新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.39  どうすべきか悩んでいます


投稿者 T.Nさん 男性 投稿日時 2004.11.04. AM1:48   


はじめまして。今日、新聞勧誘の方が来て、新聞の購読契約をしました。この契約の内容に疑問があるためゲンさんへ相談させていただきたいと思います。

内容ですが、勧誘員の方は初め来月から3ヶ月の契約をしてくれないか?とのことでした。しかし、私は来月で隣県へ引っ越すので契約は出来ないと伝えました。

すると、勧誘員の方は、「それじゃあ、来年の4月から10月までの半年間契約をしてくれないか?」と言いました。

私は「引っ越して、本人が住んでないのに新聞を取るのですか?」と聞いたところ、「あと0.5ポイントでノルマが達成できるから、今だけ口裏を合わせてもらって、販売店には契約したことにして、来年の3月(契約開始の1ヶ月前)にもう一度販売店から電話がかかってくるから、その時に転勤になって、とれなくなったと言ってくれ」と言われました。

「お金は払わなくていいんですね?」と聞くと、「いっさい払わなくていい、今ポイントを稼ぎたいだけだ」といわれました。渋々、勧誘員に頼まれて契約をしてしまいましたが、契約書にはクーリングオフの期間は8日間とあるので、来年の3月にやっぱりとれないと言えば、違約金が発生するのではないでしょうか?

本当に勧誘の方のポイントのためだけに嘘をつくくらいなら、ビール券も貰ってしまったこともあるので、そのようにしようと思いますが、違約金など取られるとしたら、クーリングオフの手続きをしたいと思っております。アドバイスをお願いいたします。


回答者 ゲン


今がクリーリングオフの期間内なら、すぐその手続きをした方がええ。明らかにその勧誘員の行為は詐欺行為やからな。今のあんたは、それと承知でその行為に荷担した共犯者という立場になる。ビール券なんかを貰うとるというのも拙い。

何でそういうことになるのかと言うと、あんたがこの契約を了解することで、その拡張員は、その販売店から拡張料を騙し取ることになるんや。あんたは、そこで新聞を取ることはないということを知ってて、それに荷担しとるわけや。そのあんたにもビール券の利益供与がある。

詐欺罪の適用条件、金品を出させ騙し取るということになる。

「来年の3月にやっぱりとれないと言えば、違約金が発生するのではないでしょうか?」ということやが、販売店にもよるが、そう言う所もある。その場合は、あんたは勧誘員と結託した共犯者という立場を突いてくる。

その場合も、その勧誘員が販売店の従業員なら、それほど問題なく収まることもあるが、あんたの話の内容からするとその勧誘員は拡張員やと思う。

このHPを見てくれたのなら拡張員と販売店が別組織の人間やというのは分かってくれてると思う。販売店と拡張員が良好な関係にあるというのは少ないと思うてた方がええ。

特にこういう拡張員の出入りしとる所はな。その販売店もそれまで、この手の拡張員にかなり騙されてるはずやからな。もっとも、こういう販売店にも問題はあるんやがな。

そういう嘘を並び立てる拡張員は、たちが悪いというのが相場や。例えば、あんたがこのことを正直に販売店に言うたとしよう。しかし、その拡張員は、おそらく「ワシはそんなことは知らん。ビール券欲しさの客の作り話や」と言うて逃げる確率が高いやろと思う。

「そういうことを言うたワシが悪いんです」ちゅうなことを言う拡張員は最初からこんなことはせん。下手したら、あんただけ悪者にされるかも知れん。

「あと0.5ポイントでノルマが達成できるから、今だけ口裏を合わせてもらって……」みたいな話を真に受けたらあかん。こんなものは、その拡張員の営業トークや。誰にでもいつでも言うてることや。よどみなくすらすらとその言葉が出たやろ。

ちょっと、考えたら分かることやけど、誰も好きこのんで自分の営業力のなさを訴えるような弱みのある話を、見ず知らずのあかの他人にはせんと思うで。するとしたら、それで得をするからや。

営業になるならその場限りの恥や外聞は何とも思わん営業員は拡張員に限らず、どの世界でも多い。ましてや、それが営業トークともなれば尚更や。

あんたは、気のええ人やと思う。その拡張員に頼まれて断り切れなかったという気持ちがが働いてそういうことに荷担したんやと思うが、世の中というものは甘うはない。

頼みを聞いて助けたという、その気持ちが伝わらんばかりか、とんでもないしっぺ返しを食らうことも多い。

業界ではあんたみたいな人を「丸い人間」と呼んどる。営業員はあんたみたいな人を捜しとると思うて間違いない。ただ、全部が全部、この拡張員のように人を陥れる者ばかりやない。情に訴えようとはするがな。

そやからと言うて、あんたの性格を直せと言うてるのやない。人を思いやる気持ちは人間にはなくてはならんもんや。しかし、世の中にはそういう人間の気持ちを巧みに利用しようという輩も存在するということを知っておいた方がええ。

もう一度言うが、クーリンクオフの期間内なら、すぐその手続きをした方がええ。8日間の期限というのは、郵便局へ配達依頼する日が、8日間以内ということや。相手の販売店に通知が行くまでの期間やない。

法律サイトでの多くは内容証明郵便を出すように勧めとるが、別に配達証明ハガキでも構わん。相手に通知した証拠さえあればええ。いずれにしても文書でというのが基本や。

念のために簡単に書式を紹介しとく。尚、これはハガキの場合や。郵便局の窓口で、配達証明付きと言えばそのようにしてくれる。


                            
                           平成○年○月○日
        新聞販売所の住所(契約書に記載。多くはゴム印が押してある)  
          ○○新聞販売所
          代表者(名前が分かればその名前。分からなくてもいい)殿

                        
                         差し出し人の住所
                                氏名    印


                          通知書

         私は、平成○年○月○日に貴社のセールスマンと新聞購読契約を           
         結びましたが、特定商取引に関する法律第九条の規定に基づき本        
         書面をもって上記契約を解除致します。


これが準備出来たら、まずは、その販売店にその趣旨の電話をしてみる。この時、理由は一切言う必要はない。やっぱり、考え直したという程度でええ。クーリングオフのハガキを送付することを伝える。

良心的な販売所なら簡単に了解してくれる。その拡張員も押さえるやろうから大した問題にはならんで終わりや。

せやけど、中には対応の悪い所もある。その具合で、あまり対応が良うないと思うたら、内容証明郵便を出しといた方がええかも知れん。より安全にという意味でな。

貰ったビール券の返還もしといた方がええ。大抵の販売所はすぐ来るはずやから、その時、返還する。理由を聞くやろうけど、販売所の人間には、考え直したを繰り返し言うといたらええ。

下手に正直に言うと、騙そうとしたのかと開き直る販売店もあるかも知れんからな。あんたの行為は厳密に言うたら、詐欺未遂ということになる。そそのかされたというのは、情状酌量の余地はあるが、無罪とはならん。

あんたのような人は、そこを突かれたら返答出来んやろうから言いなりになってしまうおそれがある。

幸い、クーリングオフは相手に理由を告げる必要はないから、それで押し切ることや。当の拡張員が来た場合も、やっぱり止めとくの一言でええ。

これで、あんたも良う分かったと思うが、まあええかと何でも安易に考えたらとんでもない落とし穴に嵌る。あんたにしたら、半分はその拡張員に対する善意の気持ちからやろうけど、世の中には理不尽なことがあるもんなんやということを心しといた方がええ。

しかし、あんたとは正反対の人間も中にはおる。引っ越しするのが分かってて契約して景品を貰うとする輩や。

ワシも過去に何度もこういう連中に煮え湯を飲まされたことがある。何ぼ、ワシでも数ヶ月後に引っ越しすることまでは分からんからな。まともなカードと思うてたのが不良カードやからな堪らんで。

あんたの所に来た拡張員の肩を持つわけやないけど、こいつはこういう客に当たることが多いのやろうと思う。黙って契約してどろんしたら終わりやと考えとる連中なんかや。

何でこんなことが出来るのかと言うと、客がエリア外に出たら販売所はよほどでないと追いかけることはせんし出来んからや。

その客が例え、違うエリアで同じ新聞を取っていたとしても、前の販売所にはその情報は伝わらん。よほど仲のええ販売所同士やったら或いはということもあるかも知れんけど、ほとんど、そういうことはない。

新聞本社にしても、顧客リストは各販売所から上がるから部数としての顧客は把握しとるが、顧客内容まではほとんど関心ないし、例え問い合わせがあったとしても、その販売所にも、他の販売所の顧客情報の内容は教えん。

新聞社にとって重要なのは現在、購読者かどうかであって、その購読者が過去何をしてたということは関係ない。購読者の悪事を暴いても新聞社には何のメリットもないからな。

せやから、黙ってどろんしようと思えば難しいことやない。せやけど、そんなことをして後悔するのも詰まらんやろ。ちゃんとした、手続きを踏んだ方があんたのためやと思う。

そして、これに懲りて、これからはこういうことに気をつけることやな。苦言を言うと、あんたのようなタイプはこれからも、こういう勧誘員に狙われることが多いと思う。

ただ、そのことが分かっていたら、自ずとどうしたらええか分かるやろと思うけどな。


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