新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.400 新聞販売店が1箇所しかないのですが
投稿者 おがわさん 投稿日時 2007.4.27 AM 3:53
はじめまして。引越しをして今の所に来ました。
この地域は、新聞販売店が1箇所しかなく、全ての配達される新聞がこの店担当となっています。
A紙・Y紙なども、全紙を通してこの店だけが扱っています。なので、契約も全くしない状態です。更新も、購読期間も全く契約していません。
「他紙に変えたければ、電話してもらえれば翌日からでも変えられます」
「うちと契約をしなければ、配達している店は一切ないから、自分で買いに行くしかないですよ」との事ですが、1店舗だからか、対応がひどくて。
日曜日に、雨にぬれた新聞で読めなかったため、9時過ぎにпBしかし誰も出ない・・・
集金の時にクレームを言うと「日曜は事務所が休みだから。そんな時は月曜日に電話してくれ」と言われました。
と言うことは、配達忘れなどの対応は即日ではないってこと?
他にも違う新聞で店舗があれば良いのですが、この状況って納得できなくて。
過去のQ&Aを拝見しましたが、やはりどうしようもないのでしょうか・・・
回答者 ゲン
『過去のQ&Aを拝見しましたが、やはりどうしようもないのでしょうか・・・』ということやけど、結論から言うと、そうなる。よほどのことでもない限りはな。
少なくとも、この販売店のやっとる行為を指摘して何らかの打撃やぺナルティを加えるのは難しいやろし、自ら心を入れ替えるとか悔い改めるということを期待するのも無理な話やと思う。
こういう販売店を業界では合配店と呼んどる。因みに特定の新聞を扱うのを専属販売店と言う。
合配店に対しては、本来、立場的には上であるはずの新聞社が文句の一つも言えんという事情がある。
すべての新聞社は、「どうか新聞を売ってください。配達してください」と、ただお願いするしかないというのが、それや。
せやから、たいていのわがままは通るし、通す。好き放題しとると言うてもええ。
『NO.54 夕刊についての質問』なんかは、その典型やと思う。
これも合配店でのことやが、ここでは、前日の夕刊を翌日の朝刊と一緒に配達するという、常識では考えられん暴挙をしていたということや。
ハカセがこの暴挙を、各新聞社に問い合わせた所、どの新聞社も一応に驚いていたという。
どの新聞社もあってはならん事やと異口同音に言うてたが、合配店でのことやと説明すると、急にトーンダウンしてしもうたらしい。
また『NO.328 他に新聞を取る営業所が無い為、困っています』 には、あんたの所と似たような事例がある。
『集金の時にクレームを言うと「日曜は事務所が休みだから。そんな時は月曜日に電話してくれ」と言われました』というのも、とんでもない話やが、合配店ならそう言い張っても通るわけや。
『と言うことは、配達忘れなどの対応は即日ではないってこと?』というのも、そのとおりと言うことになる。
合配店の地域内に居住されとる方は、他の地域のような景品のサービスというのも皆無や。
聞けば、あんたは『雨にぬれた新聞で読めなかった』と言われとるが、雨が降れば、どこの新聞販売店でも常識としてビニール梱包機で新聞をパックし、濡れんような配慮をするもんやが、それすらしてへんようやな。
もちろん、これらについての苦情は正当なものや。場合によれば、違反行為を理由に、その分の新聞代の支払い拒否も可能やと思う。
しかし、例えそうしたとしても、その合配店は、おそらく何の痛痒も感じんやろうと思う。
「嫌なら、新聞止めてくれて結構や」と考えとるやろうからな。せやなかったら「うちと契約をしなければ、配達している店は一切ないから、自分で買いに行くしかないですよ」と、言えるはずがない。
ワシの知る限り、この合配店の店主には、総じて傲慢な者が多い。もちろん、そんな人間ばかりやないと信じたいが、評判のええ合配店の店主というのは、未だに耳にすることすらないからな。
これは、宅配制度があるが故の歪みやと思う。
新聞販売店には、宅配エリアというものが決められていて、これは、ほぼ厳格に守られている。例えばA新聞の販売店同士やと、その境界を超えて営業したり配達したりすることは絶対に許されてないわけや。
それと同じ理屈で、新聞各社は、合配店にも、その配達エリアを尊重するのが普通や。そのエリアに隣接する専属販売店が、そのエリアを冒すことは許されん。
そういう販売店の地域内に居住する人は、いくら理不尽やと思うても、宅配を希望する限りは黙って、その合配店から新聞を取るしかないとなる。嫌なら、止めるしかない。
まあ、幸いというか、こういう所やと、新聞を止めたいと言うても、他の地域のように揉めることは少ないやろうがな。簡単に止められるはずや。契約書すらないのやから、それで揉める要素は何もないさかいな。
ただ、こういう、合配店が、いつまでも傲慢でしかも安閑としていられるかというのは、はなはだ疑問ではあるがな。
実は、こういう合配店が崩れていくというケースは、世間一般では知られていないが、結構あるんや。
当メルマガ『第138回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■正義なき暗闘 Part1 ある合配店でのケース』で、その話を詳しくしとるから、良ければ読んでみてほしいと思う。
新聞各社は、その地域に専属の販売店がないか、そのなり手がおらんから、仕方なく合配店に宅配を依頼しとるだけで、本音は、自社の専属販売店を持ちたいと考えとるはずや。
この話では、そのチャンスやと考えた新聞社が、専属販売店を出すべく行動を起こした経緯と、それを防ぐ合配店および拡張団の攻防が語られている。
そして、たった一店舗でも、そこにそういう販売店ができれば、その合配店も否応なく競争の原理に巻き込まれ、それまでの状況を維持できんようになる。
さらに言えば、これは希なケースやなく、現在、全国のあちこちで起こっとることでもある。そういう具体的な報告が、届いとるさかいな。
新聞社にすれば、合配店は営業するわけやないから、それ以上、部数がそこで増える要素がほとんどない地域ということになる。顧客が増えるとすれば、その地域の人口増加があった場合くらいなものや。
そういう合配店の所では、確実に嫌気をさして購読を止める者が増える。特に、他の地域でのことを良く知っている転居者はな。あんたも、いずれはその口やないのかなと思う。
ただでさえ、若い世代を中心に無読が増えとるのが現状やのに、このままやと、取り返しのつかんほど客離れが進行する危惧が強いと新聞社が考えてもおかしくはない。
加えて、新聞販売店の経営をしたいと考える経営者にとっては、その合配店のエリア内で販売店を出すのは、大きなチャンスやと捉える人間もいとるはずや。また、そう説得して煽るのも造作ないやろうしな。
その合配店の出方次第というのもあるが、ちょっとしたサービスをするだけで、簡単に転ぶ客が相当数いとるものと考えられる。
その合配店に関して、あんたのように日頃から不満に思うとる人は、かなりいとるやろうからな。
あんたの地域が、必ずそうなるかというのは何とも言えんが、少なくとも、そういう不満の声を上げることで、専属販売店の出店を考える新聞社が現れる可能性もあると思う。
「私は、長く貴社の新聞を愛読してきましたが、当地域の販売店が嫌なので、誠に残念ですが、このままでは購読を止めるほかはありません」という具合やな。
そういう声が多く上がれば、無視もできんようになるはずや。
冒頭で「どうにもならん」とは言うたけど、まったくどうしようもないということでもないということになる。よほどのことでもない限りと補足して言うたのには、そういう理由があったからや。
もっとも、あんたの所がそうなる可能性があるか、どうかは分からんけどな。ただ、だめもとでやってみる価値はあるかも知れんという気はする。新聞社の中には、それらの事について、その合配店に注意する勇気ある担当者が現れんとも限らんさかいな。
そうなれば、多少、その状況も変わる可能性があるとは思う。