新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.38 新聞社の対応に疑問があります


投稿者 セイドクさん 男性 投稿日時 2004.11. 1 PM10:50


先日のことですが、たちの悪い拡張員が来ました。私が「帰れ!」と言ってもなかなか帰らず「うちの会社には怖いのがいてて、契約をもらえないと帰れんのです。助けると思って3ヶ月でもいいからとって………」としつこく粘ります。

いいかげんうんざりした私は「それが、こっちと何の関係がある。いらんから帰れ!」と怒鳴って追い返しました。すると、その拡張員は「この人でなし!」と言いながらドアを蹴り上げて帰って行きました。

頭に来た私はすぐその拡張員が勧誘にきた新聞社に苦情の電話を入れました。するとその新聞社はあろうことか「その勧誘員と当社は関係なく、監督する立場にない」と言い出しました。

私は「お宅の新聞を勧誘しているのに関係ないとはどういうことか」と詰め寄ると「このような勧誘員は当社でも迷惑しています。調べて善処しますので」と慌てて取り繕うようなことを言って電話を切りました。

私はどうしてもこの新聞社の対応に納得出来ません。ゲンさんはこのHPを拝見する限り道理の判かった方のようにお見受けします。この新聞社の対応の真意を教えていただけないでしょうか。また、こんな対応が新聞社にとっては普通なのですか。


回答者 ゲン


新聞社の対応の悪さと言うことやけど、勧誘員を直接、監督する立場にないというのが、表向きのスタンスになっとるから、そうなる。また、そう言い逃れ出来る組織形態やと言うことや。

表向きの新聞勧誘は、各新聞販売所が独自に顧客獲得をするということになっとる。新聞社は、その販売所の申告による顧客の増減を元に紙面を卸しているという仕組みや。

つまり、新聞社は、新聞部数の増減は各新聞販売所次第やから、そのことに管理監督は出来んと言うてるわけや。新聞社も一企業で、新聞販売所も一企業ということになる。会社と会社の商取引ということや。

加えて、新聞拡張団への勧誘依頼は、各新聞販売所がしとることになっとる。新聞拡張団もほとんどが会社組織や。従って、新聞販売所と拡張団も会社と会社の商取引ということになる。

新聞社にとって、拡張員は関連会社でも何でもない他の企業の雇用者ということや。その雇用者の行為を監督する立場にはないと言うとるわけや。確かに、商法等の法律でも管理出来る使用人は、その企業内の人間だけに限られとる。

さらに、新聞社は景品表示法の自主規制を制定し、公正取引委員会に協力している姿勢を示し、通達という形で拡張員の登録を義務付けることで、不良拡張員の排除に努力しとるということをアピールしてるちゅうことや。

その辺の詳しいことは『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第1章 新聞営業の基本的な考え方 法律・規則編 その5 景品表示法についての考え方』を見て貰えれば分かる。

せやから、新聞社の言い分は、我々もそういう不正な勧誘には迷惑している、となるわけや。必然的に対応が、拡張員を管理監督する立場にない、ということになる。

新聞勧誘の苦情は日々、相当数ある。個別に新聞社が一々対応なんか出来んというのが本音や。担当者も、そういう苦情は「管理監督する立場にない」と思い込むことで、対応しとるということや。

一種のマニュアルやな。あんたへの対応もほとんどの新聞社にとって普通の対応ということになる。

それなら、拡張員の苦情を新聞社に言うても全く無駄なのかというとそうでもない。対応する担当者にも色々おる。いい加減にあしらう者もおるが、中にはその販売所に連絡する者もおる。

電話を受ける者も人間やから、新聞社が悪い、お前が悪い的な文句では、どうしても敬遠しがちな対応になる。新聞社の人間は、前述の理由で、自分には預かり知らんことと思うてるからよけいや。

こんな場合はお願い的な言い回しの方が効果がある。

「私は、お宅の新聞には何も恨みも悪意も持っていませんでしたが、このような行為をされる拡張員の方がおられると、真に不本意ですが、お宅の新聞自体を嫌いになるかも知れません。どうか、お願いですから、このような行為は注意して頂けないでしょうか」

という具合やな。これやと、電話を受けた方も、そうやなと思う可能性もある。こういうのは、一つの戦略や。絶対とは言えんがな。

もっとも、文句を言うだけですっきりすると言うのなら、好きに罵声を浴びせたらええが、それやと何も解決せんよ。

実際、その新聞社の人間が、あんたに直接、嫌な思いをさせてへんのやったら、文句を言うても始まらんやろと思う。それよりも、味方にするように話して、本当に嫌な思いをした拡張員を懲らしめるために、拡張団や販売所に連絡を取るように仕向けた方が得策やと思うがな。

表向き、新聞社は管理監督する立場にないと言うてるが、実状は違う。販売所も拡張団も新聞社の指示は絶対や。逆らうことは出来ん。電話1本がかなり効果的なんや。表と裏の顔がこれほどはっきりしとる業界も珍しいやろと思う。

もっとも、その絡繰りは外からやと分かりにくいがな。裏があると言うても、その証拠は探しにくいようになっとるし、見つけても法律に触れるようなもんは少ない。何とでも言い逃れ出来るようにもなっとるしな。

ワシもこのHPで散々、その絡繰りを説明したつもりやけど、それでもまだほんの一部だけに過ぎん。長くなるから、それは折に触れ、その都度、話すことにする。

今回は、あんたの疑問ということで、こういう回答になったんやが、分かって貰えたかな。また、何か不審に思えることがあったら遠慮せんと聞いてくれたらええ。


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