新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.391 どうすれば、この真実は公になるのでしょうか?
投稿者 mimizo さん 投稿日時 2007.4.11 AM 10:50
NO.390での早速の返答、有難うございました。
非常に解りやすく、細かい説明をいただきましたので例の会社がどういう立場にいるのかすぐに理解できました。
その販売店は、地方紙の中でもわりと歴史があり、体制も古いようです。
何に腹を立てているかと申しますと、現社長の独裁者的支配ぶり(パワハラは日常的)は異常。チラシの持ち込みは隠す、古紙回収の引き取り金額の隠蔽。
自分達家族は好きに海外旅行に行き、最近は高級車を購入。社員の給料やボーナスは減額。
娘・息子が「あの人嫌い」と嫌った社員を、コンサルタントの先生と組んで、社長室に呼び、事件を捏造して毎日攻め立て自主退社に追い込む・・・・・・・etc
細かい苦情も沢山ありますが、ひとつ大きく許せないことがあるのです。
後継者認定を受けた息子が一社員として在籍しています。この息子、ある事(投稿者、および販売店の特定を避けるため詳細は伏せる)で訴えられ、現在は検察庁まで書類があがり、数回に亘り聴取・現場検証されています。
この事は社員に知られていないと思い込んでいる本人たちの恐ろしいこと。社員から配達員まで内情を知っているのに・・・・・・。
知っていてもどうにも出来ない拡張員さん達は、こんな極悪非道な人間たちに毎日、「部数が足りん!」と怒鳴れてるのが、なんとも可哀そうな話です。
どうすれば、この真実は公になるのでしょうか?
回答者 ゲン
『どうすれば、この真実は公になるのでしょうか?』ということやけど、そうするつもりなら慎重にした方がええと思う。
ヘタすると、あんたの身を危うくするかも知れん。あんたの怒る気持ちは何となく分かるがな。
あんたは、話からすると、そこの社員さんのようやが、公にすることで、どうしたいのやろうか。もう一つ、ワシには分かりにくいのやけどな。
その経営者への社会的制裁ということなのか、または経営者が改心することを望んでいるのか。それとも、給料やボーナス分の減額分を返せと要求したいのかな。
確かに、あんたの話を聞く限り、この販売店の経営者は、えげつない部類に属する人間には違いなさそうやけど、この程度なら、それほど珍しいというほどでもないと思う。
『現社長の独裁者的支配ぶり(パワハラは日常的)は異常』というのが、具体的な事例が分からんから、何とも言えんが、ワンマン経営者ということなら、この業界の販売店店主にはありがちなことや。
『チラシの持ち込みは隠す』というのは、新聞社に対して折り込みチラシを報告していないということなのかな。
新聞社によれば、折り込みチラシが多ければ、その分、補助金も少なくするという所もあるようやから、それを嫌さに申告せず、ごまかすというのも考えられる。
その確かな証拠がつかめるのやったら、それをもとに、新聞社に暴露すれば、なにがしかのペナルティを、その販売店が受ける可能性はある。
あるいは、それは、押し紙、積み紙の類によって、実売部数と公売部数に大きな開きがあり、チラシの納入業者から不法にそのチラシ代金を取りすぎとるというのやったら、その事実を、該当のチラシ業者に教えれば、揉めてトラブルになることも考えられる。
しかし、その場合の決着は、たいてい、その納入業者が、次からチラシを入れんということで終わる例が多いがな。その納入業者にもよるやろうが、販売店とすれば、それほどの痛手にはならんと思う。
もっとも、そのチラシ業者が「詐欺で訴える」とでも言うのなら別やが、ワシの知る限りそういうのは少ないからな。
『古紙回収の引き取り金額の隠蔽』というのは、ちょっと意味が分かりにくい。経営者がそうしたとして、誰かがそれで不都合になるとか困るということが起きるのやろか。
これは、新聞社に報告せなあかんということでもないやろ。押し紙にせよ、積み紙にせよ、その分の新聞代は払うとるはずやしな。それを勝手に処分したというて咎められたという話は聞かんけどな。
税務署に申告する帳簿に載せてないということやろうか。厳密に言えば、そうすることで、多少の税金逃れ、脱税ということになるかも知れんが、古紙回収の引き取り金額なんか、タカが知れてるはずやで。
そちらの古紙の相場は分からんが、聞く限りは、4トン車満載で1〜2万円あったらええ方ということや。どの程度、それがあるのか知れんが、それが、月に数度やったとしても、脱税に結びつくほど高額のもんやないと思うがな。
『自分達家族は好きに海外旅行に行き、最近は高級車を購入』というのは、社員からは不平不満の対象にはなるやろうけど、言えばそれだけのことや。
それ自体に違法性はない。例え、社員が集団で、その販売店の経営者に文句を言うたとしても、聞く耳がなければ、どうにもならんことやと考えるがな。
『社員の給料やボーナスは減額』というのも、大半は経営者の裁量の範囲内として認められることが多い。
ただ、そういう販売店なら、労働基準法を無視した労働の強要というのは良くある話やから、訴えるのなら、それを指摘した方がええ。探せば、何らかの違法性が見つかるかも知れん。
例えば、労災や雇用保険に加入してないというようなケースやな。これらについては、それぞれ『ゲンさんのお役立ち情報 その1 労災についての情報』や『NO.71 新聞販売店は労災に入ってない?』、『NO.117 どうすれば気まづい思いをせずに雇用保険に加入出来ますか』が、その参考になるのやないかと思う。
『娘・息子が「あの人嫌い」と嫌った社員を、コンサルタントの先生と組んで、社長室に呼び、事件を捏造して毎日攻め立て自主退社に追い込む・・・・・・・etc』
これも聞く限りは陰湿で、えげつないの一言やけど、それは、その被害者が訴え出んことにはどうにもならんことや。
結局、その被害者が自主退社したということなら、それを持って不当解雇とも言えんやろうしな。
ただ、その被害者が、その方法を知らんと泣き寝入りしとるというのなら、当メルマガ『第93回 ■ある新聞販売店での出来事 前編』および『第94回 ■ある新聞販売店での出来事 後編』を見てもらえれば、その参考となるものがあるはずや。
これは、ある読者から投稿された事件をもとにした話や。これを見て頂いたら、えげつない販売店やひどい話というのは、この業界には結構あるもんやと分かるはずや。
何しろ、この当時者は、殺されかけ、警察が介入した事件の被害者にも関わらず、それを握り潰された挙げ句、何の落ち度もないのに解雇されたのやからな。
他にも、表には出せんえぐい話も数多く報告されとる。何も、あんたの所だけが特別ひどいということでもない。その中におると、どうしてもそこが特別やと思うやろうけどな。
要は、その当事者が泣き寝入りするか闘うかということに尽きる。
その当人が、闘うという意志を決めたのなら、そのためのアドバイスは惜しまんけど、その気でないのなら、どうしようもないと言うしかない。
あんた自身が、その被害者やと言うのなら別やが、そうでないのなら、いくら憂いてみても仕方ないのやないかな。
『後継者認定を受けた息子が一社員として在籍しています。この息子、ある事(投稿者、および販売店の特定を避けるため詳細は伏せる)で訴えられ、現在は検察庁まで書類があがり、数回に亘り聴取・現場検証されています』
というのは、その検察が罪に問えると思えば公判に持ち込むやろうし、裁判で有罪となれば、その息子とやらは刑に服さなあかんことになる。言えば、それだけのことにしかならん。
もっとも、新聞社によれば、そういう醜聞を嫌うこともあるから、この件が発覚すれば、その店が改廃(廃業)に追い込まれるというのも可能性としてはあるがな。
新聞社と販売店が取り交わしとる、たいていの業務取引契約書には、そのことを明記した契約解除の条文が必ずあるはずや。ついでやから、その一般的なものを示しとく。
法令の遵守事項
乙(契約販売店)は、本件業務の遂行において、新聞業における景品類提供の制限に関する公正競争規約、特定商取引に関する法律、消費者契約法、個人情報保護法、その他関係法令を遵守しなければならない。
乙(契約販売店)が次の各号に該当すると認められたとき、甲(契約新聞社)は、何ら催告を要しないで本契約を解除できる。
1.乙が納税業務を怠ったと認められたとき
2.乙もしくは、乙の管理下のスタッフが刑事事件を起こしたとき
3.乙もしくは、乙の管理下のスタッフが甲の信用を傷つける行為があると認められたとき
4.本契約の条項のいずれかに違反したとき(契約書の全文を掲載するのは無理やから省略する)
5.その他、甲が必要と認めたとき
というものや。この契約書の内容の是非は別にして、新聞社は、いつでも販売店を切り捨てることができるわけや。現実に、これらに該当して改廃に追い込まれた販売店は多いさかいな。
せやから、この一件が、その新聞社の耳に入れば、あるいは、その可能性もあるということや。保証はできんがな。
ただ、あんたが率先してそうするのは勧められることやない。あんたのためにならん。それについては、もう少し後で話す。
この条文を見てもろうたら分かるが、あくまでも新聞社の判断次第という側面が強いというのは分かると思う。
せやから、例え、その情報をリークしても新聞社がお咎めなしと判断したら、それまでや。そして、この状況では、ワシの感触やが、その可能性は、かなり高いやろうという気がする。
これが、他紙の新聞ネタにでもなったというのなら別やが、その息子が引き起こしたという事件程度のことは、世間一般にもありがちなことやから、それもなりにくいやろうと思う。
その販売店が何かのことで全国的に有名か、もしくは、有名人や有力政治家の身内が経営しとるというケースなら、考えられんこともないがな。
要するに、それなりのニュースバリューがないと、他紙に掲載されることはないということや。それがなければ、新聞社は醜聞とまでは判断せんやろうと思う。
特に『その販売店は、地方紙の中でもわりと歴史があり』ということなら、よけいそうなりやすい。そこそこの部数もあり、新聞社とも密接につながっとるやろからな。
『この事は社員に知られていないと思い込んでいる本人たちの恐ろしいこと。社員から配達員まで内情を知っているのに・・・・・・』
ここまでは、問題ないが、そのことを、あんたが積極的に外に向けて知らせるのは拙いと思う。あくまでも、誰が言うたか分からん噂話の域に止めとくことや。
率先して、その噂話を広めれば、仲間内からも足下をすくわれるおそれがある。残念なことやが、こういう経営者に迎合する人間は、どこにでもいとるからな。
これについては「何ちゅうやっちゃ」と思う前に、そういう人間がおるというのを予期した上で何事も行動するべきや。
世の中には、損得で動く人間は多い。同じ考えの仲間と連む者もおれば、経営者に取り入った方が得やと考える人間もおる。そういうもんやと考えとれば、ある程度、慎重になれるやろ。
あまり、声を大にして言えることやないけど、ワシらの世界は、そういうのが多いから、迂闊なことは言えんというのは骨身に染みとるさかいな。
名誉毀損罪というのがある。これは、例えそのことが事実であっても、それを吹聴すれば、その罪に問われ、損害賠償を請求されかねんというものや。
ワシが、冒頭で「ヘタすると、あんたの身を危うくするかも知れん」と言うたのは、そういうことや。
あんたが、その噂のネタもとやと思われたら、馘首(クビ)にされる口実を与え、その上、名誉毀損による損害賠償も請求されるおそれがある。
新聞社に訴えた場合、あんたも名乗る必要が生じる。そこから、逆にあんた自身が特定されかねんという事態にもなりかねん。
もっとも、そのリスクを承知の上なら止めはせんけどな。
あんたの匿名性をある程度、保証してもらえるのは、他紙の新聞記者、週刊誌、ジャーナリストということになるが、先にも言うたとおり、ニュース性の乏しいものには、誰も食いついて来んはずや。
ワシらも、このサイトの関係で、高名なジャーナリスト、週刊誌の記者、元新聞記者の方々から日頃、付き合いさせて頂いとるが、その人たちの話を聞く限り、そうとしか言えんということや。ネタとしては、聞く限りの内容では弱い。
ワシの結論として、その販売店の行為で泣いておられる人がいてるのやったら、あくまでも、その違法行為の証拠を掴み、その本人が何らかの法的手段を講じるしか、その恨みを晴らす道はないやろうと思う。
あんたにとっては不条理なことかも知れんが、人の非を暴くというのは、考えるほど簡単なことやないわけや。また、それを簡単に考える者は、とんでもないしっぺ返しを食らうことになる。
ただ、気に入らん、腹が立つという程度で行動すれば、かえって、窮地に立たされることもあるからな。
最後に『知っていてもどうにも出来ない拡張員さん達は、こんな極悪非道な人間たちに毎日、「部数が足りん!」と怒鳴れてるのが、なんとも可哀そうな話です』というのは、それほど考える必要はないと言うとく。
こんな程度の罵声を浴びるくらいは、拡張員を続けとれば何ぼでもある。また、そういうものを気にするようやと、この仕事できん。
はっきり言うて、通常の団では、カード(契約)の上げられん者は、毎日のように責められる。ワシらの存在価値は、そのカードを上げて初めて認められるわけや。
そのカードを上げられずに罵声を浴びせられるのは、ある意味、職業柄仕方のないことやと思う。それについては、たいていの拡張員がそう認識しとるはずや。
それに、子供やないねんから、そう言われることに腹を立てとるのやったら、その拡張員自身が言い返さなあかん。ワシなら、相手が誰であれ間違いなくそうする。
それができんというのは、その拡張員たちの問題やから、あんたが気遣う必要はないと思うがな。
これも言うとくが、そういう情けは表立ってかけん方がええで。その販売店の経営者の手前というのもあるが、そういう情けを、そこの社員にかけられて喜ぶとは思えんからな。
ワシが、その立場なら嫌やさかいな。
あんたにとっては、拍子抜けの回答やったかも知れんが、その気があれば、これから以降も、そういう販売店なら、いくらでも不法行為を起こしそうやから、常にその証拠を集めとくというのも一つの手や。
それが、いつか功を奏することがあるかも知れん。せやけど、それで例え功を奏して、その販売店がつぶれるような事態になった場合、あんたは本当にそれで満足なのやろうか。
よけいなお世話かも知れんが、必要以上に恨みの念は持たん方がええと思う。どういう結果になっても、あんたにとってプラスになるとは、とても考えられんからな。
老婆心ながら、くれぐれも慎重にとだけ言うておく。