新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.389 こんな配り方ってアリですか?
投稿者 cham さん 投稿日時 2007.4. 4 AM 10:38
ゲンさん、はじめまして。新聞の配達方法で疑問に思ったことがあったので、よろしければ教えてください。
数ヶ月前、早朝(5時頃?)に外を見たら、アパートの前(敷地内)に新聞が山積みになっているのを見つけました。
その後も度々、目にするようになり、車で来て置いていくのも見たことがありました。
明るくなる頃には消えているので、そこから各配達員が分けて持って行ってるのでは?と思っていました。
それだけでも無責任だと思ったし、借りているアパートとはいえ勝手に置かれるのは
不愉快でした。
雨の日などは軒下に置いてありました。1階の方の玄関の前にです。
置き方も雑だし、地べたに直接置いた新聞も配るのか?知らずに食卓に乗せたらどうする?と益々不愉快に思っていたところ、先日、道路に新聞紙が散乱しているのを見つけました。
汚らしいし、舞い上がってドライバーの視界を遮ったりしたら事故になりかねないと思い、集めてビニール袋に入れて外の柵に結びつけ、私が契約している販売店に電話しました。
こういう配達方法を取っている販売店を知らないかと聞くつもりでしたが、「それはうちです」との回答。しきりに謝っていました。
こんな方法はやめてほしいということと、柵に結びつけたゴミを回収してほしいと伝えました。
でも、もしかしたら場所を変更しただけで、このやり方を変えていないのだとしたら、またどなたかが迷惑をこうむることになりますよね?
こんなこと、どこの販売店でもやっているのでしょうか?
バレなきゃいいだろうと高をくくっているのだとしたら、今まで好印象を持っていた販売店だけに、残念な思いです。
回答者 ゲン
あんたの言うてるのは「置き紙」と呼ばれとる類のものやと思う。
何らかの理由で、その地域の配達を依頼しとる配達員が、販売店まで来られないために、販売店の人間がそこに新聞を運んどるのやろうと考える。
一番多いケースとしては、徒歩でその地域一帯を配達する配達員のために、こういう方法が採られることがあると聞く。
こういうのは、大規模集合住宅の団地やマンション群では、ありがちなことや。たいていは、そこの住人に配達員となってもらい、その配達を任せるために新聞を置いておく。
一部のマンションには、セキュリティの関係で、例え配達員でも中に入れん所がある。そういう場合、そこの住人に、その分の配達を依頼することがあるということや。
『それだけでも無責任だと思ったし、借りているアパートとはいえ勝手に置かれるのは不愉快でした』ということやが、これについては、たいていの販売店は、私有地に置く場合、その所有者の了解を取っとるはずや。
もしくは、それを置いとる場所が、その配達員の家のすぐ近くというのも十分考えられる。
『雨の日などは軒下に置いてありました。1階の方の玄関の前にです』というのが、その配達員の部屋の前やとしたら、それも可能性とすれば考えられる。
ただ、それが雨の日のみで、1階の方が部屋の内側から開けることも困難なような場所に平然と積まれていたというのなら、違うかも知れんな。そういうことなら、話にならん。
あんたの気持ちは分かるが、アパートの所有者の了解を取ってのことなら、違法な行為とも言えんから、ある意味、仕方ないと思う。
それでも、『地べたに直接置いた新聞も配るのか?』というのは、たいていはビニールか紙や布で包んどることが多いのやが、むき出しというのは頂けんな。
『知らずに食卓に乗せたらどうする?』と言われておられるとおり、置き紙をするのなら、そこまで考えとく必要はある。それがないというのは、無神経やとそしられても仕方ないわな。
加えて『先日、道路に新聞紙が散乱しているのを見つけました』というのも論外な話や。
『汚らしいし、舞い上がってドライバーの視界を遮ったりしたら事故になりかねないと思い』というのも、ワシには良う分かる。
ワシは、実際、そういう現場には何度も遭遇したことがあるさかいな。
昔、京都で拡張の仕事をしてたときに、古紙回収業のテツという男と知り合い、組んで仕事をしたことがある。というても、ワシは拡張員でテツは古紙回収員や。
その絡みを話すと長くなるから、詳しくは『新聞勧誘・拡張ショート・ショート・短編集 第6話 危険な古紙回収』を暇と興味があれば見てくれたらええ。
この中でも言うてるが、ちり紙交換車にヘタな者が古紙を積み込んだ場合、良く荷崩れを起こすことがある。
それが道路に崩れ落ちたら、そこいら一面、紙ふぶきが舞ったようになる。たった一くくりの新聞の束でも飛散すれば相当なものや。それが数束落ちてくることも珍しくなかった。
京都の道路上には、そういう新聞が飛散した痕跡が多い。その痕跡を辿れば紙問屋に行き着くほどや。
その頃、ワシが良う目撃したのは、西大路通り七条から十条の区間が特に多かった。今もそうなのかは分からんがな。
話が少し逸れたが、せやから『汚らしいし、舞い上がってドライバーの視界を遮ったりしたら事故になりかねない』というのが、実感として分かると言うたわけや。
実際、運転中にそれに遭遇すると慌てることもあるさかいな。ワシは、幸い事故には巻き込まれなんだが、危険なことには違いない。
『集めてビニール袋に入れて外の柵に結びつけ、私が契約している販売店に電話しました』というのは、実に適切な処置やったと思う。
ただ、『柵に結びつけたゴミを回収してほしいと伝えました』というのは、それでええが、『こんな方法はやめてほしい』と言うのは、ケースにより難しいと思う。
『借りているアパートとはいえ勝手に置かれるのは不愉快でした』と言うておられるが、厳密に言えば、あんたには、販売店に直接、それを申し入れる資格はないと思われる。お願い事なら構わんがな。
「そんなことは、あんたには関係ないやろ」とでも言われたら、それまでやからな。
あんたが借りているのは、室内のみで、権利を主張できるのはその範囲に限られる。
敷地は、あくまでもアパートの所有者のものや。この場合、その申し入れをするのなら、そのアパートの大家にすることやな。それが筋やと思う。
その大家に「近所の販売店が、毎朝、新聞を置いて迷惑しています。止めさせてください」と苦情を言うのなら、これは筋が通る。
その大家が、無断でそうされとるというのなら、販売店に苦情を言うやろうし、それを許可しとるというのなら、あんたに具体的な被害がない限り、それ以上は何も言えんということになる。
何で、ワシが、ここまで言うのかと言えば、それを止めさせるということは、その販売店、およびその配達員の生活をも脅かすことに、つながりかねんと考えるからや。
販売店は、人件費というコストダウンの一環としてやっていることやろうし、そこの配達員は、その条件でなければ配達が不可能やから、そうしとるというのがある。
世の中には、単車はおろか自転車にすら乗れんという人がおる。そういう人でも何かアルバイトをしたいとなったとき、その販売店との利害が一致して、その方法で職を得ることができる。
実際、この方法なら、単車や自転車に乗れんでも配達が可能やさかいな。それを止めさせるということは、その人たちの職を奪うということになるわけや。
さらに言えば、特殊なケースやが、日本全国の販売店のほとんどが、1年のうち1日、つまり元日の配達に、この置き紙というのをする。これなくしては、元日の配達は不可能という所は多い。
元日の新聞が異様に分厚いというのは知っておられると思う。普段の3倍〜5倍というのが一般的や。
つまり、それを配達するには、普段は一度に積み込める新聞を小分けせんと無理やから、何度も単車で販売店を往復せなあかんことになる。
普段どおりの配達をしていたのでは、地域、販売店の配達員の都合次第でも若干違うが、とても元日の朝に配達を完了させるのが無理になる場合が生じる。
その苦肉の策として、この置き紙というのをするわけや。
もっとも、これは、どこか1ヶ所にまとめ置きをするというのやなく、その各配達順路上に、それをサポートする者が順番に小分けして置いて行くものやけどな。
そういう意味では、この置き紙というのは業界には必要なことやと言える。
いずれにしても、その置き紙をするには、するだけの必然性と理由が、その販売店にはあるはずや。少なくとも、人に迷惑をかけようとか、エゴのためにしてることやないとは思う。
まあ、例えそうは言うても『道路に新聞紙が散乱している』というのは、あかんがな。地べたにむき出しの新聞を置くのも改めた方がええ。
『場所を変更しただけで、このやり方を変えていないのだとしたら、また、どなたかが迷惑をこうむることになりますよね?』というのも避けなあかん。
それらの行為をなくし、その置く場所の了解を得ているのであれば、あんたには気にいらんことかも知れんが、この方法に違法性はないと考えるから、問題はないと思うがな。
むしろ、生活の知恵、企業努力に属するものやとも言える。それで、そういうアルバイトを得ることのできん人に職を提供することができるのなら、社会的にもそれなりに意義のあることやと思う。
せやから、同じ業界人のワシとしては、理解できるようやったら理解してやってほしいと言うしかない。それなりに理由のあることやと。