新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.386 今の段階で何か出来ることはありませんか


投稿者 さゆさん  投稿日時 2007.3.29 AM 10:06


初めまして。母(53歳)が10年先まで新聞の購買契約を結んでいます。10年間同じ会社ではなく、2年ずつ5社です。

何故そんな先まで・・・?と聞くと「契約員が頑張っていたから」との返事。中には6年以上前に契約したものもあり、どれもクーリングオフ期間は切れています。

今はいいですが、10年後なんてどうなっているかわかりません。例えば母が寝たきりになっていたり、死亡していた場合、この契約は無効とすることができるのでしょうか?

母本人は契約を無効にする意志はなく、私と夫は無効にしたいです。

今の段階で何か出来ることがあったら教えて頂きたいです。


回答者 ゲン


『今はいいですが、10年後なんてどうなっているかわかりません』ということを心配される前に、あんたに少し考えてもらいたいことがある。

その後で、あんたの危惧に対する対処法について言及したいと思う。

お母さんの名義で交わされた契約で『契約を無効にする意志はなく』というのなら、今の段階で何を言うても難しいやろうな。

『私と夫は無効にしたいです』というのが、あんたらご夫婦の稼ぎの中から、それが支払われとるのなら別やが、そうやなく、お母さん独自の生計でされておられることなら、意に背いた口出しをするのはどうかと思う。

『母(53歳)が10年先まで新聞の購買契約を結んでいます。10年間同じ会社ではなく、2年ずつ5社です』

というのは、あんたらご夫婦の年代の人にとっては「なぜ?」という気持ちになるのかも知れんが、お母さんにとっては、違うはずや。

53歳というと、ワシとは、ほぼ同年代やから、ある程度、その考えは理解できる。

ワシらが、まだ若い時分には、テレビはあったが、インターネットというのは皆無やった。その時代の一番の情報源は新聞や。

そして、その新聞を購読するというのは、単にその情報を知るという以外にも、多くの付加価値があった。

ワシらの若い頃は、世間一般では新聞を読むことは常識という風潮が強かった。極端なことを言えば、取ってないということで、無教養、貧乏臭いという悪評まで立てられていた時代があったほどやさかいな。

また、その年代の人には、新聞を実際に良く読み込んでいる人も結構多い。ニュース記事だけやなく、小説やコラムなど、特定の記事を楽しみに購読しとる場合もな。

他にも、その新聞の切り抜きなどをして楽しんでいる人も、おられる。

さらには、この年代の人は、新聞の利用法を単に紙面を読むこと以外でも活用している場合が多々ある。

折り込みチラシを欲するのもそうやし、新聞紙そのものの利用価値もかなりあると知っとる。

当サイトのメルマガ『第31回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■古新聞の利用法?』にその詳しいものがあるから、興味があれば見てくれたらええ。

そういう環境を長く生きてきた人には、新聞というのはなくてはならん存在やというのは、理解してほしいと思う。

ある日、突然、それがなくなれば、言いようのない寂しさに襲われる人も多い。耐えられんほどになる。あんたらには、理解不能なことかも知れんけどな。

お母さんくらいの年代の人が、生活費を切り詰めるという名目で新聞を止めても、すぐまた取り始めたという事例はいくらも見てきた。

おそらく、お母さんにとって、それを取れ上げられるということは、今の若い人から、携帯電話やパソコンを取り上げることに等しいことやと思う。それくらい新聞のなくなった生活は考えられんようになっとるわけや。

もし、今回のことが、金がかかり無駄やからという発想が根底にあるのなら、もう一度、物事の原点に戻って考え直してほしい。

お母さんにとって、何が大切なのかということを。

人には、当然やけど、その人、それぞれに必要なものというのがある。必要なものの中には趣味というのも含まれる。それが、お母さんにとっては新聞やと考えれば、その言動も納得がいくのやないかと思う。

携帯電話やバソコンと同レベルのものやということがな。それを考えれば、コスト的にはそれほど高いものでもないはずや。

何でもそうやけど、それが必要な人には、他からはどんなに無駄に思えても、なくてはならんものなわけや。それが、長年に渡って慣習となっているものなら、尚更ということになる。

それらのことを良う考えて頂いた上で、あんたが抱く危惧についてのアドバイスをする。

『何故そんな先まで・・・?と聞くと「契約員が頑張っていたから」との返事』というのは、新聞を購読しとる理由はそれだけやないとは思うが、お母さんが人のええ性格なのは間違いないようや。

もっとも、あんたの怒りは、そういう性格につけ込んで、次から次に契約を取る新聞販売店が許せんということにあるのやろうがな。

こういうケースは、多くはないが珍しいというほどでもない。もっとも、10年後の契約を取って、良しとする販売店も、どうかという気はするがな。

そうするのは、販売店側もリスクを負うことやからな。

ワシらの方の一般的な販売店では、最長でも契約日から4年後までの契約までしか認めん所が多い。

もっとも、販売店としての例外はあるかも知れんが、少なくともワシら拡張員にはそう通達しとる。その意味で言えば、業界として見た場合でも、10年以上というのは長すぎると思う。

しかも、『中には6年以上前に契約したものもあり』ということで、いったい、いつまで待つんやとなるからな。とはいえ、こういう契約の取り方は、今はまだ違法とされておるものやない。

そのうち、こういうことが原因でトラブルが多発すれば、将来的にはどうなるかは分からんがな。

『例えば母が寝たきりになっていたり』という理由で、契約を無効にはできんが『死亡していた場合』というのなら、取り消せる可能性はある。

ただ、その場合、お母さんのご主人が生存されておられ、同居されていたら、そのまま引き継がれるということは多いがな。

これは、民法第761条(日常の家事に関する債務の連帯責任)に該当すると思われるからや。

『夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責に任ずる』とあるのがそれや。

独居の場合は、無条件に契約解除となる。販売店は、それは仕方ないとどこでも考えとるもんや。この業界には、それが不文律として存在しとる。

参考までに、『NO.288 故人が契約した新聞購読をやめる時』でも、そのことを説明しとる。もっとも、この相談でも、契約の解除については、販売店も異議を唱えとるわけやなかったがな。

多くの販売店は、購読者が大病などで購読料の支払いが困難になれば、その時点で契約を解除する場合が多い。

評判を気にする販売店は、特にそうや。

無理にそれでも、契約やと押し通すのは体裁が悪いし、そういうケースは結果的にも、購読料を払うて貰えんということが多いから、普通はあきらめることの方が多い。

せやから、よほどの販売店以外、お母さんが寝たきりなった場合は、契約解除には応じるはずや。

いずれにしても、お母さんが現在している契約で、お母さん自身が支払い不能になった場合は、話し合いで解決つくと思うから、あんたらご夫婦には、それほど負担はかからんと思う。

もっとも、そのケース毎でも違うから、一概には言えんがな。

『今の段階で何か出来ることがあったら教えて頂きたいです』というのは、気長に説得するのが最も有効な策やと思う。

あんたのお母さんの場合、明確に『本人は契約を無効にする意志はなく』という姿勢を示されとるから尚更や。

お母さんの53歳というのは、現在の平均寿命を考えれば、まだまだ若いから、ヘタに『10年後のことは』と言われても、反発されるだけやと思う。「いらんお世話や」と。

そして、こういうケースで人を説得する場合は、自分の価値観を押しつけんことや。親子というのは得てしてそうなりがちやが、人の価値観というのは、それぞれやと理解して尊重せなあかん。

相手の価値観を否定して話しても、それは受け入れられるもんやない。そのことを踏まえた、具体的な説得のトークを今から教える。

「お母さん、新聞を取るのは反対せえへんけど、あまり先の契約をしてると、嫌になったとき、簡単には解約できへんねんで」と言う。

多くの人は、新聞の契約くらいいつでも解約できると考えとる場合が結構ある。簡単に考えとるわけや。

業界では、あんたのお母さんのような長期の契約を結ぶことを「縛る」という表現をする。

文字どおり、それで契約の自由を奪うことになる。

契約書が交わされた場合、クーリング・オフとか販売店にあきらかな不法行為があった場合や急な引っ越し、単身契約者の死亡以外で契約解除をするのは、実際問題として、かなり難しい。

それでも、あえて解約しようと思えば、販売店により、解約違約金を請求される場合もあると覚悟せなあかん。実際に、そういうケースが多いさかいな。

そういう現実は、このQ&Aを見れば数多くあるというのは分かるはずや。その中の一例でもええから、雑談の中でもさりげなく言うておく。

「賢い人は、短い契約をするもんなんやて」と言うて、「そうやね」となったら、現在の状態でも何とかなる。

『10年間同じ会社ではなく、2年ずつ5社です』というのを短くするように説得するわけや。これは、お母さんさえ、その気になれば、それほど難しいことやない。

このケースでは当然やけど、その5社の販売店もすべて、その状態を承知のはずや。

販売店は「解約する」と言えば抵抗するもんやが、契約期間の短縮ということなら、比較的簡単に応じるもんや。

今回の2年ずつ5社での契約というのは、その各販売店にとっても、大してメリットも少ないと考えてええ。

一度、その契約が終了してしもうたら、次に順番が回ってくるのは早くても8年後ということやからな。

そこで、お母さんに「なるべく、いろんな新聞を見たいから、契約を短くしてもらえませんか」と、各販売店に頼んでみたらどうかと持ちかける。

1年契約にすれば、最長で5年後までとなり、半年契約なら、2年半までや。販売店もその周期で契約が廻ってくることになるから、嫌とは言わんと思う。

これなら、いざというときでも、今よりか負担は少なくて済むはずや。あんたの言うとおり、世の中、何があるか分からんさかいな。

ただ、あんたが、この件について、どういう姿勢で、普段から、お母さんに言うてきたのか分からんけど「娘夫婦は、私が新聞を取ることに反対しとる」と考えとるようやと、説得は難しいと思うよ。

そうなると、その新聞の長期契約の是非云々より「私のすることに反対された。否定された」となりやすいから、意地を通すということにもなりかねんしな。

言えば、何を言うても聞く耳もたんという状態になるわけや。そういう状態やと感じたら、お母さんが分からず屋という捉え方をするのやなく、あんたの説得が間違っていたと謙虚に認めることや。

もの分かりが悪い人間と、それを分からせる人間のいずれに落ち度があるのかと問われたら、ワシは間違いなく後者やと答える。

もの分かりが悪いと嘆く人間に、人を説得する資格はないと常に思うとる。

これは、営業にも通じることやけど、人への説得というのは、それくらい難しいものなわけや。その難しさは、ワシは日々、痛感しとるさかいな。

それさえ心得とれば、親子やねんから、あんたの思いはいずれ通じるはずや。ただ、その程度次第では時間をかけなあかんやろうがな。

そういう意味で、気長に説得するのが最も有効な策やと言うたわけや。分かってもらえたやろうか。


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