新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.398 100%新聞紙による古紙製造の有無について


投稿者 カズさん  投稿日時 2007.4.21 AM 8:56


はじめてお伺いします。

新聞紙とチラシの混入率によって古紙の品質に差が生れると云うことは理解できます。

しかし、実際に新聞社で使われている用紙は、チラシ混入のままで再生処理された古紙と、パルプから作られた真新しい用紙を混入して作られた用紙を使い印刷されているものと考えますし、また、この方がリサイクルコストを含め用紙のコストが安くつくのであれば何の問題もないと思います。

そこでお伺いしますが、現に新聞紙とチラシを分別仕分けして新聞100%で回収されている地域、古紙回収問屋・ストックヤード。更には新聞100%で回収された家庭排出新聞紙で新聞用の用紙を再生処理されている製紙会社をご存知でしたら、お知らせいただきたいのですが!宜しくお願いします。


回答者 ゲン


そういうのは、拡張員のワシには分かりにくい質問やな。ワシは、新聞を売るのが仕事で、それを作っとるわけやないからな。

ワシの友人に古紙回収業をしとるテツという男がおるから、そいつから聞いた話を中心に答えられる範囲で良ければ答えたいと思う。

『現に新聞紙とチラシを分別仕分けして新聞100%で回収されている地域、古紙回収問屋・ストックヤード』というのは、確実なものは分からんということや。

新聞紙とチラシの分別回収を謳っとる地域は多いが、それが100%守られとるかというのは何とも言えんという。その地域の回収する組織と住民の意識の問題でかなり違うからな。

テツ曰く、新聞紙とチラシの徹底した分別を呼びかけとる地域でも、数%のチラシ混入があるのが普通やということや。

その100%の物は、新聞販売店から引き取って来る残紙以外には考えられんという。

その確かな量は未定やが、残紙の量を、新聞全体の10%前後くらいやと推定すると、新聞古紙回収率が60%として、新聞古紙全体の20%近くは、それがあることになる。

一般的な古紙回収問屋では、その混入率によって別けられ、圧縮機にかけられるという。

やはり、古紙の値打ちとしては、100%分別されたものの方が製紙会社の買値はええからな。その混入率によって買値が違う。

せやから、昔は、アルバイトの人間を雇うて、そのチラシの選別をさせていたそうやが、今は、古紙価格と人件費の問題でそれはしてないやろうということや。

新聞古紙100%のもの、チラシ混入率5%以内のもの、それ以上のものという具合に別けられとるのが普通やという。ストックヤード(一時保管所)も、当然そうなる。

テツに言わせれば、100%の新聞紙だけしか扱ってない古紙回収問屋というのはないのと違うかということや。

もし、そういうのがあるとすれば、製紙会社直属の子会社的な古紙回収問屋やないかという。表向き、そう謳っとる所やな。もっとも、その確かなことは、内部でしか分からんやろうがな。

『更には新聞100%で回収された家庭排出新聞紙で新聞用の用紙を再生処理されている製紙会社をご存知でしたら、お知らせいただきたいのですが!』

これはD製紙が、平成17年に日本で初めてその開発に成功したということや。

これは、いろんな面でかなり難しいことのようや。

良う、古紙の配合率が高いほど環境にやさしいと言われ、また世間ではそう思われとるようやが、必ずしもそうやないと思う。

古紙の配合率を上げると製造工程で洗浄液を多量に使用することが必要になり、これが環境に悪影響を与える懸念が強い。

また、かなりのコスト増にもなるため、多くの製紙会社が、それに対して消極的やったというのもある。

因みに、一般的な製紙会社の新聞古紙による再生使用率は75%程度と言われとる。

あんたが、何でそういうことを聞きたがるのかは良う分からんが、例え、そういう製紙会社があったというのが分かったとしても、あまり意味がないと思うんやがな。

たいていの新聞社は、ある特定の製紙会社だけの紙で新聞を印刷しとるわけやない。これは、業界の昔からの慣習でそうなっとることや。

古くは、新聞用紙の安定的な確保のために、1社限定の紙使用を避けたということから始まったことやと聞いとる。

数社から数十社の製紙会の新聞用紙を使用しとるのが普通とのことや。その配合は、それぞれの新聞社、印刷工場で違う。その辺は、企業秘密に属することやから、外部の人間では分からん。

当然のことながら、その100%古紙使用の新聞用紙であっても、他の製紙会社の用紙と混合されとると思う。

つまり、100%が100%になってない可能性が高いわけやから、それについて知っても意味がないという気がするのやけどな。

あんたにとって、あまり期待したような回答やなかったかも知れんが、ワシに分かるのは、この程度のことや。

この場を借りて読者の方に一言。これについて専門知識をお持ちの方がおられれば、是非、教えて頂ければ、有り難いのやけど。


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