立場が拙いと思えば、言うた言わんということを平気で主張する者もおって、水掛け論になるかも知れんから、その言質は取っといた方がええ。
具体的には、何か録音できるものを持ち、その販売店に行って「どうしても気になったことがあるんで確かめたいのですが、今回の契約に関して、おたくの販売店ではどうして名義人である私に確認を取ってくれなかったんですか」と問い詰めることや。
「そんなもの、お母さんに言えば、あんたに知れるのやから、必要おまへんやろ」とでも、その販売店が言えば、それが言質となる。販売店が、あんたに確認、承諾を取ってなかったという何よりの証拠やさかいな。
あるいは「同居人であるお母さんが契約書にサインしたのやから関係ない」とでも言えば、それも立派な証拠となる。
そういう条件が揃えば、争うことはできる。ただ、その販売店が大人しく納得すれば問題ないが、それだけしつこい所やと、あんたが、家におらんときに来てお母さんを責めるやろな。
お母さんにもそういうことがあれば、その都度、あんたにそのことを話すように言い、こちらも、負けずに「何で私のいないときに来るんですか」と怒鳴り込んで行けばええが、その覚悟をしとかなあかんと思う。それが、ワシが冒頭で言うた「あんた次第や」という意味や。
もっとも、そうなったらなったで、また相談してくれたら、その対処も教えるがな。
『またおだてられて契約を結んでしまったりするのがとても不安なのですが、これを防ぐ良い手だてはあるのでしょうか?』
現在、お母さんは、目がご不自由ということなら、契約書にサインできんのやないかな。そういう状態で契約を取ろうと思えば、勧誘員が代筆する以外にはないと思う。
そうすれば、当然やが、契約書の筆跡が違うということで、文書偽造やと言うことができる。しかも、それがあんたの名前というのなら、お母さんから代筆を依頼されたということすら言えんわけや。
代理権者でない人間から、代筆を依頼されたと言うても、法律はそんなものを保護はせんからな。
しかし、それも、お母さん本人の名前で契約されると難しいことになる。
おそらく、お母さんは、あんたと違うて、その販売店の言いなりになる可能性が高いと思う。せやからこそ、現在もこういう事態になっとるのやろうからな。
お母さんが自分の名前でした契約の代筆を依頼したと言えば、あんたは何も言えんようになる。
もっとも、目が見えんということを承知で、その本人から新聞購読契約を取ったということで倫理的には責められるやろうけどな。
そして、その事実を新聞社にでも言えば、新聞社も無視はできんと思う。こういう問題はちょっとしたニュースとして扱われる可能性がある。そうなれば新聞社としても拙いはずやからな。
もし、できるのであれば、お母さんに、二度と新聞販売店とは契約をしないでほしいと頼むことや。
その際「勝手に契約したら、子供に怒られるから、直接、子供と話をしてほしい」と、言って逃げるように常に、お母さんを説得しとくことやと思う。
そうやないと、これから本当に困ることになる。
『B店に出向いて止めるように行ってくるのも手なのかとは思うのですが…』そうするのなら、やんわりした言い方やと効果はないと思う。半分、喧嘩腰でもええ。というても、暴力はあかんで。
「二度とうちには勧誘に来んといてほしい。例え、母から契約を取っても私は絶対に認めんからな」という具合や。現在、そのB店と購読中やと思うが、その販売店が「そんなことは認められん」とでも言えば「それなら、今取っている新聞も止める」と通告したらええ。
実際、現在の購読を止めることができんとしても、その販売店への牽制にはなる。
はっきり言うて、そのA・B両店は、あんたら親子を甘く見過ぎとるわけや。せやから、ちょっと、うるさいという所を見せたら、今までのようなことはなくなるはずや。
しかし、これも、あんた次第やけどな。
『契約を姉の家に引き継ぎのような事というのは出来るのでしょうか?姉は他県に住んでいるのですが…』こういうことは考えん方がええと思う。販売店も認めんはずやしな。
新聞の購読契約というのは、あくまでも、新聞販売店と個人との間の契約や。
あんたは、その新聞社と契約しとるという考えがあるのかも知れんが、新聞社は購読契約に対しては一切関係ないというのが表向きの建前なわけや。
せやから、販売店の言うたという『引っ越しても全国に支社があるので追いかけます。』というのも、絶対にあり得んことやと断言する。ただ言うてるだけのことや。
これは、逆に、販売店が契約は新聞社とのものやと思わせるために言うたことやと思う。
普通、引っ越しをすれば、その販売店からの配達はできんようになる。これを債務不履行と言うのやが、その状態になれば、契約は自然消滅する。
これは、販売店が何を言おうとどうにもならんことなんや。そんなことは、この業界では常識中の常識やさかいな。
もちろん、引っ越し先で、その新聞が必要やと言うのなら、新聞社は、顧客サービスとしてその斡旋はするが、それは契約に拘束されたものやない。嫌なら、拒否すればええ。それで終わる。
ただ、どんな形にせよ、契約を解除、または取り消しができたとしても、その契約を全うできんかったわけやから、その契約をするときに貰うたサービス品は返しておいた方がええというのは言うとく。
あんたは、いろんなことを考えなあかんと思うから、ゆっくり落ち着いて結論を出すことや。焦らんでもええ。