新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.385 なぜ金券廃止の流れになったのか教えて下さい
投稿者 haruka さん 販売店勤務 投稿日時 2007.3.25 AM 0:40
千葉県のA紙とY紙の販売店は、4月から、金券廃止で、営業する事は、間違いないです。なんでこういう流れになったのか、知っていたら教えて下さい。
この無読が、増えている時代に金券廃止するのは、もっと、無読になる人が増えると思います。販売部数も、減るだろうし。本社の人間は、何考えてるのか知りたいです。
実際うちの販売店も、数日前から、金券廃止しました。いつも、ビール券5枚で6か月契約してくれていたお客様も、ビール券くれないなら、契約しないと言うようなお客様が、何人もいます。
はっきりいって金券5枚くらいで、契約くれるお客様を捨てるのは、自分は、間違っているのでは、ないかと思います。
3か月、金券15枚とか20枚みたいな物取りのお客様は、いらないと思いますけど。げんさんとハカセは、どう思いますか?
回答者 ゲン
金券の廃止については、以前から言われてたことや。すでに、廃止や販売店が自主的に使用禁止にした所も多い。
景品のサービスは、景品表示法の上限である、景品の最高額を取引価格の8%又は6ヶ月分の購読料金の8%のいずれか低い金額の範囲と決められとる。業界で言う「6.8ルール」というやつや。
6ヶ月契約なら1884円分までのサービスしかできんということになる。
それからすれば、あんたの所のビール券5枚というのは、一番低価格のビール券(缶350ml2本)1枚が457円やから、最低でも2285円となり、この景品表示法に違反する。
景品表示法での一般的な他業種の上限は、取引価格の10%や。それで計算すると2355円までとなり、ビール券5枚というのは、本来セーフになっとるはずやった。
それを新聞業界は、自主規制で取引価格の8%と決めた。そうすることで、公正取引委員会の承認を得て法律でそうなったという経緯がある。
体裁を良うしようということなんやが、それがある限り、新聞業界とすれば、それに違反することは、公式には容認できんということになる。自ら決めたに等しいものやからな。
しかし、この新聞業界は、グレー・ゾーンの広さということで言えば、今までは他のどの業種よりも群を抜いた存在やったと思う。本音と建て前を見事に使い分けていたと言うてもええ。
公正取引委員会にしても、あきらかな違反と分かっても、摘発までにはなかなか至ってないというのが現状やった。そのグレー・ゾーンに付き合うてたか、単に摘発するための人手が足りんかっただけか、あるいは証拠が掴み切れてなかったのかは分からんがな。
ワシらを含めて、この業界の者なら、あんたの所のビール券5枚くらいは普通やないかと考えるはずや。違反しとると責める者も少ないと思う。
今までは、新聞社も細かくは咎め立てもせんかった。それが、ここにきて通用せんと考えるようになった。
考えられる理由は幾つか挙げられる。
一つには、行き過ぎた金券を渡す勧誘員が、ここ最近、特に目立ったため、その違反の摘発を厳しくせなあかんということやろうと思う。
『3か月、金券15枚とか20枚みたいな物取りのお客様』というのは、間違いなく、そういう勧誘員が育てたはずや。極端な例で言えば、新聞代に匹敵するか、それ以上の金券や現金を渡すということすらあるという。
実際、そういう報告も数多く、このサイトにも届いとるしな。
あんたの販売店は、ちゃんと普通にやってると思うが、中には販売店主導でそれに荷担しとるというのもあるようや。
そういうのが多発すれば、新聞業界も立場上、看過できんことになる。
業界として何も手段を講じずに放置すれば、ヘタをすると、去年、沈静化した「新聞特殊指定の見直し」というのが、再燃しかねんからな。
今度、そうなれば、前回のように上手く収まるという保証はどこにもない。前回も、綱渡りに近いくらい危ういものやった。次はないと、業界が考えても不思議やないということになる。
それなら、その違反だけを取り締まればええやないかという意見も聞こえてきそうやが、それもかなり難しい状況にあるようや。
特に、その辺りの一部の販売店や拡張団、拡張員のそういった暴走を、最早食い止められん状況になっとると考えられるさかいな。
現実に、それを憂う販売店の中には、拡張員の入店そのものを拒否するという所も現れとる。それしか、それを防ぐ方法がないということでな。
そういう状態で、組織が採用する方法として、最も多いのが、一切禁止という非常手段や。
それで、どの程度、暴走を食い止められるかは分からんが、少なくとも、新聞業界の確固たる姿勢は示せる。そのための「金券廃止令」と考えた方が、ワシには自然に思える。
確かに、あんたの『この無読が、増えている時代に金券廃止するのは、もっと、無読になる人が増えると思います。販売部数も、減るだろうし』と言うとおり、部数減になるのは避けられんやろな。
『ビール券くれないなら、契約しないと言うようなお客様が、何人もいます』ということで、止め押し(継続契約依頼)すら難しくなるのも間違いないと思う。
一般読者にすれば、今までしてたサービスが何でできんのやと考えるのが普通や。
たいていの客は、その契約時、あるいは前回の更新時に貰ったサービス品のことは良う覚えとるもんや。止め押しの際、それを下回るようなことがあれば、たいていクレームをつけられる。
それを拒否せざるを得んわけやから『ビール券くれないなら、契約しない』となるのも避けられんやろな。
『本社の人間は、何考えてるのか知りたいです』と、あんたが怒る気持ちも良く分かる。
こういう命令を出す限りは、出す方もバカやないから、ある程度の部数減は覚悟しとるはずや。
新聞特殊指定の見直しが決定し、万が一にも廃止ということにでもなれば、新聞の再販制度そのものの崩壊にもつながる大事や。それと、目先の部数減とどちらを取るかという選択になる。
結果、多少の部数減には目をつむることにしたのやろうと思う。背に腹は代えられん、というやつや。
ただ、その部数減については、少なくとも2年ほど前から、その腹を決めていたというのは知っていた。それを覚悟で、不良拡張員を駆逐しようとしてたというのは確かや。
そのことについては『NO.81 爆カード廃止の取り組みについて』 でも話とるから、参考のために見てもらうたらええ。
このときは、1年契約でのビール券の使用限度を10枚までにするという通達が出てた。
しかし、結果的には、それは何の歯止めにもならんかった。それに従ったのは、まじめな販売店であり、拡張員たちだけやったからな。
効果がないとなれば、それ以上のものを出さなあかんと考える。それが、金券廃止ということやと思う。
先にも、触れたが、金券を使用すると、どうしてもその金額をごまかすようなことはできんから、あんたの所のようなまじめな販売店でさえ、法律の規定をオーバーするということになる。
法律違反は犯してしまえば、それが大きいか小さいかの違いはあっても罪に問われるのは一緒や。無実とはならんからな。
金券を扱えば、どうしてもそういうリスクがつきまとう。それなら、いっそのこと、それをなくしてしまえば、罪には問われにくいやろうという発想になる。
実際、品物なら、その金額は何とでも操作しやすいからな。金券は、その点、ごまかせんが、品物なら安売りや業者との話し合いでいくらでも安く仕入れることはできる。また、そう言える。
例え、その品物が、客観的に法律をオーバーしているように見えたとしても、実際の仕入れ伝票を確認せんことには、その立証は難しいからな。
例えば、客に渡す5枚のビール券に相当する、実際の商品は、350mlの缶ビール10本を、法律の規定内の金額、1884円以内で買うたというのは十分通用する話や。事実、それで買える所はいくらでもあるはずやさかいな。
あんた所の店が、新聞社の方針を受け入れたのなら、それに腐らず前向きに考えていくしかない。
この業界は、新聞社の決定には逆らえんさかいな。決まったことなら、守らなしゃあない。
ただ、何度も言うが、それで新聞社の狙った効果が得られるかどうかというのは分からん。ワシ個人とすれば、怪しいと思うがな。
道を踏み外した者に、正しい道に戻れと言うても難しい。特に禁止すれば事足りると考えるようではな。犯罪者に法を守れと言うてることに等しいさかいな。
ただ、管理指導する立場からすれば、それを言わなしゃあないから言うてる、というのが一番近いと思う。
あんたの慰めになるかどうかは分からんが、ワシらの方では、かなり前から、ビール券や商品券を扱うてない店の方が圧倒的に多い。
全国的に見ても、廃止傾向にある。これも時代の流れと受け止めることや。
確かに、一時的には、客が減るかも知れんが、他の販売店も同じということなら、結果的にはそれほど大差はないもんや。営業のやり方次第では、ある程度は補えると思う。
あんたには信じられんかも知れんが、ワシらの方では、6ヶ月契約の客は、洗剤5箱だけでカード(契約)にしているんやで。もっとも、他の販売店も似たようなもんやからやけどな。
金券撤廃に関連した話は『NO.351金券撤廃について』 でも、言うてるから見といてほしい。
これは、拡張員の人からの、金券撤廃に際しての勧誘の対策について意見を求められたものやけど、前向きに考えるのやったら参考になるのやないかと思うしな。
ある拡張員の方から、これに関連した情報を教えてくれたので、それを紹介しとく。
投稿者 近所の新聞屋さん 投稿日時 2007.3.27 PM 11:56
自分は東京と神奈川と埼玉の一部を拡張している団に所属しているものです。
こちらでも4月から金券類は一切廃止になります。自分はY紙の団ですが、A紙も同じく4月からは一切金券類は禁止になります。
本社が言っている、金券類禁止の表向きの理由は、偽造ビール券や偽造商品券がでまわっているとのことが書かれた紙をY紙本社からもらいました。でも本当の理由は、過剰な金券サービスを抑制するためです。
もし金券類を使ったりしたことがばれたら、本社は団との取引を停止すると言っているらしいです。他の地区は分かりませんが、少なくともこちらの地区は金券類は一切禁止になります。