新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.376 新聞の契約期間の件でもめています


投稿者 S.K.K さん  投稿日時 2007.3. 3 PM 5:59


ゲンさんのホームページを見て明確に回答されており、私の悩みも聞いていただけないかと思いましてメールしました。

今回、初めて新聞の契約を致しました。最初に勧誘にきた際に1年契約を勧められ、ビール券(5000円分)、洗剤10箱を渡されて、そのときは元々そろそろ新聞を契約しようと思っていたこともあり、また得したような気にもなったので判子を押しました。

販売員が帰ってまもなくして販売所から確認の電話があり、契約確認も済ませました。その後、同日に「やっぱり1年は長すぎかなあ〜」と思って、販売所に電話して契約期間を6ヶ月に変更したい旨を連絡しました。

翌日になって同じ販売員がやってきて、こちらの契約の控えの12ヶ月分の○の内、6ヶ月分に直接ボールペンで取消し線を書いて販売員は「これで6ヶ月分の契約に変更されましたから」というので、こちらが「認印とか押さないで大丈夫なのか」と言うと、販売員は「大丈夫です。」と言いました。

さらに「景品も一度差し上げたものなので返さなくていいです。」と言って帰っていきました。

それで契約期間が変更されたかと思っていたら、最初の集金時、集金員の持っている契約書には、契約期間が1年のままになっているとわかり、その集金員に事情を説明して、その契約書(販売員が手書きで修正した紙)も見せました。

ところが、「営業員が勝手にやったことで販売所は関係ない」、「販売所の契約書には1年契約になっており、販売所の契約が上でお客さんの分は写しになるので写しがどうなっていようと販売所にある契約書が1年になっている以上は契約期間は1年です」と言って取り合ってくれません。

販売員が6ヶ月にして帰った後に、販売所に確認すればよかったと、今になって思います。なんだか詐欺にあった気分で腹立たしいです。

まだ販売所には連絡していません。まともに言っても聞いてくれそうにないのでどうすればよいかアドバイスを頂けると助かります。よろしくお願いします。


回答者 ゲン


『なんだか詐欺にあった気分で腹立たしいです』と言われる、あんたの気持ちは良く分かる。聞いとるワシも、そんな気分になる。

『販売員が6ヶ月にして帰った後に、販売所に確認すればよかったと、今になって思います』というのは、結果論や。

その販売店の人間を信用したというのも、一般読者とすれば無理もないことやと思う。確かにもっと注意すべきやったかも知れんが、ワシもそこまでは、あんたを責めることはできん。

その集金人が、どういう立場の人間かによって対応も変わってくるが、その返答の仕方は、お世辞にも程度がええとは言えんな。悪意が感じられる。

一般的に、こういうケースで、客から指摘があれば「店に帰って確認します」と言うもんや。その場で結論づける集金人というのは少ない。

それを言えば、その場で、もめるおそれもあり、うっとうしいだけやからな。それをそこまで言うのは、その集金人が、そこそこ責任ある立場の人間やという可能性がある。

『販売所の契約書には1年契約になっており、販売書の契約が上でお客さんの分は写しになるので写しがどうなっていようと販売所にある契約書が1年になっている以上は契約期間は1年です』と、断言するのは、そういう質問なりクレームが予測できているからやと思う。

おそらく、あんたのような事案は、その販売店にすれば日常茶飯事やないのかという気がする。それで、多くの顧客を押さえつけてきたのやろうと考えれば、つじつまも合いそうや。

本当に、1年契約を半年にするつもりやったら、契約書に販売員とかいう人間の自筆でそう記載するはずや。もしくは、新たに契約書を書き直すくらいのことをするもんや。

少なくとも『こちらの契約の控えの12ヶ月分の○の内、6ヶ月分に直接ボールペンで取消し線を書いて』ということで、事足りるということは言わんはずやと思う。

あんたの『認印とか押さないで大丈夫なのか』という指摘にも、素直に応じとる。その認印がなかったとしても、手書きのサインをすれば済む話や。本当に、あんたの申し出に応じるつもりやったら、そうしても何の不都合もないはずやからな。

それをせず、あんたの契約書だけにボールペンで線を書くというのは、後日、今回のようなクレームを受けた場合、「それは、お宅が勝手に線を引いたのでしょう」と言わんがためやという気がする。

何でそんなことをするのかという話になるが、それは、ほぼその販売員の独断やと思う。

理由は簡単。1年契約と半年契約では、貰える営業費、拡張料に差があるからということになる。ちょっとでも多い方がええと考えたのやろうな。

その場で、「それは困る」と言うた場合、まだクーリンク・オフの期間内やから、「それなら、契約せん」と、あんたに断わられるのを避けるためにそうしたと考えられる。

現在、あんたの持っている契約書を第三者が見た場合、どちらの言うことを信用するかによって、その答えが違うてくると思う。

客観的な立場で見れば、販売店の人間が書いたということも頷けるし、顧客であるあんたが、期間短縮を目論んで書いた可能性もあるということにもなる。

筆跡と違うて直線のみ引いたというのは、その証拠が曖昧なため、確かな判定は、誰にもできんやろうと思うからな。もちろん、そうしたという狙いは、そこにあるのやけどな。

それなら、どうしようもないのかと言えば、必ずしもそうやない。

今回、その集金人は『営業員が勝手にやったことで販売所は関係ない』ということを、無効の理由の一つに挙げとるようやが、これは現在では通用せんことや。

この集金人の言い方やと、その営業員というのは、拡張員を指しとると思われる。

以前までは、販売店は「拡張団とは別組織やから、その所属する拡張員のしたことは関係ない」と言うて通用した、あるいは通用させてきた事実が確かにあった。

しかし、2005年4月からの個人情報保護法の完全施行以降、その言い分も通用せんようになった。

この個人情報保護法の導入により、新聞社、販売店、及び多くの拡張団が、不良拡張員の駆逐にやっきになっているという事実がある。

これは、社会正義というようなことよりも、保身のためと考えた方がええやろと思う。

この法律の施行により、この個人情報保護法に関する訴訟、裁判沙汰が各分野で急激に増えており、これからもその傾向は続くものと思われる。

今までは、新聞社も販売店も別組織の営業委託業者である拡張員がした不始末やから関係ないと言い逃れができた。と言うよりしてきた。

しかし、それができんようになった。それで、訴訟問題ということにでもなったら、いくら新聞社と言えども、どうにも隠し切れんからな。

公然の秘密とされてきた勧誘の不正が公になることも十分、考えられる。

それには、個人情報保護法第十七条の『個人情報取り扱い事業者は、偽りその他不正な手段により個人情報を取得してはならない』と、あるのが大きいと思う。

不正というのは、法律に触れることを意味する。脅迫主体の喝勧、騙しなどの手口を多発する不良拡張員は、正にそれに該当し要注意ということになる。

その連中は、そういう方法で長年に渡り契約を取ってきたんやからな。

この業界は、その契約を取ること自体が、個人情報の収集につながる。

新聞購読の契約書は、契約者自身に氏名、年齢、住所を書かせるのが一般的や。一部の契約書には、勤め先の情報まで記入する欄がある。個人情報以外の何物でもないわけや。

不正に慣れ、それが勧誘の仕事と思い込んどる連中に、それを急に止めろと言うても効果のないことは、新聞社や販売店も良う知っとる。

指をくわえて放置したままやと、いつ何時、新聞社、販売店の責任を問われるような事件を引き起こされるか分からんからな。

現段階での、この法律は、業者だけを対象としたもんやから、よけい戦々恐々となっとるわけや。

そして、それを防ぐには、そういう連中の放逐、追放が一番やと考えとる。表向きは、教育、指導とは謳っとるが、誰もそんなものに期待はしとらん。

そして、現実に、その動きは、日増しに激しさを増しつつある。

そんな中で、新聞社は、販売店に、拡張員を含むすべての営業業務者に社員証というものを発行させ、その管理下に置くように指示指導しとる。

この時点で、販売店は、その拡張員に対して、他組織の人間やから関係ないとは言えんということになったわけや。社員証を発行しとる以上、明確な使用者責任というのが生じるのやからな。

狙いは、そういう責任を被りたくなければ、不正な拡張員を使うなということにある。ケースにより、販売店は拡張団の受け入れを拒否しづらいということがあるが、それでも、不正を働く拡張員は入店拒否できる。

そういう特定の不良拡張員の入店を拒否しても、どこからも文句の出ることはない。むしろ、新聞社も拡張団もその販売店の姿勢を支持するはずや。

その集金人は、そういうことを知ってか知らずか、昔ながらに通用していた台詞を平然と言うてるわけや。

もっとも、こういう事情を知らんかったら、それで納得する客もいとるのやけどな。

せやから『営業員が勝手にやった』と言うたということ自体、あんたに対して行った事実を認めたということになる。

その言質が取れれば、あんたの主張を、その販売店に認めさせることは可能やと思う。販売店が認めんでも、その確かな証拠があれば、新聞社の苦情センターにでも言えばええ。

ただ、現在のままやと、集金人が『営業員が勝手にやった』と主張したとしても、肝心の販売店に『知らん』と言われたら、水掛け論になるだけや。

その言質が必要になる。

その方法を教える。その集金人がどういう立場かは別にして、その販売店の責任者に直接連絡を入れて聞くことや。

ひょっとすると、その集金人とは別の返答をして、意外にあっさりと、あんたの要望を受け入れるかも知れんからな。

普通は、期間の変更くらいは簡単に応じる販売店の方が多い。変更を渋るのは、契約を取ったその場の勧誘員くらいなものやと思う。

販売店にすれば、1年契約が6ヶ月契約になっても、止め押し(契約継続依頼)で延ばせばええという考えになるさかいな。

そうなれば、それで解決や。ただ、その場合は、念のため「安心のため、契約書を書き換えてほしい」と言うとくことや。それで終わる。

ただ、その集金人の考えが、販売店の意向と同じということも考えられる。おそらく、このケースは、その可能性の方が高いと思う。

電話で問い合わせる場合は、やりとりの内容を録音できるようにしとくことや。

相手が責任者ということを確認した上で「最初に契約したとき1年だったのですが、その契約した○月○日に、お電話で6ヶ月契約に変更してもらったのですが、間違いありませんよね」と、穏やかに尋ねる。

「いや、こちらの契約書では1年契約になってますよ」

「あれ?それはおかしいですね。その日、契約を取られた販売員の方が来られて、私の契約書の控えに記入されていた12ヶ月分の○の内、6ヶ月分に直接ボールペンで取消し線を書かかれて『これで6ヶ月分の契約に変更されました』と確かに言われましたよ」

「販売所の契約書には1年分の契約になっており、販売書の契約が上でお客さんの分は写しになるので写しがどうなっていようと販売所にある契約書が1年になっている以上は契約期間は1年です」と、集金人と同じ答えが返ってきたとする。

「もし、そうだとすると、その販売員の方はどうして、そんなことをしたのでしょうか」

「それは営業員(拡張員)が勝手にやったことで販売所は関係ない、知らん」と、同じことを言えば、それであんたの勝ちになる。

今度は、その会話を録音しとるわけやから、言質は取れたということや。さらに、続ければ、それがより確実なものになる。

「それは少し変ではありませんか。その販売員の方は、お宅の社員さんですよね」

「それは、拡張員やから、うちとは関係ない」

「そんなはずはないでしょう。そちらの販売店では、確か社員証を携帯して勧誘されておられるはずでしょう?」

「そんなものは、持たせてない」と、こう言えば、当然のことながら墓穴を掘ることになる。おそらくは、言葉に窮するはずや。そこで、さらにタタミかける。

「そうであるなら、その社員さんのしたことを知らないとは言えないでしょう。使用者責任というのがあるはずですよ」

それでも、あくまでも「知らん、認めん」ということなら、あんたは「それでしたら、新聞社の苦情センターおよび新聞公正取引協議会に相談するしかありませんが」と言えばええ。

そこまで、言えば「分かりました。6ヶ月契約に変更します」と言う確率は高いやろうと思う。もし、それでも無視するようやったら、本当に連絡したらええ。

ただ、新聞社の苦情センターにせよ新聞公正取引協議会にせよ、どちらも契約のもつれやと言うと取り合わんおそれがあるかも知れんから、言い方には注意しといた方がええ。

ポイントは、その販売店の不正行為やということを強調することや。

「○○販売店さんから来られた販売員の方が、契約書に1年契約を6ヶ月契約に変更してもらった印があるのに、その販売店さんから、営業員が勝手にしたことだから知らないと言われて困っています。その販売員さんは、社員証を所持されているのですから、使用者責任というのが、あるはずでしょ。勝手にやったから知らないでは通用しませんよね」

「本当に、そう言ったのですか」

「ええ、こちらには、そのことを言った電話の会話を録音したものがありますから確かです」

こう言えば、たいていは、新聞社から、その販売店に連絡を入れることで、折れるはずやと思う。

因みに、新聞社の苦情センターはネットで調べればすぐ分かるやろうが、新聞公正取引協議会という組織について、ちょっと教えとく。あまり、聞き慣れんやろうしな。

そのネーミングから、公正取引委員会と同列の組織のような印象を受けられる一般の方が多いと思われるが、これは、まったく別の組織で、民間団体や。正しくは『社団法人新聞公正取引協議会』という。

これには、111新聞社(発行本社)と150系統会(新聞社別・地域別の新聞販売業者団体)の参加事業者が会員となり、組織されとるものや。分かりやすく言えば、新聞社、販売業者の代表組織ということになる。

新聞の勧誘においての違反行為を監視することが、その主な仕事であり、目的や。新聞勧誘の正常化を目指すための組織ということになっとる。

これも、ネットで『新聞公正取引協議会』に、その地域名(例、関東、関西)を入れて検索すればヒットするはずや。

順序としては、まず新聞社の苦情センター、そして新聞公正取引協議会というのがええと思う。

それで、たいていは解決つくと思うが、それでもだめな場合は、また連絡してくれたらええ。その状況に合わせて、対処方法はいくらでもあるから、いつでも相談に乗る。


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